2019年10月21日 更新

ビルドアップの意味とは?戦術的な考え方も詳しく解説!

現代サッカーにおいて非常に重要視されているビルドアップですが、サッカー用語として定着しています。ここではサッカーでのビルドアップとはどのようなもので、どんな意味があり、どうして重要視されるプレーなのかを解説していきたいと思います。

  
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サッカーのビルドアップにおけるFWの役割

Instagram post by Bobby Firmino 窶「 Oct 25, 2018 at 11:16am UTC (62519)

ビルドアップではウィングを含むFWの役割は前線に張ることよりも中盤に降りて縦パスを受ける役割が重視されます。

なぜならビルドアップのためにポジションバランスを崩して後方に下がっているMFが空けたスペースを埋めつつ、パスコースを増やすことが重要だからです。このためボールをおさめるトラップ技術やワンタッチではたく視野の広さが求められ、しかも中盤の数的有利を作り出す戦術眼など、従来のストライカーの役割だけでは務まらないポジションとなっています。

代表的な選手は、ユベントスのディバラやリバプールのフィルミーノなどです。

ビルドアップの型について解説

サッカー観戦をしているとビルドアップには一定のパターンがあることがわかってきます。後方から安全に確実にボールを運ぶために必要なポジショニングやスペースメイクは、シンプルであることが大切で、複雑なポジションチェンジやパスワークはミスを誘発しやすく、またオートマチックなプレーとして確立するのが難しいためです。

サッカーのビルドアップにはどのような型があるのかを図で解説します。

ボランチが降りて数的有利を作り出す型①

 (62520)

青丸:味方選手
黄丸:自チームGK
赤丸:敵選手
灰色矢印:選手の動き

ボランチを降ろすため両CBが左右に開き、両サイドバックは幅を取りながら高い位置までポジションをあげる。

ボランチが降りたスペースにはインサイドハーフやウィング、FWなどが降りて縦パスのコースを作り出す。
サッカーのビルドアップではボランチのポジショニングが重要です。最も一般的なのは世界最強と呼ばれたころのバルセロナが確立したボランチの選手がCBの間に降りてパスワークの中心になる型です。

主にビルドアップという用語が用いられる際はこの形がスタンダードにイメージされていると思います。GKを含めて4人がパスコースを作り出すため、プレッシングを剥がして前に運ぶ際に抜群の安定感を誇ります。

ただしボランチが1枚減った中盤の数的不利をどのように解消するかも大切で、後方で保持しているだけのビルドアップでは意味がないため、FWが1枚下がったりウィングなどのサイドの選手が中に入るなど、連動しなければいけません。

ボランチが降りて数的有利を作り出す型②

 (62521)

青丸:味方選手
黄丸:自チームGK
赤丸:敵選手
灰色矢印:選手の動き

SB後ろにパス能力に優れたボランチが降りることで、ここからロングフィードや中盤に残ったボランチを経由するなどして逆サイドで高いポジションにいるサイドアタッカーへボールを供給する。

相手がプレッシングに来なければ同サイドのSBをサポートしつつ前進する。
主にダブルボランチのフォーメーションの場合のビルドアップで活用される型です。ボランチの片方が高い位置のスペースへ移動したSBが空けたスペースに入りビルドアップをサポートします。

片側に相手のプレスを誘導したあとに逆サイドへ展開する際にこの形になることでサイドでの数的有利を作り出して、素早いサイドアタック戦術を行うときに活用します。

ボックス型ビルドアップの型

 (62528)

青丸:味方選手
黄丸:自チームGK
赤丸:敵選手
灰色矢印:選手の動き

適当な距離感でCBとボランチが開きボックスを形成する。もちろん相手のプレスに合わせてボックスの形を変形させてパスコースを確保する。

どの選手も3方向以上のパスコースが瞬時に見つけられるので、プレスをいなしやすいが、SBもサポートに残るためミドルサード到達後の攻撃の速度は出にくい。
4バックでダブルボランチのフォーメーションで使われる型です。中央にCBとボランチでボックスの形を作り、この中に相手プレスを置いてコントロールしながら前に運びます。

パスコースが多く数的有利であればかなり安定する形ですが、後ろ向きにプレーすることが多いボランチはボールを捌くのが難しくなるため、前を向いたSBが高い位置ではなく横でサポートする必要があり、若干サイド攻撃が鈍くなりがちです。

選手の個性に合わせて導入する必要がありますが、ボランチがDFに降りないことで中盤の人数は揃っているので、前線にボールが入ったあとの攻撃戦術のバリエーションが広がるのがメリットだと言えるでしょう。

3バックシステムにおけるビルドアップの型

 (62533)

青丸:味方選手
黄丸:自チームGK
赤丸:敵選手
灰色矢印:選手の動き

3バックが若干サイドに広がって幅をとり、ウィングバックは可能な限り高いポジショニングで相手サイドの選手のポジションを牽制する。

中央のスペースを中盤の選手が自由に活用してミドルサードまでのルートを確保する。

サイドに開いたCBは4バックにおけるサイドバックのようなタスクをこなすことでサイドでの数的有利を起点にする場合が多い。
ビルドアップを安定させることにプライオリティをおいた戦術では3バックシステムを導入することが多いですが、4バックよりもパスコースが増え、よりポゼッションよりのビルドアップができる特徴があります。

ボランチがスペースを空けて降りなくとも後方の数的有利が確立できるビルドアップですが、ウィングバックとなるサイドの選手が高い位置を取らないと後ろが重い攻撃に陥りやすく、単発の攻撃で終わってしまいがちなため、選手全員の共通認識が必要なビルドアップとなります。
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