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スローカーブの投げ方と握り方を徹底解説【野球上達ガイド】

スローカーブの投げ方と握り方を徹底解説【野球上達ガイド】

ピッチャーが投げるスローカーブとは、どのような変化球なのでしょうか。メジャーリーグで活躍しているダルビッシュ投手もスローカーブを使いこなしています。スローカーブを投げる際のボールの握り方とリリース、そしてスローカーブの投げ方が上手くなるコツを解説します。

2023.01.01 野球

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スローカーブ変化球とは?

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野球でピッチャーが投げるスローカーブとは、ストレートよりも球速が40km前後遅いカーブのことを言い、プロ野球では100km台の球速です。
ボールをリリースした利き腕とは逆の方向へ、山なりの軌道で曲がりながら落ちていくのが特徴で、ピッチャーの投げる変化球の中では、かなり遅い部類に入ります。

球速が遅い変化球のため、バッターのタイミングをはずしたり、カウントをとるのに使用するのが一般的ですが、キレのあるスローカーブを投げることができれば、決め球として使うことも可能です。
プロ野球では、楽天の岸投手がスローカーブを投げることで有名です。

変化球『カーブ』と『スローカーブ』の違い

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『スロー』とついているので、カーブより球速が遅いのがスローカーブ…確かにその通りなのですが、単純にその違いだけではありません。カーブを投げるピッチャーの投げ方と、スローカーブを投げるピッチャーの投げ方を比較すると、球速が違うたけであまり変化に気付かないかもしれません。
実はピッチャー目線ではなく、バッター目線で見ると、カーブとスローカーブには大きな違いがあることがわかります。では、カーブとスローカーブは球速以外で何が違うのか解説していきます。

ボールの軌道が違う

Stunning Free Images · Pixabay (30802)

前述したように、カーブとスローカーブは山なりの軌道で曲がりながら落ちくる変化球です。スローカーブはカーブより球速が遅いため、より山なりの軌道になるので、ピッチャーがボールをリリースした瞬間、バッターの頭上に近い所からボールかくることになります。このため、バッターは一度目線を上に向ける必要があり、目線がぶれてしまい打ちにくくなるのです。

また、右ピッチャーが右バッターと対戦した際にスローカーブを投げると、バッターは自分の頭に当たると思いしゃがんでしまうこともあり、そこからボールが曲がりながら落ちてきてストライクになる、というケースもあるほどです。

ボールの回転量が違う

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ピッチャーがスローカーブを投げる際、カーブよりも球速が遅くバッターに届くまで時間があるため、ボールにより多くのカーブ回転をかける投げ方が可能です。スローカーブはボールに回転がかかっていればいるほど、曲がりも落差も大きくなり、バッターは打ちにくくなります。

また、キレのあるスローカーブを投げることができれば、バッターの手前でブレーキがかかり、バッターが予測した感覚よりもボールがこないので、ボールを引っ掛けたり空振りする確率が高くなり、さらに鋭く曲がりながら落ちるため、非常に厄介な変化球になります。

ダルビッシュ投手のスローカーブ

サンスポコム on Instagram: “古巣レンジャーズ戦に先発、6回3安打1失点7奪三振と圧巻のピッチングを披露したカブス #ダルビッシュ =レンジャーズ1-5カブス、21日、アリゾナ州サプライズ(撮影・リョウ薮下)  #darvish #シカゴカブス  #カブス  #chicago  #chicagocubs…” (31037)

前述したように、プロ野球では楽天の岸投手のスローカーブが有名ですが、メジャーリーグではダルビッシュ投手のスローカーブが有名です。ダルビッシュ投手の投げるスローカーブは、メジャーリーグのバッターもその凄さを認めるほどで、
“投げ損なってバックネットに当たると思っていたら落ちてきた”
とコメントしている選手もいます。

ここでは、投げるとバッターは驚き、球場のファンもどよめく、ダルビッシュ投手のスローカーブを見ていくことにしましょう。

ダルビッシュ投手のスローカーブの特徴

ダルビッシュ投手のスローカーブ

ダルビッシュ投手の投げるストレートは150kmを超える球速ですが、スローカーブの球速は100km前後のため、50km近い球速の差があることになります。

150km近いストレートがきた後に100km前後のスローカーブがくれば、バッターはタイミングをあわせるのに非常に苦労するはずです。50km近い球速の差がある訳ですから、逆にスローカーブがきた後にストレートがくれば、バッターはもの凄く速く感じるでしょう。

ダルビッシュ投手のスローカーブが『魔球』と言われているのも頷けますね。

ダルビッシュ投手のスローカーブの投げ方

日刊スポーツ on Instagram: “今日の1枚【写真部デスクK】超速報 カブスのダルビッシュ有投手(31)が20日(日本時間21日)、今キャンプ初めて打者を相手に投球練習を行った。詳しくは日刊スポーツ、ニッカンコム(www.nikkansports.com)、Facebook、Twitterで。#ダルビッシュ #ダルビッシュ有 #メサ #米国 #日本ハム #アリゾナ #打者 #メジャー #ドジャース…” (31056)

ダルビッシュ投手は、150kmを超えるストレートに100km前後のスローカーブで緩急をうまくつけるだけではなく、スローカーブを投げてもバッターが打ちにくいコースにしっかりコントロールできているからこそ、メジャーリーグのバッターが翻弄されてしまうのです。

これだけ質の高いスローカーブを投げるピッチャーは、メジャーリーグでもなかなか見つけることはできません。では、メジャーリーグのバッターが舌を巻く、ダルビッシュ投手のスローカーブはどのような投げ方なのか、見てみることにしましょう。

ダルビッシュ投手のスローカーブの握り方とリリース

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人差し指を縫い目に沿うようにかけ、中指は指先が縫い目にかかるように握り、親指は中指の下になるように支え、親指と薬指は縫い目にかからないようにしている握り方です。ストレートと同じスピードで腕を振り、ボールを抜くようにリリースしますが、リリースの瞬間に少し手首に捻りを加えています。

ダルビッシュ投手の曲がりと落差の大きいスローカーブは、この握り方と投げ方でうまれていると考えられますのでスローカーブを投げる際の参考にしてみてください。

スローカーブの投げ方における注意点

前述したように、スローカーブは使いこなせれば大きな武器になりますが、スローカーブを投げるピッチャーは多くありません。昔と違って今の野球では数多くの変化球があり、スローカーブに頼らなくても他の変化球で代用できる、というのもありますが、スローカーブの投げ方には独特の注意点があるのも理由のひとつです。

このため、まずはスローカーブの投げ方で注意しなければならない点とは、どのようなものがあるのかを、先に把握しておくことにしましょう。

コントロールにバラツキが出やすい

shinichiro on Instagram: “登板#ツーストライクからの#暴投#カーブ#力みすぎ” (30978)

スローカーブは山なりの軌道が特徴の変化球です。山なりの遅いボールを真ん中に投げるのと、普通にストレートを真ん中に投げるのを比較した場合、山なりの遅いボールを真ん中に投げる方が難しくなります。山なりの遅いボールは、ボールが落ちて真ん中にいくような軌道を予測する投げ方をしなければならないためです。

スローカーブは、その投げるのが難しい山なりの遅いボールに、さらにカーブ回転をかけて投げる必要があるため、他の変化球の投げ方以上にボールのリリースに気を遣わなければなりません。

他の変化球よりリリースポイントの違いが大きい

Stunning Free Images · Pixabay (31030)

速いボールを投げる際、前の方でボールをリリースしますが、逆に遅いボールを投げる場合は、上の方でボールをリリースします。
特に球速の遅い山なりになるスローカーブを投げる場合、他の遅い変化球よりも上の方でボールをリリースする必要があります。

このため、スローカーブを何球も投げると、リリースポイントの影響を受ける可能性が大きくなり、ストレートなどの球速の速いボールを投げる際に、通常よりも上の方でボールをリリースする投げ方になる確率が高く、ボールが高めに浮きやすくなってしまうので注意が必要です。

スローカーブの投げ方とボールの握り方

スローカーブの投げ方とボールの握り方は、基本的にはカーブを投げる時と同じですが、球速を遅くする必要があるため、カーブの投げ方以上にボールを抜くことが重要になってきます。カーブを投げることができる人が、同じ握り方でスローカーブを投げてみたけど、思ったより球速が落ちない、という場合は、もっとボールが抜けやすくなるような握り方に変える必要があります。

このため、ここでは自分にあったスローカーブの握り方を見つけることができるように、スローカーブの投げ方と共に、4種類のスローカーブの握り方を解説していきます。

スローカーブの握り方①

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人差し指を縫い目に沿うようにかけ、中指は指先が縫い目にかかるように握り、親指は縫い目にかからないように、人差し指と中指の対角の箇所で支える握り方です。人差し指と中指の力でボールにカーブ回転をかけるようにして、親指を縫い目にかけない持ち方にすることで、ボールが抜けやすくなります。

実際に野球でカーブを投げる際に、このボールの持ち方にしているピッチャーも多く、比較的オーソドックスな握り方のため、初めてスローカーブの投げ方に挑戦するという人は、まずこの握り方で試してみるといいでしょう。

スローカーブの握り方②

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人差し指を縫い目に沿うようにかけ、中指は指先が縫い目にかかるように握り、親指も縫い目にかかるように、人差し指と中指の対角の箇所で支える握り方です。『握り方①』と異なり、親指も縫い目にかかる持ち方にすることにより、親指の力もボールに伝わりやすいため、カーブ回転を多くかけることができます。

より親指の力を伝えやすくするために、親指は腹の部分ではなく側面が縫い目にかかる持ち方にするのがコツです。 野球でスローカーブを投げた際に、思ったより回転がかかっていないスローカーブになってしまう人は、この握り方で投げてみるといいかもしれません。

スローカーブの握り方③

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縫い目の細い部分に沿って中指をかけ、親指も縫い目にかかるように、中指の対角の箇所で支え、人差し指は宙に浮かせて使わない握り方です。人差し指を使わない持ち方にすることで『握り方①』よりもボールが抜けやすくなりますが、中指と親指の力だけでカーブ回転をかけるため、うまく回転をかけることができるかがポイントになる握り方になります。

このため、野球でスローカーブを投げた際に、回転はしっかりかかっているけど、どうしてもうまくボールが抜けない、という人向けの握り方です。

スローカーブの握り方④

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縫い目の細い部分に沿って人差し指をかけ、人差し指と平行の位置の縫い目に親指をかける握り方で、ボールの下半分を人差し指と親指で挟んで握るイメージです。この持ち方が一番ボールが抜けやすいですが、カーブ回転がかかりにくくなる少し特殊な握り方です。

この持ち方は、カーブやスローカーブといったボールを抜く変化球を初めて投げる、という人がボールを抜くコツと感覚をつかみたい場合、うってつけの握り方になります。普通にストレートを投げる時と同じように腕を振ってもボールが抜けるため、キャッチボールをする際にこの持ち方にすることで、簡単にボールを抜くコツと感覚をつかむことができます。

スローカーブの腕の使い方とリリース

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スローカーブを投げる際、前述したどの握り方でも腕の使い方は同じになります。 テイクバックして腕がトップの位置に近くなった段階で、小指をキャッチャーの方向に向け、そのままストレートを投げる時と同じスピードで腕を振って、人差し指と親指からボールを抜くようにリリースします。

ボールを抜いて遅く投げようと意識しすぎて腕の振りが鈍くなると、ボールがあまり回転せず、曲がりも落差も小さくなってしまうため、ストレートを投げる時と同じスピードで腕を振るように心掛けましょう。また、腕の振りが鈍くなることで、バッターに遅いボールがくると読まれてしまう可能性も高くなってしまうので注意が必要です。

スローカーブの投げ方が上手くなるコツ

Jun Yoshiuchi on Instagram: “プロ野球200勝投手、そして元読売ジャイアンツ監督の堀内氏から、直接指導を受ける息子。これってすごいことです。  Shot by OLYMPUS OM-D E-M5 MarkII Limited Edition with OLYMPUS M.ZUIKO PRO 40-150mm…” (31170)

ここまで、スローカーブの投げ方とボールの握り方を解説してきましたが、実際に野球でスローカーブを投げてもボールがうまく抜けずに球速が遅くならない、ボールがうまく回転せずに曲がりや落差が安定しない、と悩んでいる人もいるのではないでしょうか。カーブと同じ感覚で球速が遅くなるように投げる、と言ってもなかなか思った通りにいかないのがスローカーブです。

スローカーブの投げ方が上手くなるには、投げ込みで感覚を覚えることも重要ですが、同時に投げ方のコツをつかむことも必要です。では、スローカーブの投げ方を上達させるコツにはどのようなものがあるのか、見ていくことにしましょう。

スローカーブのコツ①ボールは浅く持つ握り方に

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ボールと手のひらを密着させてしまうと、ボールにカーブ回転がかかりにくくなってしまうため、ボールと手のひらに隙間を作り、ボールを浅く持つ握り方にするのがコツです。
また、ボールを浅く握る持ち方にすることで、リリース時にボールも抜けやすくなります。

実際に野球でスローカーブを投げた際に、うまくカーブ回転がかからない、という人はボールを浅く持つ握り方になっていない可能性があります。
スローカーブに限らず、ボールに回転をかける球種を投げる場合は、ボールを浅く握る持ち方にするように心掛けましょう。

スローカーブのコツ②ボールは強く握る持ち方にしない

ボールを強く握る持ち方にすると、ボールに強い回転をかけやすくなりますが、ボールが抜けにくくなってしまいます。特にスローカーブの投げ方は、ボールを抜いて球速を遅くする必要があるため、ボールは軽く握る持ち方にするのがコツです。
軽く握る持ち方にして、ボールが不安定になってしまうくらいのイメージで握るといいでしょう。

スローカーブを投げる際、ボールはカーブ回転がかかる握り方にしているので、腕をしっかり振れれば自然と回転がかかりやすいようになっているため、ボールを抜く方に重点を置いた方がいいでしょう。

スローカーブのコツ③リリース時に手の甲をキャッチャーに向ける

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スローカーブを投げる際に、前述した小指をキャッチャーに向け、ストレートと同じように腕を振る投げ方にしても、ボールのカーブ回転が弱い場合は、手の甲をキャッチャーに向けるようにしてボールをリリースするのがコツです。
ボールをリリースした後は、手のひらが上を向いているイメージで投げるといいでしょう。

腕がトップの位置に近くなった段階で、小指がキャッチャーに向いている状態から、手の甲がキャッチャーに向くように手を動かして腕を振ることで、ボールにカーブ回転の力が加わりやすくなります。
ただし、この後に解説しますが、この投げ方にした際は手首の使い方に注意することが重要になってきます。

スローカーブのコツ④リリース時に手首は使わない

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『スナップを利かせる』とも言いますが、スローカーブのようなボールを抜く変化球を投げる際は、手首を使わずに腕の振りだけでボールをリリースするのがコツです。
手首を使ってしまうと、ボールにカーブ回転をかけやすくなりますが、ボールが抜けにくくなります。

また、ボールを曲げようと意識すると、手首を捻ってしまいがちですが、肘に負担がかかるため注意が必要です。前述した手の甲をキャッチャーに向ける投げ方の場合、手首を捻らずにそのまま腕を振ることが重要になります。このため、スローカーブを投げる際は、手首は一切使わずにストレートと同じスピードで腕を振り、ボールを抜いてカーブ回転をかけるようにしましょう。

スローカーブのコツ⑤リリースはボールが上方向に抜けるイメージ

スローカーブは山なりの変化球のため、前述した注意点のようにリリースポイントに気を遣う必要があります。ストレートと同じリリースポイントでボールを投げてしまうと、球速が遅いのでキャッチャーまで届かないスローカーブになってしまうため、ストレートの時よりも少し早めにボールをリリースするのがコツです。

テイクバックして腕がトップの位置になった段階でボールをリリースして、ボールが上方向に抜けていくようなイメージです。最初はキャッチャーの手前でワンバウンドさせる感覚でボールをリリースし、少しずつリリースポイントを調整していくといいでしょう。

簡単なようで難しいのがスローカーブ

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球速の遅いボールは、バッターがボールを長く見ることができるので、ボールが高めに浮いてしまうと、バッターが打ちやすくなってしまうため、スローカーブを投げるには勇気が必要です。
しかし、強いカーブ回転をかけ低めにコントロールできれば、バッターがわかっていても対応できないのがスローカーブの強みであり魅力なのです。

スローカーブをしっかりコントロールできるようになれば、緩急をうまくつけることで投球の幅が広がり、バッターのタイミングをはずして手玉に取ることも可能なため、ピッチャーをしている人は苦労して覚えても損はない変化球です。

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