フルートの歴史とは?フルートの起源の始まりと語源を解説!
フルートの歴史は、旧石器時代に始まりました。フルートの起源は、動物の骨で作られた笛でしたが、さまざまな研究と改良がなされ現在の姿になっています。フルートの語源は、ラテン語のFlatusです。長い歴史を持つフルートは、多くの奏者や聴衆に愛される楽器に進化を遂げ、吹奏楽部やオーケストラに無くてはならない存在となりました。
2023.03.16
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フルートの歴史とは?
フルートの歴史は楽器のなかでかなり古く、旧石器時代に作られた横笛が元になったとされています。フルートの名前は、ラテン語の息吹に由来しています。
フルートは、長い歴史でシルクロードを経て全世界に広がったことで、今のような形となりました。18世紀頃に一般に普及したフルートは、2020年現在多くのコンサートや教育の現場で用いられています。
フルートは、長い歴史でシルクロードを経て全世界に広がったことで、今のような形となりました。18世紀頃に一般に普及したフルートは、2020年現在多くのコンサートや教育の現場で用いられています。
フルートの起源・始まり
フルートの起源は、スロヴェニアやドイツの洞窟で発見された、旧石器時代にネアンデルタール人や現生人類が作ったとされる横笛です。フルートの始まりとなる旧石器時代の横笛は、アナグマやハゲワシの骨でできていました。
フルートの語源
フルートの語源は、ラテン語で息や息吹を意味するFlatus(フラトゥス)です。フルートの歴史の始めの時代では、フルートをはじめとする息を吹き込む楽器は、生命を吹き込むこ神聖なものとされる思想がありました。
フルートの発祥の地
フルートの発祥の地や、最初にいつ使われたかは歴史上明確ではありません。一説では、フルートの原型となった横笛は、紀元前9世紀頃に中央アジアからシルクロードを経て、中国やインドに伝わったとされています。その後、日本やヨーロッパに伝わり、世界各国に広がりました。
リコーダーとフルートの関係
時代 | 縦笛の呼び名 | 横笛の呼び名 |
---|---|---|
18世紀 | フルート | フラウト・トラヴェルソ |
フリュート・トラヴェルシエール | ||
2020年 | フラウト・ドルチェ | フルート |
フリュート・ア・ベック |
18世紀半ばまでは、縦笛のリコーダーのこともフルートと呼ぶことが一般的でした。当時は、リコーダーと横笛を区別するため、横笛のことを横向きのフルートを意味する、フラウト・トラヴェルソやフリュート・トラヴェルシエールと呼んでいました。
2020年現在では、リコーダーをはじめとする縦笛はフルートではなく、フラウト・ドルチェやフリュート・ア・ベックと呼ばれています。
2020年現在では、リコーダーをはじめとする縦笛はフルートではなく、フラウト・ドルチェやフリュート・ア・ベックと呼ばれています。
フルートの仕組みと構造
フルートは、管体が3つに分かれている構造で、管を挿入する深さで音の高さを変えることができる仕組みです。フルートは音域が3オクターブもあり、演奏時に豊かな表現をすることができます。
発音原理
フルートの発音原理には、2つの説が存在します。
①唇から楽器の吹き込み口に吹き込んだ空気でカルマン渦を発生させて振動する
②息を楽器に吹き込んだときに楽器の内圧が上下し、反復減少が発生して振動する
どちらの説も、発生させた振動に対して楽器の中の空気の柱が共鳴して音が鳴る仕組みです。
①唇から楽器の吹き込み口に吹き込んだ空気でカルマン渦を発生させて振動する
②息を楽器に吹き込んだときに楽器の内圧が上下し、反復減少が発生して振動する
どちらの説も、発生させた振動に対して楽器の中の空気の柱が共鳴して音が鳴る仕組みです。
構造
via pixabay.com
フルートは、一般的に管体が頭部管・胴部管・足部管の3つに分かれるような構造です。3つの構造から作られているフルートは、持ち運びするときや保存するときに分解して、演奏時に組み立てることができる仕組みです。
フルートは頭部管を胴部管に挿入する深さで音高を変化させて、ほかの楽器とのピッチをあわせることができます。
フルートは頭部管を胴部管に挿入する深さで音高を変化させて、ほかの楽器とのピッチをあわせることができます。
音域
幅広い音域を持つフルートは、柔らかで表情豊かな3オクターブの音を出すことができます。ハイトーンで明るく鋭い音を出すことを得意とするフルートは、よく通る音がでるため、吹奏楽部やオーケストラでソロを担うことが多いです。
フルートの歴史年表
フルートの歴史は、旧石器時代から始まりました。フルートは、始めは骨で作られた横笛でしたが、時代を重ねるごとにキーを増やすような改良が加えられ、今のような形になりました。
古代~ルネサンス時代
旧石器時代 | 骨で作られた笛の登場 | ドイツ,スロヴェニア |
---|---|---|
紀元前9世紀 | 横向きに構える笛の発祥と伝来 | 中央アジア |
ルネサンス期 | 軍楽隊や旅芸人が横笛を演奏し始める | ヨーロッパ |
16世紀頃 | 市民が開くコンソートでルネサンス・フルートが普及 | ヨーロッパ |
古代~ルネサンス時代に、フルートの始まりとなる横笛が使われ始めました。ルネサンス期以降には、市民の間で広く使われるようになります。
バロック時代
17世紀初頭 | ルネサンス・フルートの衰退 | ヨーロッパ |
---|---|---|
18世紀頃 | フルートの原型となったバロック・フルートの普及 | イタリア |
バロック時代には、17世紀に多く用いられるようになっていたルネサンス・フルートが衰退し、代わりに2020年現在に使われているフルートの原型となったバロック・フルートが普及し始めました。
古典派~ロマン派初期
18世紀半ば~19世紀前半 | 基本的な構造にトーンホールやキーメカニズムが設けられる | ヨーロッパ |
---|---|---|
リコーダーの衰退 | ||
クラシカル・フルート,ロマンチック・フルートの登場 | ||
産業革命期 | キーの多いフルートが開発される | イギリス |
古典派~ロマン派初期と言われる19世紀頃には、2020年現在のフルートのようなメカニズムが設けられたキーの多いフルートが開発されました。
ベーム式フルートの登場
1820年頃~ | 多くの奏者が構造の改良が繰り返す | ヨーロッパ |
---|---|---|
1847年 | ベーム式フルートの発表 | ドイツ |
1800年代には、数多くの奏者がフルートの構造を改良するようになります。1847年には、ドイツのベームがベーム式フルートを発表しました。
ロマン派中期以降
1860年 | パリ音楽院教授ルイ・ドリュが学院の公式楽器に認定する | フランス |
---|---|---|
フルート科の教授たちが歴史的な奏法の確立 | ||
20世紀頃 | 木製のベーム式フルートの普及 | ドイツ,オーストリア |
フルートは、ロマン派中期以降にはパリ音楽院の公式楽器に認定され、一気に知名度が上がります。世界各国での知名度が上昇したフルートには、さまざまな奏法が確立され、ドイツやオーストリアに木製のベーム式フルートが普及することとなりました。
近現代
第二次世界大戦前 | 特殊奏法の発展 | ヨーロッパ |
---|---|---|
第二次世界大戦後 | ソリストであるジャン=ピエール・ランパルが活躍 | フランス |
フランス風の演奏スタイルが広まる | 世界中 | |
現代 | コンサートや教育現場で用いられ、市民に親しまれる楽器に | 世界中 |
フルートは、第二次世界大戦後にフランス風の演奏スタイルが流行し、2020年現在は教育現場をはじめとするさまざまな場面で活躍する親しみやすい楽器へと定着しました。
フルートに似たピッコロの歴史とは?
フルートの派生楽器のピッコロの歴史は、比較的新しく、18世紀頃から始まりました。
ピッコロの語源は、イタリア語で小さいを意味する言葉です。フラウト・ピッコロ(小形フルート)が省略されてフルートと呼ばれるようになりました。
ピッコロの語源は、イタリア語で小さいを意味する言葉です。フラウト・ピッコロ(小形フルート)が省略されてフルートと呼ばれるようになりました。
ピッコロとは?
ピッコロとは、フルートの派生楽器です。長さはフルートの半分程度で、フルートより1オクターブ高い音を出すことができます。ピッコロは、フルートと同じ指使いで演奏できるため、フルート奏者がピッコロを兼任することも多いです。
ピッコロの起源・始まり
ピッコロの起源は、18世紀頃にフランス宮廷で使われていたとすることが始まりとされています。交響曲で初めてピッコロを楽器指定した人はベートーヴェンでした。ベートーヴェンは、交響曲第5番運命4楽章で最初に使われています。
ピッコロの語源
ピッコロの語源は、イタリア語で小さいを意味する言葉でした。同属楽器でも最も小さいことからフラウト・ピッコロ(小形フルート)と名付けられたものが省略化されたと言われています。
フルートの歴史を知ってもっと魅力を感じよう!
フルートには長い歴史がありますが、始めは正式に楽器と認められていなかったため、17世紀は雌伏の時期が長く続いていました。
18世紀以降にさまざまな奏者たちの手で改良が重ねられてきたフルートは、2020年現在では、吹奏楽部からオーケストラに至るまで、なくてはならない存在となりました。
18世紀以降にさまざまな奏者たちの手で改良が重ねられてきたフルートは、2020年現在では、吹奏楽部からオーケストラに至るまで、なくてはならない存在となりました。
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