お尻の筋肉の名前とは?臀部の筋肉の名称を理解してトレーニングに活かそう
おしりの筋肉は大臀筋・中臀筋・小臀筋の3つの名前の総称である臀筋群と股関節外旋を担う梨状筋・内外閉鎖筋・上下双子筋・大腿方形筋の総称である外旋六筋があります。腰痛予防や姿勢保持につながるおしりの筋肉を効果的に鍛えるために筋肉の名前と働きを理解してトレーニングに励むことが重要です。
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公式ライター mblue1974
お尻の筋肉とは?
おしりの筋肉は骨盤から大腿骨の後方に付いていて、股関節の運動と下半身全体の安定性に貢献する大切な役割を持っています。大臀筋はお尻全体を覆っている人体で最も厚みがあり、強い力を発揮できる筋肉のため、負荷がかかる坂道や階段上り、力やスピードを発揮するスポーツ場面で必要とされる筋肉です。
筋トレで鍛えられたおしりの筋肉はヒップアップやよい姿勢の保持といった身体の見た目に大きく関与しています。
おしりと股関節の関係性
臀筋にある筋肉は股関節を構成している骨盤と大腿骨を後方から結ぶ部位に位置して股関節を動かす働きをしています。お尻の筋肉が股関節にもたらしている作用は以下の3つです。
・足を後ろに引く動作である股関節の伸展作用
・足を横に広げる動作である股関節の外転作用
・直立位で股関節を固定して安定させる作用
筋トレで鍛えられたおしりの筋肉が作用することで、立位姿勢や歩行時に安定性を得やすくなります。
おしりの筋肉の名前と構造
名前 | 大臀筋 | 中臀筋 | 小臀筋 |
起始 | 腸骨稜後方・仙骨 | 腸骨 | 腸骨の外側 |
停止 | 大腿骨の臀筋粗面 | 大腿骨大転子 | 大腿骨大転子 |
働き | 股関節の伸展 | 股関節の外転 | 股関節の外転・内旋 |
名前 | 梨状筋 | 内閉鎖筋 | 外閉鎖筋 | 上双子筋 | 下双子筋 | 大腿方形筋 |
起始 | 仙骨 | 閉鎖膜・坐骨 | 閉鎖膜 | 坐骨 | 坐骨結節 | 坐骨結節 |
停止 | 大腿骨 | 大腿骨大結節 | 大腿骨転子窩 | 大腿骨大結節 | 大腿骨大結節 | 大腿骨転子間稜 |
働き | 股関節外旋・外転 | 股関節外旋 | 股関節外旋・内転 | 股関節外旋 | 股関節外旋 | 股関節外旋・内転 |
おしりの筋肉は骨盤の後方部位と側方部位に位置し、臀筋群と臀筋群より深層にある筋肉の名前である外旋六筋に分かれ、股関節の運動と骨盤帯の安定性を担っています。3つの臀筋群は深層にある小臀筋や中臀筋を面積の広い大臀筋が覆っています。
外旋六筋の名称で呼ばれる筋群は、足を外側にひねる股関節外旋運動の働きをする6つの筋肉をまとめた名前です。
お尻の筋肉の名前と役割
おしりの筋肉は大きく分けて臀筋群と外旋六筋の2つの筋群で構成されています。臀筋群は人体で最大の面積を持つ大臀筋と深層にある中臀筋・小臀筋の3つの筋肉の名前の総称であり、股関節の外旋運動と身体全体を支える6つの筋肉が集まった筋群の名称が外旋六筋です。
おしりの筋肉は人間が二足で身体を支えて安定した真っすぐな立位をとるための役割があり、股関節の周りだけでなく上半身の姿勢保持に大きな影響を与えています。
大臀筋
筋肉の名前 | 大臀筋 |
起始 | 腸骨、仙骨および鼻骨 |
停止 | 大腿骨の臀筋粗面 |
働き | 股関節の伸展、外旋 |
大臀筋はおしり全体を覆う人体で最大の表面積があり、最も強い力を発揮する筋肉の名前です。大臀筋は股関節を後方へ動かす伸展動作の中心的な役割と前方に付く大腿筋膜張筋と共に大腿骨の骨盤に対する圧縮力を高めて安定させています。
地球の重力に抗して安定した立位を保つ姿勢保持筋の1つであり、大臀筋の筋力が強く発揮されると、歩くときや走るときのスピードが高まる推進力の役割も持っている筋トレ効果も高い筋肉です。
中臀筋
筋肉の名前 | 中臀筋 |
起始 | 腸骨、臀筋腱膜 |
停止 | 大転子 |
働き | 股関節外旋 |
中臀筋はお尻の外側の場所に位置している三角形の筋肉であり、面積のほとんどを大臀筋に覆われているインナーマッスルです。足を外側に広げる動作である股関節外転の中心になる筋肉であり、外側から股関節を支えています。
立位姿勢や歩くときに骨盤の左右の動揺を防ぎ、片足で立つときは骨盤の傾きを抑えて平行を保つため、筋トレで鍛えると下半身の安定性が増大します。
小臀筋
筋肉の名前 | 小臀筋 |
起始 | 腸骨の外側、中臀筋起始のすぐ下 |
停止 | 大腿骨大転子の全面 |
働き | 股関節外転・内旋 |
小臀筋は腸骨と大腿骨上部にある突起を結ぶおしりの外側に付いている小さな筋肉であり、中臀筋よりもさらに深い場所に位置しています。役割は中臀筋の補助的な役割があり、足を外側に広げる運動とわずかに内側にひねる運動を担っています。
中臀筋よりも深い部位にあるため、股関節を動かすときよりも歩くときや立っているときに骨盤を固定して股関節を安定させる役割が大きい筋肉です。
梨状筋
筋肉の名前 | 梨状筋 |
起始 | 仙骨の前面 |
停止 | 大腿骨大転子 |
働き | 股関節の外旋・外転 |
梨状筋は仙骨から大腿骨の先端に位置している筋肉の名称であり、足を外側にひねる運動である外旋運動を担う外旋六筋の1つです。身体をひねる動作が多いゴルフや野球、中腰姿勢で草むしりをするときに強く働いています。
梨状筋の真下を腰痛と深く関係している坐骨神経が通過し、梨状筋が働き過ぎにより硬くなると、坐骨神経が圧迫されて坐骨神経痛になる原因になります。
内外閉鎖筋
筋肉の名前 | 外閉鎖筋 | 内閉鎖筋 |
起始 | 坐骨と恥骨の間の閉鎖膜 | 坐骨と恥骨の間の閉鎖膜・坐骨 |
停止 | 大腿骨転子窩 | 大腿骨大結節内側 |
働き | 股関節内転・外旋 | 股関節外旋 |
内閉鎖筋は名前のとおり坐骨の内側から大腿骨の付け根に近い部分に付き、股関節の外旋運動を担う大腿方形筋と並びとても力の強い筋肉です。外閉鎖筋は外旋六筋の中で最も骨に近い深部に存在しているインナーマッスルで、股関節を動かす力よりも安定させるために強い力を発揮している筋肉です。
外閉鎖筋は股関節の外旋運動だけでなく、足を内側に閉じる内転動作にわずかながら作用している特徴があります。
上下双子筋
筋肉の名前 | 上双子筋 | 下双子筋 |
起始 | 坐骨の内側にある坐骨棘 | 坐骨結節 |
停止 | 大腿骨大結節 | 大腿骨大結節 |
働き | 股関節外旋 | 股関節外旋 |
上双子筋は坐骨から大腿骨の先端に付いている股関節の外旋に関わる外旋六筋の1つであり梨状筋と内閉鎖筋の間に存在しています。下双子筋は上双子筋と対をなす場所にある筋肉であり、内閉鎖筋のすぐ下を通って、股関節の外旋の動きを補助しています。上下双子筋は外旋六筋の中でも小さくて力も弱く、他の外旋筋群と比べて貢献度が低い筋肉です。
大腿方形筋
筋肉の名前 | 大腿方形筋 |
起始 | 坐骨結節外側縁 |
停止 | 大腿骨転子部 |
働き | 股関節外旋・わずかな内転 |
大腿方形筋は形状が四角い扁平な形をしている筋肉でおしりの坐骨結節と大腿骨の身体に近い場所を結んでいます。大腿方形筋は外旋六筋の中でも内閉鎖筋と共に股関節の外旋動作に大きな影響を与える強い力を発揮しています。
骨盤のインナーマッスルの役割も持っているため、大腿方形筋が働くことで骨盤と腰周囲の筋肉の負担を軽くすることが可能です。
おしりの筋肉を鍛えるメリット
臀筋と名前が付くおしりの筋肉を鍛えることで期待できるメリットは以下の3つです。
・良い姿勢の保持
・基礎代謝の向上
・腰痛予防
おしりの筋肉は面積が大きくて上半身と下半身をつなぐ骨盤を支える役割があるため、身体機能に大きな影響を及ぼしています。
良い姿勢の保持
おしりの筋肉を鍛えることで、真っすぐできれいな良い姿勢を保持することが可能になります。臀筋と名称がつくお尻の筋肉は上半身と下半身をつなぎ、身体を支える土台となるからです。
おしりの筋肉は地球の重力に対して立位や座位の姿勢を保つために常に働いているため、強化することで全身の筋肉のバランスと日常生活や運動のパフォーマンス向上に役立っています。
基礎代謝の向上
臀筋と名前が付く筋肉を鍛えることで、体温調整や呼吸に代表される生きていく最低限必要な基礎代謝の向上につながります。1日に消費するエネルギーの約7割を占める基礎代謝の中で多くのエネルギーを消費する部位が筋肉であり、筋肉量が増えることでエネルギー消費も大きくなります。
広い表面積を持つ臀筋群の活動性を上げることで大きなエネルギー消費が期待できるため、基礎代謝を向上させたい人が優先的に鍛えるべき部位です。
腰痛予防
臀筋を鍛えることで特に筋肉性の腰痛を予防する効果が期待できます。臀筋群と呼ばれる名称を持つおしりの筋肉は腰椎を支えて引き起こす役割があり、過活動による疲労で固くなることで十分に働かなくなったり、筋力が低下したりすると腰部や腎部に負担が集中してしまうからです。
腰痛を予防するためには、おしりの筋肉を鍛えると同時に股関節の柔軟性を保ってお尻の筋肉を働きやすくして腰部に対する衝撃を吸収することが大切です。
おしりの筋肉の名前を理解してトレーニング効果を高めよう
おしりの筋肉を構成する臀筋群と外旋六筋の名前と場所を理解してトレーニングに取り組むことで高い効果が期待できます。筋トレの原則の1つに意識性の原則があり、どこの部位を鍛えているかを意識することでトレーニング効果を高めることが可能だからです。
おしりの筋肉を継続して鍛えることは全身の活動性アップにつながるため、名前と筋肉が付いている場所、働きを正しく理解してトレーニングに励むことがおすすめです。
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