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空手の歴史とは?空手道の起源・始まりの歴史を年表で簡単に解説

空手の歴史とは?空手道の起源・始まりの歴史を年表で簡単に解説

空手の歴史は、現在の沖縄である琉球王国で始まりました。空手道の起源は琉球王国の古武術がルーツで、中国や日本の武術の影響を受けながら独自のスタイルへと発展しました。空手は、大正時代に発祥地の沖縄から全国的に広がり、現在では5千万人近い競技人口を誇る世界的な人気競技へと成長していきます。

2021.12.16

空手の歴史とは?

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空手の歴史は、琉球王国に伝わる古武術を起源に始まりました。空手の原型は琉球古来の拳法に中国伝来の武術が融合したものと考えられていて、さらに日本武術の影響を受けながら発展しました。

当時の文献がいまだに発見されていないため、いつから空手が始まったのかは不明です。現在に伝えられている空手の歴史は、明治時代の空手家たちが口伝として受け継いだ話が基になっています。

空手の起源・始まり

空手の起源は、かつて琉球王国であった現在の沖縄県にあります。空手の由来を明確に記した文献は見つかっていませんが、有力な説が2つあります。

・久米三十六姓輸入説…那覇の久米村(クニンダ)に、明の学者や技術者の集団が移住したときに中国の拳法として伝来した説。

・舞方(メーカタ)発展説…琉球舞踊の1つである舞方には、音楽に合わせて武術のように手足をさばく踊り方があり、空手へと発展した説。

空手の語源と由来

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空手の語源は、沖縄古来の武術である手(ティー)と中国武術が融合して生まれた唐手(トゥーディー)と呼ばれる武術に由来しています。唐手は明治時代後期に学校教育に採用され、トゥーディーからからてへと読み方が改められました。

昭和に入ってから、沖縄県出身の空手家である船越義珍が般若心教のの概念に着想して唐手を空手に改めると発表し、空手の表記が全国に広がるきっかけになりました。空手は、別名として空手道と呼ばれることがあります。

空手の発祥国

空手の発祥国は琉球王国です。空手の原型である手(ティー)は15世紀ごろに生まれたと考えられていますが、当時の文献や史料がないため、正確にいつから始まった武術なのかは不明です。

現在では北米や南米、欧州などへ広く普及して、数多くの世界大会がおこなわれる競技に発展しました。東京五輪の追加種目としても採用されていて、約165か国で約4千万~5千万人が日々修練を重ねています。

空手の発祥の地

空手の発祥地は琉球王国があった沖縄です。当時の首里城や那覇、泊村の3地域を中心に発達し、琉球士族の間で門外不出の武術として受け継がれてきました。空手の盛んな地域の名にちなんで首里手那覇手泊手と呼ばれましたが、明確に流派として分類するほどの違いはありません。

明治初期の空手家たちは沖縄古来の武術を沖縄手(ウチナーディー)と呼び、中国から伝わった武術である唐手と区別していました。

沖縄空手の歴史

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沖縄空手の歴史は、15世紀ごろの琉球王国時代に始まりました。琉球王国の士族が身を守るために生み出された武術に由来すると考えられていて、大陸から伝わった中国武術の影響を受けて現在の空手の原型が生まれました。

別名:琉球空手

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琉球空手は沖縄空手の別名です。本土の空手との違いは、拳や足を使った打撃技以外にも独自の投げ技や関節技があることです。大正時代に入ると空手は日本全国へ広がりますが、沖縄空手固有の投げ技や関節技は伝わらず、沖縄と本土の空手は異なるスタイルへと発展しました。

沖縄空手は先人たちが生み出した技術を脈々と受け継いでいて、古来の教えを現代に伝える沖縄空手三大流派があります。
・上地流
・剛柔流
・小林(しょうりん)流

上地流

上地流は、開祖の上地完文が中国の拳法家である周子和から教わった半硬軟(パンガイヌーン)拳法を基に生み出した流派です。三戦(サンチン)の型を重視し、肉体を極限まで鍛え上げて一撃必殺の技を繰り出すことや、実戦を想定した型が多い特徴があります。

剛柔流

剛柔流は、宮城長順が空手の大家である東恩納寛量から学んだ那覇手と中国福建省で修業した中国拳法に独自の研究を加えて生み出した流派です。

剛柔流は守りの武術と呼ばれていて、突きや蹴りよりも払いや受けの鍛錬を重視しています。相手の攻撃を粘り強くさばいて攻撃に転じるのが得意で、接近戦に強いのが特徴です。

小林(しょうりん)流

小林流は、空手の普及に尽力した糸洲安恒の弟子であった知花朝信が開いた流派で、伝統的な首里手の流れを受け継いでいます。

無理がなく自然な構えや呼吸法を重視していて、力の取り方や抜き方に特徴があります。一撃必殺の破壊力を養うため、巻き藁に突きや蹴りを打ち込む鍛錬を行うのも特徴の1つです。

空手の歴史年表

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空手の歴史年表は、空手の起源と言われる手(ティー)が生まれた琉球王国時代から始まります。琉球士族の護身術として誕生したが、大陸から伝来した中国武術や本土からやってきた日本武術の影響を受け、現在の空手の基礎ができあがりました。

琉球王国時代

15世紀 琉球王国が誕生
中国の福州に琉球館を設置し、貿易や武術の交流が促進
16世紀 尚真王が武器の使用を禁じたため、琉球士族の間で空手が流行
17世紀 薩摩島津藩が琉球を侵略し、禁武政策を実施
18世紀 佐久川寛賀が清へ留学し、帰郷後に唐手を普及
琉球王国時代の空手の歴史は、沖縄古来の武術である沖縄手が中国や本土の武術の影響を受けながら発展していく時代です。2度の禁武政策が実施された結果、素手で身を守る武術である空手が琉球士族の間で盛んになったと考えられています。

明治~昭和初期

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1879年 琉球王国が滅亡し、唐手が衰退の危機
1901年 糸洲安功の尽力により、唐手が学校教育に採用されて読み方をからてに変更
1924年 沖縄唐手研究倶楽部を設立
1929年 船越義珍が唐手を空手に改めると発表
1933年 大日本武徳会が唐手を日本の武道として承認
明治時代の空手の歴史は、唐手が現代の空手道へと変化する時代です。

琉球王国の滅亡後、琉球士族が没落して唐手の存続が危ぶまれる状況になりましたが、学校教育への採用や、空手家たちが積極的に他流試合をおこなって実力を世に示したことから、全国的に空手の知名度が高まりました。

戦後~平成

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1945年 終戦後、武道が禁止されるが、空手道は早期に活動を再開
1948年 船越義珍の門弟たちが日本空手協会を設立
1954年 錬武館が第1回全国空手道選手権大会を開催
1959年 全日本空手道連盟(旧)を設立
1964年 全日本空手道連盟(全空連)を設立
1969年 極真空手の大山倍達が、第1回オープントーナメント全日本空手道選手権大会を開催
1972年 沖縄が日本に復帰
1981年 国体に沖縄が初参加
2013年 全日本フルコンタクト空手道連盟を設立
2018年 第1回沖縄空手国際大会を開催
戦後から平成の空手の歴史は、空手が発祥地の沖縄から日本全土に広がり、さらなる発展を遂げる時代です。全日本空手道連盟を始めとした統一組織の設立が相次ぎ、全国規模で空手道の大会が開かれるようになりました。

直接打撃制を採用する極真会館などの団体もあらわれ、空手道は多様化・国際化への道を進むことになります。

空手のルールの歴史

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空手の基本的なルールは、対戦相手と突きや蹴りの打撃技を応酬してポイントを取り合うことで勝敗を決めます。選手には、よい体勢からコントロールされた技を出すことが求められていて、試合中はスポーツマンシップを遵守した行動を取ることが期待されます。

空手の基本的なルール

判定 得点 適応範囲
一本 3ポイント ・上段蹴り
・マットへの投げ、足払いで倒した後の有効技
技あり 2ポイント ・中段蹴り 
・背部への突き
・各技が得点に値する複合の手技
・相手を崩して得点した場合
有効 1ポイント ・中段突き 
・上段突き
・打ち
全空連の競技規定では、赤と青の旗を持った副審4名が技の有効性を判定し、2名以上の副審が旗を上げると選手がポイントを得られます。どちらの選手もポイントがなく試合時間を終了した場合は、5名の審判が多数決で勝敗や延長を判断するルールです。

空手競技はスポーツであるため危険な技は禁止されていて、試合中に禁止行為を犯した場合は、忠告・警告・反則注意・反則・失格の懲罰が与えられます。

ルール改正の歴史

空手のルールは、長い歴史の中でさまざまな改正を重ねてきました。2020年東京五輪の追加種目に採用されたことから、2019年にはわかりやすさを重視した大幅なルール改正がおこなわれました。

1人で演武するは旗による判定から採点方式へと変更され、女子の組手は試合時間が2分から3分へと長くなり、逆転の可能性が高まると期待されています。

空手着の歴史

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空手着のルーツ

空手着のルーツは、船越義珍が講道館で演武するときに、自分で手縫いした柔道着風の道着が文献で確認できる最古のものと言われています。

琉球王国時代にどのような衣服で稽古していたかは現存する史料がないため不明ですが、戦前の写真では上半身裸で稽古する空手家の姿が残されています。

空手の歴史を記した本

沖縄空手道の歴史

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タイトル 沖縄空手道の歴史
著者 新垣清
出版社 原書房
13歳より空手を始め、沖縄空手道無想会会長・最高師範を務める著者が、沖縄空手の発祥と変遷の歴史を記した本です。中国と日本文化の影響を受けながら、独自の歴史をたどってきた沖縄の歴史や、数々の困難を克服してきた沖縄武道の精神に触れることができる良書です。

空手道歴史年表

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タイトル 空手道歴史年表
著者 外間哲弘
出版社 沖縄図書センター
中国武術が空手の発祥地である沖縄へ伝来し、発展していく歴史をたどる一冊です。現在の空手が成立する前の時代から20世紀にかけての歴史を年表に掲載しています。沖縄空手・古武道の各流派会派道場一覧も収録されていて、読みごたえ十分です。

空手の歴史のまとめ

沖縄で発祥した空手は、現在では世界中の国々に広く普及して競技人口が5千万人に迫る人気競技へと発展しました。東京五輪の追加種目にも採用されたことから、今後さらに国際的な注目が高まっていくことが期待されます。

投げ技や関節技もある沖縄空手から、伝統派空手やフルコンタクト空手のような諸流派が生まれ、多様なスタイルを確立しているのも魅力です。発祥地や由来などの空手の歴史を追ってみると新たな発見があります。

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