変化球の投げ方と握り方27選【変化球の球種を徹底解説】

野球の変化球はストレート、カーブ、スライダー、シュート、フォーク、チェンジアップとさまざまな球種があります。変化球の投げ方は握り方や腕の振り方、投げるタイミングが重要です。変化球を投げるときに指の掛け方や投げるタイミングを変えるだけでボールの回転数や軌道が変化するので、正しい投げ方、握り方をマスターすることが大切です。

変化球の中で最もよく投げるストレート系です。ストレートは野球でも基本となる球種で、変化球と認識されにくい球ですが、ボールの握り方や投げ方で回転数や軌道を操作し、緩急をつけられる変化球です。

ストレートは球の速度を意識されますが、緩急の使い分けやコントロールを極めることで最高速度が速くなくてもストレートで三振のとれる投手になることができます。

【ストレートの軌道】
軌道は投手から捕手まで山なりに進みます。ストレートの軌道は初速と終速の差を短くするとボールのキレ味が増し鋭い球に変化します。ストレートは投げる人の体格や握り方、投げ方で独自の軌道を描きます。

【ストレートの握り方】
握り方はとくになく、投げやすい自然体な握り方が理想です。

【ストレートの投げ方】
投げ方は特になく、他の変化球と見分けがつかないフォームにすることです。

【カットボールの軌道】
軌道はストレートと同じ直線的に進み、ホームベース手前で利き手の逆にスライドします。カットボールはスライド量から打ち取ることに長けた変化球です。

【カットボールの握り方】
握り方はボールの縫い目に人差し指と中指をかけ、少しだけ外側へずらして握ります。

【カットボールの投げ方】
投げ方はストレートと同じフォームですが手首を外側に返し、軌道に変化を加えることでスライド量を調整します。

【ワンシームの軌道】
軌道は直線的に進み、バッターの手元で揺れるように投手の利き手側に曲がる打ち取る変化球です。

【ワンシームの握り方】
握り方は人差し指と中指の2本の指でボールの縫い目を覆い、下から親指で支えます。

【ワンシームの投げ方】
投げ方はストレートと同じフォームで投げます。ワンシームは握り方以外ストレートと同じなので、握る時間の短縮が重要です。

【ツーシームの軌道】
軌道は直線的ですが、ストレートと比べ、バッターの手元で沈むように揺れ、バットの芯を外す変化球です。

【ツーシームの握り方】
握り方は人差し指と中指を別々にボールの縫い目を覆い、下から親指で支えます。

【ツーシームの投げ方】
投げ方はストレートと同じフォームで投げますが、ボールを握るときに縫い目をずらすとシュート回転の球に変化します。

【フォーシームの軌道】
軌道は直線的に減速せずに進みます。フォーシームはボールが逆回転することで空気抵抗を減らし、バッターの手元で伸びる変化球です。

【フォーシームの握り方】
握り方は人差し指と中指、薬指、親指を別々にボールの縫い目を覆います。

【フォーシームの投げ方】
投げ方はストレートと同じフォームで投げますが、バッターと近いところでボールを離すことで速い球が投げられます。

【ムービングファストの軌道】
軌道はストレートのように直線ですが、バッターボックス手前で縦、横にランダムで揺れます。

【ムービングファストの握り方】
握り方はとくになく、ストレートと同じ投げやすい握り方が理想です。

【ムービングファストの投げ方】
投げ方はストレートと同じフォームですが、手首のスナップをきかせ、ランダムに回転方向や回転数を変化させます。

カーブはストレートに次ぐ扱いやすい変化球です。カーブは体への負担も少なく、スローカーブ、パワーカーブ、ドロップカーブ、ナックルカーブと握り方を変えるだけで球種が変わり、状況に応じ使い分けることができます。

カーブは緩急に優れ、ドロップカーブ、パワーカーブとキレの良い球種もあり、握り方や投げ方も難しくない子供でもマスターしやすい変化球です。

【カーブの軌道】
軌道はバッターボックスの手前で急ブレーキをかけ、投手の利き手の逆に弧を描き落ちます。カーブは緩急に優れた変化球です。

【カーブの握り方】
握り方は中指と人差し指で縫い目を覆い、親指で落ちないように支えて握ります。

【カーブの投げ方】
投げ方はストレートと同じフォームで投げますが、腕や手首のしなりを利用し、回転しないスッと抜くように投げます。

【スローカーブの軌道】
軌道はカーブと同じ、バッターボックスの手前で急ブレーキをかけ、投手の利き手の逆に弧を描き落ちますが、カーブと比べブレーキが強く遅い変化球です。

【スローカーブの握り方】
握り方はカーブと同じですが、全体的に軽く、力を抜いてつまむように握ります。

【スローカーブの投げ方】
投げ方はカーブと全く同じですが、力を抜いて山なりに投げます。

【ドロップカーブの軌道】
軌道はバッターボックスの手前で急ブレーキをかけますが、カーブと違い下方向へ変化します。

【ドロップカーブの握り方】
握り方はカーブと同じ握りです。

【ドロップカーブの投げ方】
投げ方は基本的にカーブと同じですが、投げる時に手首を内側に捻り、抜くように投げます。

【パワーカーブの軌道】
軌道はカーブと同じ、バッターボックスの手前で急ブレーキをかけ、投手の利き手の逆方向に落ちます。パワーカーブはカーブと比べ速く鋭く落ちる変化球です。

【パワーカーブの握り方】
握り方は中指と人差し指で縫い目を覆い、薬指と親指で落ちないように下から支えて握ります。

【パワーカーブの投げ方】
投げ方はカーブと同じですが、投げる時に腕の振りとボールへの回転を意識して投げます。

【ナックルカーブの軌道】
軌道はバッターボックス手前で急ブレーキをかけ縦に弧を描くように落ちます。
【ナックルカーブの握り方】
握り方は中指を縫い目に沿って覆い、人差し指は曲げて爪を立てるようにボールに指をあて、親指で落ちないように下から支えて握ります。
【ナックルカーブの投げ方】
投げ方はカーブと同じ抜くを意識し投げますが、コントロールが難しく注意が必要です。

スライダーは習得が難しく、体への負担も大きいですが、曲がる球の代名詞といわれる変化球です。スライダーは利き手の逆に変化しストライクゾーンの内角をえぐる、外角へ反らすと使いみちが多く、大きな武器となる球種です。スライダーはメジャーリーガーのダルビッシュ有、前田健太らも得意とし多くの三振を奪った球種でピッチャーとしてのステップアップにもつながります。

【スライダーの軌道】
軌道はバッターボックスの手前で投げた手の逆にスライドするように曲がります。スライダーは球速を落とさず変化する球種です。

【スライダーの握り方】
握り方は人差し指と中指で縫い目を覆い、薬指と親指を別々に縫い目に沿って握ります。

【スライダーの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですがボールを離す時、に手首を内側に捻り、空気を切るように投げます。

【縦スライダーの軌道】
軌道はバッターボックス手前でスライドしますが、スライダーと違い縦に落ちるようにスライドします。

【縦スライダーの握り方】
握り方はスライダーと同じ握りです。

【縦スライダーの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですが、腕を振り下ろし、手首を寝かせるように捻り、空気を切るように投げます。

【スロースライダーの軌道】
軌道はスライダーと同じ投げた手の逆にスライドするように曲がります。スロースライダーはスライダーと違い、ブレーキが強くかかり、広くスライドします。

【スロースライダーの握り方】
握り方はスライダーと同じです。

【スロースライダーの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですが投げる前にボールを手の中で転がし回転させながら投げます。

【高速スライダーの軌道】
軌道はスライダーと同じ投げた手の逆にスライドするように曲がります。高速スライダーはスライダーと比べスライドが少なく速い球速の変化球です。

【高速スライダーの握り方】
握り方はスライダーと同じ握りで投げることができます。

【高速スライダーの投げ方】
投げ方はスライダーと同じフォームで手首も捻り、ピッチング時に腕を強く振りおとし投げます。

【スラーブの軌道】
軌道は投げた手の逆にスライドしながら落ちます。スラーブはスライダーとカーブの特徴を持ち、縦方向への変化が大きい変化球です。

【スラーブの握り方】
握り方はスライダーと同じですが、深く握り込むことで変化量を調整し投げることができます。

【スラーブの投げ方】
投げ方はスライダーと同じフォームで手首も捻りますが、指からボールを抜き投げます。

シュートは肘へ強く負担がかかり、投げる投手を選ぶ変化球です。シュートはスライダーの逆、利き手側に反る形で軌道を描く変化球で打ち取ることに向いてます。シュートの系列は高速シュート、シンカー、スクリューがあり、シンカー、スクリューはボールの軌道や回転だけでなく、握り方や投げ方も違いますがどの球種も体へ負担がかかりマスターが難しい変化球です。

【シュートの軌道】
軌道はピッチャーが投げた手の方に曲がります。シュートは肘へ負担がかかり、連続で投げにくい変化球です。

【シュートの握り方】
握り方は中指と人差し指を縫い目に沿って覆い、親指でボールを支えるように持ちます。

【シュートの投げ方】
投げ方は通常のフォームに比べ体の開きを小さく、腕や肘を捻り、人差し指に力を入れてボールの回転を意識し投げます。

【高速シュートの軌道】
軌道はピッチャーが投げた手の方に曲がります。高速シュートはシュートと比べ変化が少なく球速が速い変化球です。

【高速シュートの握り方】
握り方はシュートと同じです。

【高速シュートの投げ方】
投げ方はシュートと同じですが、腕や肘を強く捻らず指先に力を入れてボールの回転を意識し投げます。

【シンカーの軌道】
軌道はピッチャーが投げた手の方に曲がりながら、下方向に沈みます。シンカーはシュートに比べブレーキが強く緩い変化球です。

【シンカーの握り方】
握り方は中指と人差し指でボールを挟むように握り、親指でボールが落ちないよう下から支えます。

【シンカーの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですが、腕を内に捻りながら、中指と人差し指にボールが引っかからないよう意識しボールの回転に注意し投げます。

【スクリューの軌道】
軌道はシンカーと同じ、ピッチャーが投げた手の方に曲がりながら、下方向に沈みます。スクリューはシンカーと違い切り込むように鋭く落ちる球種です。

【スクリューの握り方】
握り方は中指と人差し指を別々にボールの縫い目を覆いますが、指を軽く広げ内側で縫い目を覆います。

【スクリューの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですが、手首を内側に捻り、中指でボールの回転させ投げます。

フォークは空振り三振を量産する球種です。フォークの軌道はホームベース手前で鋭く落ち、打つ難易度の高さからアメリカのメジャーリーグでも魔球といわれる変化球です。フォークの系列はスプリットがあり、フォークと同じ軌道でストレートに近い特性を持ち多くのプロ野球選手が三振を取る決め球に使います。

【フォークの軌道】
軌道は直線で進みますがホームベース手前でブレーキがかかり落下します。フォークはブレーキがかかった直後の落差が激しく、決め球に使われることが多い変化球です。

【フォークの握り方】
握り方は中指と人差し指を縫い目の外側で挟み込み握ります。

【フォークの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですが、回転を掛けず抜くように真っすぐ投げます。

【スプリットの軌道】
軌道はフォークと同じです。スプリットは速く、落下の幅が小さい球種です。

【スプリットの握り方】
握り方は中指と人差し指を縫い目の外側で挟みますが、フォークと比べ指を浅く握ります。

【スプリットの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですが、手首のスナップを利かせ腕を振り投げます。

チェンジアップは速球派投手が好んで使う変化球です。チェンジアップはストレートと同じ投げ方、軌道で緩やかに進む変化球です。チェンジアップの系列はパーム、サークルチェンジ、ナックルとボールの軌道や回転だけでなく、握り方や投げ方も違いますがどの球種も共通して相手のタイミングをずらす緩急に優れ、マスターすることでピッチングの引き出しが広がります。

【チェンジアップの軌道】
軌道はストレートに近く、山なりに緩やかなボールです。

【チェンジアップの握り方】
握り方はボールを深く握り、指先で回転を掛けないよう力を抜いて握ります。

【チェンジアップの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですが、ボールを回転させず、手首や指先の力を抜いてリリースします。

【サークルチェンジの軌道】
軌道はチェンジアップに似て山なりに緩やかですが、利き手方向にお辞儀するように曲がり、バットの芯から外れる球種です。

【サークルチェンジの握り方】
握り方は親指と人差し指でOKサインをつくり、残りの指で包み込むように握ります。

【サークルチェンジの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じですが、リリース時に親指と人差し指に力を入れ、ボールを抜くように投げます。

【ナックルの軌道】
軌道は緩やかなスローボールですが毎回変化が変わる特殊な変化球です。

【ナックルの握り方】
握り方は人差し指、薬指、中指を曲げ、爪をボールに当てるように握ります。

【ナックルの投げ方】
投げ方は通常のフォームと基本的に同じですが、手首をつかわず、投げる際に指を弾くように開き、ボールを回転させずゆるやかに投げます。

【パームの軌道】
軌道はチェンジアップに近く、山なりにゆるやかなボールですがブレーキが強く、ホームベース手前で落下します。

【パームの握り方】
握り方は指を使わず、手のひらで包むように握ります。

【パームの投げ方】
投げ方は通常のフォームと同じです。パームは特殊な握り方なので力を入れすぎず、放つを意識して投げます。

初心者が練習すべき変化球は体に負担をかけない種類の変化球です。変化球には爪や肘、手首、指先に負担がかかり、体がなれていないと重篤なケガにつながります。

変化球を覚えるにはまず体の負担の少ないストレート系の種類、ツーシームやフォーシームを覚えフォームを体になじませてから緩急にチェンジアップやカーブを覚えていくと体に負担をかけずピッチングの幅を広げることができます。

初心者におすすめの変化球はムービングファスト以外のストレート系変化球です。ストレート系は握り方を変えるだけで軌道を変えることができ、スタンダードなフォームで投げられるからです。

ムービングファストは手首に負担がかかり、ケガの危険性があるので、ストレート系を習得後は体に負担の少ないカーブやチェンジアップを覚え、緩急を使い分けることで投球の幅を広げることができます。

子供が投げてはいけない変化球は体へのに負担が大きいシュートです。シュート以外の変化球ではフォークやスライダー、ナックルが腕や肘、爪へ負担がかかり、プロ野球選手でもケガをしてしまう危険があるので、まだ体が成長していない子供に投げさせるのは危険です。

変化球の投げ方を覚えることでピッチャーとしての可能性が広がります。変化球には無数の種類がありますが、肘や手首への負担が球種により異なり、投球フォームや体の大きさによって投げにくい球もあるので多くの変化球に触れ、自分に本当にあった変化球を習得し、使いこなすことが重要です。