平泳ぎのキックの正しい蹴り方!足の動きのコツとは?
平泳ぎのキックは、水泳の動きの中でも複雑で、コツが必要な動作です。そのため、正しい蹴り方を理解しておくことは上達のために非常に重要です。本記事では平泳ぎのキックにおける正しい蹴り方と、足の動きのコツを詳しく解説し、その練習方法を紹介しています。
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公式ライター Activel_director
平泳ぎはキックを最大の推進力とする泳ぎ方
しかし、平泳ぎはキックを最大の推進力とする泳ぎ方なので、平泳ぎの上達のためにはキックをマスターすることが必要不可欠です。そして、平泳ぎはキックにおける正しい蹴り方を覚えれば、伸びる時間が多い水泳種目であるため、比較的楽に長い距離を泳ぐことのできる泳ぎ方です。
本記事で紹介する平泳ぎのキックにおける正しい蹴り方と足の動きのコツをたくさん練習することで、平泳ぎは格段に上達します。
平泳ぎキックの正しいフォーム
平泳ぎキックの一般的なフォーム
まず平泳ぎのフォームは主に2種類あります。
・足を引きつけたあとに膝から下で水を挟むようにして蹴るフォーム
・もうひとつはかかとをしっかりと引きつけて足の裏で水を後ろに蹴るフォーム
一般的なフォーム、おすすめのフォームのいずれも後者で、平泳ぎのキックにおいては足の裏でしっかりと水をとらえることで、より大きな推進力を得ることができます。また、水を挟むようにして蹴るフォームは水泳大会などでは失格になることもあるので、最初から足の裏で蹴るフォームを練習しておいた方がよいということができます。
平泳ぎキックの正しいフォーム①カエルのような動き
ブレスト(胸)ストロークとも呼ばれる平泳ぎでは、胸の前で手を合わせるようなストロークとキックによる推進力で進みます。ストローク・キックともにカエルのような動きをしますが、実際にはカエルのキックとは少し違った動きをします。
平泳ぎのキックは、水泳種目で唯一、足の裏で水を蹴って進むキックです。
他の種目が膝をあまり曲げずに足の甲で蹴り下ろすキックを打ち、波をたてるようにして推進力を得るのに対し、平泳ぎのキックでは膝を曲げてお尻に引きつけ、足の裏で水をとらえて直接後ろに蹴って推進力を得ます。
平泳ぎキックの正しいフォーム②かかとを引きつける
そのため、平泳ぎのキックでは、後ろに蹴る前の段階として、かかとをしっかりとお尻に引きつけておくことが重要です。しっかりと引きつけないと、足の裏が後ろを向かず、上手に蹴ることができないので、足首を曲げ(立て)、足の甲を前に向けるようにしてかかとをお尻に引きつけるようにしましょう。
このときの詳しいフォーム・蹴り方のコツは後ほど解説します。
間違ったフォームの例:あおり足
あおり足とは、具体的な定義が定まっている訳ではありませんが、一般的な認識としては、平泳ぎのキックにおいてかかとをお尻に引き付けたとき、足の裏ではなく足の甲が後ろを向き、蹴った時にバタフライのドルフィンキックのような動きになってしまうことを指します。
このフォームでキックを打ってしまうと失格となるほか、きれいなフォームで泳げなかったり、なかなか進まないキックになったりしてしまうので、注意しましょう。
正しいフォームで速く泳ぐという意味でも、しっかりとかかとを引きつけることが、最も重要になります。
平泳ぎキックの正しいフォーム③足の裏で水を蹴る
平泳ぎのキック
かかとをお尻に引きつけ、足首をしっかりと曲げて足の裏を後ろに向け、やや斜め下に向かって水を押し、自然に脚をそろえて水面に近づけます。このとき、上から見て足の動きが少し細長いハートマークを描いているような動きをしていれば、平泳ぎのキックにおける正しいフォームであるということができます。
平泳ぎキックの正しいフォーム④脚を伸ばす
水泳初心者の場合、上手に蹴ることよりも、まずこの「伸びる」という動作をしっかりと意識して、行うことで、平泳ぎの上達も早くなります。
その他、この伸びる動作の具体的なコツは後ほど解説しましょう。
平泳ぎのキックにおける蹴り方のコツ
ここでは、平泳ぎのキックについて、
①伸びることを意識する
②膝や足首を柔らかく使う
③脚を曲げすぎない
④下に蹴りすぎない
⑤なるべくフラットに
という5つのコツを紹介します。
全てのコツに共通することは、なるべく抵抗を受けない、フラットな姿勢を保つためにはどうすればよいか、という点です。 それぞれのコツをしっかりと理解して練習にのぞむことで、平泳ぎのキックは必ず上達します。
平泳ぎのキックにおける蹴り方のコツ①伸びることを意識する
なぜなら、キックを打ったあと伸びているときが、平泳ぎにおいて最も進むときだからです。キックで水を蹴ってうまれた推進力を逃さないように、しっかりときれいなフォームで伸びることができるように意識的に伸びるようにしましょう。
キックをしたあと、脚をきれいに揃え、ストリームライン(けのびの姿勢)をつくるようにして、できれば足先までピンと伸ばすようにしましょう。次に、身体全体が一直線になるようなイメージで、部分的に下がっているところ、逆に浮いているところがないようにします。
この伸びる動作が足りないと、余計なスタミナを消費するほか、なかなか進まないフォームとなり、非効率的な泳ぎ方の平泳ぎとなってしまいます。
平泳ぎのキックにおける蹴り方のコツ②関節を柔らかく使う
しっかりとかかとを引きつけ、足の裏を後ろに向けて水をとらえることが重要である事は、既に説明しましたが、かかとをお尻にしっかりと引きつけつつ、足の裏を後ろに向け、かつ抵抗をできるだけ少なくするためには、股関節と膝、そして足首にある程度の柔軟性が必要になります。
なかでも膝と足首を柔らかくは非常に重要で、普段からストレッチをしたり意識的に練習をしたりすることで柔軟性と平泳ぎに必要な筋力が向上します。
平泳ぎのキックにおける蹴り方のコツ③脚を曲げすぎない
伸びる動作のときに最も進むという説明をしましたが、逆に最も進まない・抵抗を受けるのがこの足を引きつけるという動作を行うときです。股関節を折って上半身と下半身が直角のような体勢になると、大きな抵抗を太ももに受け、進みにくくなってしまいます。
そのため股関節や膝をやわらかく使うことのほかに、曲げる動作を素早く、なるべく脚を立てすぎな
いように行うことも重要です。
ブレストと呼ばれる平泳ぎでは、ストローク・キックともに抵抗を受ける動作となる可能性が高く、水泳初心者の方にとっては進まないというイメージを持つ傾向にある種目でもあります。
この動作における抵抗を少なくしていくことが、平泳ぎのスピードを上げ、推進力を絶やさず楽に泳ぐためのポイントです。
平泳ぎのキックにおける蹴り方のコツ④下に蹴りすぎない
また、膝と足首を曲げて足の裏を後ろに向けるので、ある程度は斜め下に向かって水を蹴る形になりますが、このとき下方向に蹴り過ぎないということも、平泳ぎのキックにおけるコツであるということができます。
進行方向は前なので、理想は真後ろに蹴ることですが、実際には真後ろに蹴ることは難しいため、後ろに蹴る意識をもちつつ、斜め下(斜め後ろ)に向かって蹴り、自然と脚を元の位置に戻すというやり方でキックをするとよいでしょう。
平泳ぎのキックにおける蹴り方のコツ⑤なるべくフラットに
平泳ぎのキックにおいては、足をお尻に引きつけるときには、足首などに多少力を入れてしっかりと足の裏を後ろに向けることが必要ですが、伸びる動作のときには適度に力を抜き、足先には少しだけ力を入れてしっかりと伸ばすことで、フラットな姿勢をつくることができます。また、脚を曲げる動作を素早く正確に行い、しっかりと伸びることも重要です。
抵抗を受けている時間をなるべく短く、推進力を活かして進む時間を長くする、楽で効率的な泳ぎ方が、平泳ぎの理想的な泳ぎ方であるということができます。
平泳ぎキックの練習方法
しかし、最初に説明した通り、平泳ぎのキックは他の水泳種目のキックに比べて複雑な動きを必要とするキックです。 そのため、文章や理論だけをみて動作を覚えたりコツを理解したりしようとしても難しく、それだけで平泳ぎの上達を見込むことはできません。
これは平泳ぎのみならず、水泳全体や他のスポーツにもいえることではありますが、頭で理解しようとするよりも、実際に泳いで練習をして身につける、というのが最も効果的で効率的なやり方です。
①イメージを持つ
②ビート板練習
③ストリームライン練習
④壁キック
⑤ドリル練習その1
⑥ドリル練習その2
⑦平泳ぎで練習を積む
という7つのおすすめの練習方法を紹介します。
平泳ぎキックの練習方法①イメージを持つ
平泳ぎのコツ~高安亮選手のお手本~【コナミメソッドまとめ】
頭で理解するのではなく、身体を使って練習するのがよいと説明したばかりですが、上手な人の泳ぎ・キックを実際にみて、または市販の映像などをみて、身体の正しい動かし方を理解することは、文章や理論で理解しようとすることよりも、格段によい方法でなのです。
平泳ぎを泳いだことのある方は、自分の泳ぎと何が違うのか、自分がどうしても進みにくいと感じる動作を、上手な人はどのようにおこなっているのか、などを確認してから実際の練習を行うことで、効率的な練習を行うことができます。
平泳ぎキックの練習方法②ビート板練習
平泳ぎのキック練習では、できるだけ平泳ぎのキックの姿勢に近づけるように、ビート板に腕を乗せて練習をするのではなく、手を乗せる程度で腕を水面につける練習をしましょう。
ビート板に腕を乗せ、顔を上げてキックをすると、どうしても上半身が反ってしまい、キックのあとに伸びるという感覚がわかりづらくなってしまいます。そのため、ビート板に手を乗せるか、ビート板を横にして手前のへりをつかむくらいにとどめ、顔は水につけて行いましょう。
キックをして伸びることで、ビート板を押すようなイメージで練習をおこなってください。
慣れてきたら、ビート板を立ててキックを行うことで、より推進力が求められるため、更に上達させることができます。
平泳ぎキックの練習方法③ストリームライン練習
平泳ぎが泳げるようになるまで(第4段階 顔つけキック)
ストリームラインは、水泳の基礎となる姿勢なので、こちらの姿勢で行うことで体幹の筋肉や肩甲骨の柔軟性も高めることができます。
この練習は、まず水中で深めに潜っての行ましょう。それが慣れてきたら水面に近いところで行うようにするといいです。苦しくなってきたら浮き上がり、平泳ぎのストロークなどで息継ぎをしてください。
水中では、水面に近いところよりも姿勢が保ちやすく、抵抗を受けていることを感じやすいので、フォームの修正や反復練習に適しています。
水面に近いところの練習では、実際のフォームに近い練習を行うことができるので、細かいフォームの調整や足が水面に出ないかなどの確認ができます。
平泳ぎキックの練習方法④壁キック
壁キックは、プールサイドを掴んだり壁に手をつけたりして、キックの練習をするというやり方で、場所をとらず、スタミナ消費もあまりないので、キックの練習にはとても適しています。
平泳ぎのキックで壁キックを行う際は、肘を軽く曲げた状態で行い、キックを打った時の肘の曲がり具合で推進力をチェックします。あまり曲がらない場合、きちんと足の裏で水をとらえられていなかったり、フォームが乱れていたりといったことが考えられます。
肘が曲がるようにキックを打てたら、また軽く曲がっている状態まで戻してキックを打ちましょう。顔は水につけて行い、苦しくなったらキックを打つ前に顔を上げて呼吸をします。
平泳ぎキックの練習方法⑤ドリル練習
ドリル練習とは、強化・上達させたい部分を集中的に行う練習のことを指しますが、少し特殊な練習方法なども一般的にドリル練習といいます。
ここでは4種類のドリル練習を紹介します。
Sはストローク、Kはキックで、3回キックをしてから1回ストロークをいれるという練習です。ストリームラインでの練習に似ていますが、3回に1回必ずストロークを入れることで、ストロークとのタイミングや、伸びる感覚も上達させることができます。
②かかとタッチ練習
かかとタッチは、平泳ぎのキックできちんとかかとを引きつけられているか、ということを確認するため、気を付けキックの体勢でキックを打つ際、かかとで手にタッチするという練習方法です。
仰向けでストリームラインをつくり、平泳ぎのキックを行います。この練習では、脚を曲げると水面上に膝が出るため、脚を立てすぎない(股関節を曲げすぎない)ということの練習を行うことができます。
④仰向けでのかかとタッチ練習
仰向けの姿勢で、うつ伏せと同じようにかかとで手にタッチをして進みます。
いずれのドリル練習でも、平泳ぎのキックにおいて大切な「伸びる」ということを意識して行うようにしてください。ドリル練習だからと伸びる時間をおろそかにして、キックの回数を増やしても、意味がないので、気を付けましょう。
平泳ぎキックの練習方法⑦平泳ぎで練習を積む
20151101 徹底的平泳ぎ1
それが難しい時や、フォームの確認、キックだけでどれだけ進めるのか、ということの確認時には、平泳ぎのフォームに近い姿勢でのキック練習を行ったり、ドリル練習を行ったりするといいでしょう。
いずれにおいても、繰り返し泳いで練習するということが、上達の近道です。
まとめ
平泳ぎは抵抗を受けやすい泳ぎ方で、特にキックの際に進みにくくなってしまいます。しかし、そのキックをフラットな姿勢で行うことができれば、平泳ぎは効率的で楽な泳ぎ方ができる種目でもあります。平泳ぎのキックは複雑な動き、そして柔軟性・コツが必要なキックなので、一朝一夕では身につけることができません。
紹介した練習のやり方を参考に、たくさん練習することで必ず上達するので、ぜひ練習をしてみてください。
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