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エンタイトルツーベースとは?安全進塁権が与えられるケースと具体的な例

エンタイトルツーベースとは?安全進塁権が与えられるケースと具体的な例

エンタイトルツーベースとは、打者や走者がアウトにならずに2つ先の塁に進む権利を得ることで、記録は二塁打です。フェアグラウンドでバウンドしてスタンドインするエンタイトルツーベースが有名ですが、ドームの屋根にボールが挟まってしまうケースも含め細かく分類すると11種類のパターンがあります。

2021.12.16 野球

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公式ライター
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球技好きで、特にプレミアリーグを中心に海外サッカー好きです。国内ではプロ野球好きで、両方とも30年以上の観戦歴があります。知っていると観戦がより楽しめる情報をお伝えしていきます。


エンタイトルツーベースとは?

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エンタイトルツーベースとは、規則や申し合せで打者や走者がアウトにならずに2つ先の塁に進む権利を得られることで記録は二塁打です。打球が、フェアグラウンドでワンバウンドしてスタンドインするケースが知られていますが、エンタイトルツーベースにはさまざまなケースがあります。

エンタイトルツーベースには、グラウンドやリーグごとにルールが違う場合もあり、状況に応じてルールや申し合せの確認が必要です。

エンタイトルの意味

エンタイトルは、英語のentitleが語源で意味は資格や権利を与えることです。野球では、打者や走者が安全に進塁する権利を得ることで、日本語では安全進塁権です。エンタイトルは、2個安全に進塁できるツーベースだけではなく、ホームランは4個、ボークは1個とさまざまなケースがあります。

エンタイトルツーベースは和製英語で、アメリカではground rule doubleと呼ばれています。

エンタイトルツーベースのランナーの進み方

エンタイトルツーベースは、2個の安全進塁権が認められますが基本的に投球時に走者が占有していた塁を基準にして2つ先に進塁します。

しかし、悪送球でスタンドやベンチに入った場合は例外があり、打球を処理した直後の内野手以外の悪送球の場合や、打球を処理した直後の内野手の悪送球でも全ての走者が1個以上進塁している場合は、野手の手からボールが離れた時点での走者が占有していたベースが基準になります。

エンタイトルツーベースになるケース一覧

エンタイトルツーベースは、2016年度以降版の公認野球規則に記載されている、打者の安全進塁権5.05bと走者の安全進塁権5.06bで規定されています。大きく分類すると2種類あり、打球や送球が野手が追えない場所に行ってしまったケースと、守備での規則に反した行動が原因のケースです。

エンタイトルツーベースのパターン一覧

エンタイトルツーベースになるパターンは細かく分類すると11種類あります。

※送球によるパターン
・送球がスタンドやベンチに入った
・送球が競技場のフェンスを越えるかくぐるか抜けた
・送球がバックネットの上方に張ってある金網に上がった
・送球が金網に挟まった

※打球によるパターン
・打球がフェアグラウンドでバウンドしてフェアゾーンでスタンドインした
・打球がフェアグラウンドでバウンドしてファウルゾーンでスタンドインした
・打球がフェアグラウンドで野手に触れてファウルゾーンでスタンドインした
・打球がフェアグラウンドのフェンスに挟まったりくぐり抜けたりした
・打球がドーム球場でのフェアゾーンの屋根や鉄柱に挟まって落ちてこない

※それ以外のケース
・野手がわざと着衣の一部を送球に当てた
・野手がわざとグローブを投げて送球に当てた

エンタイトルツーベースの具体的な例

エンタイトルツーベースは、プロ野球では打球がフェアグラウンドでバウンドしてフェンスを越えていくケース、野手の悪送球が転がってベンチに入ったケース、野手が勘違いしてボールをスタンドに投げ入れてしまうケース、ボールがフェンス・金網・ドームの屋根に挟まったケースがあります。

野手がわざと着衣の一部や投げたグローブで送球に当てるケースは、プロ野球では起きたことがありません。

バウンドしてフェアスタンドに入った例

日付 2015年10月6日
球場 Koboパーク宮城
対戦カード 東北楽天vs千葉ロッテ
対象選手 フェルナンド(東北楽天)
エンタイトルツーベースで最もポピュラーな、打球がフェアグランドでバウンドしてフェンスを越えフェアスタンドに入った​ケースです。2015年10月6日の東北楽天vs千葉ロッテで、6回裏フェルナンド選手の打球が左中間を破り、ワンバウンドしてフェンスインしました。

宮城球場は、外野フェンスの高さが左中間で1.65mと12球団本拠地最低で、打球がフェンスを越えやすいことが要因です。

バウンドしてファウルスタンドに入った例

日付 2019年8月21日
球場 ヤフオクドーム
対戦カード 福岡ソフトバンクvsオリックス
対象選手 吉田正尚(オリックス)
フェアグラウンドでバウンドしてファウルゾーンのフェンスを越えるエンタイトルツーベースのケースです。2019年8月21日ヤフオクドームでの福岡ソフトバンクvsオリックスの8回表、吉田正尚選手の打球はシュートドライブ回転がかかり、フェアグラウンドでバウンドしてファウルスタンドに入りました。

観客が臨場感を楽しめる様に、フェンスが低いフィールドシートを設置する球場が増加したのが要因です。

野手に触れてファウルスタンドに入った例

日付 2015年7月20日
球場 横浜スタジアム
対戦カード 横浜Denavs東京ヤクルト
対象選手 山田哲人(東京ヤクルト)
雄平(東京ヤクルト)
フェアグラウンドで野手に触れてファウルスタンドに入ったエンタイトルツーベースのケースです。2015年7月20日横浜Denavs東京ヤクルトで、山田哲人選手が打球をフェアグランドで触れてファウルグランドに落球し、ファウルと勘違いした雄平選手がファンサービスでボールをスタンドに投げてしまいました。

山田選手が落としたボールが、直接スタンドに入ってもエンタイトルツーベースでした。

野手の悪送球がベンチに入った例

日付 2019年4月21日
球場 甲子園球場
対戦カード 阪神vs読売
対象選手 糸原健斗(阪神)
送球がベンチに入ってボールデッドからエンタイトルツーベースになったケースです。2019年4月21日阪神vs巨人では、木浪聖也選手がゴロを捕球してセカンドの糸原健斗選手に送球したが間に合わずランナーがセーフになり、糸原選手がファーストに送球したボールがランナーに当たってベンチに転がって行きました。

打球を処理した木浪選手の悪送球ではないため、ランナーはセカンドから2個進塁して得点が認められました。

誤ってボールをスタンドに投げ入れた例

日付 2015年7月20日
球場 札幌ドーム
対戦カード 北海道日本ハムvs東北楽天
対象選手 西川遥輝(北海道日本ハム)
野手が誤ってボールをスタンドに投げ入れてしまったエンタイトルツーベースのケースです。プロ野球では、ファンサービスで野手がスリーアウト時点で観客のいるスタンドにボールを投げ入れますが、2015年7月20日の札幌ドームで西川遥輝選手はフライを捕球後ツーアウトなのに誤ってスタンドに投げ入れてしまいました。

野手が積極的にボールをスタンドに入れたときも、野手の悪送球がスタンドに入ったことと同様の扱いです。

フェンスにボールが挟まった例

日付 2019年7月31日
球場 札幌ドーム
対戦カード 北海道日本ハムvs東北楽天
対象選手 石井一成(北海道日本ハム)
フェンスにボールが挟まりボールデッドからエンタイトルツーベースになったケースです。屋外球場では、フェンスや金網、木の枝やツルにボールが挟まる現象は起こりやすいですが、2019年7月31日北海道日本ハムvs東北楽天7回裏の石井一成選手が見事に捉えた打球は、外野フェンスに直撃してつなぎ目に挟まりました。

ドーム球場でフェンスにボールが挟まる非常に珍しいエンタイトルツーベースが起こりました。

ドーム球場の天井に挟まってボールが落ちてこない例

日付 2016年11月13日
球場 東京ドーム
対戦カード 日本vsオランダ
対象選手 大谷翔平(日本)
ドーム球場の屋根に挟まってボールが落ちてこないエンタイトルツーベースのケースです。日本のドーム球場では、フェアゾーンの天井や懸垂物、鉄柱にボールが挟まった場合はエンタイトルツーベース、ファウルゾーンはファウルです。

2016年WBCオランダ戦で、大谷翔平選手の推定飛距離160mの打球は東京ドームの天井のすき間に吸い込まれ、1周してホームインしていましたが、得点にはならずに二塁に戻されました。

エンタイトルツーベースの疑問

エンタイトルツーベースの疑問は、同点で満塁の場面でサヨナラゲームのときにホームランのケースでは得点が4点ですが、エンタイトルツーベースでは得点が2点なのか、記録は二塁打になるのかどうかです。かなりレアなケースになりますが、サヨナラゲームでの安全進塁権は注意が必要です。

サヨナラでのエンタイトルツーベースの記録は?

最終回の裏の攻撃で安全進塁権が与えられサヨナラゲームになる場合は、ホームラン以外は勝ち越す得点までしか与えられません。同点で満塁の場面のエンタイトルツーベースのサヨナラでも、勝ち越す1得点しか認められません。

同点でランナー2塁の場面のエンタイトルツーベースのサヨナラでは、打者が一塁を踏んで走塁を辞めたら記録は二塁打ではなく単打になります。打者は、安全進塁権の場合塁に到達することが記録の条件です。

エンタイトルツーベースはローカルルール

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エンタイトルツーベースは、アウトにならずに二つ先に進塁することが認められる権利で記録は二塁打ですが、与えられるケースはさまざまで特別ルールが設定されている球場もあります。リーグや国ごとでもローカルルールがあり、インドではバウンドしてフェアスタンドに入ってもホームランです。

かなりレアなケースも多いので、状況に応じてルールを確認する必要があります。

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