股関節周りの筋肉の名前とは?股関節の伸展に関わる筋肉を知ろう
股関節周りの筋肉には、立つ・歩く・しゃがむといった動きをする大腰筋や腸骨筋があり、役割ごとに屈筋や心筋、外転勤、内転筋、外旋筋といった名前で表されます。股関節周りの腸腰筋や臀筋、内転筋といった名前の筋肉をほぐすことで下半身への血流を促し、むくみや冷え、猫背やO脚など不良姿勢の改善効果が期待できます。
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公式ライター Activel_director
股関節とは?
股関節とは骨盤と大腿骨をつないで立つ・歩く・しゃがむといった足を動かす関節で、人体を支える関節のなかで最も大きい場所です。大腿骨の先端に位置する骨頭が寛骨臼とよばれるくぼみにはまっており、表面を覆う軟骨によって股関節回りの衝撃や摩擦を軽減しています。股関節は骨頭と寛骨臼がともに半球状である球関節で、前後左右に安定して動かせる部位です。
股関節周りの筋肉の構造
股関節周りの筋肉の構造は、腸腰筋とよばれる、腰椎の内側から出る大腰筋と骨盤の内側から出る腸骨筋が股関節の骨頭と寛骨臼の周りを支え、その外側を梨状筋や大腿筋膜張筋、縫工筋や股関節内転筋、臀筋群が囲みます。
股関節の筋肉の名前と役割
名称 | 構成する筋肉 | 役割 |
股関節屈筋 | 大腰筋・腸骨筋・縫工筋 大腿直筋・恥骨筋 |
股関節を上に曲げる |
股関節伸筋 | 大臀筋・半腱様筋・半膜様筋 大腿二頭筋 |
股関節を伸ばす |
股関節外転筋 | 中臀筋・小臀筋・大腿筋膜張筋 | 股関節を外側に曲げる |
股関節内転筋 | 大内転筋・短内転筋・長内転筋 薄筋・外閉鎖筋 |
股関節を内側に曲げる |
股関節外旋筋 | 梨状筋・内閉鎖筋・上双子筋 下双子筋・大腿方形筋 |
股関節を外側にねじる |
股関節回りの筋肉の役割は、股関節を屈曲させたり伸ばしたりするほか、外側や内側に曲げる、外側にねじることです。上の表のように股関節回りの筋肉は、役割ごとに股関節屈筋・股関節伸筋・股関節外転筋・股関節内転筋・股関節外旋筋といった名前で分けられます。
股関節屈筋
大腰筋 | 腰椎の内側から出て上半身と下半身をつなぐ |
腸骨筋 | 骨盤の内側から出て上半身と下半身をつなぐ |
縫工筋 | 大腿前面の内側にあり、あぐらをかくときに使われる |
大腿直筋 | 大腿四頭筋の1つで膝関節の伸展にも関わる |
恥骨筋 | 骨盤の前下部にある恥骨の筋肉で股関節の内転・内旋にも関わる |
股関節屈筋は股関節を上に曲げる働き、歩くときに太腿や膝を持ち上げる働きがあり、関わる筋肉の名前は大腰筋・腸骨筋・縫工筋・大腿直筋・恥骨筋です。
大腰筋と腸骨筋に小腰筋を加えた腸腰筋は、背骨や腰骨の前から骨盤の内側、太腿の付け根の内側を通り上半身と下半身をつないでいます。縫工筋は大腿前面の内側の場所にあり、人体で最も長い、あぐらをかくときに使われる部位です。
大腿直筋は外側広筋・内側広筋・中間広筋とともに大腿四頭筋を構成していて股関節の屈曲のほか膝関節の伸展を行います。恥骨筋は骨盤の前下部にある恥骨の筋肉で、股関節の屈曲・内転・内旋に関わる部位です。
股関節伸筋
- 大臀筋
- 半腱様筋
- 半膜様筋
- 大腿二頭筋
股関節伸筋は股関節を伸ばす役割があり、関わる筋肉の名前は大臀筋・半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋です。大臀筋はお尻にある筋肉のなかで最も大きく、重力に対抗して働く抗重力筋の1つで、大臀筋の筋トレを行うと姿勢がよくなり、脚を長く見せる効果があります。半腱様筋・半膜様筋・大腿二頭筋はハムストリング筋とよばれ、大腿部後面に位置し、股関節をうしろに反らしたり膝を曲げたりする働きで走るときに活躍する場所です。
股関節外転筋
- 中臀筋
- 小臀筋
- 大腿筋膜張筋
股関節外転筋は、股関節を外側に曲げる役割があり、関わる筋肉の名前は中臀筋・小臀筋・大腿筋膜張筋です。中臀筋は三角形で大部分の場所を大臀筋に覆われており、歩行時や走行時に片脚立ちを支える部位です。小臀筋は股関節の外側、中臀筋の奥に位置し、股関節を開く動きや骨盤を支える役割を果たします。大腿筋膜張筋は太腿の表層部に位置し、股関節の外転や屈曲、膝関節の伸展を行う部位です。
股関節内転筋
- 大内転筋
- 短内転筋
- 長内転筋
- 薄筋
- 外閉鎖筋
股関節内転筋は、股関節を内側に曲げる役割があり、関わる筋肉の名前は大内転筋・短内転筋・長内転筋・薄筋・外閉鎖筋です。膝を閉じた状態で座ったり左右の脚で物を挟んだりするときに使われます。大内転筋・短内転筋・長内転筋・薄筋に恥骨筋を加えて大腿内転筋群という名前でよばれ、大腿内転筋群は恥骨の筋肉であり股関節の内転や内旋を行います。外閉鎖筋は大腿の内側、恥骨筋のさらに深層に位置しており、股関節の内転のほか外旋に使われ、歩行時の方向転換や体の向きを変える際に使われる筋肉です。
股関節外旋筋
- 梨状筋
- 内閉鎖筋
- 上双子筋
- 下双子筋
- 大腿方形筋
股関節外旋筋は、股関節を外側にねじる働きがあり、関わる筋肉の名前は梨状筋・内閉鎖筋・上双子筋・下双子筋・大腿方形筋です。これらに外閉鎖筋を加えた筋群は深層外旋六筋と名前がついており、股関節や大腿を外旋する働きを行います。深層外旋六筋を筋トレで鍛えることで、股関節が安定し、可動域が広がります。
股関節周りの筋肉を鍛えるメリット
股関節回りの筋肉を鍛えるメリットは、硬くなった筋肉を柔らかくし、股関節の可動域が広がるため下半身への血流を促してむくみや冷えの軽減、猫背やO脚・腰痛の改善です。
座っている時間が長いと股関節が屈曲した状態で血管が圧迫され、下半身への血流が滞るため、股関節の定期的なストレッチや筋トレが必要になります。また、筋トレで股関節の可動域が広がり、体幹がよくなると腰椎の負担を減らし、椎間板ヘルニアのリスクを減らします。
筋肉の構造を理解して股関節を整えよう
股関節回りの筋肉の名前を知り、場所や構造を理解することで、股関節のストレッチを効果的に行えます。厚生労働省が2013年に行った調査では、関節症による外来受診率は歯の疾患や高血圧に続いて5番目であり、股関節の人工関節手術を受ける患者数も年々増加しています。股関節のストレッチや筋トレを行い、機能を高めることは疾病予防や健康寿命を延ばすうえで大切です。
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