サッカーの10番の背番号の意味とは？チームのキャプテンがつける背番号

ユニフォームの背番号に明確に規定された意味や役割はありませんが、背番号10はサッカーにおいては特別な意味を持ち、攻撃的ミッドフィルダーやフォワードでチームで最も期待されている選手は10番を着けることが多いです。

10番といえばエースナンバーであり、始めて見るチームであれば、まず10番に注目するとその選手が一番上手い中心選手である可能性が高いです。10番を着けているだけでエースとして見られ、マークもきつくなり他の選手よりも活躍を要求されるという選ばれた人しか背負うことができない背番号が10番です。

背番号10番が試合で攻撃を司り牽引する司令塔といわれる役割を期待されます。

具体的には、ドリブルで膠着状態を打開したり、ビルドアップの出口となって崩しの局面につなげたりとアシストや得点の一つ前のきっかけとなるようなプレーにおいて、攻撃面で主導権を握る役割です。

攻撃を牽引してゴール前までボールを運んだあとに10番に求められる役割は、創造性を発揮してゴールに結びつけるプレーをすることです。

ファンタジスタという言い方もされますが、スルーパスを通したり、一人ドリブルで交わしてシュートを決めたりサッカーにおいてもっとも華やかな瞬間を創造性や技術によって演出して観客を魅了する存在であることも求められますから、時には理不尽な批判を受けることがあります。

1958年スウェーデンで開催されたFIFAワールドカップにブラジル代表としてペレが出場した際、驚異的な活躍を見せブラジル国民の英雄となったペレのユニフォームの背番号が、たまたま10番だったため、10番が特別な意味を持つようになっていきました。

その後もジーコ、マラドーナ、ロベルトバッジョ、ロナウジーニョ、リバウド、ジダン、メッシなど時代を象徴するスター選手は10番を背負うことが慣例となっています。

日本サッカーは日系ブラジル人が多かったことからブラジルサッカーの影響が強くペレが背負った10番がエースナンバーとなることは自然な流れでした。

加えて、漫画キャプテン翼の主人公である大空翼が10番であったことも影響が大きく、圧倒的な技術を駆使して「ボールは友達」という名言を残した大空翼くんのように、ボールを自由自在にあやつり、サッカーの楽しさを伝えるようなタイプの選手が10番を背負います。

日本代表の中村俊輔選手、香川真司選手は典型的な日本サッカー界がイメージする10番に合致する存在ですし、ユニフォームの売り上げも10番が圧倒的に人気があり、日本代表の背番号10番は日本サッカー界の顔となります。

また、得点力があるフォワードタイプよりも技術的に優れたミッドフィルダータイプが日本サッカーの10番には多いです。

10番はキャプテンを務めていることが多いですが、これは決まりではなく、たまたま攻撃的なポジションの中心選手が10番を着けることが多いので、結果的に10番のキャプテンが多いというだけです。

近年では、エースナンバーの意味合いが強い10番とキャプテンを同時にやることは負荷が大きすぎるので、役割を分担する傾向が強くなっていますから、背番号10でキャプテンをやっている選手はチームにおいて欠かせない中心的存在であることは間違いないです。