スノーボードの初心者が、初めて板を買うときの選び方を具体的に紹介します。デザインも楽しいスノーボードの板ですが、きちんと押さえておきたい選び方のポイントがいくつかあります。自分の身体やスキルに合った板選びができると、上達のスピードがグンと早くなります!
初めて買うスノーボード板の選び方
スノーボードで
初めて自分の板を買うというのは、ワクワクすると同時に安くない買い物なので少し不安も伴うでしょう。できればまずレンタルで試してみて、その後アドバイスを聞いたり自分で調べたりして、自分の身体や滑りに合わせた最適な板を選びましょう。
ここでは、種類やサイズなど具体的な選び方を紹介します。
スノーボード板の選び方①予算に合わせる
スノーボードの初心者が道具を揃える場合、板だけを購入、ということはまずないと思います。板、バインディング、ブーツの3点が最低限必要です。予算はその3点合計で考えなければいけません。3点の予算配分を考えたうえで、自分の欲しい板を選びましょう。
2万~5万円で3点セットという選択肢
3点合計の予算があまり多くないなら、ほとんどのスノーボードショップで設定している
板+ブーツ+バインディングの3点セットというのも選択肢のひとつです。セット商品のブーツが足に合わなければ論外ですが、それぞれを単品で買うよりずっとお得です。
初心者向けにセットされているので、最初のうちだけ、と割り切るならこれもおすすめです。
もう少し出して長く使うか
もう少し予算があるなら、板、ブーツ、バインディングを個別に選んでみましょう。自分の好みや滑り方に合わせて長く付き合うなら、単独で買うのがおすすめです。
ちなみに、スノーボードの板は高価なほどいいとは限りません。高価な板は上級者仕様が多いので、初心者には取り扱いが難しいからです。
スノーボード板の選び方②形状の種類
スノーボード板の種類を選ぶには、まずスノボのスタイル=どういうことをして遊びたいか、が関わってきます。
スノボの3つのスタイル
①フリーラン
ゲレンデを自由に滑走することで、フリーライディングとも呼ばれます。
②グラトリ(グランドトリック)
フリーランに対して平坦なところでスピンや板の端を浮かせたり、などを組み合わせて遊ぶことをいいます。
③ジブ
パークと呼ばれる、まさしく公園のように平均台のようなものや小さなジャンプ台や壁が造られたスペースで楽しむことをいいます。
キャンバーボード
最も定番の板です。自分の体の下、板の中心部分が浮いている形状です。安定性が高いのでまだ曲がり方が不安定な初心者にも高速ターンの上級者フリーランにも、またジブにも適しています。
板の反発が最初は操作しづらいですが、少し長く使いたいなら、最初の板としての選択肢のひとつです。
フラットボード
スノーボード板を真横から見たときに、その名の通りまっすぐな形状で、両先端以外は接地しています。操作のしやすさ、安定性、どちらも抜群ではないのですが平均的には期待でき、初心者にも滑りやすい板です。ジブやグラトリ、新雪も楽しめます。
高速でのターンには向かないので、フリーランを長くやりたい人には向きません。
ダブルキャンバーボード
少し特殊な形状をしていて、板の真ん中だけが接地しています。両足の下が一番浮いていて、真横から見るとMのような形に波打っています。
中級上級者のフリーライディング、グラトリ、ジブ、何にでも応えてくれる板ですが、初心者、初級者には向きません。
スノーボード板の選び方③長さ
スノーボードの板のサイズ、といえば一般的には板の長さのことをいいます。長さは板選びの中でも特に重要です。ここでは長さの基準や自分に合った板の長さの決め方を紹介します。
自分に合った板の長さとは
スノーボード板の長さの基準
身長 175cm 以上の人 身長-20cm
身長 160~175cmの人 身長-15cm
身長 160cm以下の人 身長-10cm
メーカーによって板のサイズ展開は、2cmきざみ、3cmきざみなどまちまちなので、おおよその目安としてください。
初心者はほぼこの基準サイズで選べば間違いないですが、次にご紹介する、長さが滑りにどう影響するか、も参考にしてください。
長めの板の滑りへの影響
長い板は取り回しがしづらく扱いにくいですが、高速での滑りは安定します。高速のフリーライディングをガンガン楽しむ上級者向きです。また長い分重くなることも、初心者には扱いにくい要因です。
しかし、今後ジブやグラトリより自分はゲレンデでスピードを楽しみたいな、と思うなら、基準より少し長めでも大丈夫です。
短めの板の滑りへの影響
短い板は取り回しが容易で扱いやすいですが、高速で滑ると板がバタつき不安定になります。高速では滑らない初心者やジブ、グラトリ向きの板です。また短い分軽いので、脚力の弱い人にもおすすめです。
少しうまくなったらぜひジブやグラトリで遊んでみたい、という人は、基準より少し短めも選択肢に入れてみてください。
スノーボード板の選び方④幅
スノーボード板を上から見た時に、中心部の一番細くなっている部分をウエスト部というのですが、板の幅というのは、一般的にはこのウエスト部の幅のことをいいます。幅が広い(太い)板、狭い(細い)板、というのも、この部分の広い狭いを意味します。
まずブーツに合わす
スノーボードの板はカラフルでおしゃれなのでまず目が行きますが、一番最初に選ばなければならないのはブーツです。痛いところや圧迫されるところはないか、中で足が動かないか、など時間をかけて試し履きしてください。
ブーツが決まったら、欲しい板の幅からブーツがはみ出ないか、必ずチェックしましょう。足の大きい人は特に要チェックです。
板の幅が広い、狭いの滑りへの影響
板の幅が広い(太い)と、安定感があるので真っすぐ滑るにはいいのですがターンでは扱いづらくなります。逆に板の幅が狭い(細い)と、安定性は劣りますがターンなどの操作がしやすくなります。
初心者に適した板の幅
スノーボード板の長さが決まってくると、幅はそれにだいたい比例しています。あまり気にすることもありませんが、上で書いた滑りへの影響から極端に幅が広い、または狭い板は、初心者には向きません。
ブーツがはみ出なくて中ぐらいの幅、というのが初心者向きの板です。
スノーボード板の選び方⑤硬さ
スノーボード板の硬さはなかなかわかりにくい要素です。形状や長さ、幅は見て判断できますし、ブーツは自分の足の感覚でわかります。しかし、板の硬さは、何を基準にするかもはっきりしないうえに、見た目ではまったくわかりません。
初心者用の板、として売られているものや3点セットなら間違いはないですが、悩んだらスノーボードショップの店員さんにきくのが安心です。
板の硬さとは
「板の硬さ」とは、縦方向にどれだけたわむ(しなる)か、また横方向にどれだけねじれるか、ということで判断します。実際に板に乗って雪の上を滑らないと実感はしづらいですが、ショップで自分で板を押したり曲げたりすることで確認します。
柔らかめの板
短めの板や幅の狭い板と同様、柔らかめの板は取り回しがしやすく扱いやすい反面、高速滑走では板がバタつき安定しません。ジブやグラトリを楽しむ人は柔らかい板を選びます。初心者や脚力の弱い人にも操作しやすいので、柔らかめが断然おすすめです。
硬めの板
逆に硬めの板は、高速ライディングや高さのあるジャンプなど、大きなパフォーマンスを楽しむのに適しています。高速で安定し取り回しの難しい、それなりのスキルや脚力がないと操作できない板です。初心者にはおすすめしません。予算のところで書いた「高価な板は初心者向きではない」のはこのタイプが多いからです。
デザインを選ぶときの注意点
デザインは板選びの楽しい要素ですが、注意すべき点もいくつかあります。
①バインディングを装着する部分の柄は隠れてしまいます。
②また、滑る時の利き足のことを、左足が前(斜面の下側)にくるとレギュラースタンス、右足が前にくるとグーフィースタンスといいますが、グーフィーの場合、板のデザインによっては、ロゴや柄が上下逆さまになってしまいます。
デザインを見るときは、これらを考慮して選びましょう。
バインディングは必ず板とセットで考える!
ブーツから選んでそれに合う好みの板を選んだら、最後はバインディングとの相性です。BURTONのように
板のネジ穴が自社のバインディングにしか合わないメーカーがあるので、板とバインディングは必ず一緒に考えましょう。
スノーボードの板はデザインが多彩なので、ブーツやバインディング、またウェアとのコーディネートもぜひ楽しんでください!