サッカーのチャージとは?どんな場合に反則となるか解説!
サッカーの試合を見ていてよく耳にするチャージですが、どのようなチャージが正当でどのようなチャージが反則になるのか、よくわからないという方も多いかと思います。ここではサッカーのチャージとは?どんな場合に反則となるのかを徹底的に解説していきます。
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公式ライター old_user_id: 211
サッカーにおけるチャージの現状
今回のテーマであるチャージとは、サッカー競技規則第12条の直接フリーキックになる反則の1つとして記載されています。
しかしチャージしたからといって必ず反則になるとは限りません。そのため、どのようなチャージが反則で、どのようなチャージが正当なチャージなのか、サッカーの競技規則にはハッキリとした記載がないため、反則をとられた選手が主審に詰め寄るシーンも多く目にします。
以下ではどのようなチャージが正当で、どのようなチャージが反則なのかを整理していきます。
サッカーにおけるチャージの必要性
フィールドの選手には、手や腕を使ってプレーすることが認められない以上、それ以外の場所でボールを奪うしかありません。そこで肩を使ったチャージが用いられるわけです。
自らの肩を相手選手の肩に当て、ボールが相手選手の足から離れた隙に体を入れてボールを奪います。 サッカーのディフェンス技術として重要なテクニックです。
サッカーで肩を使うチャージが認められる本質的理由
つまり、ボールをキープしている側も、ボールを奪う側も肩を使うことで攻防を繰り広げます。 ここに肩を使うチャージが基本的に認められる本質的理由があります。
サッカーにおける正当なチャージの3つの要件を確認
サッカーの正当なチャージの要件①肩対肩か
この自らの肩を相手選手の肩にぶつけるチャージは正当なチャージです。何故肩は許されるのかというと、競技規則の解釈と審判員のためのガイドラインに「チャージングとは、スペースを確保するべく、ボールがプレーできる範囲内で、腕や肘を用いず、身体的接触を用いて挑むことである」とあるからです。これが自らの肩を相手選手の背中に当てて倒したり、もしくは自らの肩ではなく肘で相手選手の肩に当てる行為は反則になります。
サッカーの正当なチャージの要件②不用意・無謀・過剰
ルール上これは極めて曖昧な表現のため、実務的には主審の判断に任されるわけです。 不用意とは、競技者が相手選手に挑む際に注意や配慮を欠き、慎重さを欠いたと判断されることです。 無謀とは、相手選手が被る危険をまったく無視するプレーと判断されることです。
そして過剰な力とは、明らかに必要以上の力をもって相手選手に体当たりし、危険にさらすプレーと判断されるることです。 どれもサッカーという紳士的なスポーツに反する行為と判断され、無謀なチャージには警告が与えられ、過剰な力をもったチャージには退場が命じられます。
サッカーの正当なチャージの要件③ボールを奪う目的
つまりルール上、ボールにプレーする場面でなければ正当性はありません。 わかりやすく言えば、ボールのない場所でのポジション争いでチャージを用いれば反則になります。
また、ボールを持っている相手選手をもっぱら邪魔するだけの目的でなされたチャージも反則になります。 ボールを持っている相手選手にチャージするだけでは正当性が認められず、チャージしてそのまま体を入れてボールを奪取しなければ、ボールを奪う目的があったことにはなりません。
チャージの目的はボールを奪う前提行為
チャージの目的はあくまでもボール保持者の前に入りボールを奪う前提行為となります。
チャージへ行く正しい姿勢
チャージした後に、相手ボール保持者がバランスを崩したり、ボールが足から離れた瞬間に体を入れるはずですから、必然的にそのような姿勢になります。
その姿勢は、相手よりも低い姿勢から、腰から肩にかけてぶつかっていくような姿勢です。肩に重心が傾いていれば、ぶつかってすぐにボール奪取することはできません。
正しいチャージの例
感情にまかせ、ただボール保持者を邪魔するという目的でチャージをすると、必然的に肩が先に出て傾く姿勢になります。この姿勢でチャージをすると、相手を吹き飛ばすだけの結果となり、ボールを奪いにいく態勢になりません。
その結果として主審や副審から、不用意な、無謀な、過剰なチャージとみなされて反則という判断をされてしまいます。
カンテのチャージからのボール奪取
【カンテの守備技術解説】体の当て方
そのお手本ともいえる動画がこちらです。重心をしっかり下げながら上体をまっすぐにし、上半身を上手く相手選手にチャージしていることがわかります。決して過剰な力ではなく、キチンと上半身をぶつけた後はすぐにボールを奪いにいく姿勢を見せています。
サッカーのよくあるファールチャージとは?
不用意なチャージ①
このデブライネのチャージを主審は不用意なチャージと判断したため、警告も退場もなく、相手チームであるアーセナルに直接フリーキックが与えられたのみでした。しかし被ファールのウィルシャーはこのデブライネのチャージに激怒して、逆に退場処分を受けてしまいます。
不用意なチャージ②
しかし、このシーンを見ても、肩対肩になっていないため、正当なチャージとは認められず、反則の対象になることがわかります。
無謀なチャージ
ドリブルで抜け出している高木選手に対して、遠藤選手が数歩遅れて無理矢理に前に入ってきた結果、無謀なチャージと主審に判断されたシーンです。高木選手側に直接フリーキックが与えれ、さらにこの反則が無謀な反則と判断されたことから遠藤選手に警告が出されています。高木選手は一瞬、宙に浮き、非常に危険な状況であったことが考慮された判定だったと考えられています。
チャージの反則に対する処置を確認
この反則とされたチャージグが不用意な場合にはそのまま相手チームに直接フリーキックが与えられるだけですが、この反則とされたチャージングが無謀な行為と判断された場合、相手選手へのケガの恐れを考慮していないとみなされて、当該選手に警告(イエローカード)が与えられます。
さらに、この反則とされたチャージングが過剰な力を持って行われたと判断された場合には、相手選手を危険にさらすとみなされ、退場(レッドカード)が宣告されます。
サッカーのチャージとは? まとめ
サッカーのチャージが正当なチャージかファールチャージかの判断は競技規則上ではとても曖昧な判断基準になっており、その判断は主審に委ねられているのが現状です。
しかし、明確にファールチャージとされる行為が、肩対肩になっていない、不用意・無謀・過剰な力でなされ、ボールを奪取する目的ではないチャージとされています。その根本にあるのが、サッカーは紳士なスポーツであることが大前提にあるわけです。
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