筋肉痛で筋トレはしていいの?筋肉の回復・超回復との関係は?
筋トレを開始したばかりの時には激しい筋肉痛になります。次のトレーニングの日までに筋肉痛が治っていない可能性もあります。そのような時に筋トレをしてもいいのか気になりますよね。実際トレーニングはどのよう期間で行えばいいのか紹介したいと思います。
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公式ライター old_user_id: 152
1)筋トレで起きる筋肉痛のメカニズム
1)-1 筋肉痛とは
始めた時には、
当日や次の日に
筋肉痛を感じると思います。
この筋肉痛のメカニズムは、
実はまだ医学的に解明されていないのです。
筋肉痛のメカニズムで有力な説は、
筋トレなどの様々なトレーニングで
傷ついた筋線維を修復しようと
炎症が起こり、
その時に生産される物質が、
関係しているということです。
普段していないトレーニングをしたり、
同じ筋肉だけを繰り返し筋トレしたり、
ということがきっかけで、
筋線維が傷つき炎症が起きます。
すると痛み物質が放出され、
筋肉の痛みとして脳に伝わり、
当日や次の日に痛みを感じるのです。
みなさんが感じる筋肉痛は、
このようなメカニズムで起きているのです。
1)-2 筋肉痛が起きやすい筋トレや運動
解明されていないのですが、
筋肉痛が起きる動きはわかっています。
筋トレなどのトレーニングでは、
筋肉は2つの動きをします。
1つは、
コンセントリック運動
といって筋肉が縮まりながら、
力を発揮する動き。
2つ目は、
エキセントリック運動
といって筋肉が伸びながら力を
発揮する動きです。
どちらが筋肉痛を起こすかというと、
エキセントリック運動です。
筋トレであれば、
ゆっくりとダンベルを下ろす
トレーニングを繰り返すと、
当日や次の日に、
辛い筋肉痛が発生します。
つまり、
腕や脚を伸ばしながら耐える
トレーニングを繰り返さなければ、
次の日に筋肉痛は起きないのです。
2)筋トレによって起きる筋肉痛には2種類ある
2)-1 筋トレ当日起こる即発性筋肉痛
トレーニングをした当日に
感じる筋肉痛のことです。
筋トレ当日に感じる即発性の
筋肉痛には2タイプあります。
一つはトレーニングによって、
筋肉や筋膜が断裂して
感じる痛みで、腫れやうっ血など
が起きる怪我です。
これは痛みが出た当日に、
病院に行ったほうがいいです。
もう一つは、
筋トレなどのトレーニングによって、
疲労物質が溜まり発生する筋肉痛です。
この筋肉痛のメカニズムは、
トレーニングによって、
体内の水素イオンが増え、
筋肉が極端に酸性になることで、
エネルギー生成や、
神経伝達が阻害されて、
痛みや、重さ、だるさ、
を感じるのです。
2)ー2 筋トレの次の日に起こる遅発性筋肉痛
次の日や翌々日に、
発生する筋肉痛を、
遅発性筋肉痛と言います。
遅発性筋肉痛は、
筋トレなどのトレーニングで、
エキセントリック運動が、
多く行われると発生します。
トレーニングによって、
筋繊維などが傷が付き炎症が起こります。
炎症が起こることで、
痛みの刺激物質である、
ブラジキニン、ヒスタミンなどが、
放出されます。
しかし、筋肉には神経が無いため、
炎症が拡大して、
神経に伝わり実際に痛みを感じるには、
24~48時間かかります。
これがトレーニングの次の日にくる、
筋肉痛のメカニズムです。
トレーニング当日はなんともないのに、
次の日に痛みがくるのは、
体のメカニズムによって正常な反応です。
3)筋肉痛が次の日ではなく翌々日にくるのは年齢のせい?
次の日にくるのは、
若いからだ。
というような事を聞くと思いますが、
実際に筋肉痛が当日や次の日に
出るのか、翌々日に出るのかは、
年齢のせいではありません。
単純にトレーニングの強度の問題で、
体のメカニズム的には正常な働きをしています。
限界に挑んで筋トレを行えば、
筋肉痛は当日や次の日に起きます。
なぜ、年齢を重ねると、
次の日ではなく翌々日に、
筋肉痛が出るのかというと、
出力をセーブしてしまうからです。
少し走っただけなのに、
翌々日に筋肉痛になったというのは、
使われていない筋肉を少しだけ使ったからです。
もっと激しく走ったり、
トレーニングをしていれば、
次の日に筋肉痛を感じれる、
メカニズムになっています。
4)筋肉痛がある時は筋トレをやらない方がいい3つの理由
理由① 筋肉痛があるとトレー二ンングの可動域が狭くなる
筋トレをやらない方がいい理由として、
可動域の問題があります。
筋肉痛があると、
筋肉を伸ばしたり、
縮めたりする時に、
痛みが生じる為、
可動域が狭くなってしまいます。
どんなトレーニングをするのにも、
最大範囲で関節を動かす必要があります。
筋トレに関していえば、
可動範囲を絞ったパーシャルレップ法
などのトレーニング方法もありますが、
初心者が筋トレを行うのであれば、
最大可動域でトレーニングすることが大切です。
筋肉痛の痛みで、
中途半端な可動域でしか、
トレーニングができないのであれば、
効果が半減してしまうので、
筋肉痛が回復するまで、
筋トレを中断するべきです。
理由② 筋肉痛があると最大筋力を発揮して筋トレできない
痛みで力が出せません。
筋繊維が傷つき炎症が起きているので、
自分が持っている最大筋力を
トレーニングで発揮することができません。
筋トレをして筋肉を増やすことが、
目的であるのであれば、
高負荷の重量を扱わなければいけません。
筋肉痛で筋力が発揮できない
状態でだと扱う重量が減るので、
せっかく筋トレをしても効果がありません。
筋肉を増やしたいのであれば、
筋肉痛が回復してから筋トレをすべきです。
筋肉量を増やしたり、
筋力を増やしたりする
メカニズムが分かっている人なら、
しっかり休息を入れます。
体のメカニズムを理解せず、
根性と気合だけでは体は変わらないのです。
理由③ 筋肉痛がある状態では筋トレ時に怪我をしやすい
怪我をする可能性が高くなります。
すくなからず筋繊維が、
ダメージを受けて炎症を起こしている状態です。
その状態で、
筋トレで強い負荷をかけると、
痛みが強くなる可能性もあります。
また、筋トレ中に痛みがある部位を
かばってしまい、
トレーニングフォームが
崩れる可能性もあります。
スクワットやデットリフトなど、
高重量を扱うトレーニングでは、
フォームが崩れると怪我をします。
大きな怪我をしてしまうと、
長い期間トレーニングができなくなります。
筋肉痛は長くても10日で痛みが引きます。
焦らず回復に全力を注ぎましょう。
筋トレの効果もより実感できます。
5)筋肉痛から早く回復する3つの方法
回復方法① トレーニングの当時はアイシングをする
すると筋肉痛を感じる前でも、
筋肉に炎症が起こります。
放置していると、
炎症が強くなり辛い筋肉痛になります。
炎症は体を治す為に必要な反応ですが、
炎症が酷くなりすぎると、
逆に筋肉痛の治りが遅くなります。
激しいトレーニングをした当日は、
アイシングをして炎症を悪化させないようにしましょう。
氷水か保冷剤を用意して、
タオルなどを挟んで
酷使した部位に約20分程あてます。
皮膚の感覚が鈍くなるのを、
目安にして下さい。
しばらく休んで、
感覚が戻ったらまた同じように冷やします。
これをトレーニング当日に、
2~3回繰り返し行って下さい。
回復方法② 筋トレ後にマッサージで血行を良くする
筋肉の伸縮が繰り返されると、
筋肉が凝り固まる場合があります。
血流が悪くなり、
筋肉に栄養が届きにくく、
筋肉痛の回復が遅くなります。
筋肉痛から早く回復するには、
血流を良くすることが大切です。
血流を良くするには、
マッサージやストレッチをすることです。
トレーニング後は、
当日中にストレッチでゆっくり伸ばして下さい。
トレーニングの次の日には、
ストレッチやセルフマッサージで揉みほぐしてもいいです。
筋肉を揉みほぐしたり、
伸ばすことで、
筋トレで硬くなった筋肉が
柔らかくなり血流が良くなります。
血流が良くなることで、
栄養がしっかり運ばれるようになり、
筋肉痛の回復が早くなります。
回復方法③ 温冷浴をする
温かいお湯と冷たい水を
交互に浴びて筋肉痛の回復を早める方法です。
この方法は、
ラグビー選手やアメフト選手など、
激しく体を動かすアスリートが、
体を回復させるために積極的に行っています。
研究でも筋肉痛の回復効果が実証されています。
温冷浴の方法は筋トレ後に、
40℃程のお湯に1~2分程浸かるのと、
15℃程の冷水に1~2分程浸かるのを
繰り返し行ないます。
これを3回ほど繰り返し行なって下さい。
家で行う場合はシャワーでもOKです。
この方法を行うと、
自律神経が刺激され、
血管の伸縮作用が促進され、
血流が促せれます。
血流が良くなることで、
疲労物質を早く取り除き、
筋肉痛の回復が早くなります。
6)筋肉痛のままでは筋トレはダメ!筋肉の回復が必要
筋力を上げたい、
などの目的で筋トレをしているなら、
筋肉痛のままトレーニングをしていてはいけません。
筋トレをして筋肉痛になるまで、
体を追い込み、
次の日もまた同じ部位を
トレーニングすることが、
筋肉を増やすことへの近道だ、
と思っている人はいませんか?
筋トレをひたすらしているだけでは、
筋肉は増えません。
筋トレは筋肉量や筋力を増やす、
きっかけでしかありません。
筋トレでダメージを受けた筋肉を、
回復させることで、
筋肉や筋力がついていくのです。
そのため、筋肉痛になったら、
トレーニングを休み、
必要な栄養を摂り、
十分な睡眠で体を回復させる必要があるのです。
7)筋肉を回復させる超回復のメカニズムとは
ダメージを受けた筋肉を回復させる、
超回復と言われる現象があります。
超回復とは、
トレーニング後に、
24時間から72時間程休息すると、
筋肉の量が前回のトレーニングの
時より増えているという現象です。
超回復のメカニズムは、
トレーニングによって破壊された筋肉が、
前回与えられストレスに耐えるために、
体内に取り入れられた栄養を使って、
時間をかけて強い筋肉を再構築しているのです。
この超回復のメカニズムが分かると、
筋肉痛がある状態で、
筋トレを続けても意味がないことがわかると思います。
筋トレの効果を最大限引き出すには、
超回復のタイミングに合わせる必要があるのです。
8)超回復を促し筋トレの効果を上げる2つのポイント
ポイント① 筋トレ後にたんぱく質を多く摂取する
超回復の効果は薄いです。
トレーニング後には、
筋肉の材料となる栄養を、
十分に摂取しなければいけません、
筋肉の材料となる栄養は、
肉や魚、卵などに多く含まれる、
たんぱく質です。
筋トレ直後から筋肉は分解されるので、
なるべく早く栄養を取る必要があります。
肉や魚などからたんぱく質を
摂取しようとすると、
時間がかかってしまいます。
トレーニング直後に、
早くたんぱく質を摂取するのには、
プロテインが一番です。
体重によって必要なたんぱく質量が
変わるので、
食が細くて食事を多く摂れない人も、
プロテインを利用して十分なたんぱく質を摂取しましょう。
ポイント② 良質な睡眠で超回復を促す
次に回復に必要なのは睡眠です。
筋トレの当日は昼寝ができると理想的です。
睡眠は回復と成長に欠かせません。
「寝る子は育つ」と言われるように、
しっかり睡眠がとれていると、
筋肉痛の回復が早まり、
筋肉もよく成長します。
睡眠中には成長ホルモンが分泌され、
摂取した栄養を材料として、
筋肉を修復・成長させてくれるのです。
また、理想の睡眠時間が、
7~8時間と言われていますが、
時間よりも質を高めると超回復に効果的です。
トレーニング直後は興奮して、
寝付きが悪く、
睡眠の質が低下してしまうので、
寝る3時間前までに終わらせておきましょう。
9)筋肉痛後はいつ筋トレすればいいの?
筋肉痛が起きた後は、
超回復によって以前より
強い筋肉に修復されます。
筋トレを効果的に行う為には、
超回復のタイミングに合わせて、
行っていくことが重要です。
超回復にかかる時間は個人差があり、
トレーニングをした筋肉によっても、
回復の時間が異なります。
基本的に超回復には、
24時間から72時間くらい
かかると言われています。
24時間で回復する部位は、
腹直筋と下腿三頭筋です。
上腕二頭筋は36時間で、
上腕三頭筋、三角筋、広背筋、
大胸筋、大腿四頭筋などの
大きな筋肉は72時間かかります。
筋トレをするタイミングは、
この回復時間を目安に決めて、
効果的なトレーニングをしましょう。
10)筋肉痛を感じないと筋トレの意味はないのか
と思って筋トレをしている方は、
多いのではないでしょうか。
しかし、筋肉痛と筋力向上は、
直接関係が無いのです。
筋肉痛は、
エキセントリック収縮をともなう、
トレーニングを行った時にだけ
発生します。
なれないトレーニングや、
とにかく回数を多く行う
トレーニングを行えば、
エキセントリック収縮に
慣れていないので、
筋肉痛は発生します。
扱う重量の重さは関係無いのです。
筋力アップを行う為に、
扱う重量を増やしていっても、
トレーニングになれてきていれば、
ひどい筋肉痛は起こりません。
つまり重量を増やして筋力を挙げるのに、
筋肉痛は必要ないのです。
11)筋肉痛でも筋トレをしてもいい2つのパターン
トレーニング方法① 鍛える部位を分けて筋トレする
筋肉痛があるときには、
筋トレなどのトレーニングを
しない方が効率がいいのです。
しかし、上級者になってくると、
1回の筋トレ時間が長くなったり、
部位によって回復が違うので、
毎回全身を鍛えていると、
効果的に筋肥大や筋力UPできない
という問題が発生します。
このような場合は、
鍛える部位を分割した
筋トレ方法である、
スプリットトレーニングを行ないます。
例えば筋トレを行う部位を、
月曜を胸、水曜を背中、金曜を脚
というように分割します。
そうすることで、
筋肉痛や疲労が残っている、
筋肉を使うことなくトレーニングできます。
このように、
筋肉痛がない部位は筋トレできるのです。
トレーニング方法② 負荷の軽いトレーニングをする
筋肉痛がある場合は、
軽い運動をした方が、
回復を早めることができます。
筋肉痛がある状態で、
高負荷の筋トレを行うのは、
マイナス面が多いです。
しかし、低負荷でトレーニングを
行うことは、
体の回復に効果的です。
軽い重量でストレッチされることを、
意識しながらトレーニングをすることで、
血流が促され老廃物が回収されて、
栄養が届きやすくなるので、
回復が早くなります。
軽い重りのダンベルやバーベールを
使った筋トレだけではなく、
軽いランニングやウォーキングなどでも
いいです。
気持ちいい強度トレーニングを行うと、
全身の血流を良くするので、
疲労回復を早めることができます。
12)筋肉痛がなかなか治らない時の対処方法
しないで安静にしているのに、
なかなか筋肉痛治らない。
このような場合は、
まずは、栄養が十分か確認しましょう。
トレーニング後は、
筋肉を回復させる為に、
多くのたんぱく質が必要になります。
次に問題なのが睡眠です。
毎日夜更かしをしていて、
睡眠時間が極端に短かったり、
睡眠を削ってまでトレーニングをしてはいけません。
しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
栄養も睡眠も十分で、
トレーニングを休んでいるに、
10日以上たっても痛みがある場合は、
肉離れなどを起こしている可能性もあります。
特にトレーニング当日から
痛みがあるなら、
病院を受診することをおすすめします。
13)まとめ
筋肉痛がある時は、
筋トレなどのトレーニングは
行わない方がいいです。
トレーニングは筋肉を成長させるきっかけです。
トレーニングによる、
筋肥大や筋力向上の効果は、
超回復がなければ得られません。
毎日辛いトレーニングをしなければ、
体が変わらないと思っていた方には、
朗報だと思います。
筋肉痛が筋力アップに関係している
わけではないので、
毎回筋肉痛を起こす必要はないのです。
また、久しぶりのトレーニングで
筋肉痛が次の日ではなく、
翌々日に起きるのが、
年齢のせいではないことも
わかって頂けたかと思います。
正しい知識をもって、
効率的なトレーニングを行ないましょう。
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