2019年10月23日 更新

5レーン理論とは?【サッカーの戦術解説】

現代サッカーの戦術を理解するうえで必須となった5レーン理論についてまとめてみました。サッカーの戦術を理解するうえで非常に便利で役に立つので知っておいて損はないですが、5レーン理論に傾倒しすぎるととくに育成年代では弊害もあるので、5レーン理論は理解したうえで絶対視しないことが重要です。

  
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5レーン理論とは?

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5レーン理論とは、サッカーにおけるフィールドを縦に5分割して、ポジショニングに対しての約束事を設定するプレーモデルのことです。同レーン上にポジションが近い選手が並ばないで隣り合うレーンの選手は斜めのポジションをとるという約束事を作ることで、サイドで流動的なポジションをそれぞれが取りながらもトライアングルができます。

選手のポジショニングを入れ替えながらも位置関係を崩さずパスコースを限定させないことが狙いです。ピッチを5分割する考え方のことを5レーン理論と呼ぶこともありますし、5分割して同じレーンに2人連続してポジショニングしないという決めごとを5レーン理論ということもあります。

5レーン理論の3つの優位性とは?

サッカーは位置的優位、数的優位、質的優位の3つの優位性に分けることができますが、5レーン理論は、使い方によって3つそれぞれの優位性を高めることができます。5レーン理論に基づいてプレーしていても活かしたい優位性はチームによって違いますが、5レーン理論が優れているところは、どの優位性を高めることにも応用が利くところにあります。

また、この3つの優位性を高めるためのプレーモデルに基づいた戦術をポジショナルプレーと呼び、5レーン理論はポジショナルプレーの概念のうちの一つの戦術といえます。

位置的優位

位置的優位とは効果的な陣形、位置関係を維持したポジショニングをすることによる優位性です。5レーン理論による同じレーンに2人連続してポジショニングしないで隣の選手同士は斜めに立つという約束事は、位置的優位性を高めて、全体の陣形の意図しない密集や分散を防ぐために有効です。

数的優位

数的優位とは局面において相手の選手の数を上回ることによって得られる優位性で、運動量をあげる、陣形をコンパクトにする、片方のサイドに選手を寄せるといった数的優位を得る方法があります。

5レーン理論で得られるサイドでのトライアングルを選手間の距離を狭めることで、局面で数的優位を作りやすくなります。トライアングルを回転させてポジションを入れ替えることも数的優位な局面では効果的です。

質的優位

ドリブル、センタリングなどストロングポイントを持った選手を活かすことを質的優位といいます。

例えばドリブルが得意な選手なら大外のレーンにポジションさせ、周りの選手はハーフスペースにポジショニングすれば、大外の選手はドリブルしやすい状況を作ることが出来ます。ポジションが被らずに、得意なエリアで個人能力を発揮させるうえでも5レーン理論は有効です。

5レーン理論の効果

攻撃面

5レーン理論によって攻撃面では、パスコースが得られやすくなり、サイドで手詰まりになりにくくなります。理由はサイドの位置関係でトライアングルを形成することが約束事となっていることで、選択肢が複数ある状態を保てるからです。

またピッチを縦に5分割することで、端から2番目と4番目のハーフスペースを活用した攻撃パターンを作ることが容易になります。

守備面

5レーン理論はサッカーにおける効果的な位置関係の陣形を保つためにあるので、ボールを持っている状態でも持っていない状態でも有効です。とくに攻撃から守備への切り替えの局面において5レーンにそれぞれ人がいることで縦にボールを運ばせることを防ぎやすくなります。

攻撃時に自分がどのレーンに立っているかを把握しておけば、守備に切り替わった際に誰がどのレーンからの前進を押さえるかをはっきりさせることができます。

サイドバックの求められる役割とは?

ピッチを中央とサイドに3分割して捉えていた時代にはサイドバックはサイドを上下動することが役割でしたが、ピッチを5分割するとサイドバックは大外とハーフスペースのどちらでもプレーできるようになることが求められます

タッチラインが近く、プレーの選択肢と視野が限定される大外と違いハーフスペースでは360度の選択肢があるため、サイドバックでもターンや逆足でのボール扱い、広い視野の確保が必要なスキルとなります。そのため、サイドバックは元ボランチの選手が務めることが増えていますので、将来サイドバックでプレーしたいサッカー少年はボランチでのプレー経験が役に立ちます。

5レーン理論の弊害とは?

5レーン理論はサッカーにおける絶対的な原則ではなく、あくまでもフィールド上のそれぞれのポジショニングを頭の中で整理するうえでの手段であって目的になってはいけません。5レーン理論を意識すれば効率的なポジショニングとなり、位置が被ることもなくなります。

一方でポジションが偶発的に被ることを利用したスルーやワンツーといった即興のコンビネーションプレーが生まれにくくなったり、ポジショニングが整理されると相手からは読みやすくなるという弊害があります。

5レーン理論の生みの親とは?

ペップ・グアルディオラ

Pep Guardiola on Instagram: “And that’s how I spent my weekend 🍻 #pepguardiola #pep #guardiola #beer #beerlover #throwback #fcbayern #mcfc #sport #weekend #weekendvibes…” (87178)

ペップ・グアルディオラが監督に就任する前からバルセロナには5レーン理論はすでにあり、机上の論理が先ではなく、言語化はあとからついてくるもので、すでにバルセロナにあったものを体系化したのがグアルディオラだったわけです。

ピッチ上に数多くのトライアングルを形成してボールポゼッションで相手を圧倒するスタイルは、グアルディオラがバルセロナの選手だった時代から続くバルセロナの伝統です。

グアルディオラ監督は、このチームが暗黙の了解で分かりあっていることを説明してピッチ上に落とし込むために5レーン理論を体系化させたといえますから5レーン理論のオリジナルはバルセロナにあります。

バルセロナにおける5レーンの使い方

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