東京都の軟式野球の強い中学校とは？強豪中学ランキング8校！

東京都の中学野球は、歴史のある私立の野球強豪校が力を発揮しています。都市部の公立中学校は狭いグラウンドで十分な練習環境に恵まれないことの多い一方で、私立の強豪中学校は校庭以外に練習場を確保できる恵まれた環境下にいます。

学童から野球に親しみ甲子園出場を夢見る野球少年は学区の枠がない私立強豪校に集まることが多く、野球経験者の入学が私立強豪野球部のチーム力アップに繋がっています。

東京都の中学野球は、全国大会の出場回数が多く、都大会でも安定した実力を発揮している上一色中学校と駿台学園中学校の二強時代が続いています。二強に迫る勢いがある中学校は、都大会優勝経験のある東海大菅生中学校・日大二中学校・立教池袋中学校です。

2020年の都秋季大会では、全国大会出場経験のある古豪の修徳中学校が18年ぶりに優勝し、二強時代をどの中学校が崩していくか注目が集まっています。

都大会優勝通算12回を誇る明大中野中学校は、春・夏・秋に開催される都大会すべてに2017年から3年連続で出場を果たしている野球の強い中学です。2019年の選手権と2018年の春季大会では準優勝でしたが、強豪中学が集まる都大会で安定した力を発揮しています。

明大中野中学校野球部の部訓は、単に野球技術の向上だけでなく学校生活や毎日の学習に真摯に取り組み、人間力向上と文武両道に励むことです。

立教池袋中学校は、関東大会出場1回・都大会優勝6回・準優勝1回で、都大会優勝と関東大会出場を目標に掲げる伝統ある野球が強い中学校です。2018年の都春季大会では、準決勝・決勝ともに1点差を守り抜き、20年ぶり3度目の優勝をしました。

立教池袋中学校野球部では、中学から野球を始めた選手と学童からの野球経験者が切磋琢磨しながら、野球技術だけでなく忍耐力や協調性を伸ばすことも重要視した指導をしています。

葛飾区立新宿中学校は公立学校で野球が強い中学校です。全国大会出場はありませんが、2019年の都春季大会では並み居る私立の強豪校を相手に、40年ぶりに優勝を飾りました。

野球部の練習は、平日に必ず1日は休養日を入れ、大会で勝つことのみを重視し過度な練習にならないように配慮されています。

中高一貫校の修徳中学校は、1979年～2013年に全国大会に6回出場した野球の強い中学校です。2013年以降は低迷していましたが2020年に、コロナ禍でようやく開催された都秋季大会では18年ぶりに優勝を勝ち取り、名門中学の復活を成し遂げました。

選手の適性に応じた指導を心がけるOBの山崎剛史監督は、先のこと・回りのこと・相手のことを意識させた練習で、走攻守バランスのよいチームを育て上げています。

2017年の都春季大会と都秋季大会の2冠を制した日大二中学校野球部は、都大会優勝7回を誇る杉並区の野球の強い有名な中学です。1つの勝利にこだわる野球部の練習では、基礎的な技術を定着させるために、飽きるまで何回も反復練習に励んでいます。

夏休みに実施する3泊4日の合宿は、野球技術のレベルアップと部員の団結に役立っています。

都大会出場常連の強豪校・東海大菅生中学校は、東京都あきる野市にある男女共学の私立中学校です。野球部は、文武両道をモットーに東京ドーム約1.2個分の広いキャンパス内のグラウンドで練習に打ち込み、2010年に都秋季大会、2015年に都春季大会で優勝しました。

2018年ドラフト育成1位で、プロ入りしたOBの海老原一佳選手は、北海道日本ハムファイターズの外野手で活躍しています。

中高一貫教育を実践している駿台学園中学校は、全国大会出場6回を誇る東京都を代表する野球が強い強豪中学校です。都大会でも2016年から秋季大会4連覇、2017年から選手権大会2連覇を成し遂げています。

万木一心の言葉が受け継がれている野球部は、自主自立にこだわり、野球だけでなく周囲の人と助け合って行動する人間形成を目指しています。

【万木一心】
山を彩る木にはさまざまな種類があり個性的で、木々が互いに助け合い共存共栄している様子を現した言葉

西村晴樹監督は、全国大会で日本一を勝ち取ることをチーム目標に掲げ、保護者と連携しながら専門家による栄養指導を取り入れています。監督の指導内容は、増量のための長期的な計画を立て、中学生に必要な栄養素と食べるタイミングを示し、家庭でも実践してもらうことです。

特に大会期間中は揚げ物を控え、疲労物質の乳酸を分解するクエン酸を多くとり、万全な体調で試合に臨んでいます。

2016年全国中学校軟式野球大会準優勝の上一色中学校は、東京都の野球が強い名門中学校です。都の選手権大会では、2015年・2016年・2019年と優勝を勝ち取っています。

上一色中学校は江戸川区内の中学校を自由に選べる学校選択制を採用しているので、野球をやりたくて上一色中学校を選んだ野球少年が数多くいます。

野球名門校の上一色中学校の強さの秘密は、狭いグラウンドに応じた工夫された練習方法で選手を鍛え上げることです。狭いグラウンドでは遠くまでボールを飛ばすフリーバッティングができないため、西尾弘幸監督はゲージを使った球数の多い打ち込み練習を重要視しています。

監督は、打ち込む球数を増やすことで、自然とバットスピードやバットコントロールを身に付けさせ、目標の打ち勝つチームを育て上げています。

【球技用ゲージ】
野球などの球技で打球が遠くに飛ぶことを防ぐ目的で用いられる囲い網のこと

東京都の中学野球の魅力は、力ある上位校が東京都全体の中学野球のレベルを引き上げ、お互いが切磋琢磨する好循環の野球風土です。東京都の中学校の軟式野球の強豪校は、全国大会に出場して上位入賞を狙える実力を兼ね備えています。都野球部601校の頂点を目指し、二強といわれる上一色中学校と駿台学園中学校を打倒する野球部は、どこの中学校か視線が注がれています。