ストレートの握り方と投げ方とは?キレのあるストレートを投げよう
野球のピッチャーの最も基本的な球種はストレート…いわゆる直球です。ストレートは、すべてのピッチャーが投じることができる球種であり、全投球数の半分以上を占めるというピッチャーも多いはず。ここでは、改めてストレートを解説しますので、ブラッシュアップしてください。
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公式ライター Activel_director
ストレートとは?
straight →まっすぐな・一直線の・縮れていない
ストレートは変化球ではないのです。
野球のピッチャーは、右投げと左投げであったり、オーバースローやアンダースローなどの投法など、千差万別なのですが、ストレートだけは全てのピッチャーが投げることができるとともに、最も基本的な球種なのです。裏を返せば、変化球は、ストレートとの違いが変化として評価されます。
ストレートの軌道
ただし、厳密に言うと、地球には重力がありますので少し沈んでいます。これは、プロ野球選手のピッチャーが投げても言えることですが、あくまでリリースポイントからキャッチャーミットまでの約18mの間の世界ですから、フォークボールなどの落ちる変化球と比較すれば、ごく僅かな沈み方です。
ストレートの球速
基本的にストレートは速いほうが打者は打ちづらいのですが、近年多くのピッチャーが持ち球にしているチェンジアップなど、最速のストレートとの球速の違いで打者を打ち取る球種もあり、こういった変化球とのコンビネーションこそが重要なので、球速にこだわりすぎるのも善し悪しです。
ストレートの回転
岸孝之 ストレートの回転数と回転軸 初速、終速を分析
近年重要視されているのは回転数で、より回転数が多いほど重力に負けない揚力を得ることができ、リリース直後の初速とホームベース近辺での終速の差が小さくなるため、対峙するバッターに速度以上にストレートを速く感じさせることができます。
ストレートの握り方
詳しい握り方を説明する前に知っておくべきことは、人間の手の指は基本的に人差し指より中指のほうが長いということです。このことを踏まえないとストレートを投げたつもりがシュート回転してしまったりと、コントロールできなくなってしまうので、前提を理解してボールを握り投げ込みましょう。
ストレートの握りの指の位置
ストレートの握り方について指の配置を説明すると、人差し指と中指の間に指一本分ほどの隙間を開けて、ボールの中心線から同じ距離の位置に人差し指と中指を配置し、その真裏で中心線に乗せるように親指でボールを支えましょう。この時、人差し指と中指と親指の関係性として、親指を頂点とする二等辺三角形ができるはずです。その他の薬指と小指は、親指の近くで軽くたたみそえるようにして握ります。
ストレートの握りの深さ
ただ、親指をずらすことで、握りの深さを調整することによって、わずかばかりかもしれませんが球質や球速を変えることもできますので、小さなところではありますが、いろいろと握り方を試してみるのもよいでしょう。
フォーシームとツーシームとワンシーム
この違いは、ボールを握るうえでのボールの向きとなります。ボールの握り方を試すうえでは区別する必要があります。
フォーシーム | ボールが進行方向に対し1回転する間に地面と平行な縫い目が等間隔で4本通過する |
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ツーシーム | ボールが進行方向に対し1回転する間に地面と平行な縫い目が異なる間隔で2本通過する |
ワンシーム | ボールが進行方向に対し1回転する間に地面と垂直な縫い目が1本だけ通過するようになる |
ストレートの投げ方
おそらく、ピッチャーが投げる球種で最も割合の多いのがストレートですので、打ちづらいストレートになるように工夫することは必須です。その上で、正しいボールの投げ方は決して画一的なものではありません。
ストレートの腕の振り
各投球フォーム毎に打者に対するストレートの角度が変わるわけですが、腕の振りについて工夫を加えるとすれば、腕の見せ方です。いわゆるボールの出所が見えづらい投げ方をすることなのですが、これは打者はタイミングが取りづらくすることにつながります。球威に影響のない範囲で試してみてください。
ストレートのリリース
では、正しいボールの投げ方のリリースについてですが、これによって何が異なるかというとボールの回転数です。少し感覚的になりますが、人差し指と中指でボールを弾くようにするとより回転数の多いストレートになります。
ストレートの制球
①投球フォームを安定させる
②リリースポイントを安定させる
これらのことを身に着けるのは、投げ込みによるところが大きいですが、それに加えて走り込みなどを通じて下半身を強化することも重要です。ゲームを通じて疲れを避けることはできません。疲れによって投球フォームやリリースポイントが乱れるので、そのことも織り込まなくてはなりません。
ストレートの球質を表す伸びやキレとは?
世界トップ!メジャーリーグ 剛速球投手ランキング
自分のストレートの球質を理解することで、その使い方も変わってくるはずです。キャッチャーはもとより、チームメイトに打席に立ってもらった際に、自分のストレートがどのように感じるかを聞いてみるのもよいでしょう。また、ボールの握り方や投げ方がどのように球質に変化をもたらすのかも知っておいて損ではありません。
剛速球
では、剛速球はどんな投げ方で投げればよいかですが、正直に申し上げますと、先天的な要素…体格や体の強さに依存するところが大きいので説明することができません。ただ、トレーニングをしたり、投げ方に工夫を加えることで球速を上げることはできます。剛速球ではなくとも、ストレートの球速を上げることで、変化球とのギャップが大きくなれば、投球の幅は大きくなります。
伸びのあるストレート
全ての野球ファンに送りたい杉浦の美しいストレート
伸びのあるストレートを投げる方法はボールの回転に集約されます。
①回転の方向が地面と垂直あるいは垂直に近い
②回転数が多い
この2点が実現されると、リリースされたボールは前述のマグヌス効果が強く発生し重力に負けないため、普通のストレートより落ちずにキャッチャーミットに届きますが、決して本当に浮き上がっているわけではありません。
キレのあるストレート
では、キレはどんな投げ方でもたらされるのかというと、これも回転数の多さにあります。例えばカーブについては、より回転数が多い方が大きく曲がるものです。伸びるストレートとキレのあるストレートは同義なのかというと、いろいろな考え方もありますが異なります。
伸びるストレート | 浮き上がってくるように感じ球速も速い |
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キレのあるストレート | 初速と終速に差が無いことにより球速以上に速く感じる |
キレのあるストレートを投げる3つのポイント
今よりキレのあるストレートを投げる為のポイントを触れていきますが、前もって注意点を上げておくと、キレを求めるあまり他の球種を投げる時と異なるフォームになったりしないようにしなくてはなりません。他の球種と比べて打ちやすいストレートはフォームで球種がばれてしまうとどんなに球質がよくても打たれます。
①体重移動を上手に行う
また、投げる方向に足を踏み込んだ際に、しっかりとピッチャープレートを軸足の親指の付け根で蹴ることができる投げ方であれば、より強い力が伝わります。
②腕のスイングを速く
上手に体重移動をし、腕の振りを速くすることで、人差し指と中指の先からボールに力を伝えていくことになりますが、キレのあるストレートを投げる上では、いわゆるアーム式の腕の振り方では回転数を上げることができませんので、肘を上手に使って、しなるように腕を振ることも重要です。
③リリース時は叩くイメージを持つ
山本昌、ストレート回転数の高さの秘密! 【プロ野球】
その山本昌氏が意識していたのが、リリース時にボールを叩くということ。このボールを叩くというのは、ぱっと聞いても分かりづらいかもしれませんが、リリースの瞬間に肘から下を更に加速させるイメージとなります。これはリリース時に肩甲骨を出すようにしていくことで実行でき、指先に鞭のような勢いが生じます。
ストレートを握りと投げ方をしっかりと身につけよう
球速は速いに越したことはないのですが、速いボールが投げれるからと言って、完全無欠のピッチャーになれるわけではありませんので、自分自身が頼りにできるストレートを身に着けましょう。重視するのは、球速でも伸びでもキレでもよいのです。ただし制球力は必須です。
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