水泳のターンの種類とは?それぞれの仕方のコツと練習方法を解説!
水泳のターンは25m以上や大会出場のためには不可欠です。そんな水泳のターンには、どのような種類があり、どんな練習を行えば上達するのでしょうか。そのような水泳におけるターンの種類やその習得方法、そして上達のためのコツまでを徹底解説します。
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公式ライター Activel_director
水泳のターンとは?
水泳において、その折り返しのための動作のことを「ターン」と呼びます。基本的には身体を折りたたみながら回転させる動作ですが、水泳のターンにはいくつか種類があり、簡単なターンからコツや練習が必要なターンまで様々です。
水泳のターンに関するルール
ターン動作の詳しいルールは種類別に後ほど紹介しますが、水泳のターンでは、必ず身体の一部を壁に触れさせなければなりません。また、水泳(競泳)ではターン後の潜水は15mまで許されており、それ以降は必ず身体の一部を水面上に出さなければなりません。
水泳におけるターンの重要性
せっかく泳ぎで差をつけてもターンの度に追いつかれる、というのは有名な水泳選手でもよくみられる現象です。水泳初心者~中級者も、ターン動作のコツや潜水を極めれば、体力温存にもなるうえに泳ぐ距離が縮まって、今までよりも長い距離を泳げるようになります。水泳初心者に近い人ほどターン練習の効果が出やすいのでしっかりとトレーニングをしていきましょう。
水泳のターンの種類①バタフライ・平泳ぎのターン
種目ごとにターンに入る前の動作とターン後の動作に当然違いはありますが、バタフライと平泳ぎでは、ターン自体の基本動作は同じです。この2種目のターンでは、必ず両手でタッチしてからターンを行わなければなりません。
水泳大会ではバタフライ・平泳ぎで片手タッチをすると失格となってしまいます。そのようなルールはありますが、難しい動作はないので、水泳初心者でも取り組みやすいターンの方法であるということができます。
両手タッチターンのやり方
平泳ぎ→平泳ぎ タッチターン 横方向
両手で壁にタッチをしたら、左手は水中で素早く進行方向に向け、右手は水面から出して左手を追うようにしながら身体の向きを変えます。その間、脚は素早く曲げて、身体の向きが変わるのと同時に足の裏を壁につけます。このとき、身体と顔は下向きではなく横向きになっているのが理想です。
水泳ではターン後に潜水を行うため、抵抗の少ないけのびの姿勢が望ましいといえます。そのため左手と右手は足が壁についたタイミングでけのびの形に近い状態にしておくと良いでしょう。足の裏を壁につけたらそのまま脚を伸ばすように壁を蹴って、けのびの姿勢を作り、潜水を行います。
ここでは左向きのターンを紹介しましたが、左右逆の方がやりやすければ逆で行っても問題ありません。
バタフライ(バッタ)のターン動作
しかし、あと1かきするには短いけれど、このままでは減速する、という微妙な距離で到達してしまった場合、どうするべきか迷うことがあります。上級者や水泳選手の場合は25m・50mごとのストローク数が大体固定されているのでそのようなことも少ないのですが、初心者の場合そうはいきません。
このような場合、もう1かきすると余計な体力を使う上にターン動作がぎこちなくなってしまうため、少し遠いなと思ったら最後のドルフィンキックを強めに打って伸びるようにするとスムーズにターン動作に入ることができます。ターン後は、けのびの姿勢を作って身体の前面を下向きに戻しながら少し伸びたあと、ドルフィンキックを行います。
平泳ぎ(ブレスト)のターン動作
手を前に伸ばしたタイミングで壁にタッチするのが理想ですが、距離が足りない時、平泳ぎの場合はフォーム自体に伸びる動作が入っているため、素早くもう1かきした方が結果的に速くターン動作を行えることが多いです。ターン後は、ひとかきひとけりという平泳ぎ独特の潜水動作を行います。平泳ぎの場合、潜水はけのびの姿勢をつくって身体の前面が完全に下を向いてから行うと良いでしょう。
水泳のターンの種類②クロール(フリー)のターン
クロールのターンには、片手でのタッチターンと、クイックターンという2つのターンがありますが、一般的にはクイックターンが主流であるといえます。
クイックターンは慣れるまでに少し練習が必要ですが、慣れてしまえばその名の通り、タッチターンよりも圧倒的にスムーズに速いターンができるため、練習しておいて損はないといえます。
クロールのタッチターン
クロール タッチターン Touch turn
壁に近づいて来たら、右手でタッチできるように微調整しながら泳ぎ、タッチしたら下がっている左手を両手ターンの時のように進行方向へ伸ばし、身体をまわして右手を離し、左手を追います。
その他の動作は両手のターンと同様です。クロールの場合も、潜水はドルフィンキックで行うのが一般的です。水面に近づいて来たらバタ足を始め、クロールの動作へと入っていきます。
クイックターンのメリット
クイックターンでは多少距離が遠かったり近かったりしても、ストロークの動きのままターンができるため、水泳のターンの中でも非常にスムーズにストレスなくターン動作を行うことができます。
水泳のターンの中では難しい方のターンに入りますが、これをマスターすれば水泳初心者卒業といっても良いくらい、水泳の動作の中でも主流な動作であるということができます。
クイックターンのやり方
フリップターン、クイックターン
手でタッチしてから身体を回転させるという手間がない分ターンの時間が短くなるため「クイックターン」と呼ばれています。
クイックターンは、ターン前最後の1かきで気を付けのような体勢にしてから回る方法と、手が入水する勢いのまま回ってしまう方法があります。自分のやりやすい方で行うのが一番ですが、最初は気を付けのような体勢をとってからの方がコツを掴みやすく、やりやすいかもしれません。
クイックターンの練習方法
これは泳ぎからターンまでの一連の動作における感覚を身につけるための練習です。その感覚がつかめたら、次は回転してつま先が上を向いた状態で壁に足をつけます。この練習では、まっすぐ回って壁に足をつけるタイミングを身につけます。
それができたら、いよいよ実際のクイックターンの練習です。回る過程で身体をねじるようにして、横向きもしくは斜め向きで壁に足をつけ、タッチターンと同じように壁を蹴ります。
水泳のターンの種類③背泳ぎ(バック)のターン
背泳ぎは水泳における主要な4種目の中でもターンのルールが厳しく、また水泳初心者にとっては壁までの距離がとりづらいという問題もあります。ただ、ルールさえ覚えてしまえば動き自体は他種目のターンと似ているため、習得は難しくありません。
背泳ぎのタッチターン
片手でタッチをしたら、身体を仰向けになるように回転させ、つま先が斜め上から上向きになるように壁に足をつけます。壁を蹴った後に横向き~うつ伏せになると失格となってしまうため、壁に足をつける時点で身体がある程度上を向いている必要があります。
その際、他種目のターンと同様、腕はけのびの姿勢をつくる準備をしておきます。壁を蹴ったら、上向きのドルフィンキック(バサロキック)を行います。
背泳ぎのクイックターン
水泳 背泳ぎのターン
クロールのクイックターンで足をつけるタイミングをとる練習をしたように、つま先が斜め上~上向きになるようにまっすぐ回転し、そのまま壁を蹴ります。タッチターン同様、足が壁から離れた時点で身体は仰向けでなければなりません。
背泳ぎでターンのタイミングをはかるコツ
水泳上級者や水泳選手は、5m地点からのストローク数を自分で理解しているため、バックの形でも振り返るようなことがなくターンすることができます。初心者でも5m地点からの大体のストローク数を知っておくとスムーズにターンできますが、大勢での練習や市民プール等では前を泳ぐ人との間隔をはかるため、始めのうちは振り返りながら練習した方が良いでしょう。
水泳のターンの種類④個人メドレーのターン
ターンの基本的なルールは各種目のターンと同じですが、種目を切り替える際のターンで、同じ種目を泳ぎ続ける時と少し違う動きが出てくるため、その部分について、切り替える種目ごとに解説していきます。
バタフライ→背泳ぎ(バッタ→バック)のターン
両手でタッチした後は、背泳ぎのルールに則るため、仰向けになるように身体を回転させ、つま先を上~斜め上に向けた状態で壁を蹴ります。壁を離した瞬間から仰向けでなければならないのは個人メドレーでも同じです。
背泳ぎ→平泳ぎ(バック→ブレスト)のターン
背泳ぎ→平泳ぎ バケットターン 横方向
また、水泳上級者向けの背泳ぎ→平泳ぎのターンとして、バケットターンがあります。バケットターンは、タッチをするクイックターンというイメージです。少し深めにタッチをすると同時に身体を回転させるため、通常のタッチターンよりも速く折り返す方法として水泳選手などが使うやり方です。
平泳ぎ→クロール(ブレスト→フリー)のターン
平泳ぎ(ブレスト)からクロール(フリー)のターンは、平泳ぎから平泳ぎの両手タッチターンと同様です。
平泳ぎで泳いでいるので、タッチは必ず両手でなければなりません。
タッチしてからは腕と頭を進行方向に向けて、つま先を横~斜め下に向けて足をつけ、壁を蹴ります。
水泳のターンの練習・上達方法とは?
水泳ターンの練習方法①壁キック→ターン
壁キックとは、壁に手をつけた状態でキックを打つという練習のことです。
具体的には、通常の練習メニュー1本1本のスタート前に、壁キックを5秒~10秒取り入れるというやり方です。
例えば25m×4本という練習メニューの場合、壁キックを5秒→ターン→25m泳ぐということを4回繰り返します。
この練習の仕方のメリットとしては、50m以上を何本も泳ぐ練習が難しい水泳初心者でも、あまりスタミナを消費せずにキック・ターン・スイムの練習が一度にできるということが挙げられます。
クイックターンの場合少しスペースが足りない場合があるため、5秒経ったら壁を押して少しバックしてからターンを行うとやりやすいです。
水泳ターンの練習方法②5m地点からの練習
この練習の仕方のメリットは、市民プール等を利用していて十分な練習スペースがとれない・何往復もする体力がないという方でもターン練習ができる点です。
壁から5m離れた(フラッグがある・ロープの色が変わっている)地点から泳いで、ターンをしてけのびの姿勢をとるまでの一連の動作を練習します。
5m地点を通過してからのストローク数を数える機会にもなりますし、ターンのタイミング・姿勢・速さの確認・向上に効果的です。
水泳のターンのコツとは?
ターン練習や普段の練習でこれらのコツを実践することで、体力温存・タイム向上・怪我の防止等の効果を期待することができます。
水泳ターンのコツ①できるだけ身体の動きを止めない
泳ぐというのは静と動で考えると「動」にあたります。ターンという折返し動作は、一連の動作は「動」と考えられますが、泳いで、タッチして、回って、壁を蹴って…と段階を踏むような動きになると、「静」に近い動作と考えることができます。
壁を蹴ってからはもちろん「動」に戻るため、ぎこちない動きでは「動→静→動」というエネルギー効率の悪い動作になってしまいます。泳いできた勢いや流れを止めないよう、ターンはなるべくスムーズに、なめらかで素早い動きを意識して行うようにしましょう。
水泳ターンのコツ②壁につけるのは足先だけ?
イメージでもわかるかもしれませんが、壁を蹴る時、足の裏をつま先からかかとまでつけるやり方と足先だけつけるやり方(かかとは壁につくかつかないかの位置)では、前者は蹴る時に足先やふくらはぎに余計な力が入ってしまい、上手く脚を伸ばして蹴ることができません。
壁を蹴る時に必要なのは足の指~付け根あたりまでの力です。かかとまでつけても、結局蹴る時にはかかとの力はあまり使わないため、最初からかかとをつけないようにした方が効率よくスムーズに動くことができます。
水泳ターンのコツ③壁は全力で蹴らない?
足先だけを壁につけるというコツと共通しますが、水泳のターンにおいて無駄な力は必要ありません。脚もしゃがみ込むほど曲げる必要はなく、軽く曲げる程度で十分に壁を蹴ることができます。
速く進みたくて全力で壁を蹴ろうとすると、余計な力が入ってしまい、結果としてバックするような形になり、軽く蹴った時よりも遅くなってしまうということが大いに考えられます。素早く、反動を使ってしなやかに蹴るようにしましょう。
水泳のターンは練習で必ず上手くなる
その中で、水泳のターンには種目や難易度別に様々な種類・やり方があることがわかりました。
また、ターンは一瞬の動作でありながら、水泳においては重要な動作であること、そしてターンには体力温存・タイム向上・怪我防止などの効果が見込める3つのコツがあることもわかりました。
水泳のターン習得や技術向上、そしてコツや自分だけの感覚を掴むためには練習が不可欠です。
紹介した練習方法を参考に、繰り返し練習することで水泳に必要なターンのコツを少しずつ身につけていきましょう。
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