オーバースローの投げ方とは?フォームやボールの握り方を解説
オーバースローとは、上から投げ下ろす投球フォームで、リリースが水平面から上の角度にある投げ方です。オバースローは、アマチュアからプロ野球まで、多くの投手投げている投げ方で、早い真っ直ぐやキレの良い変化球を投げるエース級のピッチャーも使用します。この記事では、オーバースローの投げ方やフォームのコツを解説します。
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公式ライター Activel_director
投球フォームの基本!オーバースローとは?
一般的には、上から投げ下ろす投球フォームで、リリースが水平面から上の角度にある投げ方をオーバースローと呼んでいます。
アマチュアからプロ野球まで、多くの投手がオーバースローであり、早い真っ直ぐやキレの良い変化球を投げる本格派と言われるエース級のピッチャーに多い投げ方です。
オーバースローと似た投球フォームで斜めから腕がでてくる投げ方は、スリークォーターと呼びます。オーバースローと似ていますが別で括られています。
また、オーバースローは英語ではなく和製英語です。英語ではoverarmです。
オーバースローに向く選手とは?
バッターにとって打ちづらいボールのひとつとして角度のあるボールが挙げれます。この角度のあるボールは、高身長であればあるほど武器となり、オーバースローだからこそ活きてきます。
メジャーやプロ野球で活躍する現代の日本を代表する投手は、大谷翔平選手や田中将大選手などをはじめ190cmを超えています。
打者を見下ろすような格好から投げ下ろす身長の高い投手のオーバースローから放たれる剛速球は、打者をねじ伏せるという表現がぴったりです。
ですが投球フォームには向き、不向きがあり身長が高いからといって必ずオーバースローが良いということではありません。
理想ばかり追いかけて無理をして投げ続けては怪我をする危険性もあります。
自分の体を効果的に使える肩や肘に負担のかからない投球フォームを求めるほうが懸命です。
オーバースローの投げ方とは?
投げ方①腕を頭上まで振りかぶって反動をつける
まずは、ゆったとした動きで腕を頭上まで振りかぶります。腕はある程度後ろまで振りかぶったほうが反動をつけやすいです。
この時、身体は力感の無いリラックスした状態にしているのが大切です。特にボールを投げる右腕にストレスがかかった状態では、力をスムーズにボールに伝えることができません。
いい意味で力を抜くことがポイントです。
投げ方②軸足の内側を重心に逆側の足を膝から引き上げる
次に軸足の内側を重心に、逆側の足を膝から引き上げるようにして持ち上げます。
この時、片足で立つことになりますが身体がフラフラと不安定では投球フォームは安定せず下半身と上半身が連動しないため、強い球を投げることもできませんしコントロールもつかなくなってしまいます。
しっかりと軸足に体重を預けて身体を安定させなければなりません。
投げ方③尻からホームに倒れるように重心移動して投げる
基本的には左足のつま先はホーム方向に真っ直ぐ置くようにして着地します。また、力が逃げないよう着地するまでは肩が開かないようにすることがポイントです。
リリースの時には、スナップも効かせて球にスピンを与えるようなイメージで離します。リリースポイントは、腕の角度が45度から30度の位置が目安です。これ以上高い位置で離すとすっぽ抜けやすくなります。
手からボールから離れれば実質的な力は加わりませんがフォーロースルーも意識して、しっかり振り抜き反動で腕が顔の近くまで上がるようにしましょう。
オーバースローのピッチングフォームのコツ
フォームのコツ①下半身始動を意識する
いかに下半身でタメた力を上半身に、そしてボールに伝えていくことがテーマとなります。
人間の筋肉は、大きい筋肉があれば、小さい筋肉もあります。その中で、大きな力を生み出すことができるのは、やはり大きい筋肉です。
したがって、下半身の大きい筋肉をしっかり活かすことがピッチングの基本となります。
コントロールを安定させるには下半身の土台部分がしっかりとしていないといかないですし、速球を投げる場合も然りです。
速球を投げる場合は、上半身だけで思い切り腕をふればスピードが出るということではありません。軸足に力をタメてその力を分散させることなく集約した力をボールに伝えることが必要です。
下半身始動の投球フォームを習得することは非常に大切です。
フォームのコツ②肩を一度下げてから投げる
これは投球動作が始動し、軸足から逆の足に体重移動を行う際投げる方の肩のラインを下げずに、投球するというものです。
少年野球など育成年代で投手を経験した人はこのような指導をされた方も多いはずです。
ですが、現役時代に巨人のエースとして活躍した桑田真澄氏は肩を一度下げて投げる重要性、必要性を説いています。
肩を一度下げて投げることで、自然と全身を使った投げ方ができるようになるからです。
オーバースローの投手の場合は、肩が開かなくなるのでシュート回転ではなく縦回転の安定した伸びのあるボールを投げることができます。
プロ野球で活躍した大投手たちも、全身を上手く利用するため一度肩を下げてから投げる投手が多く見られます。
スマホ等で自分の投球フォームを撮影して今一度チェックしていみてはいかがでしょうか?
フォームのコツ③体を最後まで開かない
最終的には体を開かないとボールを投げることはできませんが、できるだけ開かないよう粘ることが理想です。
体がすぐ開いてしまうと、どうなるか。一番のデメリットはバッターから簡単に球の出どころが分かってしまうことです。
ただでさえ、オーバースローはバッターにとってはタイミングが合わせやすいフォームです。
それに加えて球の出どころが分かってしまえば恐れるに足りない投手となってしまいます。
体を開かないことで、コントロールや球威にも好影響を及ぼします。
バッターを打ち取るには、重要なポイントです。
オーバースローでの変化球の握り方
変化球の握り方①カーブ
変化をするだけでなくブレーキが効いて球速が落ちるので緩急をつけるという意味でもポイントになる変化球です。
握り方は様々ですが、ここでは現役時代カーブの使い手だった工藤公康現ソフトバンクホークス監督の握りを紹介します。
まず、縫い目が上下にくるように持ち上の縫い目には中指、下の縫い目には親指をかけます。中指と人差し指の2本は揃えますが、人差し指は添えるイメージです。
リリースの瞬間がポイントで、親指と中指で縫い目を弾くようにして
投げます。
こうすることでボールに回転がかかりブレーキの効いたカーブとなります。
変化球の握り方②スライダー
スライダーの曲がり方は一様ではなく腕の位置や握り、投げ方などで様々な変化をします。
横に曲がったり、縦に曲がったり、打者の手元で細かく曲がったりもします。
もっともポピュラーと言えるのは横にスライドしていくスライダーなので今回は横に曲がるスライダーの握りを紹介します。
握りはストレートの握りを基準に、中指と人差しを少し外側にするイメージです。中指と人差し指を揃えて、中指が縫い目に沿うようにします。
リリースは、カーブのように抜くのではなく手の甲が3塁側に向くようにして、手首と指でスピンをかけます。
この時、中指に力を入れてスピンをかけるのがポイントです。
変化球の握り方③フォーク
オーバースローの投手が投げると高い位置から腕が振り下ろされるので縦に大きな変化となります。
何よりバッターからすると途中まではストレートに見えるので非常にやっかいな球になります。
握りは、中指と人差し指を開いてボールを挟み、親指でボールを支えます。
この時、どの指も縫い目にかかっていない状態が一般的です。(縫い目にかけることでフォークの変化を少し変えることもできます。)
リリースは、手首のスナップなどは使わずに腕を振り抜いてボールを抜くイメージで離します。腕を強く振ってもボールがほぼ無回転となることが理想となります。
オーバースローのメリット
メリット①角度のあるボールを投げることができる
基本的には、バッターはスイングをした高さに水平の軌道でボールが来たほうが芯で捉えやすくなります。目線も保たれるため尚更です。
しかし角度が付くと、芯で捉えることは容易ではありませんし下向きの力に対して打ち返さないといけないので打球も上がりづらくなります。
角度のあるボールは投手にとって間違いなく大きな武器となります。
メリット②伸びのある直球を投げることができる
やはり剛速球を自身のストロングポイントとしている投手はオーバースローが多く、プロ野球で球速の記録を残すような投手も同様です。
また、オーバースローは縦に回転数のあるボールを投げやすいのもメリットです。浮き上がるような伸びのあるボールとなり、三振を奪いやすくなります。
メリット③縦変化の変化球が投げやすい
特にオーバースローの投手が投げるフォークは、変化が鋭くなり、一級品のフォークはバッターから消えるようにストンと落ちていきます。
現在ソフトバンクホークスで活躍する千賀滉大投手のフォークはお化けフォークとも評されています。
速く力強い真っ直ぐと鋭いフォークがあれば充分自信を持ってバッターと対峙することができます。
オーバースローのデメリット
デメリット①打者はタイミングがとりやすい
そのため練習や試合、多くの場面で対戦するためイメージしやすくタイミングは取りやすくなります。
ただ、オーバースローであっても球の出どころが分かりづらかったり、球持ちが良かったりするとタイミングが取りづらかったりします。
一様はありませんが、他のフォームに比べると、といったところです。
デメリット②優れた身体能力が必要
特にオーバースローは体全体を効果的に使わないといけないので、簡単ではありません。
上半身だけ気張っても良いボールがいきませんし、腕だけ力強く振っても同様です。
また、手投げになってしまうと、コントロールもつきませんし肩や肘など故障の原因にもなります。
上半身、下半身のバランスが良く優れた身体能力があることはオーバースローの投手にとっては大切な要素です。
デメリット③身体への負担が大きい
デメリット②でも触れましたが、実はオーバースローの投球フォームは一番オーソドックスではありますが簡単ではありません。
そのため、肩や肘に大きな負担のかかる手投げの状態になっていることもあり注意が必要です。
憧れや理想ではなく自分に合う投球フォームを
プロ野球でも、オーバースローで入団した選手がスリークォーターやサイドスローに転向したりという場合もあります。
オーバースローに限らず、あくまで自分のパフォーマンスを最大限発揮することができる投球フォームを見つけることが大切です。
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