高校野球の監督ランキング10人!通算勝利数が多い名監督はだれだ?
高校野球の監督で、通算勝利数でトップを走るのが、ユーティリティープレイヤーの育成に定評がある智弁和歌山を率いる高嶋仁氏です。高校野球界の勝負師と呼ばれたPL学園元監督の中村順司氏、個の育成を重視する大阪桐蔭の西谷浩一氏も名将と呼ばれ、高順位につけています。
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公式ライター Activel_director
高校野球の名将監督とは?
春の選抜大会、夏の選手権大会では、高校野球の名将監督が甲子園に集い、優勝旗を目指して熾烈な戦いが繰り広げられ、高校野球ファンにとってみれば、名将監督の作戦は醍醐味の一つです。
高校野球の名将監督ランキング10人
9位:小倉全由
生年月日 | 1957年4月10日 |
出身地 | 千葉県長生郡一宮町 |
指導歴 | 関東一高→日大三高 |
甲子園での通算成績 | 出場21回,37勝19敗 |
優勝2回/準優勝2回 | |
関東一高での成績 | 出場4回,7勝4敗 |
準優勝1回 | |
日大三高での成績 | 出場17回,30勝15敗 |
優勝2回/準優勝1回 | |
教え子 | 三輪隆(東北楽天コーチ)/武田勝(北海道日本ハム) |
近藤一樹(東京ヤクルト)/高山俊(阪神) |
選手をやる気にさせることに長けた高校野球監督で、さらに情熱的な指導法から選手たちからの信頼も厚く、中にいは小倉氏を父親以上の存在と位置付ける選手もいるほどです。
9位:蔦文也
生年月日 | 1923年8月28日 |
没年月日 | 2001年4月28日 |
出身地 | 徳島県徳島市 |
指導歴 | 池田高校 |
甲子園での通算成績 | 出場14回・37勝11敗(優勝3回/準優勝2回) |
教え子 | 水野雄仁(巨人)/宮内仁一(阪神)/松村高明(横浜) |
杉本尚文(オリックス) |
そこで、多少芯を外されてもパワーがあれば打球を飛ばせると、金属バットの特性を活かすため筋力トレーニングを選手に課し、強力打線を作り上げ、やまびこ打線と呼ばれるようになりました。
高校野球は機動力、投手力、守備力といった今でいうスモールベースボールが主流で常識とされていました。
しかし蔦氏が作りあげたやまびこ打線の破壊力の凄まじさは、高校野球の常識を覆しました。
8位:阪口慶三
生年月日 | 1944年5月4日 |
出身地 | 愛知県 |
指導歴 | 東邦高校→大垣日大高 |
甲子園での通算成績 | 出場32回・38勝31敗(優勝1回/準優勝3回) |
東邦高での成績 | 出場24回・25勝23敗(優勝1回/準優勝2回) |
大垣日大高での成績 | 出場8回・13勝48敗(準優勝1回) |
教え子 | 山倉和博(巨人)/山田勝彦(阪神)/山田喜久夫(中日) |
山田貴志(中日)/朝倉健太(中日)/岩田慎司(中日) |
後に、大垣日大監督に就任するとスパルタ路線から脱却し、選手と温泉に行ったり、試合後の宿舎で選手と勝利を分かち合ったり、サインの中に笑えというサインを交えるなど、仏の阪口と呼ばれるようになりました。
東邦時代は、修学旅行も野球部だけが参加せずに居残りで練習を続け、唯一の休日だった元旦も阪口氏の自宅でおせちを食べたことから、ほぼ年中無休でした。
また、名古屋では珍しく大雪が降っても、選手をグランドに集め、雪の上にガソリンをまいて火をつけ、あっという間に雪を解かして練習を行ったエピソードもあります。
7位:木内幸男
生年月日 | 1931年7月12日 |
出身地 | 茨城県土浦市 |
指導歴 | 土浦第一高→取手二高→常総学院 |
甲子園での通算成績 | 出場22回・40勝19敗(優勝3回/準優勝2回) |
取手二高での成績 | 出場6回・8勝5敗(優勝1回) |
常総学院での成績 | 出場16回・32勝14敗(優勝2回/準優勝2回) |
教え子 | 安藤統男(阪神)/松沼博久・雅之(西武)/坂克彦(阪神) |
嶋田直也(日ハム)/仁志敏久(巨人)/大崎雄太朗(西武) |
後に、常総学院の監督で、2003年夏の甲子園決勝では超高校級右腕のダルビッシュを擁する東北高校と対戦、ダルビッシュを打ったら自慢できると語ると選手はやる気になりダルビッシュを攻略して優勝しています。
甲子園の優勝旗を茨城県に持ち帰ったのは夏が2度、春が1度の計3度ですが、3度の優勝はいずれも木内氏でした。
さらに木内氏は他県からの野球留学生に頼らないチーム編成が基本であることも茨城県の高校野球のレベルを引き上げた理由とされています。
4位:馬淵史郎
生年月日 | 1955年11月28日 |
出身地 | 愛媛県八幡浜市 |
指導歴 | 明徳義塾高 |
甲子園での通算成績 | 出場30回・48勝29敗(優勝1回) |
教え子 | 宮崎一彰(西武)/塩屋大輔(オリックス)/寺本四郎(千葉ロッテ) |
森岡良介(ヤクルト)/筧裕次郎(オリックス)/中田亮二(中日) |
また、甲子園でのインタビューや取材では、馬淵氏の特徴的なダミ声での応答や言い回しが高校野球記者たちの間でも話題となり、馬淵節と呼ばれて高校野球ファンの人気監督となっています。
1992年の夏の選手権で、星稜の4番、松井秀喜に対し全打席敬遠という作戦が高校野球界だけではなく社会問題にまで発展し、馬淵氏に対してはヒールのイメージがつきまといました。
しかし馬淵氏は、野球では盗塁や刺殺といった不謹慎な言葉が使われているが、キレイな言葉は敬遠だけ。人を敬うからこそ敬遠なわけですと語っています。
4位:前田三夫
生年月日 | 1949年6月6日 |
出身地 | 千葉県袖ケ浦市 |
指導歴 | 帝京高 |
甲子園での通算成績 | 出場26回・51勝23敗(優勝3回) |
教え子 | 伊東昭光(ヤクルト)/小林昭則(ロッテ)/河田雄祐(西武) |
奈良原浩(西武)/芝草宇宙(日ハム) | |
吉岡雄二(巨人)/森本稀哲(日ハム) |
根底にあるのが、体づくりは食べることを持論とする前田氏の考えにあり、昼食に米を3合食べることを選手に課しおり、帝京高校野球部の強さは選手の体づくりから始まっているわけです。
体づくりは食べることを持論とするきっかけとなったのが、1983年の選抜初戦で蔦監督の池田に0-11という大敗を喫した試合でした。大敗をきっかけにランニングやウェイトトレーニング、水泳トレーニングに加えて三合飯を食べさせました。
4位:渡辺元智
生年月日 | 1944年11月3日 |
出身地 | 神奈川県足柄上郡松田町 |
指導歴 | 横浜高 |
甲子園での通算成績 | 出場27回・51勝22敗(優勝5回) |
教え子 | 愛甲猛(ロッテ)/高橋建(広島) |
松坂大輔(西武)/涌井秀章(西武)/成瀬善久(ロッテ) | |
多村仁志(横浜)/筒香嘉智(横浜)/鈴木尚典(横浜) |
監督就任当初は鉄拳制裁も辞さない厳しい指導で選抜初優勝を飾り、時代の流れに合わせて選手との対話を重視し、厳しさの中に愛情を垣間見せ、選手との信頼関係を重視するようになります。
慢心する松坂大輔に対しては、敢えて厳しく接し、感情を表に出さない涌井秀章に対してはフォローのメールをする。このように選手によって対応を変えることで信頼関係を築いていきます。
円陣を組んだときには自分は中央にしゃがみ、選手の目線で話すことで、どのような精神状態かを把握したそうです。
3位:西谷浩一
生年月日 | 1969年9月12日 |
出身地 | 兵庫県宝塚市 |
指導歴 | 大阪桐蔭高 |
甲子園での通算成績 | 出場16回・55勝9敗(優勝7回) |
教え子 | 岩田稔(阪神)/西岡剛(ロッテ) |
中田翔(日ハム)/平田良介(中日)/藤波晋太郎(阪神) | |
森友哉(西武)/浅村栄斗(西武)/中村剛也(西武) |
目指す目的を明確にし、そこにたどり着くためには何が足りないか、足りない部分をどう補うかを追求しています。そして、大会前には選手がひとつにまとまって勝ちに行けるような練習に切り替えます。
西谷監督は、選手個人との時間を大切にしています。
勝利至上主義により、個の育成が軽んじられている現代の高校野球を危惧し、敢えて個の育成に重点を置いたことにより、スラッガーを生み出すことに成功したといえます。
2位:中村順司
生年月日 | 1946円8月5日 |
出身地 | 福岡県中間市 |
指導歴 | PL学園高 |
甲子園での通算成績 | 出場16回・58勝10敗(優勝6回/準優勝2回) |
教え子 | 清原和博(西武)/松井稼頭央(西武) |
サブロー(ロッテ)/片岡篤史(日ハム) | |
桑田真澄(巨人)/立浪和義(中日)/福留孝介(中日) |
中村氏の育成方法は、長時間の練習は避け、短時間で集中したトレーニングで、残った時間はテーマを自覚させ、足りない部分を補うことを指導してきました。
中村順司氏は甲子園で20連勝という大記録を持った名将で、自チームよりも強い相手に対しては、技術ではなっく、精神面で戦うことを教え込みました。
また、選手への指示も的確で、池田の好投手だった水野に対しては、流し打ちのようなこそくなことを考えず、思い切って引っ張れと指示して見事に攻略しています。
1位:高嶋仁
生年月日 | 1946年5月30日 |
出身地 | 長崎県 |
指導歴 | 智弁学園高→智弁学園和歌山高 |
甲子園での通算成績 | 出場38回・68勝35敗(優勝3回) |
智弁学園での成績 | 出場3回・7勝3敗 |
智弁和歌山での成績 | 出場35回・61勝32敗(優勝3回) |
教え子 | 高代延博(大洋)/中谷仁(阪神)/喜多隆志(ロッテ) |
武内晋一(ヤクルト)/林晃汰(広島) |
1年生から3年生まで各学年10人までの少数精鋭のチーム編成が高嶋流で、選手の個性や弱点を事細かく分析するためとされています。また、大会前には厳しい練習で限界まで追い込むという調整方法を採用しています。
高嶋氏の基本方針にはユーティリティープレイヤーの育成があります。投手は1人に頼らない、複数ポジションを守れるようにして、不足の事態に備えることが目的です。
2012年の選手権和歌山大会決勝では延長14回で勝利しますが、相手チームの投手は決勝までの5試合全てで800球前後投げていましたが、智弁和歌山は3人の投手リレーでした。
高校野球の監督の名言
横浜高校 渡辺元智元監督
甲子園には、魔物なんて棲んでいない。もしも、棲んでいるとしたら、お前たちの心の中にいる。
栄光より挫折。勝利より敗北。成功より失敗。白いボールを追いかける中に人生がある。教え子たちには人生の勝利者になってもらいたい
常総学院 木内幸男元監督
プライドを持たせれば、放っておいても努力する。
甲子園に「行きたい」と「行く」とは大違い。
星稜高校 山下智茂元監督
どんな投手でも、強打者と勝負して、たとえ打たれても、それを糧にして成長する。それが高校野球だと思う。
心が変われば行動が変わる。行動が変われば習慣が変わる。習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。
鹿児島実業 宮下正一元監督
我慢した分だけ強くなれる。
人一倍うまく、人一倍努力してはじめて人並みの扱いなる。
龍谷大平安高校 原田英彦監督
自分に負けるな、負けない自分を作れ。
僕は野球は特別だと思っています。野球だから与えてくれる素晴らしいものがたくさんある
慶応義塾高校 上田誠監督
凡人は習慣で一日を送る。天才はその一日が生涯である。毎日が本番。大会前だけ盛り上がって全国制覇ができるか。
毎日が本番
高校野球の通算勝利数が多い監督まとめ
ユーティリティープレイヤーを育成することで1人の投手への過度な負担を避けるという、現代の高校野球の問題を根本から解決するチーム作りは他校のお手本ともいえる指導者です。
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