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風速9mはどのくらい?自転車やバイク・スポーツへの影響とは?

風速9mはどのくらい?自転車やバイク・スポーツへの影響とは?

風速9mはどのくらいの強さかというと、1秒間で風が9m移動する強さで、木が揺れて海面に波が立ち始めます。風速9mでは、球技ではボールが流されたり、短距離走のタイムに1秒近い差が出たりするため、いつものプレーをすることが難しくなり、マリンスポーツでは1m以上の波が起こるため中止を余儀なくされます。

2024.04.02

風速9mとは?

気象予報で発表される風速9mの風とは1秒間に空気が9m移動する風の強さのことを表しています。どのくらいの強さかは、やや強い風と表現される範囲に入り、日常生活の影響はほとんどありません。

しかし、瞬間最大風速では強いときで1秒間に18mの風になることもあるため数値だけでなく、今いる場所にどのくらいの風が吹いているかを注意することが必要です。

風速9mの定義

風速9mの定義は1秒間に空気が9m移動する強さであり、正しい表記は9m/sとなります。天気予報で発表される風速は秒速換算されていて、風速9mを時速に直すと32kmとなり、自転車をかなりのハイペースでこぐ程度の速さになります。
気象庁の分類では、やや強い風は10m以上と決められていて、風速9mは強い風には当たらない認識ですが、体感では風を強く感じ始める強さです。

風速と最大瞬間風速の違い

風速と最大瞬間風速は測定方法に違いがあり、風速は10分間の平均風速を表しているのに対し、最大瞬間風速は瞬間風速の最大値のことです。風は一定の強さで吹くことはないため、瞬間風速は前3秒間の平均値を表す数値になります。
一般的に最大瞬間風速は最大風速の1.5~2倍になり、風速9mの場合では13.5m/s~18m/sの最大瞬間風速の風が吹く可能性があります。

風速9mの強さ

風速9mは、どのくらいの風かを示しているビューフォート風力階級表では疾風と表現され、葉のある木が揺れ始める、水面に波頭が立つ強さです。気象庁の風の強さを示す分類では、風速10mからがやや強いとされていて、9mでは風は吹き始めてきた感覚であり、強いとはまではいかない状態です。
日常生活に大きな影響を与えることは考えにくいですが、瞬間最大風速は台風並みの18mを超えることがあるため、注意が必要です。

※ビューフォート風力階級表とは?
ビューフォート風力階級表とは、目視で確認した風力を風速に換算している表であり、どれくらいの風速かを判断する目安になる表のことです。 ビューフォート風力階級表は世界的に使われていて、日本でも気象庁が風力を推測するために公表しています。

ビューフォート風力階級表
風力 名称 相当風速 陸上の様子 海上の様子
0 平穏 0~0.2m/s 煙はまっすぐ昇る 水面は鏡のように穏やか
1 至軽風 0.3~1.5m/s 煙は風向きが分かる程度にたなびく うろこのようなさざ波が立つ
2 軽風 1.6~3.3m/s 顔に風を感じる
木の葉が揺れる
はっきりしたさざ波が立つ
3 軟風 3.4~5.4m/s 木の葉や小枝が揺れる 波頭が砕ける
白波が現れ始める
4 和風 5.5~7.9m/s 砂埃が立ったり、小さなゴミや落ち葉が
宙に舞ったりする
小さな波が立つ
白波が増える
5 疾風 8.0~10.7m/s 葉のあるかん木が揺れ始める 水面に波頭が立つ
6 雄風 10.8~13.8m/s 木の大枝が揺れ、傘がさしにくくなる
電線がうなる
白く泡立った波頭が広がる
7 強風 13.9~17.1m/s 大きな木の全体が揺れ、
風に向かって歩きにくい
波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される
8 疾強風 17.2~20.7m/s 小枝が折れる
風に向かって歩けない
大波のやや小さいもの
波頭が砕けて水煙となり、
泡は筋を引いて吹き流される
9 大強風 20.8~24.4m/s 屋根瓦が飛ぶ
人家に被害が出始める
大波・泡が筋を引く
波頭が崩れて逆巻き始める
10 全強風 24.5~28.4m/s 内陸部では稀に発生
根こそぎ倒される木が出始める
人家に大きな被害が起こる
のしかかるような大波
白い泡が筋を引いて海面は白く見え、
波は激しく崩れて視界が悪くなる
11 暴風 28.5~32.6m/s めったに起こらない
広い範囲の被害を伴う
山のような大波海面は
白い泡ですっかり覆われる
12 颶風(ぐふう) 32.7m/s以上 被害が更に甚大になる 大気は泡としぶきに満たされ、
海面は完全に白くなる

風速9mと日常生活への影響

風速9mの風が吹いていると、風を強く感じ始めて、通勤や通学のときに歩くときの歩調が乱れることがあります。標識や街路樹が揺れ始め、傘は飛ばされないために強く持つことが必要です。
風速9mではビルや建物に固定されている看板を飛ばすことはありませんが、固定されずに置いてある立て看板やのぼりが倒れてくる恐れがあります。

歩行

風速9mの風が向かい風で吹いていると、髪や女性のスカートが乱されたり、ほこりが目に入ってきたりして、快適に歩くことができなくなります。歩いていて風が強いと感じますが、転倒の恐れはないため外出を控える必要はありません。
気象庁の示している風の強さと人への影響では、風速が15mを超えると、風に向かって歩けなくなり、転倒する人も出てくるとされています。

風の強さと人や樹木への影響 気象庁HPより引用
風の強さ 平均風速 人への影響 屋外樹木の様子
やや強い風 10以上15未満 風に向かって歩きにくくなる
傘がさせない
樹木全体が揺れ始める
電線が揺れ始める
強い風 15以上20未満 風に向かって歩けなくなり、
転倒する人も出る
看板やトタン板が外れ始める
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傘の使用

風速9mの風が吹く中では傘をさしにくくなりますが、折れたり飛んでいくことはありません。傘が壊れてしまう恐れがある風力は風速15mぐらいからとされていて、9mでは風に流されてさしにくいと感じる程度です。
しかし、風向きや瞬間的な風速に吹くと、思わぬ方向に流されてしまう恐れがあるため、学生や社会人の通勤通学するときも傘を両手で強く持つことが必要です。

街路樹の状態

風速9mの風を受けると、街路樹が全体的に揺れ始めて、枯れ木からは葉っぱが落ちやすくなります。しかし、若い樹木の枝が折れたり、樹木が損傷したりすることはありません。
街路樹に影響が出る風速がどれくらいかというと、15mを超えてくると、小枝が折れる強さとなり、損傷する恐れが出てきます。

ビルや看板の状態

風速9mの風では上空にあるデパートの垂れ幕が風に煽られたり、風を受けた看板がガタガタと音を立てたりし始めてきます。
気象庁は固定されている看板は風速15mを超える強さになると、落下・飛散する恐れが出ると警告しています。固定されずに地面に置いてある看板やのぼりの場合は9mでも倒れてくる恐れがあるため、近くを歩くときは距離をとるようにしましょう。

強風による看板落下事例
日時 場所 風の状態 状態
2020年4月 東京
千葉
瞬間風速:20m 東京:ビルから歩道に看板落下
千葉:お店の前の5mの看板が倒れる

風速9mとスポーツへの影響

屋外でスポーツをするときは、風速9mの風が大きな影響を与えます。野球やサッカーでは風が強いときに、ボールがどれくらい流されるかは3m以上落下地点がズレる場合もあり、判断することが困難です。

短距離競技では記録に1秒程度の差が生まれ、マリンスポーツは9mの強さで風が吹いていると、波が1mを超えることもあり危険な状況になるため、中断や中止を余儀なくされます。

球技

風速9mで野球やサッカー、ゴルフが中止になることはありませんが、プレーに予期せぬ影響は出やすい状況です。ボールが空中に上がったときに、強い風が吹くことで選手の落下点の予測を2、3メートル以上狂わせて普段では起こらない珍プレーにつながることもあります。

学生や社会人がテニスやバドミントンを風速9mで屋外でする予定があっても、ボールや羽が風に流されてしまうため、ラリーを続けることも難しい環境になります。

陸上

風速9mの環境では、陸上競技のタイムや安全面に影響を与えます。短距離走や走り幅跳びのフィールド競技では、1mの風でタイムに0.1秒の差が生まれるため、追い風2m以上で生まれたタイムは参考記録扱いになります。
冬の向かい風の中でのマラソンをすると、表面温度が1mごとに0.7度低下した報告もあり、風速9mの風に雨を伴うと、気化熱で体内温度が下がり、低体温症を招く恐れが強くなるため注意が必要です。

低体温症とは?

身体の深部体温が35℃以下になることを低体温症と呼び、激しい震えとともに筋肉が硬直、脈拍の減少する症状が出て、毎年熱中症よりも亡くなる方が多い疾患です。
2019年3月の東京マラソンでは、日本のトップランナーが雨と平均風速3~4m、瞬間風速8mの風を受け続けたことが原因で低体温症に見舞われ、棄権を余儀なくされています。

マリンスポーツ

マリンスポーツは風の影響を強く受ける競技であり、 風速9mの瞬間風速では高いときで1mの波がくることもあり、事故につながる恐れがあります。 ヨットやサーフィンも風を受けて、正確な操作やバランスを保つことが難しく不安定になるため、海へ転落する危険が出てきます。

安全にマリンスポーツが楽しめる目安は風速4m以下とされていて、9mの風が吹いているときは子供は即中止し、大人も中止の検討が必要です。

風速9mと乗り物への影響

風速9メートルの風が吹いていると、向かい風で自転車のペダルが漕ぎにくくなったり、横風にあおられたりする影響が出てきますバイクや自動車は市街地を走るときは問題ありませんが、風速9mが吹いている高速道路を走る場合は、法定速度よりも減速し、ハンドル操作に注意が必要です。

自転車

風速9mの向かい風や横からの風が吹いていると、2020年に自動車のロードサービスをしているJAFのおこなった実験では、風速9mの逆風の中で自転車はペダルが重く前に進みにくくなり、15mを超えるとペダルが漕げなくなる結果が出ています。風速20m/sでは、自転車で走行することができなくなり、自転車から降りて押して歩く必要があり、風速30m/sでは自転車を支えることができなくなります。

風速9m時の自転車を止める場合は、横風を受けると倒れる可能性があり、風を受けにくい壁のそばやスタンドがある場所を選んで止める必要があります。

バイク

バイクは市街地を走るときは、風速9mの風が吹いても特に問題なく乗ることが可能です。高速道路を走るときは気象庁は9m以上の風で、横風に流される感覚が増えると発表しています。
高速道路では瞬間風速が強くなると、スピード制限や二輪車通行止めの規制がかかるため、瞬間風速が18m近くに達する可能性がある9mの風が吹いている日は一般道を走ることが推奨されます。

高速自動車における異常気象発生時の交通規制
瞬間風速 規制 表示板
瞬間風速10m未満 - 横風・走行注意
瞬間風速10~15 最高速度80km/h 強風・速度落とせ
瞬間風速15~20 最高速度50km/h
二輪車通行止め
強風・速度落とせ

自動車

自動車を運転するときは、風速9mの風の影響はほとんどありません。しかし、高速道路を走行するときは一般道と比べて風の影響を受けやすく、風速9m以上の風が吹いていると車両が横風に流される感覚が生じてくるため、急ハンドルを避ける対応が必要です。
暴風警報が出る基準である風速20mを超えると、高速道路は通行止めになり、通常の速度での運転が困難になります。

風の強さと走行中の車に対する影響・気象庁HP
風の強さ(予報用語) 平均風速 走行中の車
やや強い風 10以上15未満 道路の吹き流しの角度が水平になり、
高速運転中では横風に流される感覚を受ける
強い風 15以上20未満 高速運転中では横風に流される感覚が強くなる
非常に強い風 20以上 通常の速度で運転するのが困難になる
風の強さと吹き方・気象庁HP

飛行機

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飛行機が離発着するときは、飛行場に風速9mの追い風が吹いていると、離発着ができなくなるため、滑走路の進行方向を変える対応が必要になります。離着陸中止の基準がどのくらいかというと、横風に対して風速25mからであり、9mの風が横から吹いても安全に問題はありません。
滑走路を変更する場合がありますが、風速9mの風が吹いていても飛行機の運行自体には問題はなく、欠航になることはほとんどありません。

風速9mとアウトドアへの影響

風をさえぎる物が少ない自然の中でするアウトドアは、風速9mの風の影響を大きく受けるため、中止や延期の検討が必要です。キャンプは風の影響を受けやすく、9mの風の中でテントを張ったり、焚火を安全に楽しんだりすることができなくなります。
釣りをするときに9mの風が吹いていると、エサや軽い荷物が飛ばされ、どのくらいの位置に針を投げればよいか当たりがつけにくくなり、安全に楽しむことは難しい環境になります。

登山

登山中に雨を伴う風速9mの風が吹いていると、視界が悪くなり、滑落する恐れが強まります日本山岳協会認定のプロ登山ガイドは風速10mを超えると注意が必要で、15mを超えると困難になると注意を呼びかけています。
標高が100m高くなると気温が0.6℃下がることに加えて、9mの風は体感温度を9℃下げて低体温の危険があるため、雨やどれくらいの風が吹くか天気予報で確認し、中止や下山を決めることが大切です。

登山中に低体温が原因で起きた遭難事故(2018.5.31:産経新聞NEWS)
日時 場所 ふもとの風速 状況
平成30年5月 新潟五頭連峰 7m/s 小学生と父親が低体温症で行動不能
新潟・五頭連峰山中の低体温症による事故の記事(産経新聞NEWS)

キャンプ

風速9mでのキャンプはテントが風にあおられて立てることが難しくなり、ビニールや紙製の軽い荷物を飛ばされる強さになります。テントメーカーのアイテント社が推奨するテントを安全に使用できる風速は7.9mまでで、8m以上の風速では実質使用不可とされています。
よって、風速9mの環境下では、社会人や学生の仲間での一般的なキャンプは危険が伴うため中止が無難です。

風速とテント利用の関係
風速(m/s) テントの利用可否
0.0〜1.5m 安全に使用可能
1.6〜7.9m 風対策が必要
8.0m以上 危険が伴うため使用不可

釣り

風速9mの風の中での釣りは安全に楽しむことが困難で、ビニール製の道具やえさは飛ぶ恐れがあり、仕掛けも狙った場所に投げることができません。
日本釣振興会は注意報が発令される平均風速13mの場合には、釣りを中止することを呼び掛けていて、9mの場合でも油断せずに雨を伴う場合は中止する対応が求められます。

風速9mでのレジャーは危険信号

風速9mはビューフォート風力階級で5に相当し、風を強く感じ始める強さで、向かい風の自転車が漕ぎにくくなったり、傘がさしにくくなったりする影響が出てきます。屋外でスポーツやアウトドアをするときには風速9mの風は危険信号となり、家族でレジャーを予定している場合は、どれくらいの風が吹くかを確認して中止や延期をする賢明な判断が必要です。

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