自転車の歴史とは?起源・始まりを歴史年表付きで解説
自転車の起源はヨーロッパのドイツで、1913年にドイツ人発明家が考案したことが歴史の始まりです。自転車は、時代にあわせて常に機能の改良がおこなわれ、長い歴史を経て現在の形となりました。生活に役立つだけではなく、スポーツ競技の魅力もあり、健康維持や環境保全に繋がることが世界中で愛される乗り物へ進化した理由の1つです。
Writer
公式ライター 田崎瑞子
自転車の歴史とは?
発明当初のシンプルな構造の自転車は、ヨーロッパの国々へ普及していくうえで新しい技術お進化でさまざまな改良が施されました。利便性が高まったことで自転車は世界中へ広まり、多様な用途で使用されるようになります。
自転車の起源・始まり
ドライス伯爵の愛馬が死んでしまい、馬に変わる乗り物を探したことをきっかけに自転車は発明されました。ペダルのない地面を踏んで進む装置は、現在の自転車の起源となります。
自転車の語源
日本では、1870年に竹内寅次郎が3輪車の販売の許可の申請時に、乗り物の名前を自転車と名付けたことが由来で、命名の理由や普及の詳細はは記録がないため不明とされています。
自転車の発祥の地
自転車の発展
自転車の発展で追加された機能は大きく分けて6つです。
・車輪の回転
・材質が鉄製へ変更
・安全機能の追加
・空気入りタイヤの開発
・ギアの開発
・電動機能の追加
自転車の歴史年表
自転車は、200年間の歴史なかで利用者の増加とともに乗る人のニーズや生活様式にあった機能の革新がされ、市民の生活や時代を象徴する形で変化を遂げています。
起源~明治
1818年 文化15年 | ドライス伯爵が自転車を発明 | ドイツ |
1861年 文久元年 | ミショー型の自転車の開発 | フランス |
1870年 明治3年 | 自転車の言葉の誕生 | 日本 |
1879年 明治12年 | チェーン駆動の開発 | イギリス |
1880年 明治13年 | オーディナリー型の自転車の開発 | イギリス |
1885年 明治18年 | 折りたたみ自転車の発明 | フランス |
安全型自転車の考案 | イギリス | |
1888年 明治21年 | 空気入りタイヤの開発 | イギリス |
1896年 明治29年 | フリーホイール機能の開発 | イギリス |
ギア機能付き自転車の発売 | イギリス | |
1903年 明治36年 | ツールドフランス初開催 | フランス |
1861年にミショー型と呼ばれるペダルが付加された車輪が回転する自転車が発明され、車体は鉄製になりました。1880年にはオーディナリー型と呼ばれる前輪が大きく速く走れる車種が開発され、1885年には現在の自転車と同じ構造の安全機能が付加されました。
大正~昭和
1903年 明治36年 | 個人保有台数が100万台を突破 | 日本 |
1992年 大正11年 | 空気抵抗を軽減する自転車の開発 | ドイツ |
1923年 大正12年 | 乾電池ランプの開発 | 日本 |
1937年 昭和12年 | ツールドフランスでギアの使用の認可 | フランス |
1950年 昭和25年 | 個人保有台数が1000万台を突破 | 日本 |
1970年 昭和40年代 | マウンテンバイク競技の誕生 | アメリカ |
1970年 昭和40年代 | 電子フラッシャー付き自転車が流行 | 日本 |
1986年 昭和61年 | カーボンフレームを開発 | アメリカ |
自転車競技の世界的な大会のツールドフランスが定期的に開催されるようになり、1970年にはマウンテンバイクの競技も始まりました。自転車の認知度の高まりで、1950年には日本の個人の車両保有台数が1000万台を突破します。
平成~現在
1993年 平成5年 | 電動アシスト自転車の発売 | 日本 |
1996年 平成8年 | ツアーオブジャパンの初開催 | 日本 |
2009年 平成21年 | 幼児乗り2人自転車の解禁 | 日本 |
2015年 平成27年 | 電動アシスト自転車の生産数が48万台突破 | 日本 |
電動アシスト自転車は、利用者のニーズにあわせた機能の進化で幅広い世代へ広まり、市場が拡大したことで2015年には国内の生産台数が48万台を突破します。
マウンテンバイクの歴史
走行する環境や条件、運転者のニーズにあわせて各国のメーカーが多様な車種を発売したことも相まって、競技人口が増加し国際的な競技へ進化していきます。
マウンテンバイクの起源・始まり
マウンテンバイクの普及
マウンテンバイクは、新しい自転車の形とされ各国若者に受け入れられることで競技人口が増加し、1990年には世界選手権の開催、1996年にはオリンピックの正式種目となりました。
電動自転車の歴史
こぐときの負荷が少なく誰でも簡単に乗れる電動自転車が、自力でこぐことが難しく自転車に乗ることを諦めていた人々へも広まったことで、さらに自転車が生活へ根付き、身近に感じられる形へ変化しました。
電動自転車の起源・始まり
電気自転車の普及
近年では、おしゃれな外装や折りたたみ式、スポーツタイプなど魅力と機能を兼ね備えた電動自転車が発売されています。
日本の自転車の歴史
日本への自転車の伝来
諸説ありますが、ミショー型と呼ばれる前輪が大きく車輪の回るタイプの自転車が日本に初めて伝わったという説が有力です。ミショー型は、初期の自転車の性能を高めたもので材質の改良を重ね走行性が高く、日本の自転車の制作の基礎となります。
日本国内での普及
近年では、子育て世代が子供の送迎や健康維持のために使用したり、満員電車の回避のために自転車を利用する人が多いです。
自転車メーカーの歴史
・ミヤタ自転車
・ツノダ自転車
・ナショナル自転車
国産品の自転車の製造と販売、普及に大きく関わった3社で、現在も日本や世界の各地で愛される名車を販売しています。
ミヤタ自転車の歴史
ミヤタ自転車は、現在も日本のみならず世界各国の選手に愛される製品を提供し続けています。
ツノダ自転車の歴史
ナショナル自転車の歴史
シティサイクルの車種以外に競技用のロードバイクも世界的に有名なナショナル自転車は、2006年には、社名をパナソニックサイクルテックに改名しています。親会社のパナソニックの強みを生かした電動アシスト自転車に力を入れ、2014年には累計販売台数が200万台を突破するという大きな功績を納めました。
自転車競技の歴史
自転車競技の始まり
日本では、1886年頃から各地の自転車の愛好家によって自転車クラブが設立されたことで自転車競技の活動が進んでいきました。
国際的な自転車競技の普及
1893年には、アメリカで初の世界選手権が開催され、1903年にはフランスで自転車レースの最高峰のツールドフランスの第1回大会が開催されました。1896年の近代オリンピックで初めて自転車競技が正式種目に認められ、国際的な普及が加速していきます。
日本国内での自転車競技の普及
1948年には、日本生まれのスポーツの競輪が誕生しています。競輪が各地のロードレースの公営の競技となり、大衆に受け入れられたことが自転車競技が普及した要因の1つです。1982年からは国内最大規模の自転車レースのツアーオブジャパンが開催されたことで、さらに競技の普及は加速します。
自転車の歴史を記した本
・自転車に詳しい人が楽しめるもの
・自転車に詳しくない人でも楽しめるもの
どちらの種類の本も、意外と知られていない歴史や知識が記載されており、2種類を読み比べると違った楽しみ方ができるのも魅力です。
自転車に詳しい人が楽しめる本
タイトル | 50の名車とアイテムで知る図説自転車の歴史 |
著者 | トム アンブローズ |
出版社 | 原書房 |
ツール・ド・フランスがわかる本
タイトル | ツール・ド・フランス |
著者 | 山口和幸 |
出版社 | 講談社 |
・歴史を刻む大会の設立や運営
・ルールの設定
・胸が熱くなる有名選手達の名勝負の数々のエピソード
自転車に詳しくない人でも楽しめる本
タイトル | 自転車の基礎知識 |
著者 | サンエイジ |
出版社 | サンエイジ |
・構造や由来
・車種の種類
・自転車の法律
・事故や保険
自転車の歴史と同時に、自転車を運転するときに必要とする知識も学べるため、自転車をはじめて間もない人やルールや知識を再確認したい人が楽しめる1冊です。
自転車の歴史のまとめ
人と距離を取ることが推奨される時代だからこそ自転車の歴史の面白さを知り、自転車に乗ることに興味をもつことで、健康維持と環境保全の両方のメリットを得ることができます。
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