エルボーガードとは、野球選手がデッドボールや自打球によるケガから肘を守るための防具です。エルボーガードの使い方は、ピッチャー側の腕に巻き付けるだけと簡単です。エルボーガードには、各メーカーでデザインや特徴に違いがあり、自分にあったものが選べるため、プロ野球だけではなくアマチュア野球、少年野球、軟式野球やソフトボールでも使われるようになりました。
エルボーガードとは?
エルボーガードとは、野球選手がバッティングのときに
肘を守るために使う防具のことです。メーカーによっては、商品名が、
アームガードと呼ばれることもあります。
硬式野球は球が固いため、特に、デッドボールや自打球が肘に当たったときに大きなケガに繋がる場合があります。ときには選手生命に関わるほどのケガとなるあるため、エルボーガードで肘をカバーし、ケガの防止に努めることが大切です。
エルボーガードを付ける意味
エルボーガードを付ける意味は、
ケガの防止です。硬式野球では非常に硬いボールを使用するので、時速100キロ以上の投球が当たると大ケガにつながることがあります。
肘にボールが当たって骨折をすると、選手生命に影響が出るため、常にエルボーガードを付けて身を守るようにしましょう。
アームガードとの違い
エルボーガード |
アームガード |
エスエスケイ |
ミズノ |
ZETT |
アディダス |
EVOSHIELD etc |
久保田スラッガー |
アームガードとエルボーガードの違いは、メーカーによる商品名の呼び名の違いとなります。商品名は違っても、用途はどれも同一となります。インターネットで検索するときは注意しましょう。
エルボーガードの使い方・付け方
エルボーガードは、打席に立つとき肘の部分に装着して使います。エルボーガードは、腕を通す付け方とベルトで腕に巻く付け方があり、どちらの方法もとても簡単で手間も時間もかかりません。
使い方
エルボーガードは、自分に向かってくるボールに対して使用するため、打者がバッターボックスに立つときに
ピッチャー側の腕に巻き付けて使います。
【右バッター】
左肘に巻き付けて使う
【左バッター】
右肘に巻き付けて使う
付け方
エルボーガードの付け方には、
サポーターのように腕を通す付け方と面ファスナー付きのベルトで腕に巻く付け方があります。
【サポーター式】
スイングのときにズレにくいが、汗をかいていると付け外ししずらい
【ベルト式】
慣れるまではうまく付けられずにズレることもあるけれど、着脱が簡単
エルボーガードの選び方
エルボーガードの選び方には、3種類の方法があります。
・形
・カラー
・左打者用・右打者用・左右兼用
エルボーガードには、サポーター式と面ファスナー付きベルト式があり、ひとつのパーツのもの、2つのパーツにわかれているもの、3つのパーツにわかれているものといったさまざまな種類やデザインがあります。選ぶときの決め手は、違和感がないことと自分の好みにあうかどうかを重視しましょう。
形
エルボーガードの形には、肘を包み込むような
L字型と、二の腕に巻き付けて肘までカバーする
真っ直ぐ型の2つのタイプがあります。
【L字型】
ケガの防止に優れている
【真っ直ぐ型】
肘が曲げやすくバッティングに影響が少ない
カラー
区分 |
エルボーガードの色 |
高校生まで |
黒・紺・白 |
大学野球 |
色付き・柄付き |
社会人野球 |
プロ野球 |
エルボーガードのカラーは、
黒・紺・白が基本色です。一般に高校生までは野球道具の色の規制があり、エルボーガードは黒・紺・白に限るとされています。
しかし、大学野球以降は規制が無くなるため、選手は、色つき・柄ものやオーダーでオリジナルデザインのものを使用する場合が多く、ユニフォームの色にあわせるなど、エルボーガードでおしゃれを楽しんでいます。
左打者用・右打者用・左右兼用
エルボーガードには、左打者専用と右打者専用に分かれて販売している商品と、左右打者が兼用できる商品があります。左打者用・右打者用に分かれているものは、兼用のものと比較すると、フィットするため使いやすいですが、左右兼用のもののほうが種類が多いため、好みにあうものが見つかりやすいです。
野球のエルボーガードおすすめ8選ー国内ブランド
国内ブランドのエルボーガードは、使いやすく丈夫だと評判の高いものが多く、日本人の体格やプレースタイルにピッタリのものを提供しているメーカーが多いのが特徴です。日本製のエルボーガードには、高校野球に使用できるシンプルで地味なデザインのものやユニフォームとのカラーコーディネートを楽しめるようなカラフルなものがあります。
ミズノのエルボーガード 1DJPG101
商品の仕様 |
2点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
表地:ポリエチレン |
重量 |
約230g |
色 |
白・黒・紺 |
おすすめ対象 |
高校球児・硬式野球 |
ミズノのエルボーガード1DJPG101は、アームガードの商品名で販売されている、二の腕の部分と肘のパーツに分かれているL型タイプです。白・黒・紺の単色で見える部分にマークも商標もプリントされていないため、規制の厳しい高校野球に対応しています。装着したときにぴったりとフィットするように作られているので、違和感なく使いやすいと人気です。
SSKのエルボーガード egsp3
商品の仕様 |
3点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
ポリエステル・ポリエチレン |
重量 |
約200g |
色 |
ネイビー・ブラック・ホワイト |
おすすめ対象 |
高校球児・硬式野球 |
SSKのエルボーガードegsp3は、ミズノ製の次に人気があります。egsp3は、ベルトを3つにすることで、肘のフィット感を強め、スイングをしたときのズレ軽減に成功しました。着脱に時間がかかるのが難点ですが、感覚を大切にするプレーヤーには好評のエルボーガードです。
アシックスのエルボーガード 3123A470
商品の仕様 |
1点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
ポリエステル・ポリエチレン・PUスポンジ・PEスポンジ |
重量 |
約108g |
色 |
ホワイト・ブラック・ネイビー |
おすすめ対象 |
高校球児・硬式野球 |
アシックスのエルボーガード3123A470は、他のメーカーのものと比較すると軽さが特徴です。メッシュ素材で軽さを追求しており、サイズも小さいため、バッティングのときにエルボーガードの存在がまったく気になりません。パフォーマンスに悪い影響が出ないように考えてつくられた商品です。
ゼットのエルボーガード BLL317
商品の仕様 |
多面体構造・3分割構造・コネクトベルト構造・左右打者兼用タイ |
素材 |
ポリエステル
|
重量 |
約220g |
色 |
ブラック・ホワイト |
おすすめ対象 |
高校球児・硬式野球 |
ゼットのエルボーガードBLL317は、ゼット独自の多面体構造で、ぴったりと腕になじむデザインです。3分割されたパーツで形成されていて、肘を曲げると腕の部分と肘の部分の間にすき間ができるので、肘を動かしやすくできています。BLL317は、エルボーガードをつけている違和感を嫌う選手に好評です。
ハイゴールドのエルボーガード ARG-120
商品の仕様 |
1点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
PE・ポリエステル・EVA・XPE
|
重量 |
約150g |
色 |
ブラック・ホワイト |
おすすめ対象 |
高校球児・硬式野球 |
ハイゴールド製エルボーガードARG-120は、コンパクトサイズの軽量モデルで、バッティング時の違和感が最小限に抑えられた使いやすい商品です。シンプルで清潔感のあるイメージのデザインで、価格設定が低めで購入しやすいことから、派手さを押さえなくてはならない高校球児が使うのにピッタリです。
ハタケヤマのエルボーガード BG-AGM
商品の仕様 |
2点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
ポリエチレン・ポリエステル |
重量 |
200g平均 |
色 |
ブラック・ホワイト・ネイビー |
おすすめ対象 |
高校球児・硬式野球一般 |
ハタケヤマのエルボーガードBG-AGMは、シンプルなデザインですが、高品質です。ハタケヤマは、高品質のキャッチャー道具を製作している有名メーカーで、プロテクター製作の高度な技術を持っています。防具製作で右に出る者がいないハタケヤマがつくった高品質なエルボーガードは、ケガから自分の体を守ることを最優先に考える選手のために最適の商品です。
久保田スラッガーのエルボーガード SAG-11
商品の仕様 |
2点ベルト固定式・左右打者別タイプ |
重量 |
約255g |
色 |
ホワイト・ブラック・オーダー |
おすすめ対象 |
高校球児・硬式野球 |
久保田スラッガーのエルボーガードSAG-11は、高校野球に対応されているのでマークや商標がデザインされていませんが、一般用のものはカラーオーダーも可能です。固定用ベルトの前面や肘パッドに刺しゅうでネームや背番号を入れるなど、オーダーの種類が豊富なため、よく日本のプロ野球選手に使用されています。好きなプロ野球選手と同じデザインのものが使えると人気を集めています。
ベルガードのエルボーガード AL811
商品の仕様 |
2点ベルト固定式・左右打者別タイプ |
色 |
ヘリカラー:黒・紺・赤・青・オーダー |
おすすめ対象 |
硬式野球 |
ベルガードのエルボーガード AL811は、フチに色が付いている、変わったデザインのエルボーガードです。ベルガードのエルボーガードは、色の種類が多く、20色の基本カラーを細かい部分の色までオーダーできるため、自分だけのオリジナルエルボーガードを楽しめると人気の商品です。 AL811は、日本のプロ野球選手よりもメジャーリーガーに多く使われています。
野球のエルボーガードおすすめ5選ー海外ブランド
海外ブランドのエルボーガードは、スタイリッシュで洗練された企業イメージがあり、ほかの道具と一式でコーディネートする選手が多くいます。デザイン性に優れ、品質が高いものが多い海外ブランドの商品は、メジャーリーガーが愛用する傾向が強いです。ファンのなかには、お気に入りの選手の真似をしたくて海外性を購入する人もいます。
アディダスのエルボーガード FYK73
商品の仕様 |
1点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
メッシュ・ポリエチレンフォーム |
色 |
カレッジネイビー・ブラック・スカーレット
|
おすすめ対象 |
軟式野球 |
アディダスのエルボーガードFYK73は、他のメーカーにはないデザインが目を引く商品です。アディダス社が、アパレル部門の力を発揮した野球道具とは思えないおしゃれな色彩と形は、見た目の印象も大切にする選手や女子選手から高い支持を得ています。
ナイキのエルボーガード BA3003-010
商品の仕様 |
1点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
ポリエステル,・ポリウレタン・EVA樹脂,・DRI-FIT |
色 |
ブラック・ゲームロイヤル・ユニバーシティレッド |
おすすめ対象 |
硬式野球 |
ナイキのエルボーガードBA3003-010は、裏地にナイキが独自に開発したDRI-FIT素材を使用し、吸湿性に優れているため快適な使い心地がおすすめドです。ナイキは、2013年以降日本での野球道具製造・販売から撤退ししてしまったため、エルボーガードも入手が困難になりつつあります。BA3003-010は、希少価値のあるものを使って目立ちたい人にピッタリの商品です。
エボシールドのエルボーガード 2046120
商品の仕様 |
1点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
開封すると固まる特殊素材 |
色 |
11色 |
おすすめ対象 |
硬式野球 |
エボシールドのエルボーガード2046120は、腕や肘にあわせて成型できる特殊なパッドを使用しているため、自分だけのオリジナル商品が完成します。2046120は、フィット感に優れているため非常に使いやすく、ほかのメーカーにはない海外メーカーらしい色の多さと美しさが魅力で、新しいもの好きの選手に好まれています。
アンダーアーマーのエルボーガード 1300722
商品の仕様 |
2点ベルト式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
ポリエステル、ポリエチレン樹脂、ポリウレタンフォーム |
色 |
ブラック・ホワイト・ミッドナイトネイビー |
おすすめ対象 |
高校球児・硬式野球 |
アンダーアーマーのエルボーガード1300722は、高校野球対応のため、アンダーアーマー商品特有の目立つ部分にプリントされているマークがない珍しいデザインです。アンダーアーマーは、アスリートのカッコよさを追求するデザインと機能性が高く評価され、特に黒を基調とした商品が人気です。
ローリングスのエルボーガード EAC8F11
商品の仕様 |
1点ベルト固定式・左右打者兼用タイプ |
素材 |
ポリエステル・EVA・ハードEVA・ナイロン |
色 |
ブラック・グリーン・ブルー・レッドオレンジ |
おすすめ対象 |
軟式野球 |
ローリングスのエルガードEAC8F11は、軟式用の軽量タイプでほかにはない迷彩柄デザインでが気の秘訣です。ローリングスは、デザインや性能がよいのに価格設定が低く購入しやすいのが特徴で、愛好者が多く、メジャーリーガーが好んで使っています。
ソフトボールでおすすめのエルボーガード
ソフトボールでおすすめのエルボーガードは、軽量タイプです。ソフトボールで使うエルボーガードを選ぶときには、次の2点を抑えておきましょう。
・野球用との違い
・見た目も重要ポイント?
装備を付けることに慣れていない選手には軽量タイプの軟式用が扱いやすいです。
野球用との違い
ソフトボール用のエルボーガードと野球用との違いは、強度です。ソフトボールは、ゴム製のボールや軽いボールを使用するため、デッドボールや自打球が当たっても大きなケガにつながることは少なく、野球で使用する固く作られたエルボーガードは必要ありません。ソフトボール用には、野球と兼用することができる軟式用の軽量タイプが販売されています。
見た目も重要ポイント?
女子選手が多いソフトボールでは、技術だけではなく、見た目に気をつかう傾向が強いため、エルボーガード選びは、見た目も重要なポイントとなります。女子のソフトボール選手はソフトボールのユニフォームやグローブに、カラフルで華やかなものを好むため、エルボーガードも機能性とデザイン性の高さを兼ね備えたカラフルな商品が人気となります。
エルボーガードの実際の例
エルボーガードの実際の例を見てみると、所属団体によって色やデザインなどの規制があり、それぞれの特色があることがわかります。
プロ野球
プロ野球選手では、色や形に規制はないため、メーカーとアドバイザリー契約を交わしているほとんどの選手が、オーダーメイドのエルボーガードを使用しています。
プロ野球選手はケガをしたり、成績が下がると収入に影響が出るため使用するエルボーガードは機能性と安全性の両方を兼ね備えていることが必須となり、メーカー側も選手の要望に沿って改良を重ねたよいエルボーガードを提供する努力をしています。
社会人野球
社会人野球では、市販の商品に自分の好みやチームカラーを基準にしてカラーオーダーしたエルボーガードを使用する選手が多くいます。社会人野球の選手は、学生と違って道具にお金をかけることができるため、自分のプレースタイルにあった品質のよいエルボーガードを選ぶ傾向にあります。
大学野球
大学野球では、学生のためメーカーとの契約を結んでいる選手はほとんどいないため、既製品のエルボーガードを使用しています。道具に関する規制がないためメーカーやデザインは自由ですが、各大学で独自に決められているルールにしたがって選ばなければならない場合もあります。
高校野球
高校野球は規制が非常に厳しいため、エルボーガードは、黒・紺・白の3色の単色使いに限られ、マークや商標が見えるところに付いているものを使用してはいけないと決められています。高校生らしい華美ではない道具を使うことを目的として規制を設けているため、ルールを守れない選手は試合に出場することができません。
少年野球・中学生
少年野球の中学生の硬式野球チームでは、既製品のエルボーガードを付けている選手が多くいます。少年硬式野球には5つの区分がありますが、最も規制が厳しいのはリトルシニアリーグで、規制内容が高校野球とほぼ同じとなります。残りの4つのリーグでは、チームによっては独自の規制を設けている場合があります。
・リトルシニアリーグ
・ボーイズリーグ
・ヤングリーグ
・ポニーリーグ
・フレッシュリーグ(九州地区のみ)
少年野球・小学生
少年野球の小学生の硬式野球では、3つの理由からエルボーガードを使用している選手はあまり多くありません。
・ピッチャーの球速が遅いこと
・装着すると腕を動かしにくく、からだに負担がかかること
・少年サイズの展開が少ないこと
必要がないものを付けるよりも、小学生のうちはのびのびと野球を楽しむことが最優先と考えられています。
エルボーガードはケガ防止の必須アイテム
エルボーガードは、デッドボールや自打球が肘に当たることによる
ケガを防止するための必須アイテムです。もともとはプロ野球選手から広まり、現在はアマチュア野球選手も使うようになりました。
エルボーガードは一見、バッティングのときに邪魔となるように見えますが、実際はほとんど違和感なく使用することができるため、肘を守るために使うべき野球道具と言えます。