バンディエラの意味とは？1つのクラブチームで忠誠を誓う選手に迫る

サッカーのバンディエラとはチームの象徴的な存在でクラブを牽引する選手を指して使用される言葉です。バンディエラと呼ばれる選手に明確な線引きはありませんが、バンディエラの呼称はファンがチームの中心人物、シンボルと認めた場合に使用されます。

バンディエラの意味とはイタリア語でBandieraと表記され、日本語に直訳すると旗頭、旗手で、サッカーではチームの象徴、チームの顔といった意味で使用されます。
バンディエラの意味はチームの中心選手だけではなく、クラブにとって特別な選手に対しての敬意が含まれています。

バンディエラの役割は3つあります。
・チームのまとめ役
・メディア対応
・ファンサービス
サッカーで3つの役割はキャプテンにも同様に求められますが、バンディエラはキャプテン以上の存在感を持ち3つの役割を果たすことができる選手です。

サッカーのバンディエラと呼ばれる選手の特徴は3つあります。
・チーム在籍年数が長期
・活躍した期間が長期
・カリスマ性
長年チームの中心で活躍したカリスマ性のある選手はファンにとって特別な存在となり、バンディエラと呼ばれます。
バンディエラと呼ばれる選手はキャリアをスタートさせたクラブで長期間活躍したいわゆる生え抜き選手が多いのも特徴です。

バンディエラの存在価値とはチームの忠誠心を高めることです。ハイレベルな選手が集まるだけで強いチームができるわけではなく、カリスマ的なまとめ役がいることで選手がチームの勝利に向けてまとまります。バンディエラは自分の存在をチームに捧げることで、選手達をまとめることができるので特別な価値を持ちます。

歴代の有名バンディエラは他のチームのユニフォームを着る姿が想像できないほど1つのクラブに馴染んでいて、バンディエラは引退後もスタッフとなりチームに在籍することが多いです。

スティーブン・ジェラードはリヴァプールFCの下部組織出身で17年間リヴァプールFCに在籍しました。ジェラードは強力なキャプテンシーとミドルシュートを持ち、最後まで試合を諦めない姿勢でリヴァプールFCを2004－05シーズンUEFAチャンピオンズリーグ優勝へ導き、UEFA年間最優秀選手を受賞しています。

トッティはASローマのユース出身でトップチームに昇格してから25年ASローマに在籍して引退しています。トッティはASローマで316得点を決めてチーム歴代通算最多得点記録を持ち、786試合に出場してチーム歴代通算最多出場記録を持ちます。2000-01シーズンには13得点を決めてASローマのセリエA優勝に大きく貢献しセリエA最優秀イタリア人選手賞を受賞しました。
ASローマのバンディエラといえばトッティがもっとも有名です。

シャビは11歳でFCバルセロナの下部組織に加入して、トップチームに昇格してから17年間FCバルセロナに在籍し、獲得したタイトルの数は25です。シャビは中盤のゲームメイカーで華麗なパスワークが特徴のバルセロナのサッカーの心臓部を担いました。

ランパードは、チェルシーFCに13年在籍し歴代最多得点記録を持っています。チェルシーでランパードは3度のプレミアリーグ優勝、UEFAチャンピオンズリーグ優勝に大きく貢献して、引退後は監督も務めています。

サネッティは1995年から19年間インテルミラノでプレーし、2005-06シーズンから2009-10シーズンまでキャプテンとなりセリエA5連覇に導いています。サネッティの引退後に背番号4番はインテルミラノでは永久欠番となり、クラブの副会長を務めています。

バンディエラとは1つのクラブで象徴的な存在となる選手のことですが、現役引退する前にバンディエラと呼ばれ、チームにとって特別な意味を持つ選手もいます。現役のバンディエラは他のクラブに移籍してプレーすることは想像できません。

メッシは13歳でアルゼンチンからスペインにサッカー留学しFCバルセロナの下部組織に入団して19年間移籍せずにプレーを続けています。メッシは17歳でトップチームにデビューして、FCバルセロナでリーガ・エスパニョーラ優勝10回、UEFAチャンピオンズリーグ優勝4回を経験していて、6回のバロンドールを受賞しており、引退後もFCバルセロナの伝説と語り継がれることは間違いありません。

ブスケッツは父もバルセロナに所属した選手で2005年からFCバルセロナ下部組織に入団して以降15年間プレーしています。ブスケッツはFCバルセロナのアンカーで不動の地位を築き、ディフェンスと中盤を間でチームのバランスを取る名手です。

ピケは1997年には10歳にしてFCバルセロナの下部組織に入団し、現在も守備の要でプレーを続けており、高いビルドアップ能力、ディフェンスライン統率能力でFCバルセロナのバンディエラとなっています。ピケは祖父もFCバルセロナの副会長を務めたことがありFCバルセロナにおける存在感は特別です。

トマス・ミュラーは2000年10歳でバイエルン・ミュンヘンの下部組織に入団し、20年間バイエルンミュンヘンに所属し、トップチームで500試合出場を達成しブンデスリーガ優勝8回を経験しています。ドイツの名門バイエルンミュンヘンの現役バンディエラといえばトマス・ミュラーです。

キエッリーニはユベントスで在籍15年を誇るセンターバックで多くの試合に出場し続けるキャプテンです。キエッリーニは絶妙のポジショニングとディフェンスライン統率能力を持つ左利きのディフェンダーで年齢を重ねても成長を続ける息の長い選手です。

1992年に誕生したJリーグにも一つのクラブで長年活躍したバンディエラが存在しますが、国内でプレーする姿を見られるバンディエラは貴重です。

2003年に中央大学から川崎フロンターレに加入し、中盤を仕切るゲームメイカーで広い視野と高いパス能力を活かしチームをJ1昇格、優勝に導いています。川崎フロンターレのバンディエラといえば中村憲剛です。

曽ヶ端準は、鹿島アントラーズの下部組織出身で1998年にトップチームに昇格して以降、長身を活かしたセービングとフィード能力の高さで長く鹿島アントラーズのゴールマウスを守ります。

北海道出身の宮澤裕樹は北の大砲と呼ばれたフォワードで室蘭大谷高校から地元コンサドーレ札幌に入団しました。宮澤裕樹はプロ入り後にボランチにコンバートしてレギュラーポジションを掴むとクラブ最長となる7年契約を結び10番を背負いキャプテンとなりチームを牽引しています。コンサドーレ札幌のバンディエラといえば宮澤裕樹です。

遠藤保仁はプロ入り3年目の2001年にガンバ大阪に移籍して以降ボランチで攻守の中心的役割を果たし、2005年にチームをJリーグ初優勝に導きました。遠藤保仁はガンバ大阪で2009年アジア年間最優秀選手、2014年JリーグMVPに輝き、40歳となっても特別な存在感を放ち、クラブのバンディエラと認知されています。

青山敏弘は2004年、作陽高校からサンフレッチェ広島に入団し、プロ入り2年目にボランチでレギュラーポジションを掴むとミドルレンジのパスと高い戦術眼でチームに欠かせない存在になりました。青山敏弘はサンフレッチェ広島のJリーグ優勝3回すべてに大きく貢献し、チームのバンディエラと称されます。

バンディエラは近年移籍市場が活発化するサッカー界で減少しており、1つのチームに忠誠を誓う選手は少なくなり、バンディエラの希少価値は高くなっています。バンディエラがチームに存在する意味は移籍が多くなるにつれて大きくなっています。