2019年1月3日 更新

バイタルエリアとは?徹底解析 【サッカー用語・言葉】

サッカーの試合中継でよく聞く「バイタルエリア」という言葉。とても重要な意味があるように使われていますが、では一体バイタルエリアとはサッカーにおいてどのような意味があり、どのように重要なのでしょうか。図による解説で理解しておきましょう。

  
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サイドで抜けられると、図のように、結局中央のCBがカバーリングせざるを得ないので、またしても中央にスペースを作ってしまいます。

しかもこの状況はディフェンス側が自分たちのゴールに向かって戻りながらの守備になりますね。図では省略していますが、相手の他のポジションの選手がこの流れに合わせてペナルティエリアに飛び込んできても、戻りながら守備を行っているディフェンス側の選手にはそれが見えません。失点のリスクが高まっているのが分かりますね。

図4 下がることしか出来ない

バイタルエリアで前を向いてボールを持たれたら、無難な選択はもう下がるしか無いことが分かります。

しかし、どこまでも下がるわけにはいきませんし、図であればこれ以上下がると相手はやすやすとペナルティエリアに侵入出来ます。
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また何もしなければ、相手は実に余裕綽々でしっかりと狙いをつけたミドルシュートが放てます。下がれば下がるだけより精度を増したシュートを打たせてしまいます。こうなるとキーパーからは怒号が飛びます。サッカーでフリーの状況を与えて打たせるならば、圧倒的にキッカーが有利です。しかもペナルティエリア前後は絶好のシュートポイントでもありますから、キーパーが怒るのは当然と言えます。

そのような時間的な余裕を与えないようにと考えるならば、即応できるCBが前に出るしか選択する対応策が無いことになりますね。結局図1のようにディフェンスに穴をあけるリスキーな選択を強いられてしまうのです。見事にオフェンスのやりたいように動かされてしまう結果となります。
以上がサッカーにおいてバイタルエリアを重要視する意味になります。

相手はバイタルエリアで前を向いてボールを持っただけのように見えますが、それだけでディフェンス側は選択肢が無くなり、オフェンス側の有利になるようなリスクを取らなければならなくなってしまうのです。

このためにサッカーの戦術上では「バイタルエリア」とは、その言葉にこれだけの危険を含めた意味を持たせているわけです。

バイタルエリアの守り方とは?

サッカーにおけるバイタルエリアという言葉がもつ意味や重要性が理解できたと思いますが、これで終わってしまっては意味がないですね。

サッカーで勝つためにはバイタルエリアの守備が重要なのですから、危険さがわかったところで一歩進み、ではどうやって守ればいいのでしょうか。

図1 バイタルエリアに入れさせない

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前述のDFラインの前に、省いていたボランチを置いてみましょう。これだけでバイタルエリアの危険性を著しく下げることが出来ます。

ボランチがいるだけで相手はバイタルエリアでボールを受けることが難しくなりますね。無理にここで受けたとしても、すぐにボランチが張り付けるので前を向かせることもありません。
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サッカーにおいてボランチが軸になる重要なポジションである意味がここにあるのです。

図2 バイタルエリアへのパスコースを消す

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図はサイドから相手に持ち込まれようとしている局面ですが、CMFのAの位置に注意してください。

Aの選手がバイタルエリアへのパスコースを消しながらサイドッバックの応対をサポートしています。もしサイドから切り込まず、中に向かってドリブルされてもそこでカットに行ける位置に、バイタルエリアへのパスを消しながら動いているわけです。

相手は戻してサイドチェンジするか、強引な突破で、中央のFWと絡んだりクロスまでいけたらいいなぁぐらいの低い成功率に賭けるしか無くなります。

図3 バイタルエリアそのものを小さくする

どちらかというと個人的な対応策を2つ紹介しましたが、これらと複合してよりバイタルエリアの守備を効果的に行うのであれば、バイタルエリアそのものを小さくし、侵入もパスも非常に困難にするために、組織的な対応策もあります。

サッカーの多種多様な戦術でもこれは一貫して行われる対策で、俗に「コンパクトにする」と言いますね。

思い出して下さい、バイタルエリアはどこにあるのでしたか?

そう、DFラインとMFラインの間でしたね。

つまりDFラインを高くして、最終ラインから前線までをコンパクトに保てば、バイタルエリアは自然と狭く小さくなります。サッカーの試合中に監督などが大声やジェスチャーでラインを上げるよう促しているのは、このためなのです。

下の図を見てもらうとよくわかりますが、なんとなくそれなりのポジションに守備側がいるように見えますが、全体的にボールへの寄りが甘く、バイタルエリアが広いため、ここにボールを入れられて前を向かれると決定的なチャンスを作られやすい状況です。
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この状態をより固い守備にするために、全体をコンパクトにしバイタルエリアを狭くすることで、相手が攻めにくい状況にします。そのためのポジション修正図が下の図になります。
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全体的にボールサイドに寄ることによって、バイタルエリアの横幅も実質的に狭めることができますし、お互いをカバーリングしやすい距離間になります。このためには、DFラインとMFラインが組織として連携がとれていなければなりませんし、選手一人一人がバイタルエリアの守備に関する知識を共有している必要があります。
以上が基本的なバイタルエリアの守り方となります。実際のサッカーの得点シーンを観ると、上に上げたような動きや考え方による守備が間に合わず失点していることがほとんどです。

特にペナルティエリア近辺ではどうしてもシュートを警戒せねばならず、より的確な判断力と対応力が求められます。

また、守備は個人では行えないですが、全員が同じような意識でディフェンスを行えるようにまで組織化するのは非常に難しいですし、時間がかかります。ですが、日々の練習の積み重ねが確実に出てくるものでもあります。

バイタルエリアの攻め方とは?

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