クライマックスシリーズの詳しい仕組みとは?上位チームの試合のルールを図説で解説!
プロ野球で日本シリーズ進出チームを決めるクライマックスシリーズ(CS)。レギュラーシーズンのあとに、セ・リーグとパ・リーグのそれぞれの上位チームが争います。クライマックスシリーズとは、プロ野球の日本一を決める日本シリーズに進出するチームを決定するポストシーズンの戦いです。この仕組みを、プロ野球に詳しくない人にもわかりやすく解説します!
2023.01.03
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野球
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クライマックスシリーズとは?
クライマックスシリーズとは、プロ野球の日本一を決める日本シリーズに進出するチームを決定するポストシーズンの戦いです。
日本シリーズはセ・リーグとパ・リーグの優勝チームが4戦先勝で対戦して日本一を決めるものですが、クライマックスシリーズはその進出チームを決めるリーグ内のプレーオフです。
現在、プロ野球のレギュラーシーズンは143試合。そのレギュラーシーズンの各リーグ上位3チームがクライマックスシリーズを戦います。
日本シリーズはセ・リーグとパ・リーグの優勝チームが4戦先勝で対戦して日本一を決めるものですが、クライマックスシリーズはその進出チームを決めるリーグ内のプレーオフです。
現在、プロ野球のレギュラーシーズンは143試合。そのレギュラーシーズンの各リーグ上位3チームがクライマックスシリーズを戦います。
クライマックスシリーズ誕生のきっかけ
クライマックスシリーズの前身となるプレーオフ制度はパ・リーグからスタートしました。2004年から2006年までは、パ・リーグのみでレギュラーシーズン後にプレーオフが行われていました。
パ・リーグでプレーオフ制度が導入された目的は、優勝チーム決定後の消化試合を少なくすること。結果、思惑通りに興行面で効果があったため、2007年からセ・リーグでも取り入れられることになりました。
両リーグ統一で行われることになったプレーオフ制度は、ネーミング案を一般公募して「クライマックスシリーズ」となりました。
パ・リーグでプレーオフ制度が導入された目的は、優勝チーム決定後の消化試合を少なくすること。結果、思惑通りに興行面で効果があったため、2007年からセ・リーグでも取り入れられることになりました。
両リーグ統一で行われることになったプレーオフ制度は、ネーミング案を一般公募して「クライマックスシリーズ」となりました。
クライマックスシリーズの問題点
クライマックスシリーズは興行面では成功を収めた一方で、問題点もあります。最も大きな問題点は、143試合もやって決まったレギュラーシーズンの順位が、わずかな試合数のCSの結果で覆ってしまうことがある点です。
実際、2017年のセ・リーグではレギュラーシーズンを大差で制した広島東洋カープが、CSでは3位の横浜DeNAベイスターズに敗れて日本シリーズ進出を逃しました。
レギュラーシーズンの優勝チーム同士で日本シリーズをしていた時代と比べて、「日本一」の価値が曖昧になった面があります。
実際、2017年のセ・リーグではレギュラーシーズンを大差で制した広島東洋カープが、CSでは3位の横浜DeNAベイスターズに敗れて日本シリーズ進出を逃しました。
レギュラーシーズンの優勝チーム同士で日本シリーズをしていた時代と比べて、「日本一」の価値が曖昧になった面があります。
クライマックスシリーズの仕組み
プロ野球のクライマックスシリーズの仕組みは、具体的にどのような形になっているのでしょうか。日本シリーズ進出チームが決まるまでの仕組みを解説します。
日本シリーズまでの道のり
via クライマックスシリーズの仕組み
クライマックスシリーズの仕組みは、CSファーストステージとCSファイナルステージに分かれています。CSファイナルステージではレギュラーシーズンの2位と3位のチームが対戦し、その勝者がCSファイナルステージで1位のチームと対戦します。
CSファーストステージは2勝先取の3試合制、CSファイナルステージは4勝先取の6試合制で争われます。セ・リーグとパ・リーグ、それぞれのCSファイナルステージを勝ち抜いたチーム同士が4勝先取の7試合制で日本シリーズを戦います。
CSファーストステージは2勝先取の3試合制、CSファイナルステージは4勝先取の6試合制で争われます。セ・リーグとパ・リーグ、それぞれのCSファイナルステージを勝ち抜いたチーム同士が4勝先取の7試合制で日本シリーズを戦います。
CSファーストステージ
クライマックスシリーズのCSファーストステージは、レギュラーシーズン2位のチームと3位のチームが2位のチームの本拠地で3試合制で戦います。
2位のチームに勝ち星のアドバンテージは与えられず、0勝0敗からスタートして先に2勝したチームが次のステージに進出。「1勝1敗1分」や「0勝0敗3分」で勝敗数が並んだ場合は、レギュラーシーズン2位のチームが勝者となります。
したがって、2試合を終えた段階でどちらかが2勝した場合、もしくは2位チームが1勝1分となった場合は、3試合目は行いません。
2位のチームに勝ち星のアドバンテージは与えられず、0勝0敗からスタートして先に2勝したチームが次のステージに進出。「1勝1敗1分」や「0勝0敗3分」で勝敗数が並んだ場合は、レギュラーシーズン2位のチームが勝者となります。
したがって、2試合を終えた段階でどちらかが2勝した場合、もしくは2位チームが1勝1分となった場合は、3試合目は行いません。
CSファイナルステージ
クライマックスシリーズのCSファイナルステージは、CSファーストステージの勝者とレギュラーシーズンの優勝チームがレギュラーシーズン優勝チームの本拠地で6試合制で戦います。
CSファイナルステージでは、レギュラーシーズン優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられ、アドバンテージを含めて先に4勝したチームが日本シリーズに進みます。
CSファーストステージと同じく、「3勝3敗1分」などのタイとなった場合はレギュラーシーズン優勝チームが突破となり、勝ち抜けチームが決まった段階で次の試合は行われません。
CSファイナルステージでは、レギュラーシーズン優勝チームに1勝のアドバンテージが与えられ、アドバンテージを含めて先に4勝したチームが日本シリーズに進みます。
CSファーストステージと同じく、「3勝3敗1分」などのタイとなった場合はレギュラーシーズン優勝チームが突破となり、勝ち抜けチームが決まった段階で次の試合は行われません。
アドバンテージ導入のきっかけ
via pixabay.com
クライマックスシリーズがスタートした2007年のCSファイナルステージは、レギュラーシーズン優勝チームにアドバンテージを与えない条件で3勝先取の5試合制で行われました。
パ・リーグ側は当初からアドバンテージのルール導入を提案していましたが、セ・リーグ側が消極的で導入が見送られました。
しかし、アドバンテージのルールが適用されなかった2007年のセ・リーグCSファイナルステージで、レギュラーシーズン2位の中日が優勝チームの巨人に3連勝。この結果をきっかけに現在の仕組みに変更されました。
パ・リーグ側は当初からアドバンテージのルール導入を提案していましたが、セ・リーグ側が消極的で導入が見送られました。
しかし、アドバンテージのルールが適用されなかった2007年のセ・リーグCSファイナルステージで、レギュラーシーズン2位の中日が優勝チームの巨人に3連勝。この結果をきっかけに現在の仕組みに変更されました。
クライマックスシリーズのルール
プロ野球のクライマックスシリーズの仕組みやルールは、レギュラーシーズンとは異なる特別なものもあります。その仕組みやルールを一つずつ見ていきましょう。
CSの選手登録の方法
クライマックスシリーズの選手登録のルールは、基本的にはレギュラーシーズンと同じです。28人以内を出場選手登録することができ、その中から25人以内の選手がベンチ入りできます。
ただし、クライマックスシリーズで選手登録できるのは、そのシーズンの8月31日の時点でチームに支配下選手登録されており、その後も続けて登録されていた選手に限るというルールがあります。
また、登録抹消となった選手は10日間再登録できないというルールもあるため、登録抹消されていた場合は出場できない可能性もあります。
ただし、クライマックスシリーズで選手登録できるのは、そのシーズンの8月31日の時点でチームに支配下選手登録されており、その後も続けて登録されていた選手に限るというルールがあります。
また、登録抹消となった選手は10日間再登録できないというルールもあるため、登録抹消されていた場合は出場できない可能性もあります。
CSの中止と延期はあるの?
クライマックスシリーズの日程には予備日が設けられており、悪天候などで中止やノーゲームとなった場合は原則として翌日以降に順延となります。
ただし、雨天続きなどで予備日を含めても全日程が消化できなかった場合は、消化できなかった時点での勝敗によって次のステージへの進出チームが決定されます。このとき勝敗がタイであれば、レギュラーシーズンの成績上位チームが勝ち抜けとなる仕組みです。
プロ野球ではレギュラーシーズンから試合開始前の中止の決定権は各リーグの責任者が持っており、試合開始後は審判団の判断となります。
ただし、雨天続きなどで予備日を含めても全日程が消化できなかった場合は、消化できなかった時点での勝敗によって次のステージへの進出チームが決定されます。このとき勝敗がタイであれば、レギュラーシーズンの成績上位チームが勝ち抜けとなる仕組みです。
プロ野球ではレギュラーシーズンから試合開始前の中止の決定権は各リーグの責任者が持っており、試合開始後は審判団の判断となります。
予告先発はあるの?
クライマックスシリーズにおける予告先発は、2017年まではパ・リーグのみで実施されていました。2018年からはセ・リーグでも予告先発がされるようになり、現在は両リーグともに実施しています。
レギュラーシーズンの予告世発は前日の試合開始前までに行われており、セ・リーグではクライマックスシリーズの予告先発も同様のルールです。
しかし、パ・リーグではクライマックスシリーズの予告先発は前日の試合終了後。そのため、翌日の先発候補を複数準備させておき、その日の試合展開によって決定することもできます。
レギュラーシーズンの予告世発は前日の試合開始前までに行われており、セ・リーグではクライマックスシリーズの予告先発も同様のルールです。
しかし、パ・リーグではクライマックスシリーズの予告先発は前日の試合終了後。そのため、翌日の先発候補を複数準備させておき、その日の試合展開によって決定することもできます。
延長と引き分けのルール
プロ野球では延長戦は12回までと定められています。両リーグともにクライマックスシリーズでも延長戦のルールはレギュラーシーズンと同様です。
延長12回を終えても同点の場合は引き分けとなり、再試合は行いません。クライマックスシリーズのルールでは対戦成績がタイとなった場合はレギュラーシーズンの成績上位チームが勝ち抜けるため、勝敗を決する必要はありません。
また、上位チームが勝つか引き分けで勝ち抜けが決まる状況では、12回のイニング途中で引き分け以上が決まればそこで試合終了となります。
延長12回を終えても同点の場合は引き分けとなり、再試合は行いません。クライマックスシリーズのルールでは対戦成績がタイとなった場合はレギュラーシーズンの成績上位チームが勝ち抜けるため、勝敗を決する必要はありません。
また、上位チームが勝つか引き分けで勝ち抜けが決まる状況では、12回のイニング途中で引き分け以上が決まればそこで試合終了となります。
リーグ順位の決定方式
リーグ順位はレギュラーシーズンの成績で決まる
クライマックスシリーズはあくまでも日本シリーズ進出チームを決めるためのもので、レギュラーシーズンの順位を決めるものではありません。
したがって、セ・リーグ、パ・リーグともにリーグ順位はレギュラーシーズンの成績によってのみ決定され、プレーオフの結果によってその年のリーグ順位が入れ替わることはありません。
たとえば、レギュラーシーズンで3位だったチームがクライマックスシリーズを勝ち抜いて日本シリーズに進出したとしても、リーグ順位は3位のままとなります。
したがって、セ・リーグ、パ・リーグともにリーグ順位はレギュラーシーズンの成績によってのみ決定され、プレーオフの結果によってその年のリーグ順位が入れ替わることはありません。
たとえば、レギュラーシーズンで3位だったチームがクライマックスシリーズを勝ち抜いて日本シリーズに進出したとしても、リーグ順位は3位のままとなります。
CSまでにレギュラーシーズンが終わらなかったら?
クライマックスシリーズの開幕予定日までにレギュラーシーズンの日程が終わらなかったらどうなるのでしょうか?
その場合、「クライマックスシリーズ開幕予定日の2日前までに組み込まれた日程終了時点」での順位が採用されるルールとなっています。その時点での順位がリーグ順位となり、クライマックスシリーズ進出チームもそれによって決定されます。
ただし、未消化試合についてはクライマックスシリーズと並行して可能な限り開催されます。
その場合、「クライマックスシリーズ開幕予定日の2日前までに組み込まれた日程終了時点」での順位が採用されるルールとなっています。その時点での順位がリーグ順位となり、クライマックスシリーズ進出チームもそれによって決定されます。
ただし、未消化試合についてはクライマックスシリーズと並行して可能な限り開催されます。
CS進出へのクリンチナンバーとは?
プロ野球ではリーグ優勝決定までのカウントダウンの数字として「マジックナンバー」がありますが、クライマックスシリーズ進出に向けては「クリンチナンバー」というものがあります。
しかし、実際にはリーグ3位以内が確定するまでの勝利数を計算するのは非常に困難であるため、クリンチナンバーはクライマックスシリーズ進出までの目安を算出した数字となっています。
現在、メディアで使われているクリンチナンバーとは、クライマックスシリーズ進出を確定させるために必要な最小の勝利数で、ゼロになると進出決定となります。
しかし、実際にはリーグ3位以内が確定するまでの勝利数を計算するのは非常に困難であるため、クリンチナンバーはクライマックスシリーズ進出までの目安を算出した数字となっています。
現在、メディアで使われているクリンチナンバーとは、クライマックスシリーズ進出を確定させるために必要な最小の勝利数で、ゼロになると進出決定となります。
過去のクライマックスシリーズ
「完全優勝」は過去何回?
リーグ優勝チームがクライマックスシリーズも制して日本シリーズに進むことを「完全優勝」と呼ぶことがあります。
2007年から2019年までの13シーズンで、レギュラーシーズン優勝チームが「完全優勝」を達成したのは、セ・リーグで10回、パ・リーグでも同じく10回。CSファイナルステージではリーグ優勝チームにアドバンテージが与えられることもあり、やはり圧倒的に有利と言えます。
2007年から2019年までの13シーズンで、レギュラーシーズン優勝チームが「完全優勝」を達成したのは、セ・リーグで10回、パ・リーグでも同じく10回。CSファイナルステージではリーグ優勝チームにアドバンテージが与えられることもあり、やはり圧倒的に有利と言えます。
下剋上で日本シリーズ進出したチーム
セ・リーグ、パ・リーグともに、13シーズン中3回は2位、3位のチームが日本シリーズに進出する「下剋上」を起こしています。
セ・リーグではアドバンテージ制のなかった2007年の中日ドラゴンズと2014年の阪神タイガースがレギュラーシーズン2位から、2017年の横浜DeNAベイスターズは3位からクライマックスシリーズを制しました。
一方のパ・リーグでは2010年に千葉ロッテマリーンズが3位から、2018年と2019年は福岡ソフトバンクホークスが2年連続で2位から日本シリーズに進出しました。
セ・リーグではアドバンテージ制のなかった2007年の中日ドラゴンズと2014年の阪神タイガースがレギュラーシーズン2位から、2017年の横浜DeNAベイスターズは3位からクライマックスシリーズを制しました。
一方のパ・リーグでは2010年に千葉ロッテマリーンズが3位から、2018年と2019年は福岡ソフトバンクホークスが2年連続で2位から日本シリーズに進出しました。
2020年のクライマックスシリーズ日程
2020年のプロ野球でも、クライマックスシリーズは行われます。両リーグともに同じ日程で、CSファーストステージが10月24日から、CSファイナルステージが10月28日からの予定となっています。
レギュラーシーズンの上位チームが、日本シリーズ進出をかけて激突する熱い戦いに期待しましょう!
レギュラーシーズンの上位チームが、日本シリーズ進出をかけて激突する熱い戦いに期待しましょう!
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