ステップバックとは？バスケのステップバックシュートのやり方とは？

ステップバックとは、バスケットボールのオフェンステクニックです。ボールを保持しているプレイヤーが、マッチアップしているディフェンスのブロックをかわしてジャンプシュートを打つ時に使います。

stepは足の運びを意味し、backは後ろ方向へという意味があり、stepbackは後ろ方向へ足を運ぶ動きを示します。

バックステップはトラベリングではありません。トラベリングは、ボールを持った状態で3歩以上歩いてはならないというルールを破ったときの反則です。バックステップをするときは、トラベリングに注意しなくてはなりませんが、日本バスケットボール協会でトラベリングのルール改定がなされ、ゼロステップという概念が盛り込まれました。

ゼロステップを使うことが、バックステップがトラベリングにならない要因の1つです。

ステップバックシュートは、ステップバックからの流れで放たれるジャンプシュートです。

ステップバックシュートに必要な能力は、次のとおりです。

・高いボールハンドリング能力
・踏ん張って力強く飛ぶ脚力
・強い体幹とボディバランス

ステップバックシュートを決めるには、ハンドリングはもとより、バックステップによりゴールと逆方向に流れる力をとどめて、シュートを打つために力を使う脚力と体幹が重要です。ときには、体の向きをゴール方向に変えながらシュートを打ちますので、ボディバランスも要ります。

ステップバックスリーは、ステップバックからの流れで3ポイントシュートを放つプレイです。シュートの距離が長くなるので、難易度は高いですが、ステップバックスリーを30%を超える成功率で決めるプレイヤーは脅威です。

ステップバックシュートのやり方は、次の流れです。

①ドリブルでディフェンスを押し込む
②ドリブルを止めバックステップ
③ジャンプシュートを打つ

ステップバックからシュートのつなげるためには、ドリブルを使ってディフェンスを押し込むことが重要です。ボール保持者は、ドライブを仕掛けると見せかけて後退させるなどして、ディフェンスの重心を後ろに下げなくてはなりません。

どれだけディフェンスを押し込めるかが、ステップバックの効き具合を決めます。

バックステップは、ディフェンスを押し込んだ直後におこないます。やり方は次のとおりです。

【ディフェンスを押し込んだときに右足が前にある場合】
・右足は推進力を殺しって踏ん張り、後ろ方向に蹴る
・左足は右足で蹴った力を利用して、後ろ方向に大きくステップする

バックステップ後にジャンプシュートを打つときのステップは、ワンツーステップとワンステップの2パターンがあり、ワンステップのほうが高難易度です。

バックステップが終わると、ジャンプシュートを放ちます。シュートを打つ直前のステップは2パターンがあります。

【ディフェンスを押し込んだときに右足が前にある場合】
・両足で着地するワンステップ
・左足を1番目、右足を2番目に着地するワンツーステップ

ワンツーステップは、バックステップしたときの後ろ側の足を先に着地させて軸とするので、安定感があるものの、シュートリリースまで時間がかかります。ワンステップは、バックステップして両足同時に着地した瞬間にジャンプシュートに移るので、体が流れがちですが、シュートリリースを速くできます。

バスケのステップバックの練習方法には、次のものがあります。

・ハンドリング練習
・シュート練習
・ステップバックする角度

ステップバックは、シュートをディフェンスにブロックさせない技術で、ボールを保持してからシュートを放つまでを一括りとして反復練習します。他に必要なことは、体幹強化ですが、ステップバックだけでなく、全てのプレイに共通するものです。

ステップバックの1つめの練習方法は、ハンドリング練習です。ステップバックの効果を上げるには、より強くディフェンスを後ろ重心にしなくてはなりません。クロスオーバーなどを使って、相手ディフェンスの重心を下げるよう練習しましょう。バックステップに繋げるためのポイントは次のとおりです。

・ゴールに向かう動きの速度を上げる
・急にストップするように踏みとどまる
・より広い幅でバックステップができるように工夫する

2つめの練習方法は、シュート練習です。シュート練習は、ドリブルをせず、その場でバックステップシュートを練習して、バックステップからのシュートに慣れます。その場バックステップのやり方は次の通りです。

①ボールを持ちリングに向いて立つ
②片足を上げる
③上げていないほうの足で後方に飛ぶ
④着地してジャンプシュートを打つ

上げる足は両方とも練習し、着地もワンツーステップとワンステップの両方をおこないましょう。

ステップバックシュートの練習では、ステップバックする角度に注意が必要で、できるだけ体の向きを変えずにシュートできるよう、次にあげるポイントを意識します。

・シュートする腕
・1on1を始めるポジション
・踏ん張るほうの足
・バックステップの角度

例えば、右利きの選手は、ゴールに向かって右サイドから1on1をし、右足で踏ん張って左方向にバックステップするほうが、体の向きを変えずにシュートを打てます。

ジェームス・ハーデンは、バスケットボールの最高峰NBAでバックステップの名手として名高く、モジャモジャのあごひげが特徴的なスーパースターです。
NBAオールスター、オールNBA1stチーム、アメリカ代表に何度も選出されている選手です。

ハーデンのステップバックの凄さは、多彩なオフェンステクニックを生かしたディフェンスとの駆け引きのうまさです。ハーデンは、1on1の状況でディフェンスと駆け引きし、ドライブかバックステップを狙います。

ハーデンは、長距離シュートを高確率で決め、ドライブしても高いフィニッシュ能力を備え、パス能力も高いので、多彩なフェイクでディフェンスと駆け引きして、バックステップが効くタイミングを逃しません。

2つめのハーデンの凄さは、ハーデン自身が常に研究を怠らないことです。エースとして、オフェンスの中心を担うハーデンは、相手にも研究されます。得意のステップバックにも対策がなされ、利き腕の左腕側に進ませないように、極端なディレクションで守備を取られることがあります。

ハーデンは、あらゆる対策に研究と練習で対応し続けることで相手の脅威的な存在です。

ステップバックシュートを得意とするプレイヤーは、たくさんいます。より高いレベルのバスケットボールでは、相手ディフェンスの能力も高く、ゴールに向かうプレイだけでは、シュート成功率があがらないからです。

中でもメジャーなのが、止められないステップバックシュートを打つと評されるルカ・ドンチッチです。

ルカ・ドンチッチは、スロベニア出身のNBAプレイヤーで、すべてのプレイレベルが非常に高いです。ドンチッチのステップバックの特徴は、ディフェンスのブロックを無力にしてしまうところです。

ハーデンは、ファウルをもらう狙いもあるので、ステップバックで少しのズレを作ることが多いですが、ドンチッチはステップバックでディフェンスが届かないほどの距離を作り上げます。

ディフェンスから離れながら放つステップバックシュートは、ブロックされる可能性が低いプレイです。どれだけ速いドライブをしでも、ゴールに近づいていく限り、シュートブロックされる可能性が残りますが、ステップバックシュートは違います。

ステップバックシュートは、得点力が安定させる必殺技となり、どうしても得点がほしいクラッチタイムでシュートを任されても、平常心でプレイできる心の支えにもなるでしょう。