打撃妨害のルールを詳しく知ろう!打撃妨害が適応になる条件とは?
打撃妨害とは、打者がボールを打つ行為を守備側が妨害したときに適用される、野球のルールです。打撃妨害が起こると守備側にはペナルティーが科せられます。野球は守備優先のスポーツのため頻繁に起こることではありませんが、打者の妨げにならないためにも、ルールを把握しておく必要があります。
2023.01.03
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野球
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打撃妨害とは?
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打撃妨害は、バッターがスイングしたり、ボールを打つ行為を、守備側が妨害したときに適用される野球のルールです。審判から妨害を宣告されるとペナルティーとしてエラーが記録され、相手チームの打者には1塁に進める安全進塁権が与えられます。
野球は守備側が優先されるスポーツのため、頻繁に起こることではありませんが、守備に回るときにバッターの妨げにならないために、意識しておく必要があります。
野球は守備側が優先されるスポーツのため、頻繁に起こることではありませんが、守備に回るときにバッターの妨げにならないために、意識しておく必要があります。
打撃妨害のルール
via pixabay.com
打撃妨害は捕手が打者と接触したり、投球がホームベースに届く前に野手が捕球したりして、打者がボールを打つ行為を邪魔すると適用されます。
妨害をおこなった選手にはエラーが記録され、打撃を邪魔された打者には1塁に進める安全進塁権が与えられます。
妨害をおこなった選手にはエラーが記録され、打撃を邪魔された打者には1塁に進める安全進塁権が与えられます。
打撃妨害の審判の宣告方法
審判の宣告方法は、打撃妨害の発生によってプレーが止まった場合と、ミットが当たったが打球はグラウンドに転がったなどの理由で、プレーが続行した場合の2通りです。
・プレーが止まった場合
審判が「打撃妨害」と宣告し、頭上に両手を上げて、左手の甲を右手で叩きます。
・プレーが続行した場合
審判は選手の邪魔をしないために、妨害が起こったことを声を出さずにジェスチャーで示して、最後までプレーを続けさせます。
・プレーが止まった場合
審判が「打撃妨害」と宣告し、頭上に両手を上げて、左手の甲を右手で叩きます。
・プレーが続行した場合
審判は選手の邪魔をしないために、妨害が起こったことを声を出さずにジェスチャーで示して、最後までプレーを続けさせます。
打撃妨害のペナルティー
打撃妨害が発生したあと、審判がすぐに妨害を宣告した場合は、ボールデッドになります。打者には1塁に進める安全進塁権が与えられ、既に1塁に選手がいたら繰り出しで次の塁へ進むことが可能です。打者は打席を終えたことになりますが、打数はカウントされません。
妨害が起こったとき、3塁ランナーがスクイズやホームスチールを試みていた場合は先へ進むことができ、得点も認められます。
妨害が起こったとき、3塁ランナーがスクイズやホームスチールを試みていた場合は先へ進むことができ、得点も認められます。
打撃妨害での監督の選択権
監督の選択権とは、打撃妨害が発生したあとにプレーが続行した場合、続けたプレーの結果を活かすかどうか、監督が選べる権利です。権利を行使するには、プレーが終了してすぐに審判に伝える必要があり、1度選んだ結果は取り消せません。監督が特に何も言わなければ、プレーが止まった場合の措置がとられます。
プレーが続行した場合、審判は選手を邪魔しないよう、声を出さずにジェスチャーだけおこないます。審判のサインを見逃さないことが重要です。
プレーが続行した場合、審判は選手を邪魔しないよう、声を出さずにジェスチャーだけおこないます。審判のサインを見逃さないことが重要です。
打撃妨害のスコアブックの付け方・記号
打撃妨害は、英語圏でインターフェアランス(英:interference=妨害、干渉の意)の一種とされるため、スコアブックではIFと表記します。IFの前か後ろには、誰による妨害なのか、相手の守備番号もあわせて記入しておくと分かりやすいです。
図は、投球を打とうとした打者が相手チームの捕手から妨害を受けたことを示しています。
ただ、野球のスコアブックには特別決まった規則はありません。自分が分かりやすい書き方で記入しましょう。
図は、投球を打とうとした打者が相手チームの捕手から妨害を受けたことを示しています。
ただ、野球のスコアブックには特別決まった規則はありません。自分が分かりやすい書き方で記入しましょう。
打撃妨害になる3つのケース
打撃妨害が起きる原因は、大まかに言って3通りです。
・接触による妨害
・前進による妨害
・捕球による妨害
打者を妨害してペナルティーを科せられることも不利益になりますが、ぶつかったりするとケガをする可能性もあります。ペナルティーやケガを防ぐために、どのような場面で妨害を宣告されてしまうのか、理解しておきましょう。
・接触による妨害
・前進による妨害
・捕球による妨害
打者を妨害してペナルティーを科せられることも不利益になりますが、ぶつかったりするとケガをする可能性もあります。ペナルティーやケガを防ぐために、どのような場面で妨害を宣告されてしまうのか、理解しておきましょう。
接触による妨害
打席で捕手が打者や、打者のバットと接触すると、打撃妨害になります。捕手が身につけているミットやプロテクターなどの道具で、打者に触れるのもNGです。
たとえば、捕手が打者の近くでミットを構えていて、打者が振ったバットがミットに当たった場合、捕手が打撃の邪魔になったと判定されます。
たとえば、捕手が打者の近くでミットを構えていて、打者が振ったバットがミットに当たった場合、捕手が打撃の邪魔になったと判定されます。
前進による妨害
捕手が球を持っていない状態で、本塁上や、本塁よりも前に進んでしまうと、打撃妨害となります。
たとえば、ミットが空っぽの状態で投球を捕りたいと思っている捕手が、本塁の上にいたせいで、打者が球を打てなかった場合、打撃の邪魔をしたと判定されます。
たとえば、ミットが空っぽの状態で投球を捕りたいと思っている捕手が、本塁の上にいたせいで、打者が球を打てなかった場合、打撃の邪魔をしたと判定されます。
捕球による妨害
打者が打つ前に、投手がプレートを踏んだ状態で投げた球(投球)を捕手や野手が、本塁上や、本塁よりも前でキャッチすると、打撃妨害となります。
たとえば捕手が投球をキャッチしたくて気がはやり、本塁の上で、打者がバットを振る前に投球を捕ると、打撃の邪魔になったと判定されます。
たとえば捕手が投球をキャッチしたくて気がはやり、本塁の上で、打者がバットを振る前に投球を捕ると、打撃の邪魔になったと判定されます。
打撃妨害の実際の例
野球には守備が優先される決まりがあるため、打撃妨害は頻繁に起こる反則行為ではありません。しかし、宣告されるとペナルティーをとられたり、ぶつかったりするとケガをする可能性があり危険です。
実際の例を確認し、妨害に対して知識を深め、ペナルティーを科せられたり、ケガをすることを防ぎましょう。
実際の例を確認し、妨害に対して知識を深め、ペナルティーを科せられたり、ケガをすることを防ぎましょう。
打撃妨害で進塁したケース
via www.youtube.com
2008年、甲子園球場でおこなわれた金沢高校と桐生第一高校の試合で起きた打撃妨害です。
9回裏、2アウト1塁2ストライクの状況で、桐生第一の打者が球を打ったとき、金沢の捕手のミットに当たりました。ボールは転がり、投手が2塁に投げ試合終了と思われましたが、声を出さずにジェスチャーだけしていた審判が打撃妨害を宣告します。
守備側にペナルティーが与えられ、打者と1塁ランナーが進塁し、2アウト1、2塁で試合は継続されました。
9回裏、2アウト1塁2ストライクの状況で、桐生第一の打者が球を打ったとき、金沢の捕手のミットに当たりました。ボールは転がり、投手が2塁に投げ試合終了と思われましたが、声を出さずにジェスチャーだけしていた審判が打撃妨害を宣告します。
守備側にペナルティーが与えられ、打者と1塁ランナーが進塁し、2アウト1、2塁で試合は継続されました。
打撃妨害でサヨナラになったケース
日本プロ野球界において打撃妨害でサヨナラになった試合 | |||
---|---|---|---|
年/月/日 | 場所 | 勝ち | 負け |
1964/8/22 | 東京スタジアム | 東京オリオンズ | 阪急ブレーブス |
1975/9/15 | 阪神甲子園球場 | 阪神タイガース | 大洋ホエールズ |
2006/9/7 | 下関球場 | 横浜ベイスターズ | 広島東洋カープ |
日本プロ野球界において、打撃妨害でサヨナラになった試合は3試合あります。
2006年に下関球場でおこなわれた横浜ベイスターズと広島東洋カープの試合では、延長10回裏、2アウト満塁で横浜の佐伯選手がスイングしたとき、広島の捕手・石原選手のミットと接触しました。佐伯選手は1塁に、別の塁にいた選手が繰り出しで進塁したことで3塁ランナーがホームインし、横浜のサヨナラ勝ちになりました。
2006年に下関球場でおこなわれた横浜ベイスターズと広島東洋カープの試合では、延長10回裏、2アウト満塁で横浜の佐伯選手がスイングしたとき、広島の捕手・石原選手のミットと接触しました。佐伯選手は1塁に、別の塁にいた選手が繰り出しで進塁したことで3塁ランナーがホームインし、横浜のサヨナラ勝ちになりました。
打撃妨害で監督の選択権が使われたケース
監督の選択権が使われたのが、2008年に西武ドームでおこなわれた埼玉西武ライオンズと中日ドラゴンズの試合です。
2回裏1アウト1、3塁で、西武の細川選手がスイングしたとき、中日の捕手・小田選手のミットと接触しました。転がった打球は1塁に送球され細川選手はアウトになりましたが、1塁ランナーは2塁に、3塁ランナーはホームインしていたため、西武の渡辺監督はプレーを活かすことを選び、2アウト2塁、1得点の結果となりました。
2回裏1アウト1、3塁で、西武の細川選手がスイングしたとき、中日の捕手・小田選手のミットと接触しました。転がった打球は1塁に送球され細川選手はアウトになりましたが、1塁ランナーは2塁に、3塁ランナーはホームインしていたため、西武の渡辺監督はプレーを活かすことを選び、2アウト2塁、1得点の結果となりました。
打撃妨害に関係するルール
打撃妨害に関係するルールに、攻撃側が守備側を妨害する守備妨害が挙げられます。英語圏では、打撃妨害も守備妨害も、インターフェアランス(英:interference=妨害、干渉の意)の一種とされています。
同じ状況でも打撃と守備、どちらの妨害がとられるか、見分けがつきにくいことがあるため、選手や監督、審判も、試合をよく見ておかなくてはなりません。
同じ状況でも打撃と守備、どちらの妨害がとられるか、見分けがつきにくいことがあるため、選手や監督、審判も、試合をよく見ておかなくてはなりません。
守備妨害について
守備妨害とは、送球をキャッチしたり、球を投げるために動いている「プレーに携わっている状態」の選手に対して、攻撃側が邪魔をした場合に宣告される、反則行為です。
妨害行為を起こした選手はアウトを取られたり、別の塁上にいる選手が、妨害が発生したときにいた塁まで戻されるペナルティーが、攻撃側に与えられます。
妨害行為を起こした選手はアウトを取られたり、別の塁上にいる選手が、妨害が発生したときにいた塁まで戻されるペナルティーが、攻撃側に与えられます。
打撃妨害と守備妨害の関係性
投手がプレートを踏んだまま投げた球(投球)を打とうとしている打者と、捕手が接触すると、打撃妨害となります。しかし、同じ状況で、投手がプレートを外して本塁に投げた球(送球)の場合は、守備妨害です。
投球は相手チームの打者と対戦するために投げた球で、送球は自分のチームの野手に繋ぐ目的で投げている球だからです。ボールを投げる目的で、どちら側の妨害になるかも変わってきます。
投球は相手チームの打者と対戦するために投げた球で、送球は自分のチームの野手に繋ぐ目的で投げている球だからです。ボールを投げる目的で、どちら側の妨害になるかも変わってきます。
打撃妨害を起こさないように注意しよう
野球は守備優先のスポーツのため、打撃妨害は頻繁には起こりません。しかし、宣告されてしまうと相手チームに安全進塁権や監督の選択権が与えらます。安全進塁権が与えられたばかりに、相手チームのサヨナラ勝ちになったケースもありますし、接触したときにケガをしてしまう恐れもあります。
相手チームの有利にならないように、守備側、特に捕手は、妨害を起こさないように注意しましょう。
相手チームの有利にならないように、守備側、特に捕手は、妨害を起こさないように注意しましょう。
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