軟式ボールの規格変更!ボールの歴史と合わせて解説【初心者ガイド】
軟式ボール規格の変更が発表され、2018年度から全日本軟式野球連盟の大会から使用されます。規格変更によってボールがどのように変わったのかを調べてみました。過去使われていた軟式ボールの歴史を振り返りながら、軟式ボールについて解説します。
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公式ライター Activel_director
軟式ボールの新野球公認球とは?
以前の規格では、小学生がC号、中学生がB号、一般がA号と区分されていましたが、新しくなる軟式ボールでは呼び方やサイズの違いだけでなく、区分も見直されることになります。3種類あった公認軟式ボールが2種類に変わり、ボールの質が硬式に近いものに改良されました。
今回の改良により、硬式ボールと軟式ボールの違いが小さくなることから、硬式から軟式、軟式から硬式への移行がスムーズになることが見込まれています。
新規格ボールのサイズや種類
1つ目がM号です。直径が72mmで重さが138g、反発高さが80cmとなっています。
2つ目がJ号です。直径が69mmで重さが129g、反発高さが70cmとなっており、M号より低年齢向けの仕様です。
旧規格の一般用軟式ボールのA号の仕様が、直径72mm、重さ136g、反発高さ95cmでしたので、反発高さが大きく抑えられた形になります。
公認球としていくつかのメーカーから新規格の軟式ボールが販売されていますが、ほとんど違いはありません。大会で使用されるメーカーを事前に確認して、感触を確かめてみると良いでしょう。
中学野球はM号球に変更
旧規格のB号と比較してみましょう。B号の直径が70mmだったので2mm大きくなります。重さは、B号が135gだったのに対してM号は138gになり3g重くなります。反発の高さはB号が90cm、M号が80cmになり、大幅に反発が低くなりました。
重さや大きさ、反発高さが一般と同じ仕様になることから、対応には時間が必要かと考えられます。体への負担が大きくなりますので、使用される際には十分に注意して慣らしていきましょう。
少年野球はJ号球に変更
C号とJ号の比較をしてみます。C号の直径は69mm、J号は68mmでした。重さはC号が129gだったのに対しJ号は128gでした。反発高さはC号が75㎝、J号が70㎝となっています。
J号もM号と同様に、反発高さが抑えられています。直径、重さもわずかですが大きく、重くなっています。
ほんの少しの感覚の違いで、プレイに影響することも考えられますので、新規格の軟式ボールを使用しての練習は徐々に慣らしていくことから始めましょう。
ボールの重さによって負担が変わるので注意
全日本軟式野球連盟が検討を重ね、医学的な面からも大丈夫だという判断に至り規格変更になりましたので安心してください。中学生は一般用ボールと統合されるため、肩や肘の負担を心配される方がいらっしゃると思いますが、注意すべきはボールではなく投げ方です。慣れないボールを使用することで、無駄に力んでしまうと怪我に繋がります。
規格変更により硬式に近づいた
軟式ボールと硬式ボールの違いを出来る限り小さくするために、今回の新規格の改良になりました。
軟式ボールの規格を変えた背景とは?
昔と比べて現代の子供の体格が伸びてきている
体格の考慮だけでなく、軟式野球から硬式野球への移行がスムーズにいくように改良が加えられています。軟式ボールの特徴である、ゴム特有の反発力の大きさを抑えて硬式ボールに出来る限り近づけられました。
軟式ボールの歴史
しかし、テニスボールは耐久性に劣り、使いづらいという問題があったのです。そこで、当時あったゴム会社が野球用の軟式ボールを世界で初めて開発し販売しました。それによって、一時期減少していた野球人口が盛り返し、少年野球の全国大会が開催されるに至りました。
軟式野球の世界的な認知度は低いものの、野球大国キューバの少年野球では軟式野球が浸透しています。
これまでにもボールの規格変更は何度かあった
過去の規格を振り返ると、名称であったりボールの新規追加など様々な変化があったことが分かります。今回の新規格では、1951年から一度も変化することがなかった中学生のボールのサイズが大きくなりました。昔に比べて、身長と体重が伸びてきていることから一般用の重さに対応可能と判断したそうです。
1951年~1984年の軟式ボールの軟式ボール
A号は中学生から一般を対象としており、直径が69.5-70.5ミリ、B号は準硬式で直径71.5-72.5ミリ、C号は小学生対象で、直径67.5-68.5ミリでした。
1969年になると、A号とB号とC号に加えてL号というものが新しく追加されます。このL号は一般成人用向けのボールになり、直径が71.5-72.5ミリの大きさです。
1985年~2005年の軟式ボール
A号、B号、C号、D号、H号の5種類が認定球となり、学童の中でも低学年向けのD号が新規追加されたボールです。旧L号が名称変更でA号になり、対象が一般で、直径71.5-72.5ミリの大きさです。旧A号がB号になり、対象は中学生で、直径は69.5-70.5ミリの大きさです。C号は1985年以前と変わらないまま、学童を対象とし若干の改良が加えられました。新しく追加されたD号は学童低学年を対象とし、直径64.0-65.0ミリの大きさです。準硬式の旧B号はサイズはそのままH号に名前が変更になりました。
2006年~2017年の軟式ボール
直径や重さ、反発力に関しては旧規格のボールと変化はありませんが、性能に改良が加えられています。従来に比べて約10%の飛距離アップと、変化球が投げやすい作りに変わりました。縫い目が高くなり、ボールの空気抵抗に影響が出て、直球の伸び、変化球の曲がり具合が増加することになります。その他の変化として、反発力に変化はないものの、2バウンド以降の高さが抑えられるように設計されました。
2017年以降の軟式ボール
M号は旧規格の一般用のボールと比較しても、大きくて重いものになります。中学生への影響が大きい規格変更です。中学生は一般向けと統一されたため、違和感が大きいかもしれません。使い慣れない内は投球数に気を配り、体への負荷には十分に注意する必要があります。
新しい軟式ボールはいつから使われるのか?
今回の規格変更では、M号とJ号が認定球として一般から学童向けの軟式野球大会で使用されることになります。M号とJ号とで使用が開始される時期が異なり、更にM号の中でも中学生と高校以上でタイミングが異なります。M号とJ号の販売時期も併せて調べておき、大会前に万全の準備をしておきたいです。
高校生以上と中学野球以下では変更のタイミングが異なる
軟式ボールの大きさと重さが変わることで、新規格に慣れるという問題だけではなく、備品も対応が必要です。所持しているバッティングマシーンと新規格の軟式ボールの互換性の確認をしておきましょう。また、ボールが硬式に近づくことで危険性が高まりますのでエルボーガードやフットガードも必要になるかもしれません。
新規格のボールの販売
J号球は練習球のみ販売が確認出来ています。公認球は10月下旬より販売開始としている店舗がいくつかありました。練習球は実際の大会で使用されることはありませんが、練習と練習試合で使う分には問題ありません。早く使用して感覚を掴んでおきたいという人は練習球を購入してみるのも良いかもしれません。ただし、手触りであったり質の部分で認定球とは異なる部分があるのも確かです。その辺りを踏まえたうえで判断してください。
軟式ボールの規格変更まとめ
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