風速15mはどのくらい?自転車やバイク・スポーツへの影響とは?
風速15mは、風に向かって歩くのが困難になり、傘もまともにさすことができなくなるほどの強い風です。自転車への影響は風速10mを超えると自転車を脚でこげなくなり、バイクは横風を受けるとまっすぐ走行するのが困難になります。風速15mのスポーツ競技への影響は、短距離走や走り幅跳びなどの風の影響を受けやすい競技は公式記録にならずに参考記録になります。
Writer
公式ライター yama1116
学生時代はバスケ、テニス、アメフトをしていました。 現在は観戦専門ですが、サッカーや野球などスポーツ全般に興味がある30代3児のパパです。
風速15mとは?
風速15mとは1秒間に空気が15m移動することで、気象用語では風の速さを10分間観測したときの平均値が15mであることを示しています。風速15mの風は強い風に分類され、風力の尺度であるビューフォート風力階級では風力7に指定され、大木全体が揺れ、風に向かって歩くのが困難なため、事前にどれくらいの危険性があるか考えて行動する必要があります。
風速15mの定義
風速の一般的意味 | 1秒間に風が移動する距離 |
気象用語の意味 | 10分間の風速の平均 |
風力階級 | 風速 | 陸上の様子 | 海上の様子 |
0 | 0~0.2m/s | 煙はまっすぐ昇る。 | 水面は鏡のように穏やか。 |
1 | 0.3〜1.5m/s | 煙は風向きが分かる程度にたなびく。 | うろこのようなさざ波が立つ。 |
2 | 1.6〜3.3m/s | 顔に風を感じる。木の葉が揺れる。 | はっきりしたさざ波が立つ。 |
3 | 3.4〜5.4m/s | 木の葉や小枝が揺れる。 | 波頭が砕ける。白波が現れ始める。 |
4 | 5.5〜7.9m/s | 砂埃が立ったり、小さなゴミや 落ち葉が宙に舞ったりする。 |
小さな波が立つ。白波が増える。 |
5 | 8.0〜10.7m/s | 葉のある灌木が揺れ始める。 | 水面に波頭が立つ。 |
6 | 10.8〜13.8m/s | 木の大枝が揺れ、傘がさしにくくなる。電線が唸る。 | 白く泡立った波頭が広がる。 |
7 | 13.9〜17.1m/s | 大きな木の全体が揺れ、風に向かって歩きにくい。 | 波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される。 |
8 | 17.2〜20.7m/s | 小枝が折れる。風に向かって歩けない。 | 大波のやや小さいもの。波頭が砕けて水煙となり、 泡は筋を引いて吹き流される。 |
9 | 20.8〜24.4m/s | 屋根瓦が飛ぶ。人家に被害が出始める。 | 大波。泡が筋を引く。波頭が崩れて逆巻き始める。 |
10 | 24.5〜28.4m/s | 内陸部では稀。根こそぎ倒される木が出始める。 人家に大きな被害が起こる。 |
のしかかるような大波。白い泡が筋を引いて海面は白く見え、 波は激しく崩れて視界が悪くなる。 |
11 | 28.5〜32.6m/s | めったに起こらない。広い範囲の被害を伴う | 山のような大波。海面は白い泡ですっかり覆われる。 波頭は風に吹き飛ばされて水煙となり、視界は悪くなる。 |
12 | 32.7m/s ~ | 被害が更に甚大になる。 | 大気は泡としぶきに満たされ、海面は完全に白くなる。 視界は非常に悪くなる。 |
風速15mの定義は1秒間に空気が15m移動する速度を表し、気象用語では10分間の風速の平均値を風速と定義し、風速の観測場所は地形の影響を受けないために地上10m付近で観測します。
風速計がない場合はビューフォート風力階級を基準に、地上や海上の様子を見て体感で風速を推定する場合があります。ビューフォート風力階級は風力を0から12までで表し、気象庁の風力階級はビューフォート風力階級をもとに作られました。
風速と最大瞬間風速の違い
気象用語 | 意味 |
風速 | 10分間の風速の平均値 |
最大風速 | 風速の最大値 |
瞬間風速 | 3秒間の風速の平均値 |
最大瞬間風速 | 瞬間風速の最大値 |
風速は10分間の平均速度で、瞬間風速は0.25秒間隔で観測した風速の3秒間の平均値、最大瞬間風速は瞬間風速の最大値を示しています。最大瞬間風速は風速の1.5倍から3倍の速度を記録し、風速15mの最大瞬間風速は風速22.5mから風速45mになることが予想され、台風並みの強烈な風であるため注意が必要です。
風速15mの強さ
風速(m/s) | 人への影響 |
10~15未満 | 風に向かって歩きにくくなる |
15~20未満 | 風に向かって歩けなくなり転倒する人が出る |
20~25未満 | 何かにつかまっていないと立っていられない |
風速15mの風の強さがどれくらいか、気象庁の風の強さを表す目安では強い風に分類され、風に向かって歩きにくくなり、風にあおられて転倒するリスクがある危険な風の強さです。
風速15mを時速で換算すると時速54kmで、自動車が走行する速度とほぼ同じ風が正面から吹いてくることを考えると、歩行時にかかる空気抵抗はかなり強く危険な風と判断できます。
風速15mと日常生活への影響
風速15mの風が日常生活に与える影響は風に向かって歩くのが困難になり、傘はまともにさすことができず、強風による飛来物や落下物と衝突する危険性があるため、不要不急の外出は控えたほうがよいです。
風速15mの風が吹くと樹木全体が揺れ、樹木に被害が発生し始めますが、建造物には影響はほとんどありません。建付けの悪い看板や軽めの植木鉢は吹き飛ばされてしまうため事前に対策を講じたほうがよいです。
歩く人々
風速15mの風が歩行者にどのくらいの影響を与えるかは、風に向かって歩くことが難しく、転倒するリスクもあります。
JAFが実施した強風時の歩行者に与える影響を検証したユーザテストで、風速10mの風が正面から吹くと前に進みにくくなり、風速50mを超えると前進できなくなることがわかっています。風速15mの強風下では、瞬間的に強い風が吹くため、足腰が弱い高齢者や子どもは足がすくわれて転倒する可能性が高いです。
傘の使用
風速15mの風が吹いているときに傘を使用すると、強風で傘をまともにさすことができず吹き飛ばされたりするため危険です。気象庁の基準では風速10m以上の風が吹くと傘がさせなくなるとされ、風速15m以上の風が吹くと、一般の傘では風圧に耐えきれずの骨組みが折れて破損するため、傘の使用は控えたほうがよいです。
街路樹
風速15mの風がどのくらい街路樹に影響を与えるかというと、樹木全体が大きく揺れて、細い枝が折れて、樹木に被害が発生します。樹木は最大風速15m以上の風が吹くと倒伏被害がではじめて、最大風速20mを超えると被害本数が増加し、最大風速22mの風が吹くと、街路樹が倒れてしまい交通の妨げになる場合があります。
ビル・看板
風速15mの風は、ビル自体には大きな影響がありませんが、ビル風が発生しビルの付近では風が強くなったり、乱れたりするため飛来物や落下物に注意が必要です。風速15mの風は取り付けの悪い看板を簡単に吹き飛ばすため、風速10m以上の風が吹き始めたら早めに対策を講じたほうがよいです。
風速15mとスポーツへの影響
風速15mの風がスポーツに与える影響は大きく、風速8m以上の風が吹くとテニスやゴルフはボールが風に流されて競技が成立しなくなり、野球は風速14mで中止になった事例があります。
陸上競技は投てき競技が風速10mで原則中止、短距離走や走り幅跳びは風の影響を受けやすいため風速2m以上の風が吹くと参考記録になります。マリンスポーツは風速15mの風が吹くと波が高くなり、海上がかなり荒れるため危険です。
球技
風速15mの風が球技にどのくらいの影響を与えるかは、テニスやゴルフ、野球は強風による中止の規定はありませんが、テニスやゴルフは風速8m以上の風が吹くとボールが風に流され、風の影響で勝手に転がるため競技が成立しなくなります。
野球はマリンスタジアムで風速14mの風で中止になった事例があります。サッカーはボールが大きいため風の影響が少なく、Jリーグの試合が強風で中止になった事例はありません。
陸上
風速15mの風が陸上競技にどのくらいの影響を与えるかは、陸上競技の各連盟では平均風速20m以上の暴風警報を開催中止の基準にし、平均風速15m以上の風が吹く場合や強風注意報が発令されている場合は主催者の判断で中止になることがあります。
短距離走や走り幅跳び、三段跳びは陸上競技のなかでは特に影響を受けやすい競技で、風速2m以上の風が吹くと公式記録ではなく参考記録になります。
マリンスポーツ
風速15mの風がマリンスポーツにどれくらいの影響を与えるかは、風速15メートルの風が吹くと、4.5mから4.8mの高波になり海上が荒れるため、マリンスポーツを実施することは極めて危険です。
マリンスポーツが中止になる基準の風速は平均風速8mから10mで、海は風速6m以上の風が吹くと白波が発生し、高くうねりだすため、強い風が吹きそうなときは早めに中止したほうがよいです。
風速15mと乗り物への影響
風速15mの風は乗り物へ大きな影響を与えます。自転車は風速10m以上の風が吹くと脚でこぐことができなくなり、バイクは横風を受けると風下方向に流されてまっすぐ走行することが困難になり危険です。
自動車に与える影響は時速60km以上の速度で走行中に横風を受けると、車体が回転しながら滑り制御不能に陥ります。電車は速度規制がしかれ10分単位の遅延が発生し、飛行機は離着陸ができず欠航や行き先が変更になります。
自転車
風速15mの風が自転車にどのくらい影響を与えるかは、風速10m以上の風が向かい風で吹いているときは脚でこぐのが困難になり、風速15mの風が吹くと押して歩くだけで精いっぱいで走行できません。自転車は風の影響を受けやすい乗り物で、正面から吹く風や追い風よりも横から受ける風のほうが危険で、風で横に流れて自動車やガードレールに接触し、バランスを崩して転倒するリスクがあり非常に危険です。
バイク
風速15mでのバイクにどれくらいの影響を与えるかは、走行中横風にあおられると風に流されてまっすぐ走行することが困難になり、転倒や自動車と接触事故を引き起こす可能性があり非常に危険です。風速10メートル以上の風が吹くと高速道路で自動二輪車の走行ができなくなるため、強風時はバイクでの移動を中止にするのが賢明です。
自動車
平均風速 | 自動車への影響 |
10~15m/s | 高速運転中は風に流される感覚を感じる |
15~20m/s | 高速運転中は風に流される感覚が大きくなる |
20~30m/s | 通常速度の走行が困難 |
30m/s~ | トラックが横転する |
風速15mの風が自動車の運転に及ぼす影響は車体の横滑りや横転があり、自動車の走行速度が速ければ速いほど、風圧が大きくなるため大変危険です。走行速度が時速60kmで瞬間風速25mの横風を受けると風下方向に滑り進路が乱れ、急ハンドルを切り、急ブレーキを踏むと車体のバランスを崩して横転します。速度が時速80kmを超えた状態で横風を受けると車体は回転しながら滑るため制御不能に陥り危険です。
自動車の速度 | 風速25m/sの風を受けたときの影響 |
60Km/h | 風下へ滑る |
80Km/h | 回転しながら滑る |
100Km/h | 勢いよく回転しながら滑る |
電車
風速15mの風が電車に与える影響は速度規制がしかれ、運行ダイヤに遅れが生じます。風速15mの風で速度規制がしかれる路線は京王電鉄で、JRの在来線は風速20mの風が吹くと速度規制がしかれ、風速25m以上の風が吹くとほとんどの電車は運転中止になります。新幹線もJR在来線と同じで、風速20m以上の風が吹くと段階的に速度規制がしかれ、風速25m以上の風が吹くと運転中止です。
飛行機
風向き | 欠航となる風速 |
横風 | 風速12m以上 |
追い風 | 風速8m以上 |
向かい風 | 風速25m以上 |
風速15mの風が飛行機の運航にどれくらい影響を与えるかは、便が欠航になるか、行き先が変更になります。飛行機は横風と追い風に弱く、横風は風速12m、追い風は風速8mで欠航になり、天気が雨で滑走路が濡れていると風速が12m、8m以下でも離着陸ができなくなります。2021年11月27日の羽田発能登便では瞬間風速10mの強風が吹いていたため、着陸できず急きょ行き先が能登空港から小松空港に変更になりました。
風速15mとアウトドアへの影響
風速15mの風が及ぼすアウトドアに及ぼす影響は、強風で歩きづらくなり、事故を引き起こす危険性があります。登山は山の標高が低ければ実施可能ですが、本格的な登山は中止にしたほうが良さそうです。キャンプや釣りは、風速10m以上の風が吹くと実施すること自体が困難になります。
登山
登山は風速15mの風が吹いているとまっすぐ歩行するのが困難になり、転倒や転落する危険性が高まるため中止にしたほうがよいです。強風が吹いている場合は、耐風姿勢をとりながらの移動が必須で岩場では行動ができなくなります。
標高が100m高くなると気温が0.6℃下がり、風が吹くと風速1m当たり体感温度が-1℃下がるため、強風が吹く日の登山は、気温と体力が激しく消耗します。
キャンプ
キャンプは風速15mの風が吹くと、テントを設営することが困難になり、テントを張れても、強風で吹き飛ばされてしまう可能性があるため、中止にするのが賢明です。
強い風が引いているため小石や小枝がテントと衝突する可能性があり、ポールが折れたりテントが破れたりします。テントは風速10m以上から設営が困難になるため、家族連れや子ども連れのキャンプでは風が弱いうちに中止の検討を始めるのが無難です。
釣り
釣りは、風速15mの風が吹くと転倒や転落のリスクが高く、白波が発生するほど波が高くなり海は時化ているため、とても釣りができる状態ではありません。強い風が吹いているときは、狙ったポイントに投げることが困難で投げられても浮は流され、竿は常に揺れてしまうため当たりがきたかの判断が難しいです。風速10mを超えて強風注意報が発令されると事故を防ぐために海上保安庁が釣りの自粛を呼びかけています。
風速15mは危険な強風域
風速15mの風は正面から風を受けると歩くのが困難で、足腰が弱い高齢者や子どもは転倒するリスクが非常に高く危険です。風速15mの強さは取り付けの悪い看板を吹き飛ばすほど強く、危険な風速域であるため、行動には細心の注意を払う必要があります。スポーツやレジャーを実施することは困難で危険を伴うため、風速15mでは中止にしたほうが賢明で、不要不急の外出も避けたほうが無難です。
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