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テニスコートの種類とそれぞれの特徴とは?【気になる疑問を解決】

テニスコートの種類とそれぞれの特徴とは?【気になる疑問を解決】

初心者から中級者の方々にとって、テニスコートの種類や各コートの特徴について、気になる疑問などを抱えていませんか?ここでは、テニスコートの主な5種類の解説と、それぞれのコートの特徴・プレーする上で気を付けたいことを、わかりやすく解説しまとめています。

2021.12.16 テニス

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公式ライター
園城寺 希


テニスコートには様々な種類がある

硬式テニスのルール上は、縦23.77m、横8.23m(ダブルスの場合は10.97m)と定められていますが、コートサーフェス(表面)の材質について特に規則はなく、実は様々な材質のコートがあるのです。ここでは、一般的な5種類のテニスコートについての紹介を始め、それぞれのコートが持つ特徴や、プレーする上で気を付けたい点などをまとめてご紹介します。

テニスコートの種類と特徴①オムニコート

 (47947)

日本で一番多く見かけるテニスコートです。日本で普及したのは1990年あたりからで、それまではクレーコートが主流でした。
施工はコンクリートの地面に人工芝シートを敷いて、その上に砂を撒くだけで、メンテナンスも楽で維持費を含めたコストもかからないので、特に自治体や学校関連の施設はほとんどがクレーコートからこのコートに取って代わりました。
人工芝の色も緑が主流ですが、最近では赤土を模して赤色の人工芝も見られます。初心者の方がテニスを習う際に最も使われるコートでしょう。

オムニコートの特徴

昭島市昭和の森テニスコート (47948)

via 昭島市昭和の森テニスコート
特徴は水はけがよく、日本のように雨の多い気候では雨が降っていてもプレーできるといった点が好まれています。
テニスの大会運営側もローカルルールとして、「水溜りができるまではプレー続行」にしているところもあり、雨が止むとしばらくすれば水溜りも引き、プレーできるようになります。
また、イレギュラーバウンドは少ないですが、砂の量が少ないところでは人工芝の特徴が出てボールが滑りやすく、砂の多いところではバウンドが低く弾まなくなり、ボールのスピードは落ちます。

オムニコートでプレーする時の注意点

オムニコートでプレーする際のボールは遅く、バウンドは普通ですですが、滑るようなステップを使うことができます。砂が多い場合にはボールが弾みませんが、逆に砂が少ない場合は、人工芝の特徴が出てスライスボールが切れやすくなります。フットワークも滑らずに、後に紹介するハードコートで使うようなステップを使うといいでしょう。

テニスコートの種類と特徴②クレーコート

Tennis Court Sport Clay · Free photo on Pixabay (47958)

かつては日本で主流のコートでしたが、今では昔からの名門と言われる東京ローンテニスクラブ、神宮外苑テニスクラブ、田園テニス倶楽部、「日本テニス発祥の地」横浜インターナショナルテニスコミュニティなど一部のテニスクラブぐらいにしか見かけなくなりました。何層もの土の層を重ねた地面の表面に砂を撒いて仕上げたクレーコートは、不規則なイレギュラーバウンドも少なくプレーするには大変気持ちの良いコートです。

クレーコートの特徴

クレーコート(鎌倉市笛田公園コート)

クレーコート(鎌倉市笛田公園コート)

特徴は全てのテニスコートの種類の中では、最もプレーする選手の足腰に負担が軽く、特に高齢の方には最も人気の高いコートです。また、ボールの速度も最も遅く、ラリーが続きやすいため、初心者の方のいろいろな基本ショットの技術の習得には良いコートと言えます。
一方、欠点は水はけが悪いことです。前日雨が降ったら翌日の昼あたりまでは乾かすためにコートが使えなくなります。また、日本のように雨の多い気候では梅雨や秋雨によって、また、冬の霜が降りる季節や降雪の後はコートが軟弱になり長く使えないこともあります。

クレーコートでプレーする時の注意点

クレーコートでプレーする際のボールは遅く、バウンドは普通です。滑るようなステップを使うことができますが、砂が多い場合には滑りやすくなりますので注意してしましょう。逆に砂が少ない場合はハードコートのように引っかかりやすくなるので、滑らずにハードコートで使うようなステップを使う事をおすすめします。

テニスコートの種類と特徴③ハードコート

Tennis Court · Free photo on Pixabay (47957)

アメリカに多くあるコートで、施行にはコンクリートの地面の上にゴムなどの素材を敷き詰めるだけのためコストがかからず、日本でもメンテナンスが要らないことからハードコートが一時普及した時期がありました。
欠点は経年劣化でコートがひび割れることです。ただし、最近ではアクリル系の素材を塗り重ねていくタイプや、体育館などにパネルを敷き詰めていくタイプも出てきて、補修などのメンテナンスの方法も改善されてきましたので、日本テニスの世界での実力アップのためにも、初心者やジュニアの時期からハードコートを使うべきとの意見もあり、今後見直されることを期待したいです。

ハードコートの特徴

慶応大学日吉コート (47952)

via 慶応大学日吉コート
特徴はボールのバウンドが高く跳ね上がるために、初心者のうちから攻撃的なショットを学ぶには良いテニスコートと言えます。
バウンドも安定していてイレギュラーバウンドはほとんどありません。ただ、テニスのようなステップの折返しが多い競技ではこのテニスコートは足腰に最も負担がかかり、足首の捻挫やひどい場合には骨折などのけがにつながる危険が最も高いテニスコートです。また、雨の降り始めは一番スリップの危険性が高いため注意が必要です。雨が降った後には水溜りが残りますので、ワイパーを使って水を掃いた後、乾くまで待つ必要があります。

ハードコートでプレーする時の注意点

ハードコートでプレーする際、スピン系のボールは高く弾み、スライス系のボールは切れる特徴を持ちます。また、表面の摩擦が少なくボールが速いことが多いです。
足の運びでは、滑らずしっかりと足を運ぶステップを使う必要があるので注意しましょう。また、前後にダッシュ・アンド・ストップを行うと、つま先に負担がかかりやすくなるため、多少つま先に余裕のあるシューズを履くことをおすすめします。左右の折返しでも急なストップは捻挫の原因になるの注意しましょう。

テニスコートの種類と特徴④カーペットコート

高輪プリンスホテル (47953)

via 高輪プリンスホテル
じゅうたんのようなポリエステルなどの化学繊維を表面にしたシートを、コンクリートの地面に敷いたテニスコートで、雨には弱いため屋内の主にテニススクールの施設で使われています。
触ったり足に受ける感触が良いのと、衣服が汚れにくいこともあって、特に女性の評判は良いようです。ただ、コーヒーなど色のついた液体を表面にこぼすと色が取れにくいので注意してください。

カーペットコートの特徴

高輪プリンスホテル (47954)

via 高輪プリンスホテル
イレギュラーが少なくバウンドが安定しており、初心者がテニスのいろいろなショットを習得するには良いテニスコートです。ただ、コートの表面によってはボールが滑って、球速が速くなることがあります。あと、思いもよらないシューズとのひっかかりが生じることがありますので、できればカーペットコート専用のテニスシューズを履くことをおすすめします。

カーペットコートでプレーする時の注意点

 (47963)

足の運び(ステップ)はハードコートと似ているので、滑るステップは使えません。また、思わぬところで急にシューズが引っかかることがあります。その原因として、オールコートシューズの底のパターン(切れ込み)がカーペットに引っ掛かるものと思われます。
カーペットコートを使ったスクールに通うなど、頻繁にこのコートを使う方はぜひカーペットコート専用の底に、パターンのないつるつるのシューズを購入されることをおすすめします。

テニスコートの種類と特徴⑤グラスコート

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「テニスの聖地」と言われる、ウインブルドンのテニスコートで使われている天然芝のテニスコートです。天然芝はテニスのプレーがしやすいようにきれいにカットされ、自然をも相手にプレーしている感じがします。また、ふかふかの感触で選手がダイビングボレーをしたくなる気持ちがわかるほどです。
しかし、やはり天然芝のコートは貴重で、日本で一般公開されているグラスコートは、佐賀の「グラスコート佐賀テニスクラブ」のみです。

グラスコートの特徴

天然芝の上ではボールは高く弾まず、スライスのボールは低く速く進む特徴を持つため、ボールに合わせて腰を低くする必要があるのと、ダッシュ・アンド・ストップには通常以上に足腰に力を入れて止まる必要があります。
多く使われて芝が薄くなった箇所ではクレーコートと同じ特徴になります。また、芝と土の境目では、イレギュラーバウンドが多く発生します。
最近のウインブルドンのグラスコートでは、テニスの時代の変化に伴い、バウンドを高くするよう、昔に比べ地面も硬めにメンテナンスされているそうです。

グラスコートでプレーする時の注意点

グラスコートでプレーする際は、腰を低くして低いバウンドに対応する必要があります。滑りやすい表面ですので注意して、ステップはハードコートのステップを使ってしっかり足を運んでください。
できれば滑りにくい底に、ギザギザの入ったグラスコート専用シューズを履くことをおすすめします。かつてグランドスラマーであるレーバー選手は、1969年の全米オープンで雨の後の天然芝があまりに滑るので、ゴルフシューズのようなスパイク付きのシューズを履いて、プレーし優勝しました。

その他のテニスコートの種類と特徴

Tennis Sand Sport · Free photo on Pixabay (47967)

その他にも、アンツーカコート(レンガ質の土を表面に撒いたコートでクレーコートよりは水はけがよい、ボールは遅い)や、ハードコートでも表面にゴムチップを埋めてあるもの(ボールは遅くバウンドが高い)、カーペットコートで表面の繊維が粗い織り方のもの(ボールが遅い)、体育館の板張りのコート(材質は木材、ボールが非常に速い)などがあります。

テニスコートの特徴一覧

ここまで紹介した、テニスコートの種類や特徴の一覧です。プレーする際の参考してみてください。
テニスコートの種類 どこに多いか ボールのスピード ボールのバウンド
オムニコート 日本 普通、砂の量による 普通
クレーコート ヨーロッパ 遅い 普通
ハードコート アメリカ 速い、表面塗装で調整可 高い、跳ねる
カーペットコート 北欧、ヨーロッパ 速い、表面加工で調整可 普通
グラスコート ヨーロッパ、豪州 速い、芝がはげると遅い 低い
アンツーカコート ヨーロッパ 普通 普通
テニスコートの種類 雨への強さ 特徴や注意点など
オムニコート 雨に強い、止めば再開できる ラリーが続く、足腰に負担
クレーコート 弱い、水はけ悪く翌日も使えないことも ラリーが続く、足腰には楽
ハードコート 普通、ワイパーではけば再開早い けがをしやすい、足腰に負担
カーペットコート (室内コートのみ) ひっかかりやすい、足腰に負担
グラスコート 弱い、シートをかければ再開は早い 滑りやすい、下半身に負担
アンツーカコート 普通、水はけは良い ラリーが続く、足腰には楽

テニスコートの種類と特徴のまとめ

Tennis Court Stadium · Free photo on Pixabay (47956)

テニスコートの種類とそれぞれの特徴についてご紹介しました。
コートサーフェスの材質によってボールの速さやバウンドの高さが違いますので、特徴を知った上でプレーも合わせていかないと自分の思い通りのプレーができないものです。また、テニスコートに合ったテニスシューズを履くことで、けがを防ぐことに繋がるため意識しておきましょう。

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