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デフフットサルとは?聴覚障がい者向けの音のないフットサルを知ろう!

デフフットサルとは?聴覚障がい者向けの音のないフットサルを知ろう!

デフフットサルとは聴覚に障害のある人々がプレーするフットサルを指します。ルールは健常者の行うフットサルとほとんど同じで、唯一審判に関するルールのみが異なっています。2019年にデフフットサルワールドカップが開催され、大いに盛り上がりました。

2021.12.16 パラスポーツ

デフフットサルとは?

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via jdfa.jp
デフフットサルとは、聴覚に障害をもった人々がプレーするフットサルのことで、ろう者フットサルとも呼ばれています。
フットサルはサッカーと似ていますが、プレーの再開がスローインではなくキックインで、またプレー時間が前後半45分ずつではなく20分ずつであるなど、細かいルールが異なっています。
デフフットサルのプレー中は補聴器を外すことが義務付けられており、主に手話やアイコンタクトなどを用いてコミュニケーションをとっています。

デフの意味

デフとは英語でdeafとつづり、耳が聞こえない人、あるいは聞こえにくい人を指します。デフフットサルの対象者は、聴覚に障害があり、なおかつ一定の基準を満たした聴覚障がい者で、基準は日本大会と国際大会で異なったものが適用されています。

デフフットサルの聴覚レベルの基準

デフフットサルの聴覚レベルの基準は、日本大会では最も軽い6級で両耳の聴力レベルが70デシベル以上、なおかつ片方の耳の聴力レベルが90デシベル以上、もう片方の耳の聴力レベルが50デシベル以上とされています。

国際大会では、国際ろう者スポーツ委員会の定めるところによって、聞こえが良い方の耳の聴力が55デシベル以上とされています。

デフフットサルのルール(フットサルとの違いは?)

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デフフットサルは聴覚に障害のある人々が行うフットサルなので、聴覚に関係するもの以外は、健常者の行うフットサルとルールに違いはありません。よって、ポジション・人数・ファールのルールなどはフットサルと共通しており、唯一審判に関するルールのみが異なっています。

それゆえ、フットサルやサッカーのルールを知っていれば十分楽しんで見ることができ、幅広い人が楽しめるスポーツと言えます。

ポジション

デフフットサルの主なポジション名と役割は以下の通りです。細かいポジションやフォーメーションはフットサルと同じように考えると良いでしょう。
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・ピヴォ
ポルトガル語で軸・中心を意味し、サッカーでいうフォワードにあたる。敵に一番近いところに位置し、得点を求められるポジション

・アラ
ポルトガル語で横を意味し、左右に1人ずつ、2人のプレイヤーが担当するポジション。サッカーでいうサイドハーフにあたり、攻守のバランスと運動量が求められる

・フィクソ
ポルトガル語で船首・舵取りを意味し、サッカーでいうセンターバックにあたる。ピッチの中央に位置し、相手のフォワードと駆け引きを行うポジション

・ゴレイロ
ポルトガル語でゴールキーパーを意味し、手を用いてゴールを守ることが許されている唯一のポジション

人数

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デフフットサルの人数に関するルールは以下の通りです。

・選手登録人数:約15人
・フィールドプレイヤー:3〜5人
・コーチやトレーナーなど:数名
・監督:1人


全選手のうち1人はゴールキーパーでなければならず、ベンチに座って控えている選手は人数に含まれません。
また、選手の交代は無制限に可能で、どちらかのチームが3人未満の場合は試合が行われません。

ファールのルール

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デフフットサルでは、ファールと呼ばれる反則技が多く規定されています。
反則技が行われた場合、二枚で退場となるイエローカード、もしくは一枚で退場となるレッドカードが提示され、反則を犯したチームに罰を与えるため、相手チームによって試合を再開させるフリーキックが行われます。

反則技には、相手を蹴るキッキングや、相手に飛びかかるジャンピングアットなどがあります。

審判

JDFA Media on Instagram: “【東京2020オリンピック聖火ランナー選出 宮城実来選手】  デフフットサル女子日本代表の宮城実来選手が、東京2020オリンピックの聖火ランナー(沖縄県)に選ばれました! 宮城選手は5月2日のランナーになります。 応援宜しくお願いします!  ↓琉球新報…” (124585)

デフフットサルの審判に関するルールは健常者の行うフットサルとは異なっており、選手は笛の音が聞こえないため、主審は笛とフラッグの両方を使用します。

審判には主審・第二審判・第三審判・タイムキーパーが存在し、第二審判は主審の補助を、第三審判はタイムキーパーの補助を行います。

デフフットサルの面白さ・魅力

JDFA Media’s Instagram post: “【デフフットサル女子日本代表合宿⑤】  3日目午前の部 今日も晴天で蒸し暑い中、切り替えの早さや攻撃のポジショニングなどの意識を高く保ちながら進められました。 応援よろしくお願いします!  日時:9月14日(土)~9月16日(祝月) 合宿会場:…” (124594)

デフフットサルの面白さは、お互いの声が聞こえない中でのチームワークを楽しむことができる点にあります。聴覚障害をもつ人々が行うスポーツ、デフスポーツ全般に言えることですが、聞こえない中でのチームプレイにはとても見応えがあります。

また、デフフットサルには年齢制限がなく、中高生から30代の選手まで、幅広い年代の人々によってチームが成り立っていることも、魅力の一つといえます。

デフフットサルの大会

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via jdfa.jp
デフフットサルの主な国際大会は、以下の通りです。

・デフフットサルワールドカップ
・デフリンピック
・アジア太平洋ろう者フットサル選手権大会
・アジア太平洋ろう者競技大会


他には、国内大会の全日本ろう者フットサル選手権大会などがあり、より上位の大会に進出するために、選手たちは日々しのぎを削っています。

デフフットサルワールドカップ

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via jdfa.jp
デフフットサルワールドカップは、国際ろう者スポーツ委員会ICSDおよび開催地のろう者スポーツ連盟等が主催する国際大会で、約1週間開催されます。
試合は国際ルールで行われ、良い方の耳で少なくとも55デシベルの聴力損失と判定されたろう者のみが参加でき、出場する選手は、競技中いかなる補聴器の使用も認めないとされています。

また、大会後には男女の優秀選手ランキングやレッドカード・イエローカードを受けた回数などの統計が発表されます。

前回大会は、2019年にスイスで開催されています。

アジア太平洋ろう者フットサル選手権大会

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via jdfa.jp
アジア太平洋ろう者フットサル選手権大会は、国際ろう者スポーツ委員会ICSDが主催する大会で、デフフットサルワールドカップの予選です。世界中にICSDの原則を普及し、ろうコミュニティの国際親善を促進することなどを目的にしており、4年に一度開催されます。
デフフットサルワールドカップと同様に、参加条件や補聴器などに関して厳しいルールが課されています。

第3回大会が2019年2月にタイで開催され、女子は全勝での優勝、男子はホスト国を破って準優勝を果たし、得点王や最優秀技術賞を受賞するとともに、ワールドカップの出場権を獲得しました。

デフフットサルの日本代表とは?

JDFA Media on Instagram: “【デフフットサル男女日本代表選手団 スイス出発】  デフフットサルワールドカップ2019(スイス)に参加した、日本代表選手団は本日スイス(チューリッヒ空港)より出発します。(日本時間21時) 応援ありがとうございました!  ☆帰国日:11月18日(月) ☆…” (124590)

デフフットサルの日本代表選手は、他のスポーツと同様に、以下の段階を経て選出されます。

まず各大会に向けた日本代表候補合宿が行われ、合宿で示した実力をもとに各大会の最終メンバーが選出され発表が行われます。
そして、最終メンバーによる代表合宿が行われ、士気を高めたのちに大会へと進出していくことになります。

デフフットサルの日本代表男子

JDFA Media on Instagram: “【デフフットサルW杯 11月15日(金)試合予定】  11月15日(金)はデフフットサル男女日本代表共に最終試合となります! 男子日本代表は9-10位をかけてイタリアと、女子日本代表は5-6位をかけてロシアとの一戦となります。 応援宜しくお願いします! …” (124591)

デフフットサルの男子日本代表選手は、各大会ごとに最終メンバーが約15人選出され、監督やコーチを含めると20人あまりの団体になります。2019年に行われた、デフフットサルワールドカップの選手一覧は以下の通りです。
背番号 名前 所属チーム
1 千葉 駿介 MARE PARADA
3 設楽 武秀 スプリズ
4 土屋 祐輝 MARE PARADA
5 船越 弘幸 Gypsy futsal club
6 上井 一輝 LIGAR.F.C
7 東海林 直広 AVANSOL/さいたま
8 吉野 勇樹 AVANSOL/SORDO、REPLO TOKYO
9 鎌塚 剛史 トルエーラ柏
10 松本 弘 AVANSOL/SORDO、REPLO TOKYO
11 野寺 風吹 筑波大学蹴球部、VELDADEIRO/W.F.
12 折橋 正紀 AVANOL/SORDO
13 宗澤 麟太郎 AVANSOL/SORDO
14 吉岡 成哲 AVANSOL/SORDO
15 仲井 健人 AVANSOL/SORDO、REPLO TOKYO

デフフットサルの日本代表女子

JDFA Media’s Instagram profile post: “【デフフットサルワールドカップ2019 開幕!】  本日開会式が行われ、4年に1度の『デフフットサルワールドカップ2019(スイス)』が開幕しました! 大事な初戦の相手は、男子日本代表がブラジル、女子日本代表がスウェーデンとの一戦となります。 …” (124593)

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デフフットサルの女子日本代表選手も、同様に15人ほど選出されます。デフフットサルワールドカップの選手一覧は以下の通りです。
背番号 名前 所属チーム
1 芹澤 育代 FOREST ANNEX
2 原田 明奈 アスレジーナ
3 宮城 実来 SDFCアレグリーナ
4 田村 友恵 LasMaleza
6 阿部 菜摘 日本体育大学学友会女子サッカー部他
7 川畑 菜奈 SDFCアレグリーナ
8 宮田 夏実 関西学院大学体育会サッカー部女子チーム
9 中島 梨栄 中野FCアサレア
10 岩渕 亜依 early.f.t
11 酒井 藍莉 SAICOLO
12 佐藤 優 SDFCアレグリーナ
13 鳥海 玲奈 FOREST ANNEX
14 中井 香那 sonrisa
15 一色 麻衣 FUSION

デフフットサルの協会や団体

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デフフットサルの協会や団体は、一般社団法人日本ろう者サッカー協会、および日本障がい者サッカー連盟が存在します。どちらもデフフットサルやデフサッカーを通して障がい者と健常者の共生を目指すとの理念を共通してもち、数々の活動を行っています。

日本ろう者サッカー協会はデフフットサル・デフサッカーに特化した団体であり、日本障がい者サッカー連盟は聴覚障害だけでなく精神障害・視覚障害など7種類の障害に対応した競技団体に支援を行っている団体です。

一般社団法人日本ろう者サッカー協会

一般社団法人日本ろう者サッカー協会は、略称JDFAとも呼ばれ、デフフットサル・デフサッカーの普及、発展及び競技力の向上に関する事業を行い、聴覚障がい者のスポーツ文化の振興及び心身の健全な発達に寄与するとともに、国内及び国際社会での交流に貢献する、との理念を掲げています。

デフフットサルやデフサッカーを通して、人々に勇気や感動を与え、デフフットサルやデフサッカーの価値を向上させ、聴覚障がい者と健常者が当たり前に混ざり合う世界を実現する、とのビジョンを持ち、キャッチコピーをつなぐとする団体です。

日本障がい者サッカー連盟

日本障がい者サッカー連盟は、略称JIFFとも呼ばれ、フットサルやサッカーから障がい者と健常者の共生社会の実現を目指している団体です。

障がいの有無にかかわらずフットサルを楽しめるフェスティバル、インクルーシブフットボールフェスタを開催したり、JIFF普及リーダーと名付けられた指導者登録制度を設け、全国の有資格者の誰もが障がい者を指導できる環境の実現に向けて活動を行ったりしています。

デフフットサルのまとめ

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デフフットサルとは、聴覚障害をもった人々が行うフットサルで、審判に関するルール以外は健常者の行うフットサルと違いはありません。
お互いの声が聞こえない中で、身振り手振りなどでコミュニケーションをとる様子にデフスポーツならではの魅力があり、ワールドカップやアジア大会などが開催されています。

2019年のワールドカップによって大いに盛り上がり、これからのさらなる発展が期待できるスポーツといえるでしょう。

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