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ボクシングの後遺症はどのくらいで発症するの?引退後のボクサーの脳へのダメージについて考えよう

ボクシングの後遺症はどのくらいで発症するの?引退後のボクサーの脳へのダメージについて考えよう

ボクシングの後遺症は、ボクサーが現役時代に頭部へ反復的なダメージを受けることで発症します。後遺症はボクシングを始めて15年ほどで発病するこが多く、現役時代に発病し引退に追い込まれるケースも稀ではありません。脳の継続的なダメージは蓄積され、後に身体的・精神的後遺症を残します。

2021.12.16

ボクシングの後遺症とは?

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ボクシングの後遺症は、慢性的な頭部外傷で起こる認知症やパーキンソン病、網膜剥離があります。ボクサーが抱える後遺症はボクサー脳症の名もあり、ボクシングを始めて15年前後で発病します。

引退後のボクサーが抱える後遺症はパンチドランカーと呼ばれ、手が震えたりふらつく症状が酩酊者=ドランカーに似ていることでパンチドランカーの名がつきました。パンチを多く受けたボクサーをパンチドランカーと呼ぶこともあります。

ボクシングの後遺症の原因

ボクシングの後遺症の原因は、衝撃頭全体に繰り返し加わることです。同じ衝撃でも、拳骨で叩くよりも頭部全体にダメージを与えるグローブで振動を与えるほうが脳全体のダメージが大きくなります。

ボクシングのダウンは脳震盪が最大の原因で、脳震盪とは頭蓋の内部で脳が強く揺さぶられることです。脳は豆腐のように柔らかく、繰り返し揺さぶられることでダメージが蓄積されて後遺症を引き起こします。

ボクサーの後遺症の発生率

ボクサーの慢性外傷性脳の発生率は約20%といわれ、プロボクサーで活躍した選手はほぼ100%何らかの形で後遺症を残す統計が出ています。パンチを多く浴びるボクシングスタイルのボクサーは、あまりパンチを食らわない選手よりも後遺症を多く発症します。

ボクシングはノックアウトを奪うための頭部の打撃が多いことや、ラウンド数が多いことで、格闘技の中で特に脳のダメージが蓄積しやすい競技です。

ボクシングの後遺症の種類

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ボクシングの後遺症の種類は、大きく分けて3つです。

・慢性外傷性脳症
・パーキンソン病
・網膜剥離


ボクシングの後遺症の多くは脳の損傷による慢性外傷性脳症で、パーキンソン病は慢性外傷性脳症のステージが進んで起きる障害です。網膜剥離は、眼球に強い衝撃が加わり網膜が損傷して視力低下を引き起こす病気です。いずれの後遺症も、頭部を殴られたダメージの累積が原因となります。

慢性外傷性脳症

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慢性外傷性脳症とは、繰り返し頭部へ衝撃が加わることで脳変性をおこして、認知症に似た症状が出る神経疾患です。
症状は、頭痛・しびれ・バランス感覚の喪失・吃音の身体的障害や、記憶障害や認識障害の精神的障害があります。ボクシング開始から平均して15年で発症する選手が多いです。

慢性外傷性脳症は人格の変化の症状もあり、攻撃性や幼稚、羞恥心の低下、被害妄想​で重度の場合は日常生活が満足にできない状態になります。

パーキンソン病

パーキンソン病とは、脳内の神経伝達物質の1つのドーパミンが不足して起こる神経性の病気で、運動障害や自律神経障害・睡眠障害他多岐にわたる症状が出る難病です。慢性外傷性脳症が進行して症状が重くなり、パーキンソン症候群を発症します。

パーキンソン病は加齢や遺伝、また原因不明で発症するケースもありますが、頭部の打撃の後遺症が進行してパーキンソン病になるケースも少なくありません。

網膜剥離

網膜剥離とは、眼球の内側の網膜がはがれて、視力が低下する病気です。網膜剥離は加齢や一部の病気に併発して発症しますが、頭部や眼球の物理的打撃が原因で網膜が剥がれるケースも多く、網膜剥離で引退したボクサーも少なくありません。

症状は視力低下・視野欠損で、悪化すると失明することもあります。ボクシングで目を殴られることで、網膜剥離以外でも眼窩底骨折や水晶体脱臼の目のトラブルは数多く報告されています。

引退後に後遺症が出たボクサー選手

引退後に後遺症が出て日常生活に支障をきたすボクサー選手は大勢います。プロボクサーで活躍して名をはせた選手のほとんどに後遺症が残っているといっても過言ではありません。

パンチを受けて損傷した脳は、さまざまな身体的・精神的障害を引き起こします。現役を引退して年齢を重ねることで出てくる症状もあり、障害の程度も人それぞれです。

モハメド・アリ

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国籍 アメリカ合衆国
本名 モハメド・アリ
出身地 ケンタッキー州ルイビル
生年月日・没年 1942年1月17日 ~2016年6月3日
身長 190cm
階級 ヘビー級
獲得タイトル NABF北米ヘビー級王座
WBA世界ヘビー級王座
WBC世界ヘビー級王座
モハメド・アリは元WBA・WBC統一世界ヘビー級チャンピオンで、蝶のように舞い蜂のように刺すの名言を残した伝説のボクサーです。

現役時代はクラッシュトークと熱いファイトで世界中を沸かせ最強の男と呼ばれましたが、引退の3年後にパーキンソン病を発病しました。直接の死因は敗血症でしたが、長い間歩行障害や軽い認知症で日常生活も困難な状況でした。パーキンソン病になった原因は頭部のダメージの蓄積とされています。
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たこ八郎

国籍 日本
本名 斎藤清作
出身地 宮城県仙台市
生年月日・没年 1940年11月23日~ 1985年7月24日
身長 160cm
階級 フライ級
獲得タイトル 日本フライ級王座
たこ八郎は、元全日本フライ級チャンピオンで、コメディアンでも有名な元プロボクサーです。彼のボクシングスタイルは、ノーガードで相手のパンチを受け、相手が打ち疲れた後に反撃する戦法で、頭部ダメージの蓄積が引退の引き金になりました。

コメディアン時代のたこ八郎は、酩酊状態の身振りと表情で人気者でしたが、実生活は記憶障害や夜尿症など、多くのパンチドランカーの症状があり、典型的な頭部の反復ダメージの後遺症です。

ボクサーに多い危険な脳の後遺症

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ボクシングは格闘技のなかで特に頭部の打撃が多い競技です。ボクサーに多発する脳の後遺症は、さまざまな肉体的・精神的障害を引き起こし、日常生活を脅かします。頭部全体の打撃はヘッドギアをつけても軽減されないこともあり、年齢の低い人がボクシングをするときは細心の注意が必要です。
伝説のボクサー具志堅洋行も自分自身も後遺症があると語り、ボクシングの危険性を訴え続けています。

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