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近代五種とは?競技人口・ルールから世界大会・日本代表が丸わかり!

近代五種とは?競技人口・ルールから世界大会・日本代表が丸わかり!

近代五種はフェンシング、水泳、馬術、レイザーランの5競技の総合力を競います。近代五種は近代オリンピックを提唱したクーベルタン男爵が創設した競技で、万能性と過酷さからキングオブスポーツと呼ばれています。競技人口は少ないですが、伝統競技であることからオリンピックの正式競技です。

2022.12.20 マイナースポーツ

近代五種とは?

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近代五種の種目はフェンシング、水泳、馬術、射撃、ランの5種目でヨーロッパでは人気が高い競技です。さまざまな施設や5種目の競技の用具を必要とするため競技人口が少ない競技です。
近代オリンピックを提唱したクーベルタン男爵が近代オリンピックにふさわしい五種競技をと提案したのが誕生の始まりです。キングオブスポーツとも呼ばれ、オリンピック種目に1912年のストックホルムオリンピックから正式採用されています。

近代五種の種目

近代五種は1人の選手が5種類の異なる競技を実施し総合力を競います。

【近代五種の種目】

・フェンシング
・水泳
・馬術
・射撃
・ラン


1日で5種目実施される過酷さと異なる競技をこなす万能性を競うことからキングオブスポーツとも呼ばれています。
フランスのナポレオン時代に兵士が戦果を報告するため馬で敵陣に乗り込み、敵を銃や剣で倒し、泳いで川を渡り、走って丘を越えたという故事を元に近代五種の種目が決まりました。

近代五種の発祥・起源

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近代五種は近代オリンピックを提唱したピエール・ド・クーベルタン男爵が古代ギリシアで実施されていた古代五種にならって近代オリンピックにふさわしい五種競技をと競技化を提案したのが始まりで誕生した競技です。
オリンピック競技には1912年に開催されたストックホルムオリンピックから採用され100年以上も続く伝統的な競技です。
古代五種とは?
古代オリンピックにおける主要競技で、立ち幅跳び、短距離走、円盤投げ、やり投げ、レスリングの5競技のことをいいます。

近代五種の競技人口

近代五種の競技人口は世界で約14000人、日本では約40人という少なさです。
ヨーロッパでは王族・貴族のスポーツと呼ばれ人気がありますが、さまざまな競技施設や各競技の用具を全て揃えなけばいけないため競技を始めるハードルが非常に高く競技人口が伸び悩んでいます。近年、国際近代五種連合がさまざまな取り組みを実施し、加盟国が100ヶ国を超えるなど徐々にいろいろな地域に広がってきています。

近代五種はオリンピック競技?

近代五種は1912年の第5回ストックホルムオリンピックから正式競技として採用されています。
競技人口は少ないですが、近代オリンピックを提唱したピエール・ド・クーベルタン男爵が提案したことで競技の誕生に歴史的な経緯があるため伝統競技としてオリンピック種目に採用されているのです。
ピエール・ド・クーベルタン男爵とは?
フランスの教育者であり、古代オリンピックを復興させ近代オリンピックの基礎や礎を築いたオリンピックの創立者です。オリンピック標語を制定やオリンピック・シンボルを創案にも尽力し、功績から近代オリンピックの父と呼ばれています。

近代五種のルール

【近代五種】5分でルール解説!東京五輪注目のマイナースポーツとは?

近代五種は1日でフェンシング、水泳、馬術、レーザーランを実施しますが、競技の特性上ルールが複雑です。

フェンシングはランキングラウンドで総当たり戦で戦ったのちボーナスラウンドで勝ち抜き戦を戦い合計点がフェンシングのポイントです。水泳は200m自由形、馬術は貸与馬で障害飛越競技で実施されます。3種目の合計得点の上位から選手からレイザーランをスタートし、1位でゴールした選手が優勝です。

フェンシング【エペ】

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フェンシングは相手の全身どこを突いても得点になるエペで戦います。瞬発力に加え、次々を試合をするので途切れない集中力と一瞬の判断力が必要な競技です。

試合時間は1試合1分間で総当たり戦で実施され、勝率で得点が決まります。勝率70%250点とし、1試合あたりの勝敗の得点は出場人数によって変わりますが6〜8点増減します。
総当たり戦で戦うラウンドをランキングラウンドといい、ボーナスラウンドと合算して合計得点を出します。

水泳

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水泳は200m自由形1本のタイムを競います。効率よく泳ぐフォームや技術と、200mを最後まで泳ぎ切る持久力とパワーが必要な競技です。
得点は男女ともに2分30秒250点基準とし、1秒ごとに2点得点が増減します。

フェンシング(ボーナスラウンド)

フェンシングランキングラウンドの下位選手同士から試合が始まり、1試合30秒1本勝負で、勝ち残り方式です。
スピード感溢れる試合進行で1勝あたり1ポイントがランキングラウンドのポイントに加算され、合計点数がフェンシングのポイントです。

馬術

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近代五種の馬術競技は主催者が用意した貸与馬で実施されで、抽選で決定します。ダブル、トリプル障害を含む12障害15飛越で、高さは最高で120cm、馬術競技のみ300点から減点方式です。落馬や所定時間オーバー、障害物の落下などにより得点が減点されます。

馬を操る技術に加え、初めて対面する馬と20分の短時間で信頼関係を築くことができるかの柔軟性が求められる種目です。どの馬に当たるかによって結果が左右されるため運も大きく関係しています。

レーザーラン(射撃+ラン)

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レーザーランは3種目の合計得点を1点1秒に換算し、上位選手から順にスタートし、射撃と800mのランニングを交互に4回繰り返します

射撃はレーザーピストルを使い50秒の制限時間内に10m離れた直径約6cmの的に5回的中させます。5回的中させるか50秒の制限時間をオーバーしたら800mのランニングをします。
800m走って息が乱れている直後に、精密な射撃をする切り替えが難しく高いコントロール能力が必要な種目です。

近代五種の世界大会

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近代五種の世界大会は3大会あります。

・ワールドカップ
・世界選手権
・オリンピック


ワールドカップ、世界選手権は毎年、オリンピックは4年に1度開催されます。

ワールドカップ

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近代五種のワールドカップは年間に5戦大会があります。

【2019年開催都市】

・第1戦:エジプトアラブ共和国、カイロ
・第2戦:ブルガリア共和国、ソフィア
・第3戦:ハンガリー、セーケシュフェヘールバール
・第4戦:チェコ、プラハ
・ファイナル 日本、東京

世界各地で開催され、2019年のファイナルには東京オリンピックのテスト大会を兼ねて東京の武蔵野森総合プラザと東京スタジアムを会場にして日本で初めて開催されました。

世界選手権

近代五種の世界選手権は男子が1948年から女子は1981年から開催されています。男女ともに個人、団体、リレーの3種目が実施されています。

2020年の世界選手権は5月に中国、福建省モアイで開催される予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で9月から10月に延期し開催場所もメキシコのカンクンに変更されました。

オリンピック

オリンピックでは1912年の第5回ストックホルムオリンピックから正式競技として採用されています。1952年のヘルシンキ大会から1992年のバルセロナ大会までは個人のほかに団体競技も実施されていました。2000年のシドニー大会からは女子種目も採用されています。

当初は1日1種目計5日間で実施されていましたが、1996年のアトランタ大会からは1日で5種目に変更になりより過酷さが増しました。

近代五種の世界ランキング

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近代五種の世界ランキングは上位にはイギリスやフランスを中心に競技の人気が高く、馴染みのあるヨーロッパ勢が名を連ねています。近代五種のヨーロッパ勢の強さは他の競技には類を見ないですが、近年メダリストにオーストラリア、メキシコの選手が入ってヨーロッパ以外の地域で強化が進んでいます。

韓国は重点的に強化し、ランキング上位に入ってくるようになってきました。

男子

【近代五種男子世界ランキング】
順位 名前
1位 JOSEPH CHOONG イギリス
2位 JIHUN LEE 韓国
3位 VALENTIN PRADES フランス
ランキング1位のJOSEPH CHOONG選手は、2019年東京で開催されたワールドカップファイナルで優勝しています。

女子

【近代五種女子世界ランキング】
順位 名前
1位 ELODIE CLOUVEL フランス
2位 KATE FRENCH イギリス
3位 ANNIKA SCHLEU ドイツ
ランキング1位のELODIE CLOUVEL選手は、2016年のリオオリンピックの銀メダリストです。

近代五種の日本代表メンバー

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東京オリンピックの近代五種、日本代表に男子は岩元勝平選手、女子は高宮なつ美選手が内定しており、オリンピックの活躍が期待されています。今後期待される選手を日本近代五種協会の強化選手に指定し競技力の強化に努めています。

男子

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名前 岩元勝平
生年月日 1989/08/23
所属 自衛隊
出身地 鹿児島県
主な戦績 18年W杯歴代日本最高6位、14年アジア大会個人銅メダル団体銀メダル、16年リオ五輪代表
高校時代まで水泳選手として活躍していましたが、自衛隊体育学校の近代五種の監督からスカウトされ競技を始めました。競技人生の集大成として東京オリンピックでメダル獲得を目指しています。

女子

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名前 高宮なつ美(旧姓朝長)
生年月日 1991/08/22
所属 警視庁
出身地 埼玉県
主な戦績 17年W杯で歴代日本最高4位、リオ五輪日本歴代最高13位
中学時代は水泳、高校時代は陸上の中距離に取り組み、警察入ってから競技を始めすぐに頭角を現しました。始めて2年後に全日本選手権を制覇、4年たらずでオリンピックに出場しました。
全種目で適応能力が高く、強いメンタルの持ち主で東京オリンピックでメダルの期待がかかる選手です。

注目選手

近代五種の注目選手は今後の活躍が期待される日本近代五種協会の強化指定選手に指名されて、世界大会でも上位に入賞し強化が進んでいます。

嶋野光:第58回近代五種全日本選手権大会優勝
小野友行:第58回近代五種全日本選手権大会準優勝
島津玲奈:2017アジアオセアニア選手権大会優勝
山中詩乃:2012ロンドンオリンピック出場
桑名知可子:第59回近代五種全日本選手権大会準優勝

近代五種の普及活動

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近代五種は認知度が低いことや競技人数が少ないことから普及活動に力を入れています。

・スカウト活動
・近代三種
・スポンサー獲得


さまざまな取り組みをしながら近代五種の普及、発展に尽力しています。

スカウト

近代五種は敷居の高さから幼い頃から志す選手は少なく、優秀な選手を集めるために選手の多くはスカウト活動で増やしています。スカウトする選手は水泳中心で、体力が必要な競技のため持久力のある長距離の専門の選手をスカウトしています。
警察自衛隊は近代五種に取り組む環境が整っており、警察や自衛隊に所属している人を監督がスカウトして近代五種を始め、好成績を残す選手に成長することがあります。

近代三種

近代三種は水泳とレイザーランの3種目で、馬術とフェンシングがないので近代五種に比べて始めるハードルが低いのが特徴です。近代五種の普及に一役買っており競技人口の増加にもつながっています。
近代三種で優秀な成績をおさめた選手が近代五種のオリンピックに出場した例もあり、強化の面からも成果が出ています。

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日清近代五種公式応援ソング「ひとり、で五つ」

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近代五種は非常に費用がかかることや認知度が低い競技のため、スポンサーの獲得活動に力を入れています。
2018年に日清食品とスポンサー契約し、人気グループのゴスペラーズがテーマソングを歌ったり、応援キャラクターのぺんたうるすくんを作ったりと認知度向上のためさまざまな取り組みをしてきました。
日本近代五種協会はさまざまな方法で資金調達や知名度向上のための取り組みを実施し、企業と協力しながら近代五種の発展に尽力しています。

近代五種の協会・団体

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近代五種競技は日本は日本近代五種協会、世界は国際近代五種連合が取りまとめています。

【近代五種協会の役割】

・大会、イベント運営
・競技の普及活動
・選手育成
・財務管理

近代五種のオリンピックメダル獲得を目標にさまざまな取り組みをしており、中枢となる団体です。
【国際近代五種連合の役割】

・世界選手権やワールドカップなどの世界大会の運営
・世界的な競技の普及

さまざまな普及活動を実施し加盟国が100か国を超え、地域的な広がりを見せてきました。

東京オリンピックの近代五種

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東京オリンピックの近代五種は2021年8月6日〜8日、東京都田園調布市の武蔵野森総合スポーツ施設と東京スタジアムで実施されます。厳しい選考基準をクリアした世界のトップ選手が戦い、日本選手も地元の声援を追い風に活躍が期待されている競技です。

大会会場

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【近代五種フェンシングランキングラウンド会場】
施設名称 武蔵野の森総合スポーツプラザ
住所 東京都調布市飛田給1丁目1番41号
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【近代五種本会場】
施設名称 味の素スタジアム
住所 東京都調布市西町376-3
東京オリンピックの近代五種は全ての競技が同一会場で実施されるため、観客は移動せずに全ての競技を見ることができます。

出場資格

出場人数は男女とも各36名で各国最大2名まで出場でき、2名以上の場合はランキング上位の選手から出場できます。

【出場権のかかった主要大会】
・2019近代五種 W杯ファイナル東京大会優勝者
・各大陸選手権上位入賞者
・2019近代五種世界選手権3名
・2020近代五種世界選手権3名
・2020年6月1日付、UIPMオリンピック世界ランキング上位6名
・開催国枠1名
・三者委員会から特別招待枠2名

見どころ

東京オリンピックは全ての種目を1つの会場で実施するため、移動することなく1日中競技を楽しむことができるのが特徴です。
ヨーロッパ勢の活躍が目立っていましたが、近年ヨーロッパ以外の国も強化が進み新興国が力をつけてきてどこまで上位に絡んでくるかが注目です。日本選手も地元の利を生かしてメダル獲得も大いに期待できます。

近代五種の魅力は最後まで順位が分からない!

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近代五種は選手によって得意な種目、苦手な種目があるため最後まで目まぐるしく順位が入れ替わる競技です。非常にタフな競技で最後の最後まで順位変動が起こり見逃すことができません。
多くの競技用の用具や施設を使用するため競技を始めるハードルが非常に高く日本では競技人口が少ない競技です。さまざまな取り組みを実施し、認知度の向上や競技の発展に努めています。

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