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テニスのスライスの打ち方と返し方とは?【テニスコーチ監修ガイド】

テニスのスライスの打ち方と返し方とは?【テニスコーチ監修ガイド】

テニスの試合ではスライスを使用することによって様々な利点があります。守備的なスライス、攻撃的なスライスなどを使い分けることでプレーの幅が広がってきます。ぜひとも覚えたいスライスショットの原理や考え方、打ち方やテニスの試合の状況に応じた返し方を解説していきます。

2021.12.16 テニス

テニスのスライスで知っておきたい知識とメリット

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硬式テニスのレベルが上がるほど、球際のボールが厳しくなります。そんな時スライスショットの返し方を知っていることで再度ラリーに立て直すことができてきます。

硬式テニスの試合で必要となるスライスの最低限の基本知識は2つあります。
①スライスがかかる原理を知ること
②スライスを使う目的を知ること

また、スライスショットのメリットを知ることで、よりテニスにおけるスライスの重要性を知ることができます。まずは、スライスの基本知識とメリットについて詳しく解説していきます。

テニスのスライスの基本知識①スライスの原理

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硬式テニスのスライスの原理は以下の3つから成り立ちます。
①ボールの回転量
②ボールの勢い
③ボールの浮遊率


スライスはボールが逆回転をして飛んでいく関係上、空気抵抗を受けボールが浮遊します。回転量が上がれば上がるほど浮遊率もあがり、ボールは上方向へ飛んでいきます。

硬式テニスにおけるスライスでは、ボールの回転量・勢い・浮遊率の3つの割合をどのようにするかをイメージすることが、返し方のコツとなります。

例えば、守備的なスライスの場合は回転量を増やしボールの勢いをおさえることで浮遊度合が上がり、滞空時間を長く作ることができるということです。

テニスのスライスの基本知識②スライスの用途

硬式テニスの試合では、様々な場面にスライスを使うことがあります。
・守備的なスライス
・攻撃的なスライス
・展開を作るスライス

テニスにおける変化球の位置づけであるスライスは、回転のかけ方によって弾み方も大きく変わるため、実は攻撃的なスライスとしても非常に効果的なショットとなります。守りだけでなく攻撃にも使えるスライスショットは、硬式テニスのプレーの幅を大きく広げる技術となり、テニスの試合では必須の技術となります。

スライスのメリット①守備的なショットとして大活躍

テニスにおけるスライスショットのメリットの一つ目は、守備に向いているという点です。テニスの試合で苦しい場面に直面した時、スライスショットはラリーを立て直すための時間稼ぎのボールとして有効となります。

理由として3つあります。
①スイング動作が小さいため、遠いボールへの対応が比較的容易
②逆回転をかけることで、ボールが失速するため、時間を作ることができる
③スライスはバウンド後の弾みが小さいため、相手に強打をされにくくなる


硬式テニスの試合で最も大切なことは、相手にオープンスペースを与えないことです。スライスの返し方を覚えることで、相手にスペースを与えず元の位置に戻ることが可能です。

スライスのメリット②様々なショットの返し方ができる

テニスにおけるスライスショットのメリットの2つ目は、変化球としてのスライスの役割です。テニスボールにどのような回転をかけるか(逆回転や横回転)によって、バウンド後の弾む方向も変わってきます。

また、回転量が多いスライスは、ボールが失速するためバウンド後ボールが上に弾み、回転量が少ないスライスは、ボールに後ろから前の運動が働くためバウンド後に滑るような弾み方をします。
回転の種類やボールの勢いなどによってバウンド後の予測が困難になるため、相手からしたらまさに変化球のような感覚になります。
守備面だけでなく、相手を翻弄するショットとしても使うことができ、多様性のあるショットとなります。

テニスのスライスの打ち方の3つのコツとは?

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硬式テニスにおけるスライスショットの打ち方のポイントは3つです。
①グリップはコンチネンタルグリップ
②インパクト面がスライスを打つ最大のコツ
③どんなボールを打ちたいかは、テークバックの位置で決まる


テニスのスライスは、ストロークのように明確な打ち方は存在しません。スライスに適したグリップと、正しいインパクトのたった2つを知ることがスライスの返し方のコツとなります。応用として、スイングの仕方を知ることで、イメージに合わせたスライスを打つことができます。それぞれの項目を詳しく解説していきます。

テニスのスライスの打ち方のコツ①グリップの握り方

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硬式テニスにおけるスライスの打ち方の1つ目のコツは、グリップの持ち方です。コンチネンタルグリップという薄い握りがスライスに一番適した持ち方となります。

ボールにスライス回転をかけるには、ラケット面の向きが上向きである必要があります。そのため、ラケットを包丁のような持ち方となるコンチネンタルグリップが、スライスにおすすめの握り方となります(図を参照)

テニス初心者にとっては慣れない握り方となりますので、コンチネンタルグリップでボールを上に弾ませるボール付きなどで感覚を掴む練習をすると良いでしょう。

テニスのスライスに適したグリップに素早く握り替える方法

テニスのスライスは、ストロークと同様でワンバウンドのボールを打球します。そのため、通常のストロークの時の握り方からスライスの握り方にグリップチェンジをする必要があります。

テニス初心者はグリップチェンジに慣れていないため、難しく感じます。グリップチェンジのコツとして、左手を使ってラケットの向きを変えるようにします。
①左手でラケットを持った形で構える
②左手を使いコンチネンタル時のラケットの角度に変える
③その時、右手はグリップを握りのではなく、支えるようにする

グリップを握ってしまうとグリップチェンジは難しくなります。グリップを右手の中で動かせる程度の握り具合にすることがコツです。

テニスのスライスの打ち方のコツ②インパクトの形

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硬式テニスにおけるスライスの打ち方の2つ目のコツは、インパクトの形と位置を知ることです。スライスは上向きのラケット面でボールを捉えることによって逆回転が自然にかかります。

ボールに回転をかけようとしてラケットを不要に動かしてしまうと、回転量ばかりが増してしまいボールが飛ばなくなります。

インパクトを作り、来たボールの勢いを利用するのがスライスです。テニス初心者は、インパクトにラケットを用意し、ただボールを当てるだけという練習をすることで、スライスの感覚をつかむことができます。

スライスの感覚がつかめていないうちからプロのようなスライスを真似ると、上手くいきませんのでご注意ください。

テニスのスライスに適したテークバックを作る方法

スライスでテークバックを作る意味は、目的に合った回転量や勢いのボールを打つためです。ゆくゆく様々な回転のスライスを打つために必要な動作となります。

まずは、基本となるテークバックのやり方をマスターしましょう。スライスでテークバックをするコツは3つあります。
①インパクトの形を作る
②インパクトで出来たラケット面の角度に沿ってテークバックをする
③テークバックの際は、肩を支点に動かし、インパクト時の腕の形をキープする

手首や肘を使ってテークバックをすると、インパクトの形が崩れやすくなります。左手でラケットを後ろに引っ張るようにすることで、インパクトの形をキープすることができます。

テニスのスライスの打ち方のコツ③スライスのスイング

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硬式テニスにおけるスライスの打ち方の3つ目のコツは、スイングのするエリアです。スライスは、先ほどもお伝えした通りインパクトのみでスライスがかかります。ボールに勢いを出したいなど目的がある際にテークバックを使用します。そのため、テニスでスライスをする際の打ち方は、テークバック~インパクトまでの動きとなり、フォロースルーは取りません。

テニス初心者は、プロのスライスのイメージがあるためフォロースルーを取りがちですが、フォロースルーを意識してスイングをすると、回転がかかりすぎてしまいます。

スライスでは、フォロースルーはテークバックの勢いがあるため自然となる動作と覚えておきましょう。

テニスのスライスでは弾道のイメージが重要

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スライスは、テークバックの仕方によってボールの弾道が大きく変わってきます。下記の比較表を参考下さい。
面の角度 テークバックの角度 スイングスピード 移動距離
低いスライス ある程度上向き 水平に移動 適度のスピード 長め
遅いスライス 上向き 斜め下へ ゆったり 適度に
ロブスライス 上向き 水平に移動 早め 短く
実はテークバックの調整は、打ち方を気にするよりもどんなボールを打ちたいのかといったイメージを持つことがコツです。

頭で弾道のイメージをすることで、動作がイメージしたボールを打つための動かし方に自然と動くようになります。走る時に自然と頭の中でどのくらいのスピードで走るかイメージをするのと同じことです。

テニスのスライスの5つの返し方とは?

今まででお伝えしてきた通り、スライスの打ち方はいくつかのポイントをおさえるだけでOKです。大事になるのが、どの場面でどのようなボールを打ちたいかのイメージを強く持つことです。

回転量やボールの弾道をイメージし、イメージに伴ってスライスのスイング動作を自然と行われることが、スライスの返し方のコツとなります。
特に硬式テニスの試合で使われることの多い5つのスライスを、返し方のコツと使用場面を図の解説も含めお伝えしていきます。

テニスのスライスの返し方①時間を作るスライス

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※使用場面
走らされた時に、ストロークの態勢を作れない時に使用し、最もスライスを使用することが多い場面となります。スライスはスイング動作を作らなくて良いので、態勢が苦しい場面で便利なショットです。

※返し方のコツ
走らされた場面での最優先は、時間を作り元の位置に戻ることです。時間を作る時のスライスのコツは3点です。
①走らされることがわかり次第、グリップチェンジをする
②ボールを飛ばそうとし、スイングをしないこと
③インパクトでボールに当てることを最優先に意識する

テニスのスイラスの返し方②展開を作るロブスライス

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※使用場面
苦しいボールの際のロブスライスと、意識的に狙ってのロブスライスがありますが、共通することは相手ボレーヤーに取られなかったら攻めるチャンスを作れるという点です。

※返し方のコツ
ロブスライスでは、頂点をどこに持ってくるかをイメージすることが返し方のコツです。そのために知っておきたいロブスライスの特徴を2つご紹介します。
①ロブスライスは、頂点に達してから急激にボールが落下する
②回転量が多いとボールは上に上がり、距離が出なくなる

ロブスライスで相手前衛の頭の上を抜く時は、前衛とベースラインの中間の位置に頂点を持ってくるようにしましょう。

テニスのスライスの返し方③リターン時のスライス

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※使用場面
相手のサーブがフラットサーブが速くて対応できない時に使用します。ブロックリターンとも言います。
またはリターンダッシュの際にも使用します。スライスをすることで次のボレーの時にグリップチェンジをしなくて良いので、おすすめの使用方法です。

※返し方のコツ
リターンでスライスをする際は、相手のサーブの勢いに押されないことです。リターンでのスライスの返し方のコツを2つご紹介します。
①ラケット面は上向きではなく、地面に対して垂直に近いイメージ
②テークバックでボールに合わせるのではなく、足を使って打点に近づく

テニスのスライスの返し方④相手に攻撃されないスライス

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※使用場面
ラリーの際に使用します。滞空時間はありますが弾道が低いため、相手にとってバウンド後は滑ってくるような感覚にさせるショットです。このスライスを自在に操れる人は、バックハンドはスライスのみというプレーヤーもいるほど効果的です。

※返し方のコツ

こちらは、経験が必要になります。スライスは感覚的な部分が大きいので、日ごろの練習でスライスを多く練習することでスライスの質が向上し、滑るようなスライスを打てるようになります。
まずは、基本となるスライスの打ち方(インパクト・テークバックの仕方)をマスターすることが一番の近道となります。

テニスのスライスの返し方⑤相手を翻弄するスライス

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※使用場面
様々な回転の方向や回転量を自在に操り、相手を翻弄するときに使用します。代表的なショットとしてドロップショットがあります。
起死回生のショットではなく、意図して打たないと相手に逆襲される恐れのあるショットですが、決まれば相手に精神的ダメージを大きく与えることができます。

※返し方のコツ

相手を翻弄するスライスを打つためには、優れたボールタッチの感覚が必要になります。タッチを上達させるおすすめの練習方法として、サービスライン内でのスライス同士の試合があります。
感覚的な部分が大きいので真剣に打ち方を練習するよりも、遊びながらタッチの感覚を学ぶ方が速タッチの感覚のつかめます。

テニスのスライスの打ち方や返し方まとめ

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テニスのスライスは最低限の打ち方のポイントをおさえたら、後は弾道のイメージを作ることが最も大切な考え方となります。感覚的な部分が多いスライスは、なかなか教えられる人がいないのが事実です。

スライスの打ち方の3つのコツをしっかり押さえておきましょう。
①握りとインパクト
③フォロースルーはいらない
③テークバックは、打ちたいボールのイメージに合わせて変化する


上記のポイントを理解したうえで、数多くスライスを練習し、タッチの感覚を養うようにしましょう。ウォーミングアップなど気軽な練習の際に遊び感覚でスライスの練習をすることで、徐々にスライスを自分のものにすることができてきます。

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