チームビルディングは、組織改革やチーム力強化に必要です。チームビルディングは、個の力に頼らず、チーム全体で共通の目標を持ち、ワンチームでゴールを目指します。チームビルディングは、近年、スポーツや企業の新人研修、組織改革で取り組まれています。
チームビルディングとは?
チームビルディングとは、1つの目標に向かい、1人がみんなのために、みんなが1人のために行動できる組織作りです。スポーツの組織作りは、強いチームを作る、好成績を残すうえでとても大切なキーワードになります。チームビルディングを介して学べることは、仲間に思いやりやチームの目標を達成することの楽しさです。チームビルディングは、スポーツで用いられますが、最近は企業研修も用いられています。
目的
チームビルディングの目的は、3つあります
・コミュニケーション促進・活性化
・ビジョンの一体化
・共通のマインドセット
チームビルディングは、1人1人の能力を最大化し、有効活用することでチームを作り上げることです。チームを強化するために、コミュニケーションが不可欠です。コミュニケーションだけでなく、ゴールに対してビジョンを共通し、マインドセットを作ることでさらに強い組織を作ることができます。
効果
チームビルディングの効果は、3つ期待できます。
・モチベーションの向上・維持
・コミュニケーションが増える
・学びがある
チームビルディングは、コミュニケーションが必須です。お互いの役割を確認したり、チームメンバーへアドバイスをしたりだけでなく、コミュニケーションをすることで目標に向けてお互いの役割や何をすべきかを理解するためです。コミュニケーションが欠かせないため、必然とコミュニケーションが増えます。
チームビルディングは、スポーツに対しての知識や戦術を学ぶだけでなく、互いの意識や意見を学ぶこともキーとなります。チームビルディングがもたらす効果は、コミュニケーションを通じて、お互いの考えを理解し、コミュニケーションをとることでチーム力を高めていけることになります。
なぜスポーツにも求められるのか?
チームビルディングがスポーツに求められている要素は、強いチームを作るためです。結束の強いチームを作り、結果だけでなく、結果までの過程もトライアンドエラーをチームで検証します。過去、スポーツで、個の力を高めて、個の力にチームが合わせる流れでした。しかし、現在は、個の力ではなく、チーム力強化に取り組み、みんなで挑んでみんなで分かちあうことが重要視されています。
チームビルディングが必要なスポーツ
チーム力を挙げてチームが強くなった、絆ができたと実感できるスポーツがいくつかあります。
・サッカー
・登山
・野球
サッカーや野球は、今まで個の力で観客を魅了し、チーム力が高くなくても勝てることが可能でした。しかし、個の力に頼るとスター選手が去ればチームは弱体化します。現在、チームを作るためには、チーム力が重要です。
サッカー
サッカーで強いチームは、組織力がある、目標が明確化しているや全員が意識を高く保っていることです。チーム力を高めるためにチームビルディングが必要です。チームビルディングがサッカーチームを強くする要素は、全員が同じ目標に向くことで、全員の意識が統一されることです。意識が統一されると、チームに一体感が生まれ、選手だけでなく、スタッフのモチベーションを高めることができます。
近年、プロサッカーチームでチームビルディングが導入されています。Jリーグでは、ヴィッセル神戸や湘南ベルマーレが代表的です。チームビルディングを導入したチームは、何かしらの結果をもたらしています。例えば、ヴィッセル神戸は天皇杯優勝を成し遂げました。湘南ベルマーレは、J2からJ1へ復帰を成し遂げることができました。
登山
登山は、チームビルディングの望める効果にあるモチベーションを高く保つやコミュニケーションの活性化を実感できます。チームで登山をするさいは、黙々と登るわけにはいきません。登山中、1人1人が声をかけあって、お互いを励ましながら頂上を目指します。登山中は、1人1人が役割を理解することでスムーズに登山ができます。登山をチームで有意義にするためにチームビルディングは、有効です。
登山は、山頂が高ければ高いほど困難に直面します。登山先で人気の高い富士山は、5合目から登ればさほど時間がかかりません。しかし、麓から登るとなると体力と精神力が必要です。チームビルディングを導入することで、計画段階でチームの目標を明確化し、お互いの役割を考えます。実際に登山を開始してからはコミュニケーションを活性化し、モチベーションを保つことでチームの一体感を作り上げます。
野球
野球もチームスポーツです。チームビルディングは、強いチームを作るために有効なツールになります。最近では高校野球やプロ野球でのチームビルディング導入が顕著です。野球の強いチームを作るための条件は、サッカー同様一体感です。チームビルディングを導入することで選手やスタッフの意識やモチベーションを高めることができます。目標に向かって全員が同じ方向を向くため、コミュニケーションが活性化されます。
野球は、サッカーに比べると個々の力で勝負する場面が多いように思われがちです。しかし、チームビルディングを導入してチーム作りをすることで、周りの声掛け、グランド内の選手だけでなく、ベンチの選手からのかけ声でモチベーションを高く保ちながら試合に挑めます。言い換えると、苦しい場面では、みんなが支えあって困難に立ち向かうことでチーム力や精神力を高めて乗り切ることができます。
チームビルディングをスポーツで活用しているチームとは?
サッカーや野球のプロチームがチームビルディングを活用して好成績をあげています。ヴィッセル神戸や湘南ベルマーレは、チームビルディングを積極的に活用し、チーム力の底上げに成功したプロサッカーチームです。広島カープは、プロ野球チームで早くからチームビルディングを活用し、チーム改革に成功しました。
ヴィッセル神戸(サッカー)
ヴィッセル神戸は、チームビルディングでチームの意識改革を行い、成功したプロチームの1つです。成績が長らく低迷を続けてきたチームが、チームビルディングを導入し、天皇杯優勝を獲得しました。ヴィッセル神戸を改革したチームビルディングの要素は、4つあります。
・目的の統一化
・意見の尊重
・リーダーシップ
・コミュニケーションの活性化
ヴィッセル神戸は、低迷しているチームを強化するため、徹底的に組織改革に取り組みました。組織改革に用いたのがチームビルディングです。最初に目標を統一し、何のためにプレーするのか、なぜ目標を設定するのかを浸透させました。次に、コミュニケーションを活性化することで、チーム力が向上し、結果につながりました。
湘南ベルマーレ(サッカー)
湘南ベルマーレは、ヴィッセル神戸同様、Jリーグの中でチームビルディングを導入し、チーム改革が成功したチームです。チームビルディング前の湘南ベルマーレは、ただ走れる若いチームでした。チームビルディングを導入し、チームの共通する目標を設置しました。目標を設置することでチーム内のコミュニケーションを活性化させ、お互いがチームに必要な役割を理解し、練習や試合に取り組むことで試合で勝てるようになりました。
湘南ベルマーレは、若手育成やジュニアの成長のためにチームビルディングを導入し、早くからチームに対しての意識改革を行っています。下部組織のチームビルディングだけでなく、サマーキャンプやイベントで早くからジュニア世代にチームビルディングを体験させることで興味を持ってもらうユニークな取り組みをしています。
広島カープ(野球)
サッカーだけはなく、野球でもチームビルディングを導入して成功したチームがあります。日本のプロ野球チーム、広島カープです。広島カープといえば、数年前まで成績が低迷していたチームです。しかし、現在は、優勝候補の勢いのあるチームへと変貌を遂げています。広島カープは、チームビルディングでファンを楽しませることを目標にしたことで選手やスタッフの行動改革につながり、結果、成績が飛躍的に向上したプロ野球チームです。
広島カープのチームビルディングは、選手やスタッフだけでなく、ファンを巻き込みました。ファンと共に優勝を目指すチーム作りをすることで球場全体をワンチームの一体感を生み出すことが可能です。球場全体が一体感に包まれることで選手やスタッフの試合に対する意識が大きく変わります。選手やスタッフの勝ちに対する意識やプレーに対する粘り強さが出て、チームを勢いづけることが可能です。
スポーツのチームビルディングのおすすめ本
『個』を生かすチームビルディング
タイトル |
『個』を生かすチームビルディング チームスポーツの組織力を100倍高める勝利のメソッド |
著者 |
福富信也 |
出版社 |
カンゼン |
発売日 |
2013/7/20 |
福富信也さんが執筆した『個』を生かすチームビルディングは、チームビルディングを導入したい指導者のためにわかりやすく解説した本です。指導方法は、文字とイラストで指導のステップまで細かく紹介しているので、理解しやすい内容です。1つ1つのトレーニングに確認すべきポイントが記されているため、指導者がただトレーニングを導入するだけでなく、結果に対してフィードバックを選手からもらい一緒に考えることができます。
チームビルディングはスポーツのかたちを変える
チームビルディングは、スポーツや企業の組織改革をすることができます。組織改革は、単に組織を変えるだけでなく、個々の意識から組織全体のモチベーションまで大きく変えることが可能です。目標を達成することだけに重点をおかず、目標までの過程をチームでどうするかをチーム全体で取り組みます。結果、チーム内の絆や仲間へ思いやり、チームへどう貢献するかの意識改革につながります。