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シンカーの投げ方とボールの握り方とは?変化球をマスターしよう

シンカーの投げ方とボールの握り方とは?変化球をマスターしよう

野球の変化球の一種にシンカー(sinker)があります。シンカーはスクリューと呼ばれることもあり、それぞれの定義は諸説ありますが、利き腕の方向に曲がりながら落ちるこの球種は、主にゴロを打たせる球種です。ここでは、シンカーの握り方から投げ方までを紹介します。

2023.01.01 野球

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シンカーの投げ方の前にシンカーとは?

サイ・ヤング賞も受賞した故ロイ・ハラデーのシンカー

野球の変化球の一種に数えられるシンカー(sinker)は、sinkという英単語の意味の通りで沈む球種ですが、同じ沈む球種であるフォークボール(forkball)とは次の特徴から区別されます。

■利き腕の方向に曲がりながら落ちる

利き腕の方向に曲がりながらという点が大きな違いで、同じく利き腕の方向に曲がる球種にシュートボール(shootball)がありますが、イメージとしてはフォークボールとシュートボールを足して2で割った球種と言えます。

シンカーの変化と軌道

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シンカーという球種は、その名が示す通り縦方向の変化として沈む、あるいは落ちる軌道を描きますが、それと同時に横方向にも変化し、ピッチャーの利き腕側に曲がります。従って、ストライクゾーンを9分割したものをイメージすると次のように変化する球種となります。

■右投手の場合:真ん中から右打者の内角低めに変化する
■左投手の場合:真ん中から右打者の外角低めに変化する

細かく見ると、シンカーの変化やボールが描く軌道は、ピッチャーの投球フォームによっても異なるところがあるので、大まかな表現であることに留意してください。

シンカーの球速と回転

野球の変化球は全て直球より遅いです。シンカーは、多種多様な変化球の中でも球速は遅い方に入ります。
その理由は、回転(スピン)が少ない球種であるためで、シンカーを投げるピッチャーの投げ方にもよりますが、次のことが回転が少ない要因となります。

■リリース時に、特に人差し指で押し込まない
■リリース時に、中指と薬指の間から抜く

横方向の変化球で、利き腕側に曲がるシュートボールは、人差し指でも押し込んでいきますし、フォークボールは人差し指と中指の間から抜きますから、それらの球種とは異なる球種となります。

スクリューボールとの違い

ウィキペディアでシンカーを調べると、スクリューボール(screwball)と一緒に紹介されています。
シンカーとスクリューの線引きには諸説あるようですが、大きな違いはなく投げるピッチャーに依存し、本人が持ち球としてシンカーと言えばシンカーだし、スクリューと言えばスクリューです。

中には、シンカーとスクリューの両方を持ち球にしているピッチャーもいて、球速と変化の度合いで線引きをしているようです。また、アメリカのメジャーリーグでは、日本でいうシンカーがチェンジアップに分類され、シンカーはシンキングファストボール(sinking fastball)のこと指す見方もあるようです。

シンカーの投げ方①

野球の変化球のボールの握り方は、多種多様にあり、同じ球種でもピッチャーによって握り方は変わりますし、縦と横のスライダーなどのように、同じ球種でも2種類以上を投げ分けるピッチャーもいます。このことは、ピッチャーの投球フォームであったり、ボールを握る手の指の長さが違うことに起因します。

シンカーについても同様で、ボールの握り方は1種類ではありませんが、ここでは基本的なシンカーの握り方2種類を紹介します。

シンカーの握り方①

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1つ目のシンカーの握り方を紹介します。
そのポイントは次の通りです。

■手のひら側からボールを見ると指が正五角形に近い配置になる
■中指を縫い目にかける
■人差し指にはほとんど力を入れない

鷲掴みに近いようですが、中指と薬指の間からボールを抜くことを考えて指を配置して、事実上中指と薬指と親指の3本でボールをホールドしてください。利き腕側に変化させるためには中指の引っ掛かりが非常に重要ですので、きちんと縫い目に掛けましょう。この握り方は、比較的指が長めの方向きです。

シンカーの握り方②

野球の変化球シンカーについて、2つ目の握り方です。
要点は次の通りになります。

■カーブの反対のイメージで、手のひら側から見て人差し指と中指と親指がボールの右半分に配置(右投げの場合)
■中指を縫い目に掛ける
■人差し指にはほとんど力を入れない

3点の内2つは、1つ目の握り方と同じになります。やはり、リリース時に中指と薬指との間からボールを出していくことをイメージすることが重要です。また、こちらの握り方は、比較的指が短めの方に適しています。

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シンカーの投げ方②

シンカーを投げる利き腕ごとの特徴

野球の変化球であるシンカーは、利き腕と反対に曲がりながら落ちる球種です。従って、右投げと左投げとで変化の方向が異なるわけですが、ここで右腕と左腕それぞれのシンカーの投げ方について触れていきます。

前提としてあるのは、右打者に対してと左打者に対しての違いです。
■右投手の右打者に対するシンカー:内角を抉りながら落ちる
■右投手の左打者に対するシンカー:外角に逃げながら落ちる
■左投手の右打者に対するシンカー:外角に逃げながら落ちる
■左投手の左打者に対するシンカー:内角を抉りながら落ちる

右投げのシンカーの投げ方

変化球の投げ方 シンカー編

右投げのピッチャーの場合、シンカーは右打者の内側に、左打者の外側に曲がりながら落ちますが、投げ方で重要なことは、いずれの変化球を投げる時と同様にはなりますが、腕の振りを変えないことです。

これは右投げだからということではありませんが、シンカーの投げるにあたって、リリース時に捻りを加える投げ方と、捻りを加えない投げ方があり、それぞれでその変化に次のような特徴があります。

■捻りを加える:横方向の回転が増すため横への変化が大きくなり球速は捻らない投げ方より速い
■捻らない:ボールの回転が少なくなるため、落差が大きくなるが、球速は捻る投げ方より遅い

左投げのシンカーの投げ方

Masaki Hio on Instagram: “#山本昌  #ドラゴンズ  #ラスト#インスタドラ会 155” (59235)

野球の左投げのピッチャーがシンカーを投げる場合、右投げで投げる時と同様に他の球種と腕の振りを変えないことが最重要項目となります。また、比較的左投げでシンカーを持ち球にしているピッチャーは少ないので、その見慣れない軌道には、間違いなく打者も手こずります。

例えば、2015年に50歳で現役を引退した元中日ドラゴンズの山本昌氏はスクリュー(シンカーともいえる)を覚えたことで開花し、通算219勝を挙げましたが、スクリューを投げる左ピッチャーがあまりいなかったことも大きな記録を残した要因でしょう。

シンカーの投げ方③

オーバースローでの投げ方

金子千尋投手が投じるシンカーはパワーシンカーとも呼ばれている

野球の変化球であるシンカーは、投球フォームによって明らかに変化や軌道が異なる球種です。
ここでは、日本プロ野球のオリックスバッファローズの金子千尋投手や、ソフトバンクホークスの攝津正投手などのように、オーバースローでシンカーを操る方法について記述します。

対峙する打者を打ち取るうえで重要なことは、緩急と内外の出し入れになりますが、利き腕の方向に曲がって落ちるシンカーの投げ方を身に付けるとともに、いかにして緩急と内外の出し入れに繋げるかを導き出してください。

オーバースローでシンカーを投げる時のリリース

オーバースローでシンカーを投げる際、リリース時に重要なことは中指の使い方です。
利き腕方向に曲げるための回転は中指によるものなので、握り方でも中指は縫い目に引っ掛けるのですが、ただ横回転を強く加えるでけではなく、中指と薬指の間からボールを抜きつつ中指を引っ掛けて横回転を加える必要があります。

また、上から下に投げおろしていくオーバースローでは、その角度を活かし、縦方向の変化も鋭くしたいところですので、しっかり抜くことも忘れないようにせねばなりません。

オーバースローでシンカーを投げる時のポイント

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野球のオーバースローでシンカーを投げる場合、中指の使い方が非常に重要ですが、よりよいシンカーを投げるポイントは次の通りです。

■根本的な腕の振り方は直球と変わらない
■手の甲を顔側に向けるようにして腕を振っていく
■親指の爪を地面に対し平行に向ける

これに加え、前にも記述しましたが捻りを加えるか否かで、縦方向と横方向の変化の度合いを変えていくことができますが、シンカー初心者の方は、捻らない投げ方から始めるのがよいと思います。

シンカーの投げ方④

サイドスロー・アンダースローでの投げ方

塩崎哲也氏が投げるシンカーは魔球とも呼ばれた

サイドスローあるいはアンダースローで、シンカーを得意とするピッチャーは多く、特に、元プロ野球選手の潮崎哲也氏や、高津臣吾氏が投じるシンカーは魔球とまで表現されていました。

サイドスローやアンダースローのピッチャーがシンカーを得意とする要因は、利き腕側に変化する回転がつけやすい腕の振り方であるためで、その前提があることにより、感覚的には落とすというより地面の方向に曲げるという感覚で投げられるためです。それを踏まえて、サイドスロー及びアンダースローでのシンカーの投げ方に触れます。

サイドスロー・アンダースローでシンカーを投げる時のリリース

サイドスローやアンダースローでシンカーを投げる場合、腕の振りが利き腕側に変化させる回転を付けやすいため、リリースはオーバースローでシンカーを投げるよりも簡単で、インターネット上では、フォークの握りでサイドスローやアンダースローでボールを投げるとシンカーになると紹介しているサイトもあります。

但し、投げやすいと打ちづらいはイコールではありません。より打ちづらい変化や軌道を考えた場合、サイドスローやアンダースローでシンカーを投げる際は、一旦浮いた後に利き腕側に曲がりながら落ちる変化をさせることもできます。ここまで来ると、ウイニングショットにもなるでしょう。

サイドスロー・アンダースローでシンカーを投げる時のポイント

【参考】卓球のフォアスマッシュ(腕の振り方を見てください)

卓球のスマッシュを撃つようにして腕を振る!

これが、サイドスローやアンダースローでのシンカーの投げ方のポイントです。
卓球でスマッシュを撃つときには、ラケットを下から斜め上に振り上げながら、ボールに縦回転を掛けるように腕を振ります。また、ペンホルダータイプのラケットの場合、中指と薬指と小指でラケットの裏面を支えているため、指の動きもそっくりになります。

この腕の振りに加えて、手首の角度を変えることで、変化の軌道を調整することが可能となり、手の甲が顔の方を向いていれば横方向の変化が大きくなり、手の甲が空の方を向いていれば縦方向の変化が大きくなります。

シンカーの投げ方⑤

打者を打ち取るために必要なこと

野球ではピッチャーが打者に対して投球することでワンプレイが始まります。その中で、ピッチャーは打者を打ち取ることを求められるわけですが、様々な球種をストライクゾーンを上手に使っていくことでそれを実現していかなくてはいけません。

ここで、シンカーを持ち球にできたときに、どのようにして打者を打ち取っていくのかについて説明していきますが、いずれの球種を使って組み立てていく場合でも重要なことは、緩急と内外の使い分けになります。

シンカーを使う場合は、空振りを狙うというよりも、ゴロを打たせることを意識した方がいいでしょう。

利き腕側の打者の場合

右ピッチャーが右打者に対峙する、また左ピッチャーが左打者に対峙した場合のシンカーの使い方です。
この場合、投じたシンカーは打者の内角をえぐるように曲がりながら落ちます。言い方を変えると、落ちながら打者に近付いていきますので、やはり注意しなくてはならないことは、中途半端なコースだと痛打されやすいことを認識しておくことです。
た、利き腕側の打者へシンカーを投げる場合のピッチャーが考える理想的な打ち取り方は次になります。
■外角を意識させ、踏み込んできたところにシンカーで詰まらせる
■速い球種を意識させ、シンカーで泳がせる(引っ掛けさせる)

利き腕と反対側の打者の場合

Y.KANDA on Instagram: “コース威力ともに完璧です!! #黒田博樹 #カープ #フロントドア” (59221)

ピッチャーが利き腕と反対側の打者と対峙する場合、ボールの見易さから比較的打者が有利と考えられます。
この時ピッチャーが投じるシンカーは打者の外角側に逃げていきながら落ちます。従って、バットが届かないコースに投げることもできるので、利き腕側の打者に対峙した時よりも、空振りさせやすくなります。

このことから、利き腕と反対側の打者に対峙した場合の理想的な打ち取り方は次のようになります。
■外角のボールになるシンカーを振らせて空振りを取る
■内角寄りのボール球がストライクゾーンに切れ込むシンカーで腰を引いた状態でバットを振らせる

※いわゆるフロントドアです

シンカーの投げ方のまとめ

シンカーの投げ方

利き腕側に曲がりながら落ちる球種であるシンカーは、カーブやチェンジアップなどのようにあらゆるピッチャーが持ち球にできる球種ではなく、打者もシンカーに慣れることが難しいため、シンカーをウイニングショットとして投げることができるピッチャーは、それだけで打者にとっての脅威となりえます。

落差を大きくすることができれば、意図的にゴロを打たせることもできるはずですので、いくつかあるシンカーの握り方で自分に合ったものを探し、まずはキャッチボールで投げてみて、感覚をつかむことから始めて、自分の持ち球として磨いていってください。

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