サッカーのPK戦のルールや順番とは?ペナルティキックを決めろ!
サッカーのPK戦のルールはキッカーへのルール、ゴールキーパー、その他の選手と3つに分けて規定されており、そのルールを犯した場合はPKの失敗や警告を与えられます。さらにPKの方式として、先攻後攻方式とabba方式の2つがあり、先攻有利説を軽減するための取り組みもされています。
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公式ライター Activel_director
サッカーのPK戦とは
延長戦でも決着がつかなかった際に使用する方法
延長戦で引き分けたあとPK戦の末に勝敗は決しますが、それはあくまで次のステージに進むチームを決めるための手段であって、公式記録上は引き分けとなります。
先攻有利説
その分析結果によると、先攻を選んだチームの勝率は60パーセントで後攻よりも高い数値を示しています。またその理由として、ポイントを先行されることによる精神的なプレッシャーが、後に蹴るチームの選手のパフォーマンスに明らかに影響を及ぼしていると分析されています。
このことから先攻有利の理論は証明されており、PK戦に突入した際には勝率を上げるために先攻を選ぶことをお勧めします。
サッカーのPK戦の進め方
先攻後攻を決める
少年サッカーなどの大会の場合はコイントスではなく、キャプテン同士でじゃんけんをして勝ったチームが先攻後攻を選ぶというやり方が取られる場合もありますが、公式試合では必ずコイントスで行わなければなりません。
選ぶ権利を得た際は、先攻有利の法則に従って是非先攻を選ぶことをお勧めします。
両チーム5本ずつキックを行う
以下の場合は5本を蹴り終えるまでに決着がつくため試合終了となります。
①3本目を両チームが蹴り終えた時点で3ポイントの差がついた場合
②4本目を両チームが蹴り終えた時点で2ポイントの差がついた場合
③5本目を先攻のチームが蹴り終えた時点で後攻のチームが1ポイントリードしていた場合
④5本目を先攻のチームが1ポイントリードした状態で決めた場合
サドンデス
サドンデスに突入した場合は、どちらかのチームが1ポイントリードして終えた時点で終了となります。具体的な例としては、先攻が決めて後攻が外す、またはその逆が起こった時で、11人ペナルティキックを行なっても決着がつかなかった際は2周目を行い、決着がつくまで繰り返し行います。
2周目と1周目は蹴る順番を変えることができ、より決める確率の高い選手から蹴ると勝つ可能性を高めることができます。
サッカーのPK戦のルール①
キッカーへのルール
①助走に入った後は止まってもいいが戻ってはいけない。
一度ボールの近くまで助走したがタイミングが合わなくて戻るという行為も禁止されています。
②キックのフォームなどで緩急をつけるフェイントを使うのは良いが、足を戻して再び振ってはいけない。
ネイマールのように助走を含め緩急をつけるのは良いが、キックフェイントやシザースなどのフェイントは禁止されています。
③ボールに2度触ってはいけない。
ボールを蹴って軸足に当たって入ったり、跳ね返ってきた球を再度打つような行為は禁止されています。
ゴールキーパーへのルール
①キッカーがペナルティキックを蹴る前にゴールライン上から前に踏み出してはいけない。
蹴った瞬間であればいいですが、その以前にラインを超えて前に出るとイエローカードが提示され、当該ペナルティキックが再度やり直しになります。
②ペナルティキックを味方選手が蹴る際は、ゴーキーパーはペナルティエリア外で待機する。
これを犯した場合には、味方ペナルティキックの失敗となるため注意が必要です。
他の選手へのルール
①ペナルティサークル内でありセンターライン付近に一列で待機する
これも決められており、ペナルティキックの順番が回ってくるまで出ることはできません。
②防寒対策や飲料をとることができる
記録上は延長戦の末引き分けとなっているため、待機中は防寒着を着用したり、暑い時には給水をすることも可能です。
このようにキッカーやキーパーとは異なるルールが待機している選手にも決められており、それを犯した場合はカードの対象になることもあります。
サッカーのPK戦のルール②
PK戦に出場できる選手の規定
①PK戦に出場できるのは延長戦(試合)終了時点でピッチにいた選手のみ。
交代要員でベンチにいる選手や交代で退いた選手は出場することはできません。
②競技人数を等しくしなければならない。
延長戦を終えた時点で片方のチームに退場者が出ている等の理由で10人しかいなかった場合、対戦相手もキッカーを1人減らし10人で実施しなければなりません。
特に①のルールにより、チームによってはPK戦に得意なゴールキーパーを延長戦の終了間際に選手交代で投入するなど、勝つために作戦を立てる場合もあります。
プレーヤーが負傷した時
①プレーできない場合は相手チームのキッカーも1人減らさなければならない。
競技人数を等しくするというルールからそのように対応されます。
②ゴールキーパーが負傷した場合は交代選手枠から変更できる。
ゴールキーパーは特別なポジションのため、延長戦後に交代枠が余っていればその枠から交代することができます。
サッカーのPK戦の方式
先攻後攻方式
このやり方では、先攻有利との批判があるため別のやり方の模索もされていますが、現在では最も浸透されており、間違うことなく行われることからこの方法が引き続き用いられています。
また、この方式ではゴールキーパーも1度ずつ交互に守備を行うことができるため、集中する時間をつくることもでき、選手達に対してもより受け入れやすい方法と言えます。
abba方式
abba方式を取り入れることのメリットとしては、先攻と後攻を入れ替わりながらペナルティキックを行うことができるため、先攻有利の法則を軽減させることができるという点です。
abba方式は日本国内でもルヴァンカップや天皇杯などでも採用されましたが、天皇杯の名古屋グランパス対奈良クラブでabba方式を審判が正しく使用できず、後日PK戦をやり直すなどその複雑さから国際大会でも国内大会でもほぼ使われていません。
サッカーのPK戦における戦術
異なるタイプのキッカーを交互に蹴らせる
その1つとして、異なるタイプのキッカーが交互にペナルティキックを蹴るという方法があります。ペナルティキックの蹴り方には、スピードのあるボールを蹴るタイプ、ゴールキーパーの動きを見て蹴るタイプ、フェイントをかけて蹴るタイプに大きく分けられます。その3タイプのキッカーを5人の中に混ぜながらペナルティキックを行うことによって、相手キーパーは対応がより困難になるとともに的を絞ることができないため、ゴールを決めることができる可能性が高くなります。
左利きの選手をキッカーに混ぜる
左利きの選手にペナルティキックでを蹴らせる戦術的メリットとしては、タイミングがずれるということで、ゴールキーパーはほとんどのPK戦では右利きの選手のシュートに対応しています。それは世の中の大半のサッカー選手が右利きの選手であるからで、そこに左利きの選手がペナルティキックを蹴ると、ゴールキーパーはどうしても違和感を覚えるとともにタイミングをつかみにくくなります。この作用によってゴールを決める可能性を高めることができます。
相手のキーパーのタイプでキッカーを変える
ゴールキーパーのタイプは3つに大きく分類され、あらかじめ予測をして飛ぶタイプ、ボールを蹴った瞬間にボールに反応して飛ぶタイプ、キッカーの軸足を見て飛ぶ方向を決めるタイプです。予測するタイプに対しては、ギリギリまで蹴らずキーパーが飛んだ瞬間に逆の方向に蹴るようにします。蹴った瞬間に飛ぶタイプに対しては、スピードのあるボールを蹴ることで反応しても取れないようにします。軸足を見て蹴るタイプに対しては、フェイントを入れながら、軸足の逆方向に蹴るなど工夫をします。
これらを行うにはゴールキーパーのタイプを知らなければならず、それは試合中のシュートへの対応でキーパーの癖を読み取ることができます。
サッカーのPK戦のルールや順番のまとめ
また、PK戦がある大会で次のステージへと進んでいくためには、延長戦で引き分けた後のことも特に監督は考えておかなければいけません。それまでに相手のゴールキーパーのタイプや、それに対して自チームの選手がどのようなタイプのキッカーがいるのか、また、abba方式かどうかなど総合的に考えて蹴る順番を決めなければいけません。さらに5人蹴った時点で引き分けてサドンデスに入った時に蹴る順番など、PK戦は勝つために様々な知識と準備が必要です。
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