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アラバロールとは?グアルディオラが見出した戦術を簡単に解説!

アラバロールとは?グアルディオラが見出した戦術を簡単に解説!

アラバロールとは、ダビド・アラバ選手、グアルディオラ監督によって見出された戦術です。アラバロール戦術は、見出された当時は今までのサイドバックの概念を覆す、斬新なアイディアでした。アラバロールが現代のサッカーで有効な戦術として認知されています。

2021.12.16 サッカー

アラバロールとは?

Instagram post by @david._.alaba 窶「 Jun 24, 2016 at 10:32pm UTC (102390)

アラバロールとは、本来タッチライン沿いでプレーするサイドバックが内側にポジションをとる戦術です。守備時にはサイドバックとしてプレーしますが、攻撃時にはボランチやインサイドハーフのように振る舞います。

サイドバックでありながら、攻撃時には中盤の選手のようにプレーするため偽サイドバックとも言わます。ダビド・アラバはその偽サイドバックの役割を高いレベルでこなしました。そして偽サイドバックの先駆者的存在となったため、彼の名前を用いてそのような役割をアラバロールと呼ぶようになりました。

アラバロールのメカニズム

アラバロールのメカニズム (102402)

via アラバロールのメカニズム
アラバロールは攻撃時になると外ではなく、中央にポジションを取り、ミッドフィルダーのように振る舞います。その時に本来のミッドフィルダーがセンターバックの間に下りる場合はアラバロールの選手はボランチとして、下りなければインサイドハーフとしてプレーをします。

サイドバックがアラバロールを行う時はウイングが幅をとる役割となるため、大きく外に開くことが必要です。

そのようにアラバロールはチーム全体でバランスを保つことで機能します。

アラバロールを知るために理解したい戦術用語

アラバロールを知るためには、理解しておくべき戦術用語があります。

以下に説明する戦術用語を理解することは、アラバロールをより有効に生かすための一助になります。

5レーン理論

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5レーン理論とはピッチを縦にサイドレーン・ハーフスペース・センターレーンの5分割に分類して、5つに分けたレーンを有効に活用しようとする理論です。

例えばグアルディオラ監督は同じレーンに近くの味方の選手が入らない、隣のレーンの選手とは斜めの関係になるようにポジションを取る、などルールを決めて活用していました。

5レーン理論はグアルディオラ監督が活用したの後、現代サッカーの戦術のトレンドとなりました。
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ポジショナルプレー

ポジショナルプレーとは、選手が計画されたポジションを取ることで意図的にスペースを作り出し、ゲームの主導権を握ろうとするプレーです。

位置的優位、質的優位、数的優位の3つの優位性を利用して攻守において意図的なプレーを試みます。アラバロールもポジショナルプレーの概念に基づき発案されました。

インナーラップ

インナーラップとオーバーラップ (102403)

via インナーラップとオーバーラップ
インナーラップとはサイドでボールを持った選手を内側から追い越す動きのことを指します。

従来サイドバックは、サイドで味方がボールを持った時は外側を回るオーバーラップで攻撃参加することが多く見られました。しかし現代サッカーではアラバロールの発案などによりサイドバックが内側を取ることが増えて、内側から味方を追い越していくインナーナップも積極的に使われます。

アラバロールのメリット

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アラバロールを行うことで多くのメリットを得ることができます。

アラバロールは攻守両局面で、試合を優位に進めるために必要な要素が含まれた非常に考え抜かれた戦術です。

中央で数的優位を作り出せる

アラバロールを行うことで中央で数的優位を作り出すことができます。中央で数的優位を作ることでボールポゼッションを安定させ、試合の主導権を握りやすくなります。

本来ならばサイドバックは相手のプレッシャーの狙い所となりやすいポジションです。タッチライン沿いにポジションを取るため、180°のプレーエリアしか確保されず、相手はプレッシャーをかけやすいのです。しかし、内側にポシジョンを取ることで360°の選択肢が生まれ、そのような問題も解消できます。

ウイングへのパスコースを作り出せる

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サイドバックの選手が内側のポジションを取ることで、ウイングへのパスコースを作り出すことができます。

アラバロールを行い内側にポジションを取ると、マークしている相手も内側へ絞るため、ウイングへのパスコースが生まれます。
するとウイングへのパスの供給が容易になり、突破力の高い選手をウイングに配置しておけばより多くのチャンスを作り出せます。
逆に強力なウイングプレイヤーがいないチームはアラバロールの効果が薄れてしまいます。

カウンター対策

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アラバロールを行い中央の人数密度を高めることで、カンドボールを拾いやすくなり、カウンターを受けた時も人数をかけて守ることが可能です。

攻撃時に相手を押し込んでいる時に、サイドバックがボランチのポジションを取れば相手のクリアしたセカンドボールを拾う可能性が高まります。
また、カウンターを受けた時でも最も危険な中央のルートを消すことで、カウンターから失点に直結する可能性を下げることもできます。

アラバロールに求められる能力

アラバロールに求められる能力とは? (102406)

via アラバロールに求められる能力とは?
アラバロールは誰にでもできる役割ではありません。サッカー理解・テクニック・フィジカル、全てにおいて高い水準の能力を兼ね備えておく必要があります。

戦術理解度

高い戦術理解度がなければ、アラバロールを行うことはできません。

アラバロールは攻撃時にボランチの位置に入りますが、相手が中央に密集している時など、状況によっては外のスペースを使う方が良い場合もあります。

そうすることで、外のスペースを利用して前進できたり、外のスペースを利用しようとすることで相手の守備組織を広げることができます。

アラバロールを行う選手はそうした戦術的意図を理解しながらプレーする必要があります。

テクニック

アラバロールを十分にこなすためには、高いテクニックが必要です。

アラバロールを行う選手は後方からのゲームの組み立てやゴール前へのラストパスなど攻撃時に重要な役割を担うため、中途半端なテクニックでは務まりません。

最近ではもともとミッドフィルダーだった選手がアラバロールを行うこともあり、高いテクニックが要求されていることが伺えます。

フィジカル能力

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アラバロールを行う選手には高いフィジカル能力​が求められます。

アラバロールでは後方でボランチのサポートをしながらゲームを組み立て、チャンスには最前線までスプリントします。また、攻撃的なポジションをとっている時に味方がボールを失えば、全力でディフェンスラインまで戻るため、高い走力は必須です。

そして、守備時には相手のカウンターを食い止めなくてはいけません。スピードに乗った屈強なFWを止めるためにはスピード・パワーが必要です。

アラバロールを実践するチーム

アラバロールはペップ・グアルディオラ監督が好んで使う戦術です。バイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティともにグアルディオラ監督がチームにその役割を持ち込みました。

両チームとも見事にアラバロールを生かし、国内リーグを制覇しています。

バイエルン・ミュンヘン

soccer boy on Instagram: “#リベリ#バイエルンミュンヘン#ゴール#バイエルンで最後のゴール” (102392)

ダビド・アラバ選手がバイエルン・ミュンヘンで偽サイドバックを見事にこなしたことからアラバロールは生まれました。

当時のバイエルン・ミュンヘンにはリベリーやロッベンと言った世界屈指のウイングプレーヤーを要していました。その選手の特徴を最大限に生かすためにダビド・アラバがアラバロールを行い中央でプレーを行います。

両ウイングを生かすだけではなく、アラバ自らもインナーラップで積極的にゴールを狙い、その攻撃は相手に脅威を与えました。

マンチェスター・シティ

あぐえろ on Instagram: “#マンチェスターシティ#シティズンズ #manchestercity #citizen #アグエロ大好き #aguero#cr7fans #サッカー垢始めました #サッカー垢フォロバ100 #いいねした人全員フォローする” (102393)

マンチェスター・シティはテクニカルな選手にアラバロールを行わせ、ボールポゼッションを高めます。

ジンチェンコなど、もともとゲームメイカータイプだった選手を偽サイドバックに起用します。背番号10番をつけても不思議ではない選手を偽サイドバックに起用することで、ボールポゼッション力は格段に向上しました。

ジンチェンコ、デブライネ、ダヴィド・シルバなど世界的名手が揃う中盤の構成力はずば抜けており、あらゆる相手をポゼッションで圧倒します。

アラバロールはサイドバックの新境地!

アラバロールはサイドバックの新境地を切りひらきました。

アラバロールが使われてから、サイドバックに起用される選手の質は明らかに変わってきています。それまではとにかく走力が高い選手が求められる傾向にありましたが、今ではサイドバックにも高いテクニックが要求されます。

サイドバックのあらゆる可能性を示したアラバロールは、今後も有効な戦術の1つとして利用され続けていくはずです。

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