テニスのフットワークを強化するトレーニングメニュー5選【コーチ監修】
テニスで重要となるのがフットワークです。フットワークは苦手という方でも、プロのように足腰をハードに鍛えずとも、フットワークの技術を覚えることで1歩も2歩も早く動くことができます。ここではテニスのフットワークを強化するトレーニングメニューを5つご紹介しています。
Writer
公式ライター SKコーチ
テニスにおけるフットワークの基礎とは?
・動き出し
・ステップ方法
・リズム
これらを強化することでフットワークは格段に良くなるので、それぞれ詳しく解説します。
動き出しの基礎となる瞬発力
テニスにおいて動き出しのフットワークの仕方を習得するだけで距離にして約1mもの差が出てくるので、テニスのフットワークを強化するために最も必要な要素と言えます。
移動手段の基礎となるステップ
・サイドステップ
・クロスステップ
・バックステップ
・ホップステップ
・スライドステップ
それぞれのステップの使い方は以下の通りです。
左右の動き…サイドステップ・クロスステップ
前後の動き…クロスステップ・バックステップ・スキップ&ホップ
体を止める…スライドステップ
これらのステップを使い分けることで、効率よくテニスコート内を動くことが可能になるので、習得したい技術となります。
ボールに近づく基礎となるリズム
テニスのフットワークで必要な3つの基礎を踏まえつつ、フットワークを強化するためのトレーニングメニューを5つの項目に分けてご紹介していきます。
テニスのフットワークの強化トレーニング①瞬発力
テニスのフットワークで瞬発力を鍛える要素は以下の3つです。
・動き出しに適した体制・姿勢を作る
・ボールの来た側の足から始動する
・つま先で地面を蹴る
瞬発力を上げるためには、膝を落とし、つま先重心となる姿勢を作ることが必須となり、スプリットステップをすることでつま先重心の姿勢を作ることができます。その後、テニスで必要となる動き出しの形を作るトレーニングを行うことで、各段にボールに追いつくスピードが速くなりますので、まずはスプリットステップの正しいやり方を習得しましょう。
スプリットステップ
①構えた際にリズムを取る(足踏み)
②相手を観察する
③相手のラケットにボールが当たった瞬間に足を開き地面に着地
ポイントは足を開く動作です。スプリットステップの誤った動作としてジャンプがありますが、ジャンプは着地までに時間がかかるためかえって動き出しの動作を遅らせてしまいます。足を開くことで膝が自然に曲がりつま先重心を作ることができるので、動き出しの際につま先で地面を蹴ることが可能となります。
瞬発力UPのトレーニングメニュー基本編
②ペアの腕が下に落ちた時にスプリットステップをする
③ボールが来た方の足から始動をする
④足の側面がペアを向くようにし、ボールをキャッチ
ランダム要素を加えることで観察力・つま先重心・瞬発力の3つを強化することができ、手軽にできる練習メニューなのでおすすめです。
慣れてきましたらスピードを上げるなり距離を長くするなりといった負荷をかけていきましょう。
瞬発力UPトレーニングメニュー実践編
②ラケット出しで、スプリットステップのタイミングを習得
③ラケット出しで、左右のふり幅を大きくしていく
テニスの瞬発力は、はじめの一歩目が非常に大事になります。
①~③の共通事項は、つま先立ちからボールが来た方の足の側面を相手に見せることです。この動きを作ることでつま先で地面を蹴る形ができ、一歩目の加速スピードが上がります。
テニスのフットワークの強化トレーニング②左右の動き
両ステップの特徴は、姿勢が上下運動しにくくなることと相手に体を向けた状態で移動することができることです。姿勢がぶれればそれだけボールとの距離感を掴むことが難しくなり、相手に横向きの状態を作って移動してしまうと相手を観察することができないため予測や判断が遅れてしまいます。
正しい両ステップの基本動作と使いどころに合わせたトレーニングメニューをご紹介していきます。
左右のステップ
クロスステップの場合、おへそをできるだけ正面に向けたまま移動する方向と逆の足からスタートをさせます。
まずは、正しい左右のフットワークを習得することが重要となるため、鏡を見ながらイメージ図と同様の動きになるまで練習していきましょう。
トレーニングメニュー基本編
②スプリットステップを使用し、ターンをする
③クロスステップでシングルスラインまで移動し、素振り
④サイドステップでセンターラインまで戻る
応用編としてセンターラインに到着した際にランダムに左右をどちらかを支持してもらうことで瞬発力も併用して強化できます。
サイドステップは主に打球後の戻りの際に、クロスステップはボールを追いかける際に使うフットワークとなり、常に相手を観察することができるだけでなく、動き出しをよりスムーズに行えるので、ぜひ習得していきましょう。
トレーニングメニュー実践編
①範囲はシングルスラインまでとする
②球出し者はラケット出しで左右ランダムに配球する
③打球者は、打球後は必ずサイドステップを使用する
慣れてきたら球出し者は出すタイミングも色々変化を持たせるようにしていきましょう。俗に言う振り回し練習です。
注意点は、あくまでテニスのフットワーク強化なので球出しするボールのスピードはゆっくりにすることです。各ステップの使用タイミングを習得する実践トレーニングメニューでもあるため、相手にボールが取れる範囲で球出しをしてあげましょう。
テニスのフットワークの強化トレーニング③球際の対応
テニスのフットワークでは、足の速さよりも正確に打球位置へ入ることが重要となり、球際のボールに対してスライドステップを使うことによって、移動歩数を2歩減らす効果があるとともに打点への調整もしやすくなります。
ただ、足を滑らすフットワークとなるため、クレーコートやオムニコートなど砂がちりばめられたコート専用のフットワークとなることを知っておきましょう。
スライドステップ
②地面に水平になるように軸足の裏を合わせる
③移動してる勢いを利用して、意図的に足を滑らす
④止まる時はつま先に重心をかける
スライドステップは移動する勢いと低い姿勢の2つが条件です。軸足を地面に対して上から着地するのではなく、地面と水平になるようにしなければならないため、重心が高いとできません。
重心を低くすることに意識して、上記のポイントを参考に練習しましょう。
球際のトレーニングメニュー基本と実践
①シングルスラインとシングルスラインを往復する
②戻る際は、必ずラインをタッチする
③シングルスラインの1m手前当たりからラインをタッチする形を作る
このトレーニングでは、スライドステップの感覚を掴むとともに、テニスに必要な切り替えしの筋力も鍛えることができます。また、3往復・5往復と数を増やしていくことで瞬間的なスタミナも同時に鍛えられます。
実践編では、左右に距離のある球出しをスライドステップを使用して感覚をつかむようにしていきましょう。
テニスのフットワークの強化トレーニング④リズム
フットワークを強化するトレーニング①~③で紹介した各ステップを駆使することで、ある程度のテニスに必要なフットワークを網羅することができますが、より正確にボールとの距離を合わせるために小刻みな動作をすることでフットワークにリズムが生まれてきます。
小刻みなフットワークやリズムを効果的に鍛えるには、ラダーを使ったトレーニングを行うことが効果的です。
ラダーを使ったトレーニングメニュー
ラダーの効果は脳神経と動作をより正確に繋げることとなり、細かい複雑な足の動きをすることで運動神経を鍛えることができます。様々なやり方がありますが、基本となるラダートレーニングメニューを3つご紹介します。
②マスの中に右左交互に3ステップする
③ラダーの横からスタートし、マスの中で2ステップ⇒ラダー外で1ステップする
目的は自分の思った動作が体現できるかですので、スピードよりも正確性を重視して練習していきましょう。
リズムのトレーニングメニュー実践編
①テニスコートのセンターに位置する
②打球後は必ずサイドステップで元の位置に戻る
③1球目⇒2球目⇒3球目と徐々に距離を離し球出し
このトレーニングのポイントは、元の位置に戻ったらすぐに次のボールを球出しすることです。
応用編として、球出しの距離を1球ごとにランダムにしていきましょう。ボールに対する距離を作るためのリズムを鍛えることができます。
テニスのフットワークの強化トレーニング⑤前後の動き
バックステップは、左右のフットワークでお伝えしたサイドステップを使用して後ろに移動する動きとなり、体の向きを横向きにして後ろに移動するがポイントです。
ホップステップは、主に前へのボールに対し打球後次のフットワークをスムーズにするためのフットワークとなり、アプローチなどで活用されます。
ホップステップを習得することで、前へのフットワークを強化することができます。
ホップステップの練習方法
②打球時の前足の位置を決める
③打球時に後ろ足を上げる
④打球後に前足で地面を蹴り、前足で着地する
ホップステップはリズムが最大のポイントです。サイドステップを使用することでターンをした状態でボールとの距離を合わせることが可能になり、打球時は前足に重心を置くことで次への前への移動の際にスムーズに動き出すことができます。
通常の打ち方と比べ、打球後2歩分速く動くことが可能になるので、ぜひ練習して習得しましょう。
前後の動きを使った総合的なトレーニングメニュー実践編
1球目:横のボールに対してクロスステップ
2球目:後ろのボールに対してバックステップ
3球目:横のボールに対してサイドステップを使い回り込む
4球目:前のボールに対してホップステップ
この球出しを繰り返し行えば、テニスコート内で使うステップを理解できるとともに、様々なステップを使用し生まれるリズムの強化や、テニスに必要な筋力も同時に鍛えることができます。
テニスのフットワークを強化するトレーニングまとめ
筋力を強化することで瞬発力などを鍛えることは可能ですが、この記事で紹介したフットワークを習得した後に、さらに強化するためのトレーニングです。
まずは、基本となる正しいステップの仕方・ステップを使ったトレーニング・実践向きのトレーニングを積むことが、結果としてテニスのフットワークの強化につながっていきますので、ぜひこの記事を参考に練習していきましょう。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。