2019年2月10日 更新

超回復と筋肉痛の関係性とは?気になる疑問を解決しよう!

みなさんは『超回復』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?上手に運動プログラムを組んで、適切な栄養補給をすると、翌日以降この超回復によって以前よりもパワーアップすることが可能になります。今回は、この超回復について解説しつつ、トレーニング翌日に付き物の筋肉痛と超回復との関係性についても取り上げます。

  
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筋肉痛とは?

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まずは筋肉痛について確認していきましょう。
運動当日に筋肉痛が来れば若い、翌日や更に次の日に筋肉痛が来れば年寄り。筋肉痛にならないと筋肥大しない。などなど、我々にとって身近な現象である筋肉痛のため、様々な俗説が言われています。ところが、この筋肉痛の中身は超回復以上に知られてないのが現状です。
筋肉痛とは何なのか?筋肉痛はどのようなメカニズムで発生するのか?次の日に筋肉痛が来れば若いのか?
これから筋肉痛を簡単に解説します。

筋肉痛・・・正式には『遅発性筋肉痛(DOMS)』

一般的に筋肉痛と呼ばれる現象は、正式には遅発性筋肉痛(Delayed Onset Muscle Soreness )と言います。これを略してDOMS(ドムス)という言い方もあります。
勘違いしていけないのは、翌日や更に次の日に来る筋肉痛を遅発性筋肉痛を言うのではなく、運動して次の日に来る、いわゆる「若い人の次の日の筋肉痛」が遅発性筋肉痛だと言うことです。(逆に、次の日ではなく当日に痛むようであれば、筋肉痛ではなく、肉離れや筋挫傷といったケガも疑われます。)
ですので、翌日に来ず、更に次の日など遅く来る筋肉痛の場合は、通常の遅発性筋肉痛よりも更に遅れた筋肉痛ということになります。

遅発性筋肉痛の概要

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筋肉痛は一般的にエクササイズ終了後翌日から翌々日までに発生し、肉体的な苦痛や疲労感を感じるようになり、これが2日から3日程度続きます。適度な休息を取ることで痛みと疲労は次の日から徐々に回復しますが、長いと場合8日から10日程度かかることもあります。

筋肉痛は、翌日に来るかどうかにかかわらず、日常的に運動をしていない人や、運動をしていたとしても普段行わない不慣れなエクササイズを実施した場合に発症するとされています。あるいは、普段慣れている運動であっても、負荷を変えた場合、例えばトレーニングをいつもより高強度で実施した場合も筋肉痛が発生する可能性があります。

ただし、筋肉痛の発生メカニズムは、実はいまだ解明されていません。
これまで有力とされてきた筋肉痛のメカニズムを3つ紹介します。

筋肉痛の原因 仮説① 乳酸説

乳酸 イメージ

乳酸 イメージ

筋肉痛の原因として最初有力とされていたのがこの乳酸筋肉痛説です。
高負荷運動による疲労によって、疲労物質である乳酸が筋中に貯まり、それが筋肉痛を引き起こすという理屈です。
この説がなぜ過去形になったかと言うと、研究が進むにつれて、確かに当日の運動直後は乳酸が溜まるものの、その後一時間程度でその乳酸の大半が除去されることがわかりました。
そのため、次の日からくる遅発性筋肉痛の原因には当てはまらないとして、この説は否定されています。

ちなみに、筋肉痛はストレッチで治す、筋肉痛はマッサージで治すといった俗説が広まったのか?の答えがこの説にあると言えます。
なぜかというと、筋肉痛時にストレッチ、マッサージを行うのは血行を促進して溜まった疲労物質を除去する、という理屈ですので、この説を前提とした場合の筋肉痛解決策として広まったと言えるでしょう。

筋肉痛の原因 仮説② 筋線維の炎症説

筋線維の炎症 イメージ

筋線維の炎症 イメージ

こちらは現在筋肉痛のメカニズムとして有力とされている、筋肉の活動における伸張性筋活動が筋肉痛に直結するという説です。
伸張性筋活動は筋肉が伸ばされる方向に負荷がかかる活動のことです。そのため、筋肉がより損傷し、筋肉痛になりやすくなるのです。
運動当日の伸張性筋活動(例えば山登りの下りにおける腿の前の筋活動)によって筋線維に微細な損傷が発生し、その損傷の回復過程として炎症が起き、刺激物質が生産され、筋膜(筋肉を包んでいる膜)を刺激する筋肉痛を発生させます。
伸張性筋活動によって筋肉痛が発生するケースというのは実際に多く報告されており、経験則としても学術的にも有力な説です。

しかしながら、動物実験等では筋線維の損傷がなくても筋肉痛が発生しているというケースも確認されていることから、これも筋肉痛の原因として決定的なものにはなっていません。

筋肉痛の原因 仮説③ 最新の説

動物モデルを用いた研究で筋肉痛を示した動物の筋を調べると、筋線維の損傷も、炎症反応も起こっていない代わりに、ブラジキニン(BK)、神経成長因子(NGF)などの発現増加が見られ、特に、NGFの抗体を与えてそのはたらきをブロックすると、筋肉痛の発生が抑えられることなどもわかりました。
これらの結果に基づいて、
1)伸張性収縮によって筋線維からATPやアデノシンなどが漏出し、これらが血管内皮細胞からBKを分泌させる
2)BKは筋線維にはたらき、筋線維からNGFを分泌させる
3)NGFは筋内の機械刺激受容器(圧受容器)にはたらき、その感度を上昇させる
4)その結果、通常では圧受容器を刺激しないような軽度の圧迫や筋収縮にも圧受容器が過敏に反応し、痛みが生じる。

この仮説が正しければ、筋肉痛と筋の損傷・炎症には直接的な関係はないということになります。

筋肉痛からの回復

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一般的に筋肉痛は、発症後24~48時間程度で解消されます。
出来ることなら早めに無くなってほしい筋肉痛ではありますが、その発生のメカニズムが解明されていない以上、対策にも限界があります。
その中で出来ることとしては、
・入浴等で血行を良くする
・しっかりと栄養を摂る
・ゆっくり休養する
の3つになります。

特に運動後は筋肉を修復するホルモンが分泌されますので、筋肉の素となるたんぱく質を中心に各栄養素をバランスよく摂取しましょう。タンパク質だけではなく、糖質やビタミンB群を摂取することで回復が早まると言われています。また、野菜等で各種ビタミンを摂取することで、筋肉の炎症も和らげてくれます。

しっかりと栄養を摂ったら、その後はゆっくりお風呂に浸かり、夜は早めに就寝しましょう。

筋肉痛と超回復の繋がり

筋肉痛について解説してきました。
すでにお気づきかと思いますが、”筋損傷から栄養と休養で回復へ繋げる”という筋肉痛への対処と、超回復を促すための処置。
そして”24~48時間程度”という筋肉痛からの回復と超回復の期間が、ちょうど重なるのです。

つまり、トレーニングをして次の日に筋肉痛になったら、それを回復させるように翌日から翌々日までしっかり栄養と休養をとると、それがちょうど超回復の回復過程と重なり、次のトレーニングに取り組む目安となる。というわけです。

これが、
『筋肉痛と超回復は直接的な関係は無いが、筋肉痛は超回復後の疲労回復とトレーニング再開時期の目安として利用できる』
とした理由になります。

超回復の失敗 オーバートレーニング症候群

オーバートレーニング イメージ

オーバートレーニング イメージ

最後に、十分な超回復を行わないまま、疲労が溜まったまま筋肉を刺激し続けた場合に起こる障害について紹介します。

運動によって生じた疲労が積み重なって引き起こされる慢性疲労状態が『オーバートレーニング症候群』です。生理的な疲労が、十分に回復しないまま積み重なっていくことで起こります。

特にスポーツトレーニングは日常の身体活動のレベルより大きな負荷の運動をすることによってトレーニング効果が得られるという原則があります。
これを『過負荷の原則(オーバーロード)』といいますが、大きな過負荷を続けると同時に、疲労回復に必要な栄養と休養が不十分であった場合には、かえって疲労が蓄積していき、筋肥大や超回復どころか競技の成績やトレーニングの効果が低下してしまいます。このような状態をオーバートレーニング症候群といいます。

オーバートレーニング症候群の症状

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