陸上のDNSとは欠場の意味です。陸上競技のスタートリストやリザルトは、DNS以外にDNF・NM、DQなどの略語を用いて記載されるので、大会に出場するときには、略語を理解していることが必要になります。陸上競技観戦でも、略語を理解していれば観戦の幅が広がり、大会をより楽しめます。
陸上競技のDNSやDNFとはどんな言葉なの?
陸上競技のDNSやDNFとは、陸上競技会で使用する略語です。陸上競技では、スタート前の招集に使うスタートリストや競技会終了後のリザルトには、選手の記録や行動を簡単に記入するために、略語・略号を用いて記載します。
DNSの意味とは?
DNSの意味は欠場です。陸上競技で競技会を開催する場合、レースはタイムテーブルにそって進行が行われます。スタートリストにDNSと書かれていたら、エントリーはしたけど、何らかの事情で欠場したことを意味します。リザルトにDNSと書かれていたら、走っていないことです。
DNSの略
DNSとは、Did Not Startの略です。Didはdoの過去形で、直訳するとスタートしなかったの意味になります。日本陸上競技連盟が発行している陸上競技ルールブック2021年度版では、欠場したときは、スタートリストおよびリザルトにDNSの略語をもって記載するように定められています。
DNSが使われるとき
DNSが使われるときは、選手が出場した大会の主催者が定めた
競技会規則に違反したときです。競技会規則に従いレース出場を止めさせられたり、競技を中止させられたりしたフィールド競技出場者が試技をしていなかった場合、リザルトにはDNSと記載されます。
招集所に示された指定時間に招集所にいない競技者は、正当と認められる事由の場合を除き、当該種目への参加から除外され、DNSと記載されます。
DNSしたときにするべきこと
DNSしたときにするべきことは、速やかに大会関係者に連絡をし、自分がDNSしたことで大会運営に支障をきたさないように配慮することです。大会要項にはDNSするときの注意事項が記載されていて、大会前には確認しておきます。
欠場届
欠場届は、大会参加が認められた後にDNSする場合に、定められた要領に基づいて、選手は速やかに必要事項を記入し提出しないといけません。DNSする場合には
大会受付に連絡します。
届けなくDNSした選手は、主催者が属する連盟および加盟団体の競技会に、今後出場できない処罰を講じられることがあります。
参加賞の受け取り
参加賞は、参加費の中に入っていますので、DNSした場合でも受け取る権利があります。
全国各地で開催されているマラソン大会やトライアスロン大会では、Tシャツや地元の名産を参加賞に用意している場合が多く、大会の受付を円滑に進めるために、早めに参加賞は受け取ります。
ICチップの返却
ICチップはマラソン大会やトライアスロン大会で安定したタイム計測ができることから、多くの大会で採用されている計測システムです。ICチップは、レース前に送付されますが、返却が必要なものと、持ち帰りが可能なものがあります。
ICチップは、ゴール会場でフィニッシュ直後に大会スタッフが回収することが多く、返却の忘れがありませんが、DNSする場合は、同梱されている返却用封筒で郵送します。
DNSになってしまう原因
DNSになってしまう原因は、体調不良や怪我をして大会当日に走れないことや単純な注意ミスでスタートの招集時間に遅れてしまってなることがあります。大会にエントリーしてからは、体調を管理し、大会のタイムスケジュールを熟読しておく必要があります。
体調不良
体調不良は、趣味でマラソン大会に出場している市民ランナーだけでなく、現役アスリートでも
DNSになる原因の1番です。マラソン大会は冬場に多く開催されますが、風邪やインフルエンザにかかりやすい季節でもあり、特に大会に頻繁に参加しているランナーは、疲労が蓄積し、抵抗力が低下して罹患しやすくなります。
春や秋の大会では、気温は急に上がったときに熱中症にかかり安く、体調不良になるケースもあります。
怪我
怪我は、スポーツ活動では避けては通れないですが、練習熱心なあまりオーバートレーニングになり、怪我を誘発するケースがあります。市民ランナーでマラソンに出場するときに、練習不足を補うために、練習スケジュールを一気に上げると怪我に繋がりやすいです。
調整ミス
調整ミスは練習スケジュール通りに進んでいても、思わぬことで起きます。レース当日の朝に、エネルギー源のグリコーゲンを体内に蓄積するために、炭水化物を朝食のときに大量に摂取して、
ウォーミングアップ中に腹痛を起こしDNSすることがあります。
大会受付に遅れてはいけないと考え、早めにレース会場に到着したときに、冬場に何時間も寒い会場で待つことで体温が下がり、DNSを誘発することがあります。
不注意
不注意で選手の招集時間に遅れ最終コールにいない選手は、DNSとみなされます。レース会場に着いたらプログラムで、招集時間や場所を確認し、時間的に余裕がある場合は、実際に下見に行ってみた方が安心します。
DNSの予防策
DNSの予防策は、
事前に想定されることをリストアップして注意しておくことです。
どうしても避けならない原因でDNSしたなら諦めもつきますが、注意で防げることなら、事前に予防策を考えて万全を期します。
【予防策】
蓄積した疲労の回復
練習の調整
食事管理
十分な睡眠
プログラムの確認
DNS以外の関連する陸上競技用語
DNS以外の関連する陸上競技用語には、DNFやNMがあります。英語の頭文字をとった略語です。陸上競技では、スタートリストやリザルトには、略語・略号を用いて簡潔に書き記すことで見やすくコンパクトな大会資料を作成しています。
DNFの意味とは?
DNFはDid Not Finishの略で、スタートはしたけど、最後のゴールまで到達しなかったことで、
途中棄権したことです。
トラック競技や競歩競技で、競技者やリレーチームが途中棄権した場合、ハードル競走で規則に違反しフィニッシュラインに到達しないケースを含め、途中棄権すると競技結果一覧にDNFと記載されます。
NMの意味とは?
NMとはNo Markの略で、
記録がない意味です。フィールド競技には、跳躍種目と投てき種目がありますが、全ての試技をファールしたり、バーをクリアできずに、記録を残せなかった場合に、競技結果一覧にNM と記載されます。
【跳躍種目】
・走高跳
・棒高跳
・走幅跳
・三段跳
【投てき種目】
・砲丸投
・円盤投
・ハンマー投
・やり投
DQの意味とは?
DQとは、Disqualifiedの略で
失格の意味です。競技規則では、失格の理由も明記されています。
【トラック競技のリレーや競歩の失格】
・フライング
・妨害
・レーンに侵入
・競歩で両足が同時に地面から離れた
【マラソンの失格】
・出場登録をした人の代わりに出場
・供給所以外での飲食物の受け取り、摂取
・競技者がコースを外れ、距離を短くしたと判定された場合
・コースの途中で何らかの交通手段を利用した場合
Qの意味とは?
Qとは、トラック種目の
順位による通過者やフィールド種目の標準記録突破による通過者のことです。Qとqでも違いがあります。
【トラック競技】
・Q:各組2着以内の競技者
・q:3着以下で、記録が上位の競技者2名
【フィールド競技】
・Q:予選通過標準記録突破者
・q:大会競技規則による決勝進出者
陸上のDNSやDNF・NM、DQの意味を理解し、陸上競技を楽しもう!
陸上のDNSやDNF・NM、DQは、単語の頭文字をとった略語で、一見どのような意味か理解できませんが、語源から意味を覚えたら理解しやすいです。陸上競技の大会では、招集のスタートリストや競技結果のリザルトには、DNSやDNF・NM、DQを用いて記載され、略語を理解すると陸上競の楽しみが増えてきます。