バイシクルシュートとオーバーヘッドとの違いと打ち方とは?
サッカーの芸術的なテクニックとされているバイシクルシュートとオーバーヘッド。バイシクルシュートとオーバーヘッドの違いがどのようなものなのか解説していきます。またバイシクルシュートの打ち方とそのプレイ特性に関してもまとめ、参考となるお手本動画も併せて紹介していきます。
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公式ライター Activel_director
バイシクルシュートとオーバーヘッドの違い
つまりサッカーのプレイにおいて違いは無いということです。どちらも自身の背中側へボールを蹴るサッカーのプレーを指しているからです。サッカーの育成の現場でもプロの現場でもこの2つのプレーを特別区別するようなことはしていません。
世界的にはバイシクルシュート
これは日本のサッカー黎明期にその人気に火をつけ爆発的な人気を博したサッカーマンガにおいて、オーバーヘッドと呼ばれていたことが原因だとされています。
バイシクルシュートとオーバーヘッドを厳密に区分する説もある
オーバーヘッドキックとは?
そのため踏切りの足(この場合ジャンプできませんから軸足ということになる)は地面につけたまま、倒れ込むように蹴り足を振り上げて頭上のボールを後方に蹴る打ち方ということになります。
まさしくオーバーヘッドという意味にぴったりの打ち方だと言うことができます。
バイシクルシュートとは?
バイシクルシュートの打ち方を詳細に解説
1.蹴る足とは逆の足を振り上げる
この足の振り上げ方でシュートフォームそのものの挙動の大きさやボールアプローチへのタイミングを決めることになります。
大きく振り上げればタイミングを遅くできますし、小さく振り上げれば次の動作が必然的に早くなるためタイミングを早めることになるのです。
2.振り上げた逆足を振り下ろす反動で蹴り足を振り上げ始める
サッカーのプロ選手でもバイシクルシュートの逆足の動きに対して、地面に軸足をつけるような感覚で振り下ろしていると言っています。
それぐらいに力強く振り下ろすことで反動がしっかりと生まれ、蹴り足の振り上げが早く高くなります。
3.入れ替えながら後ろに倒れ込んでいく
しかしバイシクルシュートはインパクトが難しいシュートなので、視線はボールから離さないようにします。
高く飛んだ場合後方への恐怖が大きくなるかもしれませんので、最初に練習では低いジャンプで行うのが望ましいでしょう。
4.インパクトしながら倒れ込む
着地で背中や後頭部を地面にぶつけないように降ろした腕から着地するイメージです。
若干肘を張ることで衝撃を分散させることができますが、肘だけに全体重がかかるのも危険なため、肩口も着地に使うようにすると怪我しにくいでしょう。
バイシクルシュートのメリット
このメリットを紹介していきましょう。
プレー自体がフェイントになり得る
単純にキーパーの予測の中で、背中を向けた選手がシュートしてくる可能性は低く見積もっているため、突然バイシクルシュートを放つことでセービングのタイミングを大きくズラすことができるわけです。
サッカーの本質は意外性による騙しですから、その意味でサッカーらしいプレーと言えるでしょう。
パスとしても有効なプレーとなる
前面や横方向のパスコースはディフェンスにケアされやすいですが、後方へのパスまで予測してカバーすることはディフェンスには難しいため、効果的に活用することでより多くのパスコースをプレー選択に入れることができるわけです。
しかも同様に後方へパスするヒールキックとは違ってボールが高いコースを飛ぶため、咄嗟にディフェンスが反応してカットすることが難しいのも長所と言えます。
ワンプレーで完結するためテンポが速い
通常、自身の後方へボールを蹴りたいと思う場合、ボールを何度かタッチして身体を反転させてから蹴ることになるため、その動きからディフェンスはパスコースを先に予測して守ることができます。
しかしバイシクルであれば反転の必要がないため、ディフェンスの予測を上回る速度で後方にボールを送れますから、瞬間的なチャンスを逃すことがありません。
このような特徴のため、CKにおけるディフェンスの選手がこぼれ球の早急なクリアのためにバイシクルキックを使う場面がサッカーでは多々見られます。
バイシクルシュートの注意点
意味もなく使うのではなく、特性を踏まえた上で安全に活用していくことが大切なのです。
プレーそのものが怪我の危険性が高い
この際に受け身が不十分だと後頭部や背中を強打してしまい、怪我に繋がる可能性が非常に高い点に注意が必要です。
高い打点で行なえばそれだけ効果的なキックになりますが、高ければ高いほど受け身が難しくなることを覚えておかなければなりません。
このためバイシクルキックを練習する場合、最初に受け身の仕方をしっかりと身につけておくことが大事です。
サッカーのプロ選手は受け身のことを考えてバイシクルの落ち際に身体を捻り、身体の側面で受け身を行う選手もいます。
怪我をしないように上手に活用することもバイシクルキックにおいては大切なことなのです。
ハイキックのファウルになりやすい
足を高く上げるとどうしても足裏を見せることになり、この足裏にはスパイクがあるため、周囲の選手にとって危険だからファウルとなっているのです。
そのため両足を高く上げて行うバイシクルシュートがハイキックのファウルになるのは必然だと言えます。
ただしこのハイキックは競り合いの際に適用されるファウルのため、周囲に相手選手がいない状況であれば反則となることはありません。
バイシクルシュートを試合で行う場合、周りに誰もおらず自身のみがボールにアプローチしている状況で行わなければいけません。
ボールをミートすることが非常に難しい
そのためサッカーのプロ選手でもミスキックが多く、単純にトラップしていればチャンスが続くような場面で無理にバイシクルを狙うのは好ましいことだと言えません。
その時々の状況をしっかりと見据えた上で、ここぞという場面に狙うのが良いでしょう。
意外性が高く成功すれば効果的なだけに、使いどころを見極めるサッカーセンスも高いものが要求されるわけです。
バイシクルシュートのお手本動画
後方からのボールを直接ではなくトラップ後に蹴っているためミートがしっかり行えるやり方です。
5:02あたりからのクリスチアーノ・ロナウドのバイシクルシュートは打点の高さが抜群で、見事なバイシクルシュートだと言えます。
動画内のほとんどのバイシクルシュートやオーバーヘッドキックがトラップで浮かせてから行うことで精度を高めているのに対して、このロナウドのバイシクルは横からのクロスを戻りながら直接行っているため、難易度だけでも世界最高レベルのプレーとなります。
チャンスを逃さないためのバイシクルシュート
相手GKが飛び出し過ぎて手を使うことができず、クリアが小さくなった場面なのですが、ここで相手ディフェンスはGKよりも後方まで戻っていて、必要ならばゴールマウス内まで戻ってカバーすることもできるポジショニングをしています。
もしイブラヒモビッチが普通に浮き球をトラップして反転、コースを狙ってシュートと段階を踏んでいた場合、ゴールする可能性はかなり低くなるでしょう。
すべての段階を飛ばして即座にゴールを狙えるバイシクルシュートを選択したからこそのゴールだということです。
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