プロ野球のリクエスト制度とは?細かいルールと今後の課題を解説
プロ野球のリクエスト制度とは、審判の判定に対してビデオ判定を要求できる制度です。プロ野球のリクエスト制度のルールは、ビデオ判定を要求できるプレーはアウト・セーフに関連するものとされています。リクエストの回数は2回とされています。リクエスト制度のルールや条件を理解してプロ野球を楽しみましょう!
Writer
公式ライター Activel_director
プロ野球のリクエスト制度とは?
2010年から2017年まではホームランの判定に対してのみ要求できましたが、2018年より他のプレーにも要求できるようになりました。
しかし、リクエスト制度のルールって結局どういうものなの?という人も多いはず。
この記事では、リクエスト制度のルールや具体例、今後の課題について解説していきます。
プロ野球のリクエスト制度の適用範囲
リクエスト制度の対象となるプレーとは?
ほとんどの場合、各塁でのアウト、セーフのタイミングや送球を捕った選手の足が塁から離れたかどうか、という判定でリクエストが要求されます。
なお、アウト・セーフを判定するものではありませんが、デッドボールの判定に対してはリクエストを要求できます。
リクエスト制度を対象にならないプレーとは?
・ボーク
・投球判定(ストライク、ボール)
・ハーフスイング
・自打球
・走塁妨害
・守備妨害
・インフィールドフライ
・審判員(塁審)より前方の打球
基本的にアウトかセーフかを判定しないプレーや審判の裁量に基づいて判定する○○妨害、インフィールドフライに対してはリクエストを要求できません。
また、審判がいる位置よりも前で起こったプレーに対してもリクエストを要求できません。審判よりも前でのプレーとは、フェア・ファールの判定と内野フライを直接キャッチしたかが中心になります。
プロ野球のリクエスト制度のルールは?
リクエストの回数
リクエストを要求して判定がくつがえればリクエスト要求の権利は減りませんが、判定が変わらなかった場合はリクエストの権利が減ります。
なので、リクエストが成功すれば何回でもリクエストを要求できますが、2回失敗した場合はそれ以降リクエストを要求できなくなるということです。
また、延長戦に入ると新たに1回リクエスト要求の権利が増えます。
ビデオ判定・検証の時間
リクエスト要求を受けた審判は迅速に判断して、判定を伝える必要があります。
しかし多くの場合2~3分程度で終わることがほとんどで、審判が焦って判断しなければならない場面はあまり多くありません。
リクエストの判定
【リクエスト】検証後に激怒の猛抗議で緒方監督が退場!
リクエストでのビデオ判定が正しいかどうかに関係なく、リクエスト検証の後に抗議することは認められていません。
・リクエストは失敗すると回数が減る
・リクエストの検証時間は1回5分以内
・リクエストによる判定に抗議できない
プロ野球のリクエスト制度の具体例
リクエスト成功の具体例:ヤクルト対阪神
素人レベルの誤審に観客も失笑 余裕セーフのリクエスト 阪神 vs ヤクルト
初めはアウトと判定されましたが、ビデオ判定のリクエスト検証で判定はセーフに変更されました。なお、リクエスト制度の回数は、判定が変更されたためヤクルト側の回数は2回のままで減ることはありません。
リクエスト失敗の具体例:西武対巨人
田口 麗斗 牽制 西武リクエスト失敗 2018.06.09
初めのリクエスト判定はアウトでしたが、リクエスト検証をおこなった後も判定はアウトが変更されることはありませんでした。リクエストの回数は2回から1回に減り、リクエストは失敗となります。
リクエスト導入後の誤審:ソフトバンク対オリックス
2019年6月22日のソフトバンク対オリックス戦でのホームランに関するリクエスト判定は、後に審判団から誤審だったと認められたものになります。
6月22日 ソフトバンクVSオリックス 審判大誤審
この打球は最初ファウルと判定されましたが、ソフトバンクからのリクエスト要求の結果、ホームランに判定がくつがえりました。
試合後のオリックス福良監督による抗議を受けて、審判団が異例のもう一度ビデオ判定がをおこないます。
この結果、審判団から誤審だったことがオリックス側に伝えられました。
オリックスは試合のやり直しを求めて日本野球機構のNPBに提訴します。しかしNPBへの提訴は認められず、オリックスとソフトバンクにとって非常に後味が悪い結果となりました。
プロ野球のリクエスト制度のデメリットや課題
リクエスト制度の精度
原因は、判定をおこなう際の機械や映像が良くないからです。
プロ野球のリクエスト検証で使用される映像は、テレビ局による中継の映像です。
中継映像ではカメラの数が少なく、アングルも限られています。
そのためプレーが分かりにくいことも多く、満足な判定ができないという結果につながっています。
対して、メジャーリーグのチャレンジ制度での専用カメラは12台以上で、それを専門のスタッフが確認します。
メジャーリーグと比べてプロ野球の設備は整っていないため、設備やシステムの改善が大きな課題となっています。
試合の一時中断
ファインプレーが飛び出した後にリクエスト検証がおこなわれると、検証結果に関わらずファンが盛り下がるというシーンも見られます。
また、試合が中断されることで選手の集中力が途切れることもあります。
特に投手は1球ごとにかなり集中力を使っているため、1度途切れると戻すのは難しいものです。
リクエスト制度は選手にもファンにもありがたい制度ですが、試合が中断される点は課題と言えます。
リクエストの判定に抗議できない
しかし、リクエストの判定が間違っているのではないかという場合もあり、その判定を必ずしも信頼できるというわけではありません。
抗議で判定がくつがえることは基本的にありませんが、抗議したことで退場処分とするルールは重すぎると言えます。
判定が難しく疑問や不満が出ることも多いため、ただ退場処分とするのではなく、疑問が出ないルールやシステムの設定も大きな課題です。
プロ野球のリクエスト制度は更に野球観戦を楽しくする!
プロ野球の試合では、今後もたくさんリクエストの要求がされていきます。
設備やルールの課題が改善されることを期待しながら、リクエストも楽しんでいきましょう。
商品やサービスを紹介いたします記事の内容は、必ずしもそれらの効能・効果を保証するものではございません。
商品やサービスのご購入・ご利用に関して、当メディア運営者は一切の責任を負いません。