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振り子打法とは?イチローのオリックス時代の打撃フォームを解説!

振り子打法とは?イチローのオリックス時代の打撃フォームを解説!

振り子打法とは、投手側の足を振り子に似た動きで移動させ、重心を捕手側の軸足から投手側の足へと移動させる打法です。足の動きに個人差はありますが、振り子打法には共通して言えることは、インパクトの瞬間に体重をボールへ乗せ、非力な打者でも強い打球を打つことが可能になることです。

2022.01.24 野球

振り子打法とは?

オリックス時代のイチロー選手の代名詞とも言える振り子打法。振り子に似た動きで大きく足を振り上げる足の運びが名前の由来とされ、特徴的な足の運びで力を蓄積し、通常の打法よりも大きな力でボールを打ち返すことができる特殊な打法です。

振り子打法の起源

プロ野球のイチロー選手が1993年のオリックス時代に、当時2軍の打撃コーチであった河村健一郎氏が振り子打法を考案し、1軍打撃コーチの新井宏昌氏とイチローの2人3脚で作り上げます。入団当時のイチロー選手の打撃センスは認められていましたが、首脳陣からは線の細い体型で非力なバッターの印象でした。

しかし非力である欠点を補い、イチローの特性を最大限に発揮させる振り子打法は、反対意見のある中当時のオリックスのコーチ陣の協力のもと、試行錯誤の末に生み出されました。

振り子打法の理論

振り子打法は投手側の足を大きく振り上げ、投手側に踏み出して地に足が着いた時点から、捕手側の足にあった軸が投手側の足へと移行され、通常の打法に比べ約4倍とされる重心移動量により得られた推進力が、バットがボールを押し出す力を増幅させ、非力なバッターでも強い打球が打てます。

振り子打法は変化球や遅い球にタイミングを合わせるため、バットをやや遅れて出す必要があり、スイングスピードは通常より約1.5倍の速さが要求されます。  

振り子打法の語源

1994年イチローは振り子打法の習得と類稀な打撃センスで、初の首位打者、当時の日本記録の210安打の達成を含め、数々のタイトルを獲得しました。イチローの活躍を見てマスコミは、当時まだ名前のなかった独特な振り子に似た足の動きのバッティングフォームを、振り子打法と呼びます。

しかし当のイチロー選手本人は振り子の認識は無く、投手が投げる前から足を上げてタイミングを取るバッティングフォームのため、1本足打法と考えていました。  

振り子打法のメリット

振り子打法を習得することで、インパクトの力、変化球への対応力、タイミングの取りやすさのメリットを得ることができます。特に非力なバッターに対して強い打球が打てることが大きなメリットです。  

インパクトの力

振り子打法の代表的なメリットは、バットでボールを弾き返すときのインパクトの力がアップすることが挙げられます。打撃センスは認められながらも体重68kgと比較的非力な選手であった、オリックス入団当時のイチロー選手が習得を試みたのも、インパクトの力がアップすることが理由でした。

インパクトの力がアップする理由は、通常の打法の重心移動量約5cmに比べ、振り子打法は約20cm重心が投手側へ移動することで、大きな推進力を得られるからです。  

変化球への対応力

振り子打法の基本はストレート系の速い球に合わせず、遅めの変化球にタイミングを合わせるバッティングフォームです。通常の打法はストレートを待って、変化球はカットが基本ですが、振り子打法はストレートが来たらカットをして、変化球に的を絞って変化球が曲がるまで見極めが可能。

ストライクからボールになる変化球に対応しやすく、ボール球に手を出さずに選球眼がよくなることも特徴です。  

タイミングの取りやすさ

振り子打法は捕手側の足から投手側の足へと重心を移動させますが、捕手側の足に重心が残った状態でも強くバットを振ることが可能で、 さらに振り子打法は体が開いてもグリップは最後まで残してボールを見極めることができます。

ボールを自分の懐まで引き付けて長く見ることでスイングの幅を広く 取ることができ、投手の緩急を付ける投球に対応しやすく非常にタイミングが取りやすい打法です。  



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振り子打法のデメリット

振り子打法のデメリットは、速球への対応力の低下、内角攻めに対しての弱さ、習得する難易度が挙げられます。振り子打法を採用するプロ野球選手が少ない理由は、メリットよりもデメリットのほうが大きいからと言え、メリットは一歩間違えればデメリットと化してしまうのも振り子打法の特徴です。  

速球への対応力

振り子打法は変化球に的を絞りストレートをカットする打法であり、バットスイングが速球に振り遅れやすいことが第1のデメリットです。

振り子打法はインパクトの力を生むために重心移動を通常よりも4倍長く取る必要があり、バットの振り始めからインパクトまで時間がかかり、ストレートに対応できるスイングスピードが備わっていないと、懐までボールを引き付けることができず速球に振り遅れることとなります。

内角攻めに対しての弱さ

振り子打法は重心移動をしながらボールを打ち返す打法のため、フォームは大きくなりがちで、ボールを懐まで引き込んでしまっていて、内角のボールにはうまく対応できません。

内角のボールに対応するには腕を折りたたんでコンパクトに振りぬくことが必要ですが、インパクトの力を蓄えている振り子打法はモーションが大きく、コンパクトなバッティングができず、内角攻めに対してボールを上手く捉えることが困難です。さらに、投手側の足を上げている状態で体勢が悪く、内角のボールを避けきれないことも難点です。

習得する難易度

振り子打法は投手側の足を大きく振り上げ、通常の4倍と重心移動量も多いことから、体幹を含めたバランス感覚が非常に重要となり、バットが遅れて出てくる分、通常よりも1.5倍のスイングスピードも要求され、ボールを見極める動体視力の高さも必要です。

野球選手に必要な身体能力が全体的にハイレベルで要求されるため、習得する難易度は非常に高い打法です。


イチローの振り子打法の特徴

投手側の足を振り子に似た動きで大きく振り上げ、動きながら打つ特徴的な見た目のイチロー選手の振り子打法ですが、見た目と同様にイチロー選手の振り子打法にはイチロー選手ならではの特徴があります。  

イチローが振り子打法を始めた理由

オリックスに入団当初のイチロー選手は、ボールを捉える打撃センスは非常に高かったですが、当時の体重は68kgと細めでプロ野球選手の中では非力だったので、プロのボールに力負けする傾向がありました。

そこで、ボールを待つのではなく、重心移動しながら自ら動くことで早めにタイミングを取り、ボールを迎え撃つことでインパクトの力がアップする振り子打法へフォームの改造が必要になりました。

スイングスピードの速さ

通常のプロ野球選手のスイングスピードが約145kmに対し、イチロー選手は158km。スイングを始めてから終わるまでの時間はプロ平均0.25秒に対して0.17秒と球界でトップレベルのスイングスピードです。  

イチロー選手が、振り子打法の特徴である速球をカットし、変化球を捉えることを可能としたのがスイングスピードの速さにあり、振り子打法を完成させた要因の1つです。


長い重心移動量

イチロー選手の重心移動量は約20cmとされています。通常の選手は数センチほど動くだけであり、長さは4倍以上と非常に長い重心移動量です。  

イチロー選手は長い重心移動によりインパクトの力をアップし、強く速いボールに対応できました。イチロー選手が振り子打法で長い重心移動が可能な理由は、強靭な下半身と体幹、柔軟性があるからです。




振り子打法の習得方法

振り子打法の習得には長い年月と、絶え間ない努力が必要です。比較的難しい打法のため、通常の打法よりも高い身体能力が備わっていることが習得には必要な条件となります。  

下半身の強化

下半身の強化はランニングに加え、下半身筋力トレーニングのウォーキングランジ、ジャンプスクワット、シングルレッグスクワットが有効です。また動作がスムーズになり体のキレがよくなる理由で、イチロー選手は足を開いて腰を落とす四股を踏むストレッチを、常時行い股関節をほぐしていました。  

野球のプレーで下半身の強さは非常に重要な要素ですが、振り子打法を習得する場合特に必要です。長い重心移動を支える下半身の強化は、振り子打法で安定した効果を出すためには絶対に必要です。

手首のトレーニング方法

バッティングでの手首の使い方は、回内、回外運動であり、そこを意識したトレーニングが必要で、腕立て伏せ、リストカール、グーパー運動が効果的で簡単な方法です。   

振り子打法で手首から上腕の筋力アップは必要とされ、いかなるボールへも対応できるスイングスピードの強化目的でもあり、ボールを確実に捉えるバットコントロールのトレーニングでもあります。
 

重心移動のやり方

振り子打法の重心移動は、投手側の足を捕手側へすり足、もしくは大きく振り上げた反動で投手側へ踏み出すタイミングで、元々捕手側の足にある重心を投手側の足へと移し替えることで成立します。

重心移動のやり方のポイントは投手側の足を移動させて踏み込むときに、投手側に壁を作るイメージでタメを作って、インパクトの瞬間、捕手側の足から投手側の足へ重心移動をすることが重要ですが、下半身、体幹が弱いとうまくタメが作れずに、重心移動ができず体勢が崩れてしまいます。   

振り子打法の選手5人

難易度の高い振り子打法ですが、プロ野球選手の中で振り子打法を習得し、イチロー選手以外でも結果を残している選手がいます。入団当時から習得していた選手、10年目から習得した選手もいます。

イチロー

生年月日 1973年10月22日
身長 180cm
投/打 右/左
経歴 愛工大名電高校→オリックス→マリナーズ→ヤンキース→マーリンズ→マリナーズ
主なタイトル、表彰(NPB) MVP、首位打者、最多打点、最高出塁率、最多安打、最多盗塁、ベストナイン
主なタイトル、表彰(MLB) MVP、新人王、首位打者、最多盗塁、ゴールデングラブ、シルバースラッガー

1992年からオリックスでプレーし、1994年には初のタイトルである首位打者、最多安打を受賞。2000年までのプロ野球在籍期間で7年連続の首位打者、プロ野球史上最速の1000本安打を達成し、前人未到の記録を成し遂げ2001年からメジャーに活躍の場を移します。

メジャーのシアトルマリナーズ移籍1年目から、首位打者、最多安打、新人王を受賞。後にヤンキース、マーリンズでもプレーし、2016年には日米通算4257安打を記録し、プロ野球安打数のギネス記録に認定され、世界を代表する選手となりました。

川崎宗則

生年月日 1981年6月3日
身長 180cm
投/打 右/左
経歴 鹿児島工業高校→ダイエー→ソフトバンク→マリナーズ→ブルージェイズ→カブス→ソフトバンク→味全ドラゴンズ→栃木ゴールデンブレーブス
主なタイトル、表彰(NPB) 最多盗塁、最多安打、ベストナイン、ゴールデングラブ

2000年からダイエーホークスでプレーする、快速、巧打の遊撃手。イチロー選手の大ファンであり、中学生の頃からイチローに憧れ左打者となり、振り子打法を習得しました。2004年には最多安打、盗塁王のタイトルを受賞し、2006年には第1回WBCの日本代表に選出されます。

2012年からはイチローと同じマリナーズに移籍し、後にブルージェイズ、カブスで活躍します。元気な明るい人柄のムードメーカーで皆に愛され、MLB公認表彰のムネノリ・カワサキ賞も受賞しマスコミでも常に取り上げられました。

坪井智哉

生年月日 1974年2月19日
身長 177cm
投/打 左/左
経歴 PL学園高校→青山学院大学→東芝→阪神→日本ハム→オリックス→米独立リーグ
主なタイトル、表彰 新人特別賞、オールスターゲーム優秀選手

類稀なバットコントロールで1998年の阪神入団以来、新人から2年連続で打率3割を記録。当時のチーム新人記録を多く所持し、1年目から振り子打法で実績を残した選手です。

しかし振り子打法の弱点である内角を攻められることが多く、死球が非常に多い選手でもありました。度重なるケガの影響で調子を崩すこともありましたが、日本ハム、オリックスと渡り歩き、2012年からはアメリカ独立リーグでプレーし2014年に引退しました。

福浦和也

生年月日 1975年12月14日
身長 183cm
投/打 左/左
経歴 習志野高校→ロッテ
主なタイトル,表彰 首位打者、ベストナイン、ゴールデングラブ

1994年ピッチャーでロッテに入団しますが、肩の故障で打者転向を決めました。入団4年目から1軍に定着し、天性のバッティングセンスで2001年には首位打者を獲得。6年連続で打率3割を記録し現役ロッテ一筋で活躍します。

2006年頃から振り子打法を習得して安定した成績を残しましたが、腰痛や年齢的な衰えもあり、晩年はスタンダードな打法へと見直されていきました。  

田中幸雄

生年月日 1967年12月14日
身長 184cm
投/打 右/右
経歴 都城高校→日本ハム
主なタイトル、表彰 最多打点、ベストナイン、ゴールデングラブ

入団1年目の1986年から1軍に昇格し、2年目からは遊撃手で1軍に定着。リーグワーストの失策数を記録し守備に難がありましたが、攻撃的な遊撃手で活躍しました。

後に日本ハム一筋で現役通算ゴールデングラブ賞を5回獲得し守備の問題を克服。10年目頃からさらなるバッティングの飛躍のために振り子打法を習得しました。2007年プロ入り22年目の年に2000本安打を記録し、球界を代表する選手となりました。  

振り子打法を実践しよう!

振り子打法を採用している選手は、プロ野球選手の中でも一流と呼ばれる選手達。習得が難しいとされる振り子打法ですが、効果は絶大で、各選手が高成績を残しています。

プロ野球選手に比べ、素人が振り子打法の特性を最大限に活かすことは難しいですが、重心移動を意識したインパクト力を高めることに絞れば習得も可能で、普段の練習に重心移動を意識するだけでも、バッティング技術の向上が見込めます。  

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