始球式で空振りする理由とは？始球式で打ったことのある有名人も紹介

日本のプロ野球の始球式では、空振りすることが伝統です。

始球式で空振りする理由は、投球役に対して敬意を表すためと言われています。

始球式では芸能人や政治家、元プロ野球選手、ファンクラブの会員など様が投球を行いますが、打席には先行チームの1番バッターが入ることがほとんどです。

投球役は宣伝やイベントなどで来ていることが多いため、雰囲気を壊さないようにもバッターは打つことはせず、わざと空振りをする伝統があります。

始球式はほとんどが同じ形で行われますが、細かいルールがあるわけではなくバッターが始球式の球を打っても罰則などは特にありません。

始球式で空振りする理由は、雰囲気を壊さないようにするというだけではありません。始球式での空振りは、昔からの伝統として続いている側面もあります。

始球式は100年以上続いているイベントですが、始球式で空振りをする伝統も100年以上続いています。始球式で空振りすることは長い伝統としてプロ野球の中で受け継がれています。

始球式で空振りすることが始まったのは、1908年の早稲田大学野球部対アメリカ選抜チームの試合です。この試合が、記録上で最も古い始球式がおこなわれた試合とされています。

この始球式の投球役は、早稲田大学の創始者である大隈重信でした。大隈重信が投げた球は大きく逸れてしまいましたが、打者は大隈重信に恥をかかせてはいかないと考えて空振りをしました。

大隈重信の始球式が始まりとなって、現在まで始球式で空振りをする伝統が続いています。

早稲田大学野球部対アメリカ選抜チームとの試合で始球式がおこなわれた1908年当時、打者がわざと空振りをしたとは報道されませんでした。

翌日の新聞では捕手が直接球を捕ったと報道され、14年後にやっと真実が明らかになります。大隈重信は始球式でわざと空振りされるだけでなく、報道されることもないほど偉大な存在でした。

海外の始球式は、日本の始球式とかなり形式が異なるところも面白さの1つです。国によって様々な違いがあり、打者が打席に立たないものや盛り上げ方が日本とは異なるものもあります。

しかし、始球式が無い国はほとんどありません。どの国でも、宣伝や球場を盛り上げるために、様々に趣向を凝らした始球式が行われています。

アメリカのメジャーリーグでは、打者は立たず投球役がマウンドから捕手に向かって投げるだけという形の始球式が主流です。捕手も選手ではなく、投球役にゆかりがある人物が務めることがあります。

元々は投球役が客席からグラウンドの中の選手へ投げ渡すという形でしたが、投球役がマウンドから投げる日本式の形が逆輸入され、アメリカでも日本と似た形の始球式が定着しました。

また、打者が打席に立つ日本と同じ形の始球式が行われることも増えていて、日本式の始球式がどんどんと広がっています。

韓国の始球式は日本の始球式と似た形で、打者が打席に立った状態で投球役がボールを投げる形式です。

日本との違いは、セクシーな美女がきわどい衣装で登場することが多いという点があります。日本でも美しい芸能人が始球式をおこなうことはありますが、韓国はその割合が多めです。

韓国の始球式の特徴は、美女がバク転などアクロバットを行う始球式があり、投げるだけではなく、観客や選手がより楽しむことができます。

始球式で空振りをしなかった選手への罰則はありません。まれに積極的に打ちに行く選手や真剣勝負を挑む投球役がいます。

打者がボールを打ちにいく始球式はめったに見られないため、観客や他の選手などは非常に盛り上がる状況です。イベントとして元プロ野球選手の投球役が打者と真剣勝負を行うこともあります。

始球式で投球役と真剣勝負ができるのは、1番打者の特権です。

横浜DeNAベイスターズの神里和毅選手は、2019年3月31日におこなわれた始球式でボールを打ちにいきました。

投球役はダチョウ倶楽部の寺門ジモンさんで、寺門ジモンさんが本気で投げたボールを神里選手は完璧に打ち返します。神里選手の打球はライト方向へ綺麗に転がっていきました。

打ち返されたことに怒ったダチョウ倶楽部の上島龍平さんが神里選手に詰め寄り、最終的にキスをしてこの流れは終わりました。

ダチョウ倶楽部がいつもおこなっているお決まりの流れに神里選手も加わるという、試合前らしい楽しい始球式です。

読売ジャイアンツの坂本勇人選手は、2019年4月23日に行われた始球式でボールを打ち返します。
投球役は元スワローズのギャオス内藤さんで、現役時代にはスワローズ投手陣の中心として活躍していました。

この日、ギャオス内藤さんはスワローズの元エースとして大々的に紹介されており、どのような投球が行われるか期待が高まる中で始球式が始まります。

しかし、その期待を打ち砕くように坂本勇人選手はあわやホームランという打球を放ちました。
坂本選手は期待されていた雰囲気をあえて壊しましたが、球場の盛り上げは大成功でした。