サッカーのウイングの役割と動き方とは?サイドハーフとの違いも解説
サッカーのウイングはサイドの最前線に配置される攻撃的なポジションです。ウイングはサイドでボールを受けて、相手守備陣を崩していくことが求められます。しかし、ウイングの役割は、ドリブル突破が優れていたり、個人能力が高いだけではなく、チームの中で動き方を理解する必要があります。
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公式ライター Activel_director
サッカーのウイングとは?
ウイングはサイドから攻撃を仕掛けて、得点を狙います。
攻撃でアクセントとなる必要があるため、スピードがあり、ドリブル突破が得意な選手が務めることが多いポジションです。
ウイングのポジション
ウイングはチームの両サイドに配置され、サイド攻撃を担当します。
サッカーの守備は中央を固めることがセオリーで、簡単に中央突破はできません。しかしその反面、サイドには中央に比べてスペースが生まれます。そのサイドのスペースを利用してチャンスを作り出すことがサッカーのウイングの役割です。
右ウイング
多くのチームでは右ウイングは右利きの選手がつとめます。
右利きの選手を右ウイングに配置すると、縦へドリブル突破した後に利き足でクロスを上げることができます。また、左利きの選手を右ウイングに配置するのに比べて、ボール数個分、利き足でピッチを広くつかえます。ほんの数個分の違いですが、それによって相手からプレッシャーを受けにくく、プレーに好影響を与えます。
左ウイング
左ウイングは右ウイングに比べて、逆足のウイングが配置されることが多くなります。
それは、サッカーでは右利きに比べて左利きがかなり少ないという事情があるからです。
右利きウイングの中でも特にテクニックのある選手が左ウイングを務めます。高いテクニックで中央へカットインをして、高精度のクロス・シュート・ラストパスによってチャンスを作り出します。
サッカーのウイングの役割
ウイングがサイドで求められる動き方を実践することでサイドの攻撃は活性化します。
守備時には積極的に相手にプレスを行い、チームのディフェンスに貢献します。
幅をとって相手を広げる
相手を広げることによって、攻めるためのスペースを作り出します。
ウィングがサイドに大きく出ることで、相手サイドバックを外に引きつけます。サイドバックを外に引きつけて相手の守備組織を広げて、突破しやすい状況を作り出します。自分にボールがくる可能性が低くても、味方にスペースを作り出すために外で待っている必要があります。
サイドでチャンスメイク
ウイングを配置するチームはそこでチャンスを作り出すことを想定しているため、ウイングはドリブルやセンタリングなどの武器を持っておく必要があります。
ウイングにボールを運んでも、ウイングがドリブルで仕掛けなかったり、バックパスを優先的に行うような逃げのプレーではチームの攻撃は停滞します。
プレッシング
ウイングの積極的にプレッシングすることで、相手からボールを奪う可能性を高めます。
ウイングはファーストディフェンスとして、相手に最初にプレッシングをかけます。そのプレッシグが鋭ければ、相手からボールを奪うことができます。また、ボールを奪えなくてもそのプレッシングによって相手の攻撃方向を限定でき、味方がボールを奪いやすくなります。
サッカーのサイドハーフとの違い
サイドハーフもサイドでのプレーを中心としていますが、その動き方は異なります。
ウイングはFWに分類され、より攻撃的な役割が与えられるのに対して、サイドハーフは中盤として攻守両面にバランスよく関わることが求められます。
攻撃時の違い
ウイングは前線でゴールを狙うことが最優先ですが、サイドハーフは中盤の組み立てに積極的に参加します。
サイドハーフは中央にスペースがある時はそのスペースに入り、ボールを受けて前線へボールを運びます。
ウイングはサイドの高い位置でボールを待っていてることが多いですが、サイドハーフは自らボールを受けにいき、ゲームを組み立てることが重要です。
守備時の違い
サッカーでは守備陣形を整えることをブロックを組むと言います。ウイングは守備ブロックに組み込まれることは少ないのですが、サイドハーフは守備ブロックに組み込まれます。
守備ブロックに組み込まれたサイドハーフは中盤のカバーリングを行ったり、相手に押し込まれればディフェンスラインまで戻って守備をする必要があります。しかし、ウイングは相手が上がっても深追いはせずに、最前線に残ってカウンターに備えます。
サッカーのウイングの動き方
ウイングが動き方を理解することで、自分本位なプレーにならず、チームにとって効果的なプレーが可能になります。
サイドに張る①縦にドリブル突破
ウイングにはその時に縦に突破する力が求められます。ウイングが縦に突破を試みることで多くのメリットを得られます。
ウイングが縦にドリブル突破することでクロスのチャンスを作り出せます。もし、縦へのドリブル突破が相手のディフェンスに守られたとしても、コーナーキックを獲得できる可能性もあります。
また、ウイングが縦に突破を狙うとディフェンスは自分のゴールに向かっての守備になります。そのため、相手にボールを奪われてもカウンターを受けるリスクを減らすことができます。
サイドに張る②カットイン
サッカーのウイングは縦にドリブル突破するだけでなく、内側にカットインするドリブルも必要です。
現代サッカーでは右ウイングに左利きを、左ウイングに右利きを配置することが多くあります。それはカットインからゴールを狙うためです。サイドとは逆足の選手にカットインさせることで、利き足でゴールに向かってボールを蹴れる状態を作り出し、得点の可能性を高めます。
背後へのランニング
ウイングが背後へのランニングを行い、相手の裏を取ることでゴールを奪う可能性が高まります。
サイドの高い位置で待ち構え、パサーとタイミングを合わせて背後へランニングをします。パサーがパスを出せない状況でランニングをするとオフサイドになってしまうので、パサーが蹴れるタイミングでランニングを開始します。
クロスに対して走り込む
逆サイドからクロスがきそうな時はサイドに張っているのではなく、ゴール前に走り込んでゴールを狙います。
例えば右ウイングの選手が右サイドを突破してクロスをあげようとするとき、左ウイングの選手は左サイドからゴールに向かってラニンングをします。そして、右ウイングからのクロスに合わせて得点を狙います。
相手ディフェンスラインにプレッシャーをかける
ウイングのプレッシャー次第で、その後のチームの守備の質は大きく変わります。
ウイングがしっかりプレッシャーにいくことでボールを奪う・相手のミスを誘う・相手の攻撃を制限できるという3つの効果を得ることができます。この3つの効果をもたらすような質の高いプレッシングを行えば、高確率で相手からボールを奪いマイボールにできます。しかし、ウイングのプレッシャーが甘くかわされてしまうと、その後の守備は後手を踏み、攻め込まれてしまいます。
ウイングを生かしたフォーメーション
ウイングの選手を適したフォーメーション・ポジションに配置することで、その選手は力を遺憾なく発揮できます。
4-3-3
4-3-3のフォーメーションは、ポゼッション力とウイングの突破力が攻撃の鍵を握ります。
ピッチ中央でボールポゼッションを行うと、相手はボールを奪うために中央に集結します。すると、集結した分、サイドには大きなスペースが生まれます。そのタイミングでサイドで待機しているウイングにパスを出します。そして、ウイングはサイドにできたスペースでボールを受け、ドリブル突破を仕掛けてチャンスを作り出します。
3-4-3
このフォーメーションの特徴はサイドアタックです。
ウイングに加えてサイドハーフを配置することで、積極的にサイドからの崩しを狙います。ウイングのドリブル突破やサイドハーフとのコンビネーションでチャンスを作り出します。ウイングを生かすには適した攻撃的なフォーメーションですが、守備が薄くなるのが難点です。
代表的なウイングの選手
ここで紹介する2人のウィングも、ともにチームの中心として活躍しています。
ウイングとして数多くのチャンスを作り出し、チームを勝利に導きます。
ネイマール
彼は変幻自在なドリブルで多くのチャンスを作り出します。
トリッキーやフェイントや緩急を利用したドリブルで相手を突破していきます。ネイマール選手は単にドリブル突破を狙うだけではありません。その突破を無理やり止めようとくるディフェンダーのファウルを誘い、フリーキックやPKを獲得してチャンスを広げます。ただうまいだけではなく、そのような駆け引きも巧みなサッカー選手です。
サディオ・マネ
マネ選手の最大の魅力はスピードです。
マネ選手は抜群のスピードで相手ディフェンスを置き去りにします。また、マネ選手は圧倒的なスピードがありながらもテクニックも優れており、巧みなドリブルで相手をかわすこともできます。所属のリバプールFCでは右利きながら左ウイングをつとめ、鋭いカットインからゴールを量産しています。
需要が高まるウィング
一時期はポゼッションサッカーが流行となり、パスを主体とするサッカーに適応しにくいウイングは活躍の機会が減っていました。しかし、ポゼッションサッカーだけでは限界が見られる近年では、独力で局面を打開できるウイングは、戦術的に重要なポジションとなっています。
これからも攻撃のキーマンとして、ウイングの選手が活躍する機会は増えていきます。
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