チャイルドポーズ はヨガの代表的なポーズのひとつで、正座の姿勢から両腕を前に伸ばす姿勢のポーズです。チャイルドポーズ の効果は首・肩・背中・腰のリラックスで、ヨガのクラスにおいては難しいポーズや腰に負担のかかるポーズの間や後の休憩やリカバリーで使われます。
チャイルドポーズとは?
ポーズ名 |
子供のポーズ |
英語名 |
Child’s Pose(チャイルドポーズ) |
サンスクリット名 |
Balasana(バーラ・アーサナ) |
基本姿勢 |
座位 |
難しさ |
初級 |
チャイルドポーズとは、ヨガの代表的なポーズで、体を丸めて眠る幼児のような姿のポーズです。正座から両腕を伸ばしたようなポーズで、ヨガのレッスンでは倒立など難易度の高いポーズの後や、背中に負担がかかるポーズを取った後の休憩やリカバリーのポーズとして登場します。
チャイルドポーズは、難易度は低いですが、深い呼吸を意識できるポーズでもあるため、初心者におすすめです。
サンスクリット語:バーラ・アーサナ
チャイルドポーズは、サンスクリット語でバーラ・アーサナと表記します。サンスクリット語では、バーラは子供を、アーサナは姿勢を意味します。
チャイルドポーズは、和名と英名のどちらでも呼称されたり、インストラクターによって訳が異なったりするほかのヨガを代表するポーズとは違い、国やヨガ教室ごとに呼び名が変わることはなく、統一してチャイルドポーズと呼ばれています。
チャイルドポーズの効果・効能
チャイルドポーズでは、上半身の筋肉をほぐすリラックス効果により、肩こりや疲労回復といった身体面や精神面によい効果が期待できます。
効果
チャイドポーズには大きく分けて4点の効果があります。
・肩こり解消
・腰痛解消
・上半身の筋肉をほぐす
・気持ちを鎮める
筋肉をほぐす力が強いチャイルドポーズは、休憩やリカバリーに用いられるほかに、肩こりや腰痛の改善ポーズとしても知られています。
効能
チャイルドポーズには大きく分けて4点の効能があります。
・疲労回復
・呼吸機能の向上
・ストレス解消
・快眠
チャイルドポーズはリラックス効果が高いため、身体面のみならず精神面によい効果をおよぼし、快眠へと導きます。
効く部位・筋肉
チャイルドポーズには上半身の筋肉をほぐしてリラックスさせる効果が期待できます。
【効く部位】
・首
・肩
・背中
・腰
チャイルドポーズのやり方
正しくチャイルドポーズをするためには、呼吸や手の位置に気を付けましょう。チャイルドポーズは、上手にできるほど効果を増大させられるため、正しいやり方の手順を理解したうでやることが大切です。
チャイルドポーズは、レッスンの流れのなかでリカバリーとして説明なくおこなわわれることが多いため、実は、正しいやり方を知らないままやっている人のほうが多いです。
ポーズの手順
チャイルドポーズのやり方と効果とは?【別名:バラーサナ/子供のポーズ】
チャイルドポーズでは、上半身の脱力と呼吸に気をつけてポーズをとることが重要です。
【チャイルドポーズの手順】
①マットで正座して背中を伸ばす
②手をマットにつく
③息を吐きながら手を前に伸ばし、おでこをマットにつける。
④肩の力を抜き、脱力する
⑤4〜5回ゆっくりと呼吸する
⑥もとの姿勢に戻る
呼吸
チャイルドポーズの呼吸は、肩甲骨や股関節の方へ息を入れるようにゆっくりおこなうことが大切です。③で手を伸ばすときには、息を長くゆっくりと吐くようにしましょう。⑤のときには、肩甲骨のほうに息を入れるイメージで大きくゆっくりと呼吸しながら、頭を空っぽにして自分の呼吸と背中の動きを感じてください。
手の位置
目的 |
手の置き方 |
肩や首をリラックスさせたい人 |
頭の上へ長く伸ばす |
お尻が浮いてしまう人 |
手と手が重なるよう両肘を曲げ重ねた手の上に額を乗せ |
首や背中に痛みのある人 |
後ろへ伸ばしてお尻の横へ置く |
手の置き方には3つのパターンがあります。自分の目的や身体の状態にあったものを試してみてください。
チャイルドポーズのコツ
チャイルドポーズのコツは、脱力とゆっくり呼吸することです。2つのポイントを押さえておこなうと、リラックス効果を倍増させることができます。
首と肩の脱力
チャイルドポーズの1つめのコツは、
腕の力を抜いて肘を軽くゆるめ、首と肩を脱力することです。手をピンと前に伸ばしたり突っ張ってしまったままやると、首と肩に力が入り効果が減少してしまうため、注意が必要です。
首や肩に痛みや違和感があってうまく脱力できない場合は、肘を曲げたり、手をお尻の横へ伸ばしたりするのもよいでしょう。
背中と腰の脱力
2つめのコツは、
背中と腰を丸めて脱力することです。腰を反らしてしまったり、お腹と腿前が離れてしまうと、腰やお腹に力が入ってうまく脱力できなくなってしまいます。
チャイルドポーズをするときには、体の重さに身を預けるようなイメージでリラックスしてください。体の痛みによってお腹と腿前が離れてしまう場合は、クッションを抱えてやるとよいでしょう。
呼吸
3つめのコツは、肩甲骨や股関節の方へ息を入れるつもりで、お腹の底から深くゆっくりと呼吸をすることです。
チャイルドポーズは腿の前面で腹部を圧迫しているため、深く息を吸うときにお腹ではなく背中の筋肉を使うようにしましょう。肺が大きく広がり、背中の筋肉が動くのを感じながらやってください。
チャイルドポーズは、お腹からゆっくり呼吸する方法を習得することができるため、ヨガ初心者の呼吸習得に適しています。
チャイルドポーズのバリエーション
チャイルドポーズには手の位置、足の使い方が異なるいくつかのバリエーションがあります。自分の身体の状態にあった、やりやすいものを選んで挑戦してみましょう。
膝を開いたチャイルドポーズ
膝を開いたチャイルドポーズは、腹部の負担を軽減し、股関節を開きながら、首・肩・背中・腰をリラックスできるポーズで、マタニティヨガでよく見られます。上半身のリラックス効果が高いため、特に背中や腰に負担がかかりやすい妊娠後期の女性に人気があります。
【膝を開いたチャイルドポーズのやり方】
①正座の姿勢から、かかとをつけ膝を外側に大きく開く
②通常のチャイルドポーズ と同様に体を前に伸ばす
ツイストするチャイルドポーズ
ツイストするチャイルドポーズは、片方の肩を床につけ、反対側へ長く伸ばすポーズです。内臓機能の改善や背骨と骨盤の位置を整えるといった効果があります。
【チャイルドポーズのやり方】
①正座をし、顔を左に向ける
②左の手の平と右手の甲を体の左側に置く
③右肩を床につき、お尻を持ち上げる
④左腕は通常のチャイルドポーズと同様、まっすぐ伸ばす
⑤目線をお腹に向け、4〜5回深く呼吸する
⑥もとの姿勢に戻り、反対側も同様にする
チャイルドポーズができないときの対処法
チャイルドポーズは比較的難易度の低いポーズですが、お尻が浮いてしまって上手くできなかったり、痛くてリラックスどころではないという人が多いです。ポーズがうまくできないときには、クッションなど道具を使うことで対処することができます。
お尻が浮いてしまうとき
お尻が浮いてしまう場合は、お尻とふくらはぎの間にタオルやクッションをはさみ体を安定させてください。お尻が浮いてふくらはぎと離れてしまうときに考えられる原因は次の2つです。
・お尻の筋肉が固く股関節がうまく動かない
・腰が伸びず前屈が難しい
固さを改善するために、事前にストレッチをしてから取り組むのもよいでしょう。
膝や股関節に痛みがあるとき
膝や股関節に痛みがあり正座の姿勢が上手くできない場合も、お尻が浮いてしまう場合と同様に、お尻とふくらはぎの間にクッションや畳んだタオルを挟みましょう。
クッションやタオルを挟んでも痛みが取れない場合は、無理せず、膝を立てた姿勢でやる子犬のポーズや猫の背伸びのポーズに切り替えましょう。
お腹が苦しいとき
お腹が圧迫されて苦しいときは、腿の前にクッションを抱えてやるようにしましょう。それでも苦しさが減らないときは、かかとを合わせたまま膝を開き、膝と膝の間にクッションやヨガポールを抱えると苦しさが軽減し、リラックスしやすくなります。
チャイルドポーズには、お腹のガスを抜く効果もあります。ねじりのポーズや猫の背伸びのポーズと組みあわせると、より大きな効果を得ることができます。
チャイルドポーズの禁忌と注意点
チャイルドポーズは、足回りに負担をかけ、お腹を圧迫するポーズであるため、初心者や妊娠中・持病がある方には注意が必要です。チャイルドポーズをやる前には、禁忌と注意点を確認しておきましょう。
苦しいときは?
お腹が苦しいときや痛みを感じるときには、上半身がリラックスし深い呼吸ができる姿勢に変えてみてください。無理せず苦しくない姿勢がとれるように手の位置やアイテムを使って工夫するとよいでしょう。
・手の位置を前でなくお尻の横に変える
・クッションを使う
妊娠しているときは?
チャイルドポーズはお腹を圧迫するため、妊婦には禁忌とされています。妊娠中にやる場合は、必ずマタニティヨガの知識や経験があるインストラクターの指示に従いましょう。
マタニティヨガのレッスンでは、膝を開くチャイルドポーズがおこなわれることが多いです。
高血圧のときは?
チャイルドポーズでは、頭が下がった状態を長時間キープするため、高血圧や血圧に問題のある方には禁忌とされています。特にホットヨガでチャイルドポーズをやる場合は特に注意が必要です。
初心者への注意
初心者がチャイルドポーズをするときには、力が入ったり痛みがでたりして、上手くリラックスできない場合があります。姿勢を保つのが難しい場合は、手の位置を変えたり、クッションを使って無理ない姿勢でやるようにしてください。
チャイルドポーズでひと休みしよう
チャイルドポーズは、上半身をほぐすことで首や肩の筋肉や、メンタルの緊張をほぐしてくれるポーズです。筋力トレーニングや日常生活にも使えるチャイルドポーズを上手く取り入れれば、忙しい日常生活のなかにリラックスタイムを見つけることができるでしょう。