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柔道の歴史とは?起源・始まりの歴史を年表で簡単に解説

柔道の歴史とは?起源・始まりの歴史を年表で簡単に解説

柔道の歴史は、明治時代に発祥地である東京で始まりました。柔道の言葉の由来は武術がルーツです。創始者に説かれた、技を磨くことに限らず人を作るための教えは、さまざまな時代背景の中で伝統を守りつつ、新しい歴史へと変化します。日本だけではなく世界各国で競技される国際的なスポーツへと発展していきます。

2022.12.04 部活動

柔道の歴史とは?

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柔道の歴史は、明治時代に武術を起源に始まりました。創始者は、技を高めることのみにこだわらず、相手を敬う心をもって礼を重んじ、人間形成をする有効な手段であると精神的な発展を目指していきました。

日本だけではなく、ヨーロッパを皮切りに海外へも伝わりました。心と身体を効率的に鍛えられる優れた武道は、幅広い世代に受け入れられる国際的なスポーツへと進化した歴史があります。

柔道の起源・始まり

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柔道は、日本に古来からある柔術が起源です。1882年、嘉納治五郎に​よって柔道は始まりました。​多数の流派を心得た嘉納は自身の技術を戦うための手段だけではなく、人間形成を目指す道へ進化させるべく新たな柔術の歴史を作り始めます。嘉納が影響を受けたとされる柔術は2つあります。

【起源となった柔術】
・起押流
・天神真楊流


嘉納は、柔道の歴史の始まりの団体である講道館を作りました。講道館の歴史は、起源を語るうえで重要です。

柔道の発祥地

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柔道は日本が発祥の武術で、発祥地は東京でした。現在の東京都台東区に所在する永昌寺で、お寺のわずか12畳ほどの小さなスペースを道場代わりに稽古を行いました。

大正12年の震災で焼失し当時の建物はありませんが、現在の境内には講道館柔道発祥之地と記された石碑があり、発祥地の歴史が刻まれています。石碑が建てられた理由は、講道館が嘉納治五郎没後30周年を記念したことに由来しています。

柔道の語源と由来

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柔道の語源は、柔術の言葉が由来です。嘉納は、柔術に道と言われる原理があり術が生まれると説き、柔道と名づけました。術の鍛錬のみが最も大切なことではなく、心身の力をもっと有効に使う道であると教えました。

柔道の語源は嘉納の教えの由来となり、彼の教えの精力善用、自他共栄の言葉は、心身の力を有効に使う手段に掲げられています。
精力善用 ― 心身の力をもっとも有効に働かせること
自他共栄 ― 自他ともに社会全体が栄えていくこと

国際柔道連盟の発足

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1951年には、国際柔道連盟IJFが発足しました。IJFは、1948年に既に発祥地のドイツで結成されていた欧州柔道連盟が母体の組織で、結成の由来は1889年に嘉納が初めて海外へ柔道普及のため訪れた地がヨーロッパであった歴史にあると考えられます。

全日本柔道連盟が正式加盟したのは1952年で、現在は、アフリカ、ヨーロッパ、アジア、オセアニア、南北アメリカの5つで構成され、200ヵ国以上の国が加盟しています。

女子柔道の歴史

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女子柔道の始まり

女子柔道の歴史の始まりは、1893年に講道館に芦屋スエ子が入門した時です。嘉納は、男性よりも女性の柔軟さの中に真の柔道があるのでないかはと考え、実験の意味合いで女性の門下生を受け入れます。この時代に女性が武道をすることは、よく思われておらず嘉納の考えは武道の歴史の中でも革新的でした。

芦屋スエ子が入門を機に、武道の普及団体の大日本武徳会や他の組織でも、女性の門下生が認められる時代になります。

女子柔道の普及

女子柔道の普及の歴史は、大正の始まりの頃でした。学校などで柔道が始まりました。武徳会でも女性が稽古を始め、講道館では1934年正式に女子部が規定されました。当初は昇段審査はなく形のみの稽古でしたが長い年月経て、昇段や試合が認められます。

海外でも女子選手が活躍し1970年代に女性の社会進出の流れに乗りオリンピックの参加も検討され、1992年のバルセロナオリンピックで正式に女子柔道が種目となります。

女性初の段位取得者

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歴史上、女性で初めて段位を取得したのは、小崎甲子です。彼女は幼い頃から活発で沢山のスポーツに取り組み、古本屋で見つけた本をきっかけに柔の道に進むことを決めます。

講道館とは異なる団体であった大日本武徳会に所属しており、長年にわたり鍛錬を重ねては何度も昇段審査を受けました。ついには1932年の武徳会の昇段試験で、男性3人に勝利し初めて黒帯を手に入れました。翌年には講道館の段位も認められます。

柔道の歴史年表

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明治~昭和初期

1882年 嘉納治五郎 嘉納塾、講道館を設立
1887年 柔道が学校の課外授業になる
1930年 第1回全日本柔道選士権大会の開催
1931年 軍隊、警察、会社、町道場へ普及
柔道の歴史年表は古く、明治時代に発祥地の東京の小さな道場に講道館が作られたことが年表の始まりです。優れた武術の教えは学校の課外授業へ採用され、次第に日本国内のさまざまな土地で行われ始めます。

活動が盛んになるにつれて全国的な大会も行われるようになりました。軍隊、警察、会社とさまざまな機関へ更なる広まりを見せ、多くの世代の人々が柔道をする時代へと変化していきます。

戦後~昭和中期

1945年 終戦後、学校柔道の禁止
1946年 大日本武徳会の解散
1948年 第1回全日本柔道選手権大会の開催
1949年 全日本柔道連盟の結成
1950年 学校柔道の再開
終戦後、柔道部門で所属していた大日本武徳会はGHQに解散させられました。解散の影響を受け学校では武道が禁止となり、学校柔道も一時は禁止されます。

しかし、学校以外で活動が継続されており1948年には全日本柔道選手権大会が開催し、翌年には柔道を更に活性化させるために全日本柔道連盟が結成されました。結果、1950年には学校で柔道が再開します。

昭和中期~平成

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1952年 国際柔道連盟へ正式加入
1956年 第1回世界柔道選手権開催
1964年 男子柔道オリンピック正式種目へ認定
同年 東京オリンピック開催
1978年 第1回全日本女子柔道大会の開催
1992年 女子柔道オリンピック正式種目へ認定
昭和の中頃には、すでに組織されていた国際柔道連盟へ日本が正式に加入しました。1956年には初めて世界的な大会が行われ日本国内では、初めて女子の全日本大会が開催されました。オリンピックでは1964年男子柔道が正式な種目に、1992年女子柔道も正式な種目になります。

【1964年男子メダル獲得数】
・金メダル3個 
・銀メダル4個 
 
【1992年女子メダル獲得数】
・銀メダル3個
・銅メダル2個

柔道のルールの歴史

柔道の基本的なルール

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判定 技の種類 勝敗の判定基準 備考
一本 投技 技または相手のはずみで仰向けに倒れた場合
固技 相手の降参抑え込み30秒経過
絞技、関節技の効果が十分な場合
技あり 投技 もう少しで一本の場合 技あり2本で一本
固技 抑え込みの開始から25秒の経過
有効 投技 もう少しで技ありの場合
固技 抑え込みの開始から20秒の経過
柔道の基本的なルールは、対戦相手と投技、固技、当技をかけ合い勝敗を決めることです。講道館規定の技の判定基準には3種類あり、技のかかり具合や有効性を審判が判定します。

・一本
・技あり
・有効


ルールで決められた禁止事項を犯してしまった場合は、違反が軽い指導、少し重い注意、重い警告の判定がされ勝敗に影響があり、時間内に決着がつかない場合は技のポイントで判断され優勢勝ちまたは引き分けとなります。

ルール改正の歴史

ルール改正は、海外へ柔道の普及や時代の移り変わりでいつからか大きく変化していきました。

柔道のルールは、講道館柔道試合審判規定と国際柔道連盟試合審判規定の2種類があり両方のルールに違いがあります。

特に国際規定はルール変更が多く、2018年に大幅な改正があり一本と技ありと並んでいた技の判定基準の有効が廃止され、さまざまな変更がありました。柔道の戦い方も大きく様変わりしています。

技の歴史

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柔道の技の歴史は古く、明治時代の末には技の数は40本を超えていました。大正時代に技の見直しがあり、昭和の頃には17本を新しく加え、時の移り変わりに合わせ技の見直しを繰り返し行ってきました。

2017年の時点で投げ技の本数は68本、固技は32本の合計100本です。

柔道着の歴史

柔道着のルーツ

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柔道着のルーツは、投技以外の固技を自由に掛けられるように考案されたことにあります。動きやすいように上着は白木綿の素材の筒袖、下ばきも同様に白木綿で丈は膝とくるぶしの中間とされておりました。

柔道着のルーツは色に表れています。白い色は昔から日本にとって清潔、神聖、修行のイメージがあり白い柔道着は清い心の象徴でした。

カラー柔道着の普及

青色のカラー柔道着が普及したのは1997年で、国際規定で使用が認められ実際の使用が開始したのは2000年のシドニーオリンピックでした。

色の新設は勝敗を分かり易くするための改正でしたが、着用は各国の意見が分かれていました。当時の日本では白い色の柔道着の伝統を守り、カラー柔道着の着用は許可されていませんでした。しかし、いつからか状況は変わり始め2016年には日本国内でもカラー柔道着が導入されました。

帯の歴史

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帯の歴史も古く、嘉納が指導を始めると門下生の中で秀でるものが出できました。技術の証明のため黒帯を付与したのが始まりです。

現在、帯の種類は青年と少年を合わせて9種類、帯色は8色です。以前は、女性は男性の黒帯とは違う白線入りの帯を使用していましたが差別的であると判断され、現在は使用されていません。

【成年の帯色】     
・白、茶、黒、紅白、紅         

【少年の帯色】
・白、黄、橙、緑、紫、茶

柔道の歴史が分かる本

オリンピックを日本に読んだ国際人

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著作者 真田久
出版社 潮出版社
柔道の父である嘉納治五郎の激動の人生に学びながら、日本柔道界の歴史や発展に学べます。彼の五輪招致のけん引と日本スポーツ界の近代化に貢献した、一連の流れが分かります。

柔道を心得ている方やオリンピック招致の歴史の始まりに興味がある方におすすめです。

世界の中で、いちばん柔道を知らない日本人へ

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著作者 松本三四六 
出版社 ベースボール・マガジン社
柔道の精神や心理、所作の意味することが誰にでも分かる内容で説明されています。柔道界の4人のレジェンド達の対談があり気軽に読み進められます。柔道を始めようと思っている方や柔道を知らない方でも楽しめる内容です。

柔道の歴史は伝統と変革

柔道の歴史は、戦後の日本の時代の流れや国際社会との関わりを語るうえで、重要な役割をはたしています。柔道が歩んできた道が日本の伝統を象徴する文化の1つです。

伝統を守りながら多様性を持って変革を続け発展したことが、日本だけではなく多くの国で行われ愛されている理由です。ヨーロッパの国々では、日本より競技人口の多い国もあります。たくさんの魅力のある柔道は今1度、注目する価値があります。

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