手首の鍛え方10選!スナップを強くする手首の前腕屈筋群を鍛える方法
手首の鍛え方は、拳立て伏せなどの道具を使わない方法と、ダンベルを用いたリストカールなどの道具を使った方法があります。手首のスナップを強くすると、野球やテニスなど、球技のパフォーマンスが向上するほか、様々なメリットがあります。前腕の筋肉や握力を強くする鍛え方が、手首を強くするには有効です。
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公式ライター Activel_director
手首を強く鍛えたい!
手首を強くするには、手首を曲げ伸ばしたり傾けるための筋肉が前腕部に集中しているため、前腕部の筋肉を鍛える必要があります。また、握る力に関わる筋肉も前腕部にあるため、前腕部を鍛えることで、手首を曲げる筋肉が強くなります。
手首の筋肉とは?
手首を動かす筋肉は前腕部に集中しており、前腕屈筋群と前腕伸筋群の2つに分けられます。内側にある前腕屈筋群は手首を曲げるために、外側にある前腕伸筋群は手首を伸ばすためにはたらきます。
前腕屈筋群に属する筋肉 | 前腕伸筋群に属する筋肉 |
円回内筋 橈側手根屈筋 長掌筋 尺側手根屈筋 浅指屈筋 深指屈筋 方形回内筋 長母指屈筋 |
回外筋 腕橈骨筋 長橈側手根伸筋 短橈側手根伸筋 尺側手根伸筋 総指伸筋 示指伸筋 小指伸筋 長母指伸筋 短母指伸筋 長母指外転筋 |
手首の動きと役割
手首の動きは次の2つに分けることができます。
①屈曲・伸展の動き
いわゆる曲げ伸ばしの動き。物を投げたり、叩いたりするときに使う
②外転・内転の動き
横に傾ける動き。手を振ったり、回転させるときに使う
関節の構造上、外転・内転は小さくしか動かせませんが、曲げ伸ばしについては比較的大きく動かすことができます。
手首を強くするために必要なこと
手首を強くするために必要なことは、手首の曲げ伸ばしや回転に使う筋肉を鍛えることです。手首を動かす筋肉は前腕部に集中しているため、前腕の筋肉を鍛えましょう。ダンベルでリストカールをおこなうと、尺側手根屈筋・橈側手根屈筋・長掌筋(前腕屈筋群)が鍛えられ、手首を曲げる力が強くなるため、前にスナップする力も強くなります。
また、握力に関わるのが、深指屈筋・浅指屈筋(前腕屈筋群)で、握力を鍛えると手首を曲げる力が強くなります。
手首を鍛える効果とは?
手首を鍛えて得られる効果は、前腕伸筋群・前腕屈筋群を鍛えて手首を曲げ伸ばす力が強くなることから、以下の3つに分けられます。
・投げたり打ったりする力が向上する
・手を使った筋トレの効果がアップする
・手首のけがを予防できる
手首は日常生活やスポーツでもよく使う手と身体をつなぐ重要な部位であり、鍛えておくことでさまざまなメリットがあります。
投げたり打ったりする力の向上
球技で投げたり打ったりする力が向上する理由は、手首を曲げ伸ばしたり回転させる力が強くなることで、スナップを効かせる力が強くなったり、コントロール調整がしやすくなるためです。
たとえば、テニスのバックハンドでスナップを効かすには、前腕にある橈側手根伸筋を使います。前腕を鍛えることで手首を曲げ伸ばす力も強くなり、手を前後にスナップする力が大きくなるのです。また、前腕にある回外筋を鍛えると、手の力をコントロールしやすくなり、野球のカーブボール特有の回転が出やすくなります。
手を使った筋トレの効果アップ
手を使った筋トレの効果がアップする理由は、手首が強くなり痛める可能性が低くなることで、負荷が高い重い器具でも持ち上げられるようになるためです。
たとえばリストカールでは、手首の動きだけでダンベルを動かすため、ケガ防止の観点から、初心者は3kg前後の器具がよいとされています。しかし、手首を鍛えて強くしておけば、痛める可能性は低いため、高い負荷でリストカールをすることも可能になり、効果的に筋トレをおこなうことができます。
手首のケガの予防
手首のけがを予防できる理由は、手首を曲げ伸ばす筋肉を鍛えることで、日々手首にかかる曲げ伸ばしのストレスに対して耐性がつくからです。
たとえば腱鞘炎は、長期的で高頻度の曲げ伸ばしストレスが、手首の内部にある腱にかかった場合に発生するものです。日頃から手首を曲げ伸ばす筋肉を強くしておけば、日常的に多用される手首の曲げ伸ばしストレスにも耐えることができ、腱鞘炎を予防できます。
手首の鍛え方4選【道具なし】
道具を使わず手首を鍛える方法は、道具を一切使わずに済むような、手を握って開く鍛え方や、自重をかけながら拳で腕立て伏せをする鍛え方などがあります。器具を使わないためお金をかけずにトレーニングを始めることができたり、いつでもどこでも手軽にトレーニングができるといったメリットがあります。
手を握って開く方法
難易度 | ★☆☆☆ |
鍛えられる部位 | 深指屈筋、浅指屈筋 |
回数 | 50回×1~3セット |
手を握って開く動作は、もっとも手軽でシンプルな、手首を鍛える方法です。道具が一切必要ないため、いつでもどこでもトレーニングが可能です。手を握って開くことで握力や筋力が鍛えられ、手首の強化が期待できます。
- 腕を型の高さまで上げて、前に伸ばす
- 手を大きく開いたり、握ったりを繰り返す
拳で腕立て伏せする方法
難易度 | ★★★★ |
鍛えられる部位 | 前腕筋、大胸筋、上腕三頭筋 |
回数 | 20回×3セット |
拳で腕立て伏せする鍛え方は、手のひらではなく拳で身体を支えるため、通常の腕立て伏せ以上に身体を支える部分の面積が小さくなり、その分自重が拳や手首・腕に集中し、手首に多くの負荷をかけることができます。
タオルやマットを持っている場合は、手にかかる痛みが軽減できるため、敷いた上に拳を立てましょう。
- 肩幅程度の感覚に手を広げ、拳を握って床につける
- 足を伸ばして腕立て伏せのポーズをとる
- 腕立て伏せの要領で、ゆっくり体を地面に近づけて戻す
拳で手首をひねる方法
難易度 | ★★★☆ |
鍛えられる部位 | 前腕筋 |
回数 | 30秒1セット×1~3回 |
拳をひねって手首を鍛える方法は、体を支える部分が拳の先であり面積が小さいため、その分自重が支点に集中して拳や前腕に負荷がかかりやすくなり、効果的に前腕部の筋肉を強化できます。
タオルやマットを持っている場合は、手にかかる痛みが軽減できるため、 敷いた上に拳を立てましょう。
- 肩幅程度の間隔に手を広げ、拳を握って床につける
- 膝を床につけて、四つんばいになる
- 手の甲と床が付くように拳を外側にゆっくりひねる
- ひねった拳を元通りの位置までゆっくりと戻す
手の甲で腕上げする方法
難易度 | ★★★☆ |
鍛えられる部位 | 前腕筋 |
回数 | 30秒1セット×1~3回 |
手の甲を使って腕上げする鍛え方は手の甲が支点となるため、体を支える部分の設置面積が小さく、自重が甲に集中して腕に力が入りやすくなり、効果的に前腕部の筋肉を強くできます。
タオルやマットを持っている場合は、手にかかる痛みが軽減できるため、 敷いた上に手の甲をつけましょう。
- 肩幅程度の間隔に手を広げ、肘を床につける
- 膝を床につけて、四つんばいになる
- 手を握った状態で甲側を床につけ、床を押すようにしながら肘を少し上げる
- 肘を元に戻して床につける
手首の鍛え方6選【道具あり】
道具を使って手首を鍛える方法は、道具を使わない鍛え方よりも負荷が調節できるため、現段階の自分に合わせたトレーニングができるといったメリットがあります。小さく軽い器具の場合は楽に持ち歩くことができるため、隙間時間に鍛えることも可能です。
リストカール
難易度 | ★★☆☆ |
鍛えられる部位 | 尺側手根屈筋、橈側手根屈筋、長掌筋 |
回数 | 左右各15回程度×1~3セット |
リストカールは、ダンベルを巻くようにして手首を上下させることで、尺側手根屈筋、橈側手根屈筋、長掌筋(前腕屈筋群)を強くするエクササイズです。
ダンベルを下げたとき、指先をひっかける感覚で、手首の力だけで巻き上げます。ダンベルを持っている方の腕が上がらないように、もう片方の手で固定しておきましょう。
- ベンチに両肘をつけ、右手にダンベルを持ち、左手で右腕を押さえる
- ダンベルを持つ手のひら側を上にして、手首をゆっくり下に曲げる
- 指を巻いてダンベルを持ち、今度は手首をゆっくり上に曲げる
- 右側が済んだら左手にダンベルを持ち替え、同じ要領で右手と同回数おこなう
スピネーション
難易度 | ★★☆☆ |
鍛えられる部位 | 撓側手根伸筋、回外筋 |
回数 | 左右各15回程度×1~3セット |
スピネーションは、ダンベルの端を握って手首を回転させることで、撓側手根伸筋、回外筋(前腕伸筋群)を強くするエクササイズです。
手首を回転させてダンベルを引き上げるときに、前腕部外側の筋肉が使われていることを意識して、トレーニングをおこないましょう。
- ベンチに両肘をつけ、右手でダンベルの端を持ち、左手で右腕を押さえる
- 右手の甲側を上にして、手首を右側に回転させる
- ダンベルが垂直になるまで持ち上げたら、手首を左側に回転させて戻す
- 右側が済んだら左手にダンベルを持ち替え、同じ要領で右手と同回数おこなう
ラジアル・フレクション
難易度 | ★★☆☆ |
鍛えられる部位 | 橈側手根屈筋、橈側手根伸筋 |
回数 | 左右各15回程度×1~3セット |
ラジアル・フレクションは、立った状態でダンベルの先端を持ち、逆側を引き上げることで橈側手根屈筋(前腕屈筋群)・橈側手根伸筋(前腕伸筋群)を強化するエクササイズです。
手の甲を外側に向けて、手首の動きだけでおこないます。ラジアル・フレクションをやっている最中は、肘を曲げないように注意しましょう。
- 立った状態で、右手でダンベルのうしろ側を持つ
- 肘を伸ばしたまま、ダンベルの前方を引き上げるようにして、手首を動かす
- ダンベルの前方が持ち上がったら手首を下げて、①の状態に戻す
- 右側が済んだら左手にダンベルを持ち替え、同じ要領で右手と同回数おこなう
ハンドグリップを使った鍛え方
難易度 | ★☆☆☆ |
鍛えられる部位 | 深指屈筋、浅指屈筋 |
回数 | 1日30回×3セット |
ハンドグリップを使った鍛え方は、ハンドグリップを握ることを繰り返すという、非常にシンプルなものです。握る力を強くすることで、深指屈筋・浅指屈筋(前腕屈筋群)を鍛えることができます。
手首を強くするためには、握力の50~70%程度の負荷がよいとされています。たとえば握力が40kgの場合、20~28kg程度の負荷のハンドグリップを選ぶのがおすすめです。
- ハンドグリップを右手で持ち、握って離すを繰り返す
- 左手も同じ要領で、右手と同回数おこなう
スナップボールを使った鍛え方
難易度 | ★★☆☆ |
鍛えられる部位 | 前腕筋、上腕筋、三角筋 |
回数 | 片手ずつ3分間程度 |
スナップボールは中のローラーを回転させ、回転方向に手首を回すことで、前腕の筋肉や握力を鍛える道具です。ひもが付いている商品とひもなしの商品が販売されていますが、ひもなしのやり方を説明します。
- 両手でローラーを回し、手を離す
- ボールを持って手首を回しながら、中のローラーを加速させていく
- ローラーの回転方向に手首を回し続ける
パイプ椅子を使った鍛え方
難易度 | ★★☆☆ |
鍛えられる部位 | 前腕筋 |
回数 | 10回程度×1~3セット |
パイプ椅子を使った鍛え方とは、前腕と手の力だけを使ってパイプ椅子を上げ下げし、前腕の筋肉を強くしていく方法です。パイプ椅子が学校や職場にあれば、お金をかけずに手首のトレーニングができますので、活用していきましょう。
- 畳んだ状態のパイプ椅子を横にして持ち上げる
- 脇をしめた状態で肘を曲げ、パイプ椅子を胸の高さまで持ち上げる
- 脇をしめたまま腕を下ろし、①の状態に戻す
手首を鍛えるときにおすすめのグッズ3選
手首を鍛えるときのグッズは、比較的安価で手に入れることができ、初心者でも扱い方が簡単な、以下の3つがおすすめです。
・ダンベル
・ハンドグリップ
・スナップボール
特にハンドグリップとスナップボールは小さく軽量なので、持ち歩きやすく、隙間時間にもトレーニングができます。
Northdeer ダンベル 可変式 5kg
Northdeer ダンベル 可変式 5kg
サイズ | 30cm×27cm×16.5cm |
重量 | 5kg |
カラー | プレート:シルバー 接続棒:ブラック×レッド |
ポイント | ・プレートを付けたり外したりすることで負荷が変わる可変式 ・サイズが小さめで握りやすい |
Northdeerの5kgダンベルは、サイズが小さめで握りやすく、負荷を自分で変えることができるため、軽い負荷からトレーニングを始めたい女性や初心者におすすめです。
リストカールなどのトレーニングはケガ防止の観点から、初心者によい負荷は3kg前後とされています。Northdeerの5kgダンベルは2.5~5kgまで負荷を変えることができるため、トレーニングを続けていくうちに負荷を高くしたくなっても、買い替える必要がありません。
oscalee ハンドグリップ
oscalee
負荷調整式ハンドグリップ
サイズ:10.8cm×16.2cm×2.8cm
重量:160g
カラー:4色
ポイント:
・負荷が5kg~60kgと自由に変更できる
・カウンターが付いている
・ハンドルが握りやすい
oscaleeの負荷調整式ハンドグリップは、負荷が5~60kgまで設定でき、自分の握力の強さに合わせたトレーニングが可能です。ハンドグリップの負荷は、握力の50~70%程度にするとよいとされています。一番握力が高い30代男性の握力の平均値が47kgのため、60kgまで負荷がかけられるこのハンドグリップは、初心者から上級者まで、幅広い層におすすめです。
カウンター付きで、自分で数を数える必要がなく、トレーニングに集中できます。
BUTEFO スナップボール
BUTEFO
BUTEFOのスナップボール
サイズ:ー
重量:275g
カラー:2色
ポイント:
・オートスタート機能でひもが不要
・ストラップ付きで手から落ちても安心
・カウンター機能付き
BUTEFOのスナップボールはオートスタート機能が付いているため面倒な操作が必要なく、初心者でも扱いやすい商品です。ストラップ付きで、まだ握力が弱い段階で回している最中に手がボールから離れても、飛んでいくことがないため、安全にトレーニングができます。
カウンター付きで累計回転数、瞬間回転数、時間の計測が可能です。トレーニングに役立つのはもちろん、人と競い合ってゲーム感覚で腕や握力を鍛えられるため、楽しんで続けることができます。
手首のストレッチ方法2選
手首のストレッチでは、立ったまま手を引く方法や、四つんばいで手を伸ばす方法を用い、疲労がたまり凝り固まった前腕部や手の筋肉を伸ばすことで、手の疲労を回復させたり、腱鞘炎を予防します。
手首を鍛えることで負担がかかり続けると、手首の可動域に制限が出たり、上手く力が入らなくなったりします。定期的に手首のストレッチをして、筋肉を伸ばし、手首をいたわってあげましょう。
立ったままおこなう方法
難易度 | ★☆☆ |
効果がある箇所 | 前腕伸筋群、前腕屈筋群 |
キープ時間 | 左右各15~30秒 |
立ったままおこなう手首のストレッチは、腕を伸ばして手を引いたりねじったりするという簡単なもので、手のひらにある筋肉や、前腕伸筋群・前腕屈筋群を伸ばすことができます。
あまり力を入れて手を引っ張ると、手首や筋を痛めてしまうため、自分が気持ちいいと思う程度に伸ばしましょう。
- 右指を下に向け、手のひらを前に突き出して伸ばす。
- 左手で右手を取り、手前に引いて手首を伸ばす
- 小指側を手前にひねって引く
- 反対の親指側を手前にひねって引く
- 右手のひらを正面に戻し、手前に引いて手首を伸ばし、15~30秒キープする
- 甲側を前に突き出して伸ばし、②~⑤を繰り返す
- 左手も同様におこなう
四つんばいでおこなう方法
難易度 | ★★☆ |
効果がある箇所 | 前腕屈筋群 |
キープ時間 | 15~30秒 |
四つんばいでおこなう手首のストレッチは、逆向きに手をついて重心をずらしたポーズをキープすることで、前腕屈筋群を伸ばすことができます。
勢いよくお尻を引くと手首や筋を痛めてしまうため、自分が気持ちいいと思う程度に、ゆっくり伸ばしていきましょう。
- 四つんばいになり、指先が手前にくるように床に手をつく
- 手を離さずに、お尻を後方に引く
- 15~30秒キープする
手首を鍛えてパフォーマンスを向上させよう
手首を鍛えて球技でのパフォーマンスを向上させると、投げたり打ったりする場面で強い力が発揮できたり、力のコントロールがしやすくなるため、自分が思い描いた通りのプレーに近づけることができます。また、手首を強くすることで手首にかかるストレスに対して耐性がつくため、ケガを予防でき、投げたり打ったりするときに力を存分に発揮できます。
正しい鍛え方で手首を鍛えてスナップを強くし、部活動や試合で活躍しましょう。
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