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プロ野球のマジックとは?優勝までマジックナンバーをわかりやすく解説!

プロ野球のマジックとは?優勝までマジックナンバーをわかりやすく解説!

プロ野球のマジックとは、ペナントレースであと何勝すると優勝が確定するかを示す数字で、マジックナンバー・優勝マジックとも呼ばれています。日本のプロ野球では自チーム以外の5球団に自力優勝の可能性が消滅したときから使われ、日々減少していく優勝までのカウントダウンの役割を果たしています。

2023.01.03 野球

プロ野球のマジックとは?

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プロ野球のマジックとは、あと何勝すると優勝が確定するかを示した数字のことで、マジックナンバーや優勝マジックと呼ばれています。日本のプロ野球では1947年頃から使われていて、試合に勝利するか決められた対象の相手が敗戦することで減少し、0になると優勝が確定します。

マジックは日々の試合結果をもとに、1もしくは2ずつ減少させて0にすることを目指す優勝に向けたカウントダウンの役割がある数値です。

優勝マジックの意味

優勝マジックとはシーズンで優勝するために必要な勝利数を意味し、マジックナンバーやマジックと呼ばれる数字のことです。日本のプロ野球では、他の球団の自力優勝が消滅した時点で適用され、点灯、灯るもしくはつくと表現され頭文字を取ってMで略されます。
例えば、M10となった場合は残り試合で10勝するとM0となり、残された試合の結果に関係なく全日程終了前に優勝が確定します。

マジックナンバーの語源

マジックと同じ意味で使われるマジックナンバーの語源は、ビンゴゲームのリーチの状態から当たりに必要な番号をマジックナンバーと呼ぶことからといわれています。ビンゴになる数字を願う言葉が転じて、野球のリーグ戦で優勝を決めるまでに必要な勝利数を意味する言葉になりました。

マジックインキでカレンダーの過ぎた日にちを消していく行為や点いたり消えたり不規則な動きがすることが語源とされる俗説もあります。

マジックナンバーの性質

マジックナンバーの性質は一部のケースを除いて、自チームが試合に勝つことで1もしくは2つ減り、0になると残り試合に関係なく優勝が確定することです。自分のチームの勝利による減少と同時に、他のチームが負けると優勝に必要な勝利数が少なくなり、マジックは1つ減ることになります。
マジックは点灯球団以外の5球団が全勝すると仮定される影響で、点灯時点では優勝に必要な勝利数よりも大きい数字になります。

プロ野球の優勝マジックの点灯条件

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日本プロ野球の優勝マジックの点灯条件は、自分のチーム以外の5球団に自力優勝の可能性が消滅することです。プロ野球で使われる自力優勝が可能な状態とは、残り試合を全勝することで他のチームの成績に関係なく優勝できることをさしています。
マジックは首位が下位のチームを引き離すような独走をしていても、他チームに自力優勝の可能性が残っている限り点灯することはありません。

自力優勝の消滅とは

優勝マジックの点灯条件である自力優勝の消滅とは、残り試合を全勝しても他球団の勝敗次第では優勝出来なくなる状態の​ことです。自力優勝の可能性は、首位のチームとのゲーム差が残りの直接対決数よりも大きくなると、消滅する可能性が高くなります。

自力優勝は残り試合を全勝すると仮定するため、直接対決が両チームの差を縮める方法であり、ゲーム差が直接対決数より大きくなると首位に勝率が届かない計算になります。

※ゲーム差とは?
プロ野球で使われるゲーム差とは、順位間の勝率の差を分かりやすく示したものであり、上位チームに追いつくために必要な勝利数のことです。ゲーム差は上位と下位チームの勝敗の差を2で割ることで算出可能です。

マジック点灯の具体例

チーム 勝利数(8/23) 敗戦数(8/23) 自力優勝 勝利数(8/24) 敗戦数(8/24) 自力優勝
広島 69 45 可能性あり 70 45 M20
巨人 60 50 可能性あり 60 51 消滅
横浜DeNA 54 59 消滅 54 60 消滅
阪神 52 62 消滅 53 62 消滅
ヤクルト 51 65 消滅 52 65 消滅
中日 48 66 消滅 48 67 消滅
2016年のセリーグは、8月23日時点で、首位の広島と2位の巨人に自力優勝の可能性が残っていて、どのチームもまだマジックは点灯していません。翌日の試合で2位の巨人が敗れたことで、広島以外の5球団全てに自力優勝の可能性が消滅しました。
2位以下の5球団に自力優勝の可能性がなくなったことで、広島がマジック点灯の条件を満たしてM20が点灯しています。
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プロ野球のマジックの算出方法

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マジックを算出する方法は、決められた数式に点灯球団と対象チームと呼ばれる勝率の差を比較するチームの成績を当てはめることで導き出すことが可能です。算出する計算式には対象チームの勝利数と残り試合数が使われていて、対象チームが優勝マジックの推移に大きく関わっていることがわかります。
日々の試合結果により対象チームが変わった場合は、あらためて数式に当てはめた計算をする必要があります。

マジックナンバーの計算式

マジックナンバーを算出する計算式は、点灯チームと対象チームに関わる3つの数字を計算式=(H+A)-C+1に当てはめると、簡易的に表すことが可能です。

・対象チーム勝利数=H
・対象チーム残り試合数=A
・点灯チーム勝利数=C

計算に大きな影響を与える対象チームには通常2位チームがなります。

マジックナンバーの対象チームとは

マジックナンバーの対象チームとは、点灯チームと勝率の差を比較する対象とされ、試合結果がマジックの減少に影響するチームのことです。対象チームには、マジックがつく球団以外の5球団の中で残り試合を全勝すると仮定した場合に1番勝率が高くなる球団がなり、通常は2位が該当します。

仮にM10のときに対象チームが敗戦すると、点灯している球団の優勝に必要な勝利数が1つ少なくなり、M9に減少します。

マジック計算の具体例

消化試合数 勝利数 残り試合数 M
巨人 115 65 28 20
広島 119 60 24 -
横浜 118 59 25 -
2019年8月24日のセリーグでは、Mが点灯した巨人と対象チームの広島の成績をマジックナンバー算出の数式に当てはめると、(60+24)-65+1=20となり、巨人のM20となります
翌日の8月25日に、対象チームだった広島が負けますが、巨人に勝利した3位の横浜が2位に浮上し対象チームも横浜に変わりました。計算式も横浜の成績に置き換わり、(60+24)-65+1で巨人のMは20のままでした。

プロ野球のマジックの減り方

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マジックは、自分以外に自力優勝の可能性がなくなった日に灯り、翌日の試合結果から自チームと対象チームの勝ち負けで1もしくは2減っていき、点灯チームが敗れても増えることはありません
2020年のセリーグは、9月15日に巨人以外の5球団に自力優勝の可能性がなくなり巨人にM38がついて、10月30日に0になり、5球団の優勝の可能性が消えて巨人の優勝が確定しています。

マジックが1減る条件

優勝マジックが1減る条件は5つのケースが考えられます。結果が勝ちもしくは負けの組み合わせは確実に1つ減少することになりますが、どちらかが引き分けの結果だったときは、1つ減少する場合としない場合があります。
ケース1 ケース2 ケース3 ケース4 ケース5
点灯チーム 勝利 敗戦 引き分け 勝利 試合なし
対象チーム 敗戦 敗戦 引き分け 試合なし 敗戦

マジックが2減る条件

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マジックを2減らす条件は、1日の試合結果の中で点灯している球団が勝利して対象チームが敗戦する1ケースだけです。点灯しているチームが対象チームとの直接対決で、3連戦を3連勝の結果で終わると一気に6減らすことが可能となります。
マジック点灯チームの試合結果に引き分けの試合数が多い場合には最終到達勝率の関係から必ずしも2つ減少しないことがあります

マジックが3減る条件

優勝マジックは数年に1度の割合でまれに3つ減ることがあり、これにはプロ野球の順位を決めるルールが影響しています。プロ野球は最終的に勝率が高い球団が順位が上になり、勝率が同じだった場合には直接対決の勝率が高いほうが上の順位になると決められているからです。
マジックが3減少した例はいくつかありますが、2020年のセリーグで2013年以来7年振りに3つ減らす現象が起きました。

マジックが3減ったシーズン

2020年9月16日のセリーグは、マジック点灯球団の巨人が対象チームである阪神を破り、M38からM35にしています。巨人が試合に勝ったことで対阪神のシーズン勝ち越しを決めて、仮に阪神と同じ勝率でシーズンを終えても、巨人の順位が上になることが確定しました。

巨人の上位が確定したことで、優勝に必要な勝利数が減りMも計算上前日から3減らす結果になりました。

引き分けが絡んだケース

点灯チーム 対象チーム 減る数
引き分け 勝ち 1か0
引き分け 負け 2か1
引き分け 引き分け 1
引き分け 試合なし 1か0
勝ち 引き分け 2か1
負け 引き分け 1か0
試合なし 引き分け 1か0
マジックがついている球団と対象となる球団の試合結果に引き分けが絡んだ場合には、マジックは不規則な動きをします。プロ野球で順位を決める勝率の計算は試合数から引き分けを引いた数が分母になり、最終的な勝率に影響を与えるからです。

勝率 = 勝ち数÷(試合数ー引き分け数)


マジックナンバーを算出するときも、結果から小数点以下の数字が繰り上げされて、勝ち負けの単純な結果とは違った形で変動します。

プロ野球のマジックの疑問

マジックナンバーは首位にいるチームがあといくつ勝利すると良いかを示す優勝へ向けたカウントダウンの役割を持っています。シーズンの展開次第では、マジックの点灯条件が崩れて消滅したり、チームごとの対戦成績や引き分け数の影響で2位や3位のチームに点灯する現象が起きることがあります。
チーム間の差が少なく、激しい優勝争いが繰り広げられているシーズンでは、優勝マジックは不規則な動きをしやすいことが特徴です。

マジックナンバーが消滅した逆転劇

2008年のセリーグは一時は自力優勝が消滅していた巨人が逆転優勝を果たしたメークレジェンドと呼ばれるシーズンでした。2008年はシーズン序盤から阪神タイガースが首位を独走し、7月22日には2位以下の5球団の自力優勝の可能性が消滅して阪神にM46が点灯しています。

しかし、8月に入ると巨人が連勝を重ねて自力優勝が復活したため阪神のマジックは消滅してしまい、結果的に巨人が逆転でセリーグを制覇しました。

2位のチームにマジックナンバーが点灯する時

2位のチームにマジックが点灯することを逆マジックと呼びます。残り試合に影響されることが多く、2つの条件を満たしていると2位につく可能性が出てきます。

・首位とゲーム差が僅差
・首位よりも残り試合が多い

2014年のパリーグで2位のオリックスが残り試合で全勝すると優勝が確定するために逆マジックがついたことがありました。
チーム 戦績 残試合 全勝時の到達勝率 M
ソフトバンク 77勝58敗 3 .579 -
オリックス 76勝58敗 8 .591 7
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残り試合がマジックに及ぼす影響

ペナントレース終盤の各球団の残り試合数はマジック点灯と深い関係があり、優勝の行方を予想するうえで重要な要素の1つになります。マジックの点灯条件である自力優勝の可能性の有無は、自力で勝ち星を重ねることができる残り試合が多い球団の成績に左右されるからです。
消化試合数に偏りが生まれたシーズンでは、順位が下にいても残り試合が多い球団に優勝する可能性が出て、優勝マジックが点灯する場合があります。

消化試合数に差が出る原因

野球は雨の中では進行が困難なスポーツであり、屋外球場の場合には雨が降ると試合が延期されます。雨天延期が重なり予定通り試合が行えなくなると、消化試合数に差が生まれてきます。日本のプロ野球では屋外球場をホームにしている球団は2021年現在で6球団です。

パリーグ:楽天、ロッテ
セリーグ:横浜、阪神、ヤクルト、広島

プロ野球の優勝マジックの歴代記録

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プロ野球のマジックにまつわる歴代の記録は最短で点灯させた記録と、つかないまま優勝をしたことが挙げられます。1つの球団がシーズン序盤から混戦から抜け出して独走状態に入ると、7月、8月にはマジックがつくことがあります。過去にはシーズンの最終盤まで1位と他の下位に差がつかない混戦状態が続き条件を満たさないまま最終的に逃げ切り、リーグ制覇を果たした球団も存在しました。

マジック点灯のスピード記録

日本のプロ野球界の歴史でマジックがついた最短記録は1965年のパリーグ南海ホークスで、7月6日に62がつきました。1965年の南海ホークスは最短優勝とはなりませんでしたが、17連勝を記録する圧倒的な強さで9月26日にパリーグ制覇を果たしています。400フィート打線と呼ばれた強力打線の象徴が打率3割2分、42本塁打、110打点で戦後初の三冠王に輝いた野村克也でした。

マジックなしで優勝

マジックナンバーがないまま優勝を果たしたチームは過去にセリーグが1回、パリーグで4回を数えて、いずれの年もシーズンの最終盤まで激しい首位争いが繰り広げられたことが特徴です。
・1961年南海ホークス
・1969年阪急ブレーブス
・1988年西武ライオンズ
・1992年ヤクルトスワローズ
・2014年ソフトバンクホークス
プロ野球では、2007年からクライマックスシリーズが導入され、混戦になる割合は少なくなりました

優勝マジックを知るとプロ野球がもっと楽しくなる

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日本のプロ野球では、マジックを用いて優勝が確定するまでの勝利数が示され、日々移り変わる勝率やゲーム差よりも具体的な数字で確認することができます。マジックは自分のチームと2位以下の対象チームの試合結果で日々変化し、点灯と消滅を繰り返すことが特徴です。

マジックの仕組みを知り、試合結果の推移を追うことで、優勝がかかったシーズン終盤のペナントレースをもっと楽しく観戦することができます。

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