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オーバースローの投げ方とは?フォームやボールの握り方を解説

オーバースローの投げ方とは?フォームやボールの握り方を解説

オーバースローとは、上から投げ下ろす投球フォームで、リリースが水平面から上の角度にある投げ方です。オバースローは、アマチュアからプロ野球まで、多くの投手投げている投げ方で、早い真っ直ぐやキレの良い変化球を投げるエース級のピッチャーも使用します。この記事では、オーバースローの投げ方やフォームのコツを解説します。

2023.01.01 野球

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投球フォームの基本!オーバースローとは?

Baseball Field Game - Free photo on Pixabay (76611)

オーバースローは、野球を知っている方なら誰もが知っているもっともオーソドックスな投げ方ですが実は明確な定義等はありません。

一般的には、上から投げ下ろす投球フォームで、リリースが水平面から上の角度にある投げ方をオーバースローと呼んでいます。

アマチュアからプロ野球まで、多くの投手がオーバースローであり、早い真っ直ぐやキレの良い変化球を投げる本格派と言われるエース級のピッチャーに多い投げ方です。

オーバースローと似た投球フォームで斜めから腕がでてくる投げ方は、スリークォーターと呼びます。オーバースローと似ていますが別で括られています。

また、オーバースローは英語ではなく和製英語です。英語ではoverarmです。

オーバースローに向く選手とは?

Baseball Player Pitcher - Free photo on Pixabay (76610)

高身長の選手です。

バッターにとって打ちづらいボールのひとつとして角度のあるボールが挙げれます。この角度のあるボールは、高身長であればあるほど武器となり、オーバースローだからこそ活きてきます。

メジャーやプロ野球で活躍する現代の日本を代表する投手は、大谷翔平選手や田中将大選手などをはじめ190cmを超えています。

打者を見下ろすような格好から投げ下ろす身長の高い投手のオーバースローから放たれる剛速球は、打者をねじ伏せるという表現がぴったりです。

ですが投球フォームには向き、不向きがあり身長が高いからといって必ずオーバースローが良いということではありません。

理想ばかり追いかけて無理をして投げ続けては怪我をする危険性もあります。

自分の体を効果的に使える肩や肘に負担のかからない投球フォームを求めるほうが懸命です。

オーバースローの投げ方とは?

Baseball Pitcher Pitching - Free photo on Pixabay (76612)

投げ方①腕を頭上まで振りかぶって反動をつける

オーバースローの一般的な投げ方(右投手)を解説していきます。

まずは、ゆったとした動きで腕を頭上まで振りかぶります。腕はある程度後ろまで振りかぶったほうが反動をつけやすいです。

この時、身体は力感の無いリラックスした状態にしているのが大切です。特にボールを投げる右腕にストレスがかかった状態では、力をスムーズにボールに伝えることができません。

いい意味で力を抜くことがポイントです。

投げ方②軸足の内側を重心に逆側の足を膝から引き上げる

軸足をプレートと平行に置きます。(軸足のつま先は3塁側に向いた状態です。)

次に軸足の内側を重心に、逆側の足を膝から引き上げるようにして持ち上げます。

この時、片足で立つことになりますが身体がフラフラと不安定では投球フォームは安定せず下半身と上半身が連動しないため、強い球を投げることもできませんしコントロールもつかなくなってしまいます。

しっかりと軸足に体重を預けて身体を安定させなければなりません。

投げ方③尻からホームに倒れるように重心移動して投げる

右手を後ろに下げて投球動作に入った後、尻からホームに倒れるようにして軸足にあった体重を前方向に移します。

基本的には左足のつま先はホーム方向に真っ直ぐ置くようにして着地します。また、力が逃げないよう着地するまでは肩が開かないようにすることがポイントです。

リリースの時には、スナップも効かせて球にスピンを与えるようなイメージで離します。リリースポイントは、腕の角度が45度から30度の位置が目安です。これ以上高い位置で離すとすっぽ抜けやすくなります。

手からボールから離れれば実質的な力は加わりませんがフォーロースルーも意識して、しっかり振り抜き反動で腕が顔の近くまで上がるようにしましょう。

オーバースローのピッチングフォームのコツ

Baseball Sport Male - Free photo on Pixabay (76613)

フォームのコツ①下半身始動を意識する

オーバースローに限りませんが、よくピッチングは下半身で投げるということを言われます。

いかに下半身でタメた力を上半身に、そしてボールに伝えていくことがテーマとなります。

人間の筋肉は、大きい筋肉があれば、小さい筋肉もあります。その中で、大きな力を生み出すことができるのは、やはり大きい筋肉です。

したがって、下半身の大きい筋肉をしっかり活かすことがピッチングの基本となります。

コントロールを安定させるには下半身の土台部分がしっかりとしていないといかないですし、速球を投げる場合も然りです。

速球を投げる場合は、上半身だけで思い切り腕をふればスピードが出るということではありません。軸足に力をタメてその力を分散させることなく集約した力をボールに伝えることが必要です。

下半身始動の投球フォームを習得することは非常に大切です。

フォームのコツ②肩を一度下げてから投げる

野球界の定説として、投手が投げる時には肩を下げてはいけないと言われていました。

これは投球動作が始動し、軸足から逆の足に体重移動を行う際投げる方の肩のラインを下げずに、投球するというものです。

少年野球など育成年代で投手を経験した人はこのような指導をされた方も多いはずです。

ですが、現役時代に巨人のエースとして活躍した桑田真澄氏は肩を一度下げて投げる重要性、必要性を説いています。

肩を一度下げて投げることで、自然と全身を使った投げ方ができるようになるからです。

オーバースローの投手の場合は、肩が開かなくなるのでシュート回転ではなく縦回転の安定した伸びのあるボールを投げることができます。

プロ野球で活躍した大投手たちも、全身を上手く利用するため一度肩を下げてから投げる投手が多く見られます。

スマホ等で自分の投球フォームを撮影して今一度チェックしていみてはいかがでしょうか?

フォームのコツ③体を最後まで開かない

体を開かない、肩を開かないというのは非常に曖昧な表現ではありますが野球をしていると、良く耳にする言葉かと思います。

最終的には体を開かないとボールを投げることはできませんが、できるだけ開かないよう粘ることが理想です。

体がすぐ開いてしまうと、どうなるか。一番のデメリットはバッターから簡単に球の出どころが分かってしまうことです。

ただでさえ、オーバースローはバッターにとってはタイミングが合わせやすいフォームです。

それに加えて球の出どころが分かってしまえば恐れるに足りない投手となってしまいます。

体を開かないことで、コントロールや球威にも好影響を及ぼします。

バッターを打ち取るには、重要なポイントです。

オーバースローでの変化球の握り方

Baseball Player Batter Hitter - Free photo on Pixabay (76614)

変化球の握り方①カーブ

カーブは、右投げであれば左下に曲がりながら落ちる変化球でオーバースローの投手にとっては、投げやすく武器としやすい変化球のひとつです。

変化をするだけでなくブレーキが効いて球速が落ちるので緩急をつけるという意味でもポイントになる変化球です。

握り方は様々ですが、ここでは現役時代カーブの使い手だった工藤公康現ソフトバンクホークス監督の握りを紹介します。

まず、縫い目が上下にくるように持ち上の縫い目には中指、下の縫い目には親指をかけます。中指と人差し指の2本は揃えますが、人差し指は添えるイメージです。

リリースの瞬間がポイントで、親指と中指で縫い目を弾くようにして
投げます。

こうすることでボールに回転がかかりブレーキの効いたカーブとなります。

変化球の握り方②スライダー

スライダーは近年多くの投手が取り入れている変化球です。カウント球としても決め球としても使うことができるため打者を打ち取る際には便利な変化球とも言えます。

スライダーの曲がり方は一様ではなく腕の位置や握り、投げ方などで様々な変化をします。

横に曲がったり、縦に曲がったり、打者の手元で細かく曲がったりもします。

もっともポピュラーと言えるのは横にスライドしていくスライダーなので今回は横に曲がるスライダーの握りを紹介します。

握りはストレートの握りを基準に、中指と人差しを少し外側にするイメージです。中指と人差し指を揃えて、中指が縫い目に沿うようにします。

リリースは、カーブのように抜くのではなく手の甲が3塁側に向くようにして、手首と指でスピンをかけます。

この時、中指に力を入れてスピンをかけるのがポイントです。

変化球の握り方③フォーク

フォークボールは、ストレートの軌道から打者の手元で鋭く落ちる変化球です。

オーバースローの投手が投げると高い位置から腕が振り下ろされるので縦に大きな変化となります。

何よりバッターからすると途中まではストレートに見えるので非常にやっかいな球になります。

握りは、中指と人差し指を開いてボールを挟み、親指でボールを支えます。

この時、どの指も縫い目にかかっていない状態が一般的です。(縫い目にかけることでフォークの変化を少し変えることもできます。)

リリースは、手首のスナップなどは使わずに腕を振り抜いてボールを抜くイメージで離します。腕を強く振ってもボールがほぼ無回転となることが理想となります。

オーバースローのメリット

Baseball Pitcher - Free photo on Pixabay (76615)

メリット①角度のあるボールを投げることができる

先にも触れましたが、オーバースローであればボールを離すポイントが高くなるため、角度のあるボールを投げることができます。

基本的には、バッターはスイングをした高さに水平の軌道でボールが来たほうが芯で捉えやすくなります。目線も保たれるため尚更です。

しかし角度が付くと、芯で捉えることは容易ではありませんし下向きの力に対して打ち返さないといけないので打球も上がりづらくなります。

角度のあるボールは投手にとって間違いなく大きな武器となります。

メリット②伸びのある直球を投げることができる

腕を投げ下ろすオーバースローの投球フォームは重力や遠心力をしっかりとボールに伝えることができるので、スピードが出やすくなります。

やはり剛速球を自身のストロングポイントとしている投手はオーバースローが多く、プロ野球で球速の記録を残すような投手も同様です。

また、オーバースローは縦に回転数のあるボールを投げやすいのもメリットです。浮き上がるような伸びのあるボールとなり、三振を奪いやすくなります。

メリット③縦変化の変化球が投げやすい

フォークやカーブ、縦スライダーなど縦変化の変化球を操りやすいのもオーバースローのメリットです。

特にオーバースローの投手が投げるフォークは、変化が鋭くなり、一級品のフォークはバッターから消えるようにストンと落ちていきます。

現在ソフトバンクホークスで活躍する千賀滉大投手のフォークはお化けフォークとも評されています。

速く力強い真っ直ぐと鋭いフォークがあれば充分自信を持ってバッターと対峙することができます。

オーバースローのデメリット

Baseball Batter Swinging - Free photo on Pixabay (76616)

デメリット①打者はタイミングがとりやすい

多くの投手のフォームがオーバースローのためバッターはオーバースローの投手を軌道を多く目にすることになります。

そのため練習や試合、多くの場面で対戦するためイメージしやすくタイミングは取りやすくなります。

ただ、オーバースローであっても球の出どころが分かりづらかったり、球持ちが良かったりするとタイミングが取りづらかったりします。

一様はありませんが、他のフォームに比べると、といったところです。

デメリット②優れた身体能力が必要

オーバースローに限らずですが、下半身の力を上半身にスムーズに伝えていくことが、正しい投球フォームには必要不可欠です。

特にオーバースローは体全体を効果的に使わないといけないので、簡単ではありません。

上半身だけ気張っても良いボールがいきませんし、腕だけ力強く振っても同様です。

また、手投げになってしまうと、コントロールもつきませんし肩や肘など故障の原因にもなります。

上半身、下半身のバランスが良く優れた身体能力があることはオーバースローの投手にとっては大切な要素です。

デメリット③身体への負担が大きい

オーバースローの投球フォームは上半身を傾けるので腰や脇腹に負担は大きくなります。さらには、テイクバックで肘を上げて、強く曲げる必要があるので正しい投球フォームを習得しないと大きな負荷がかかります。

デメリット②でも触れましたが、実はオーバースローの投球フォームは一番オーソドックスではありますが簡単ではありません。

そのため、肩や肘に大きな負担のかかる手投げの状態になっていることもあり注意が必要です。

憧れや理想ではなく自分に合う投球フォームを

Softball Glove Sport - Free photo on Pixabay (76617)

オーバースローは、非常にオーソドックスな投げ方ではありますが、正しい投球フォームを身に着けなければ身体への負担も大きいので、自分に合っているか見極める必要があります。

プロ野球でも、オーバースローで入団した選手がスリークォーターやサイドスローに転向したりという場合もあります。

オーバースローに限らず、あくまで自分のパフォーマンスを最大限発揮することができる投球フォームを見つけることが大切です。

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